メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第7作。
ジェームズ・ワンが監督を務めた、2015年製作のアメリカのメガヒットカー・アクション映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』。
自由の身となり、平穏な毎日を過ごしていた凄腕のストリート・レーサーであるドミニク・トレットたちの前に、一国の軍隊に匹敵するほどの強さをもつ元イギリス特殊部隊員デッカード・ショウが弟の復讐をしに現れる物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
凄腕のストリート・レーサー集団VS圧倒的強さを誇る暗殺者の激闘を描いた「ワイルド・スピード」シリーズ第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』の作品情報
(C)2014 Universal Pictures
【日本公開】
2015年(アメリカ映画)
【監督】
ジェームズ・ワン
【脚本】
クリス・モーガン
【キャスト】
ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、エルサ・パタキ、ルーカス・ブラック、ジェイソン・ステイサム、ジャイモン・フンスー、トニー・ジャー、ロンダ・ラウジー、ナタリー・エマニュエル、カート・ラッセル、ジョン・ブラザートン、アリ・ファザール、ロメオ・サントス、ノエル・グーリーエミー、ルーク・エヴァンス、バウ・ワウ、ナタリー・ケリー
【作品概要】
「ソウ」シリーズのジェームズ・ワンが監督を務めた、アメリカのメガヒットカー・アクション作品。前作『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013)の続編となる「ワイルド・スピード」シリーズ第7作です。
「ワイルド・スピード」シリーズでお馴染みのヴィン・ディーゼルやポール・ウォーカーらオリジナルキャストに加え、新たに「トランスポーター」シリーズや『PARKER/パーカー』(2013)などに出演するジェイソン・ステイサムが、悪役デッカード・ショウ役で出演。
映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』のあらすじとネタバレ
(C)2014 Universal Pictures
イギリス・ロンドン。元イギリス軍特殊部隊員の暗殺者デッカード・ショウは、病院にいた警備隊をたった1人で壊滅させ、入院している弟のオーウェンの元を訪れました。
オーウェンはロンドンで暗躍する国際犯罪組織のボスでした。しかしアメリカ外交保安部(DSS)のルーク・ホブス捜査官、彼と協力関係にある元国際指名手配犯のストリート・レーサー、ドミニク・トレット(愛称ドム)との戦いに敗れ、意識不明の重体となってしまいました。
デッカードは弟をこんな目に遭わせたドムたちと、ドムの仲間(ファミリー)への復讐を誓いました。
デッカードはまず、ホブスと彼の部下エレナ・ニベス捜査官がいるDSS本部を襲撃。ホブスとの格闘の末、彼のオフィスを爆破して立ち去りました。
そしてデッカードは、ホブスのPCから抜き取ったファミリーの情報をもとに、手始めに東京にいるファミリーの1人ハン・ソウルオーを事故に見せかけて殺害しました。
一方ドムは、オーウェンから取り戻した記憶喪失の恋人レティ・オルティスとの関係に苦悩していました。
ドムはレティを、2人の思い出のレース「レース・ウォー」に参加させてみましたが、レティは記憶を取り戻すどころかパニックを起こしてしまいます。
その後、レティは自分の墓を見て、自分が一度死んだことになっていることを知りました。
レティの中に、ドムと過ごした15年間の記憶はありません。ドムと一緒に同じ思い出を語ることもできないのです。
それが結果的にレティを精神的に追い詰めてしまい、記憶を完全に取り戻すまでは、ドムから離れるしかありませんでした。
その頃、ドムの相棒ブライアン・オコナーは、ドムの妹ミアと彼女との間にできた息子ジャックと一緒に、ロサンゼルスで平穏な毎日を過ごしていました。
ですがブライアンは内心、ドムと世界各地で走ってきた頃に感じたスリルと興奮が忘れられず、どこか物足りなさを感じていました。ミアはそれを知っているからこそ、2人目の子供を妊娠したことを、ブライアンに打ち明けられずにいました。
(C)2014 Universal Pictures
そんなブライアンたち家族の元に、ドムが帰還。ミアは彼にだけ、2人目の子供を妊娠したこと、それをブライアンに言えば、より彼を束縛してしまいそうだと不安に思っていることを打ち明けました。
ブライアンがジャックをミニバンに乗せ、それをミアとドムが見送っていた時、ドムに電話がかかってきます。
「トレット、じきに俺を知る」………そうデッカードが告げた直後、彼が送りつけた爆弾入りの小包が爆発。家を木っ端微塵にされ、大事な家族が殺されかけたことに憤ったドムは、電話の主の正体を知るべく、入院中のホブスの元を訪ねました。
「俺たちがロンドンで追っていたオーウェン・ショウを覚えてるか? 俺もあいつの兄にやられた」「兄の名前はデッカード・ショウ、イギリス軍の特殊部隊員だが、イギリス政府に記録がない」
「イギリス政府は、怪物みたいなあいつを必要悪としていたが、やがて邪魔になった。知りすぎていると判断したんだ」「そこでイギリス政府は、20人の工作員を送り奴を殺そうとしたが、奴はどこかへ消えちまった」
「退院したら、生まれてきたことを後悔させてやる。だからそれまで、お前は大人しくしてろ」「それは無理な相談だぜ」
「それが無理なことくらい分かっているから、友人として忠告する。やるべきことをしろ」「奴を見つけたら1つ頼みがある、必ず倒せ」
この間、ブライアンたち家族は、ドミニカ共和国モンテクリスティに豪邸を持つドムの親友マンドに匿ってもらっていました。
実はマンドは、リオでの金庫強奪の際、同じ型の金庫をダミーとして送った人物でした。ドムはミアたち家族を匿ってもらうよう、マンドに頼んでいたのです。ドムから連絡を受けたミアは、ブライアンに妊娠のことは伝えないまま、彼をロサンゼルスへ送り出しました。
翌日。東京へ来日したドムは、ハンがドリフトを教えた、「D.K(ドリフト・キング)」の異名を持つ現役高校生の走り屋ショーン・ボズウェルに勝負を挑みます。
ドムとのレース後、ショーンはハンの遺品である、ハンの亡き恋人ジゼル・ヤシャールの写真と、事故現場にあったレティのネックレスを渡しました。
そのまた翌日。ハンの遺体を引き取ったドムは、ブライアンたちファミリーを集めて、ハンの葬儀を行いました。ファミリーがハンの死を悼む中、ドムはハンを殺したデッカードへの復讐を誓いました。
「俺たちの心に生きる者は死にはしない。だが命を奪った者は、同じ目に遭わせる」
以下、『ワイルド・スピード SKY MISSION』ネタバレ・結末の記載がございます。『ワイルド・スピード SKY MISSION』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2014 Universal Pictures
葬儀中、ドムは少し離れた場所で、こちらを見張るデッカードの姿を目撃。すぐさま赤茶色の愛車プリムス・ロードランナー(1970年式)に乗り込み、灰色のマセラティ・ギブリ(2014年式)に乗って逃走するデッカードを追跡します。
カーチェイスの末、地下駐車場で2人は互いの車を正面衝突させ、車から出たドムの手にはトンカチ、デッカードの手には銃と一触即発となりました。そこへ突如「ミスター・ノーバディ」と名乗る男が率いる特殊部隊が現れ、ドムはデッカードを取り逃がしてしまいました。
デッカードが去った後、ミスター・ノーバディはドムにこう言いました。「奴と我々の間では戦争が続いている。君はロンドンでの一件でそれに巻き込まれたんだ」
「我々は奴の居所を知っているが、どうする? ついてくるか?」………ドムはデッカードの居所を掴むため、ミスター・ノーバディについて行くことにしました。
カリフォルニアにある秘密作戦本部に到着後、ミスター・ノーバディはドムにこう言いました。
「デッカードはイギリスで最強の殺し屋だ」「だが奴を捕まえるより、君に興味がある」「君とならある目的を達成できる」
「テロリストのモーゼ・ジャカンディたちが、ラムジーというハッカーを拉致した」「このことで我々が慌てる理由は、ラムジーが世界中のありとあらゆる情報機器に侵入し、データを入手することができる追跡装置“神の目(ゴッド・アイ)”の開発者だからだ」
「だが政治的な理由で、軍を使ったラムジーの救出作戦はできないんだ」「だから君にラムジーの救出を頼みたい」「ラムジーを救出したら、神の目を使わせてやる」………ドムは自分のやり方で、ファミリーとやることを条件に、ミスター・ノーバディの提案を了承しました。
ミスター・ノーバディの部下に連れられ、ブライアンと彼の幼馴染ローマン・ピアーズ、ブライアンのマイアミ時代の仲間で電子機器のスペシャリスト、テズ・パーカーが秘密本部へ集結。
ミスター・ノーバディはドムたちに、今後の動きを伝えます。
「ラムジーは装甲車で山岳地帯へ移送される」「ラムジー奪還のチャンスはこの山の中だけだ」「この山の中の一本道で崖が続いており、装甲車の前後を兵士に守らせている」
そこからどうやってラムジーを救出するか、作戦を決めたいローマンと、ミスター・ノーバディの部下シェパードが言い合います。
その作戦会議中、ミスター・ノーバディが呼んだレティが登場。ドムはレティと気まずいまま、ブライアンたちと一緒に、作戦に必要な車両を改造していきます。
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その後、ドムたちは改造車ごと、ミスター・ノーバディの部隊が操縦する飛行機からパラシュート降下し、アゼルバイジャンのコーカサス山脈を移動中のジャカンディの車両部隊を空から急襲しました。
壮絶なカーチェイスの末、ドムたちはラムジーを無事救出。装甲車に乗り込んだブライアンから、ドムはラムジーを受け取り、装甲車のボディにダッジ・チャージャー(1970年式)の外装パネルを被せたワンオフカスタムカーに乗せます。
その直後、突如防弾装備を施した灰色の軍用バギー「ファスト・アタック」に乗るデッカードが乱入。ドムはラムジーを守りながら、復活した敵車両1台を排除し、デッカードとカーチェイスを繰り広げていきます。
デッカードも、ドムとの戦いに邪魔な敵車両1台を排除し、ドムの車に何度も体当たりして崖へ追い詰めていきました。
ブライアンは装甲車内で、ジャカンディの部下キエットと格闘戦を繰り広げていましたが、その最中にキエットが放った銃弾により、装甲車を運転していた男が死亡。
そのせいで装甲車はコントロールを失い、横転したまま崖まで滑っていきました。キエットはブライアンを装甲車に閉じ込め、装甲車の後ろから飛び降りてそのまま逃走。
ブライアンは自力で装甲車から脱出し、転落寸前の装甲車の上からジャンプ。緑のダッジ・チャレンジャー SRT-8(2011年式)に乗るレティによって救出されました。
ドムの窮地を救ったのは、テズによって強制的に落とされたせいで、皆とはぐれてしまっていたローマンでした。オフロード仕様に改造された銀色のシボレー・カマロ Z28(1967年式)に乗るローマンと協力し、ドムはデッカードの車を崖へ落としました。
ドムはローマンを皆の元へ先に戻らせ、敵の増援部隊を崖まで引きつけます。ドムの車を包囲した複数の敵車両の中から、ジャカンディが姿を現しました。
ドムはジャカンディの目の前でドリフトし、離れた場所から狙撃しようとしていたデッカードと、機関銃を向けるジャカンディの部下たちの目を眩ませた上で、あえて崖へダウンヒルします。
そして、崖下にやって来たブライアンたちと合流しました。自分を助けてくれたドムたちを信用し、ラムジーは「アブダビにいる友人に神の目を譲った」と告げました。
アブダビへ向かう道中、ドムは久々に刺激的なことをしたと喜ぶブライアンに、こう言いました。
「お前は列車や飛行機から跳んだ勇敢な奴だ。一番勇敢な行動は、ミアの夫になったこと、ジャックの父親になったこともだ」「皆刺激を求めるが、大事なのは家族だ。お前の家族を大切にしてくれ」
(C)2014 Universal Pictures
その後、飛行機から降りたドムたちは、それぞれ新しい車に乗り換えます。
ドムはラムジーと一緒に赤のダッジ・チャージャー RT(15年式)に、ブライアンは青のマクラーレン・MP4-12C スパイダーに。レティは黒のダッジ・パイパーSRT-10に、テズは黄色のフェラーリ・458イタリア(2010年式)に、ローマンは白のブガッティ・ヴェイロン(2011年式)に乗り、UAEのアブダビへ向かいました。
アブダビに到着後、ドムたちはビーチにいたラムジーの友人サファーに会いましたが、彼はあろうことか、ヨルダンの王子に車のパーツとして神の目を売ってしまったのです。
しかも神の目は王子が所有する、防弾仕様の赤のWモーターズ・ライカン ハイパースポーツに搭載されてしまった挙句、高層ビルの最上階に保管されていました。
翌日。正装したドムたちは、王子主催のパーティーに潜入。サーバールームに侵入したテズとラムジーの指示に従い、ドムたちは各自与えられた役割を果たしていきます。
王子の私設警備隊とその女リーダーのカーラ、警備員10名、そしてデッカードとの戦いが勃発したものの、ドムとブライアンはWモーターズ・ライカン ハイパースポーツを強奪。
高層ビル3棟の間を突き抜けた末に、神の目を奪還したドムとブライアンは、ブレーキが利かなくなったWモーターズ・ライカン ハイパースポーツから脱出。転落したWモーターズ・ライカン ハイパースポーツは大破しました。
その日の夜。ドムたちはサファーが営む自動車修理工場で、ミスター・ノーバディとシェパードと合流。神の目を使って、デッカードの居所を突き止めようとします。
夜明け前。デッカードの居所を突き止めたドムはブライアンと、ミスター・ノーバディ率いる部隊と共に、彼が潜伏する無人の工場への急襲を図りました。
ですがそこには、デッカードの他にジャカンディ率いる部隊がいました。「敵の敵は友人」とドムに語ったデッカードは、共通の敵を持つジャカンディと手を組むことにしたのです。
精鋭揃いの部隊同士の銃撃戦の末、ミスター・ノーバディの部隊が痛手を被り、奮戦したミスター・ノーバディも重傷を負ってしまった挙句、ジャカンディの手に神の目が渡ってしまいました。
駆けつけた医療班によって一命をとりとめたものの、ミスター・ノーバディは戦線を離脱。ドムたちはデッカードたちとの最後の対決に挑むべく、地の利を活かせるロサンゼルスのストリートへ向かいました。
ロサンゼルスに到着したドムたちは、ドムは1人でデッカードに挑み、ブライアンたちは神の目をハッキング可能な3キロ圏内で、ラムジーを車から車へ移しながらジャカンディ率いる部隊に挑むことにしました。
最後の対決直前、ブライアンはミアに電話をかけます。その時ミアから、女の子を妊娠したことを伝えられ、ブライアンは必ず家族の元へ戻ろうと決意しました。
やがて戦いの火蓋が切って落とされ、ジャカンディは神の目と、「プレデター」というミサイルや機関銃を搭載したドローンを使ってラムジーを追跡。デッカードは神の目で捜し出したドムを追跡します。
神の目のハッキングが半分完了した頃、青の日産・GT‐R R35(2014年式)に乗るブライアンは、ローマンとテズが乗るベージュのシボレー・カプリス(1987年式)にラムジーを移しました。
その直後、ドローンから発射されたミサイルによってGT-Rが大破。ブライアンは間一髪のところで脱出しました。
しかし完全にハッキングするまであと一歩のところで、ハッキングに使っていた電波塔が破壊されてしまいます。
さらに地元警察まで駆けつけてくる始末です。そのためローマンたちは、ドローンによって車が破壊される前に脱出し、ラムジーをレティの車に移します。
しかしドローンに執拗に攻撃され、窮地に陥ったレティたち。そこへホブスが救急車を運転して駆けつけ、プレデターを破壊しレティたちの窮地を救いました。
ブライアンはテズの指示に従い、携帯電話の中継アンテナを拝借しに行くと、ジャカンディが送り込んだキエットと、他数名のジャカンディの部下に遭遇。
銃撃戦の末、ブライアンはキエットとの一騎討ちを制し、中継アンテナのケーブルをスマホに繋げます。これにより、ラムジーは神の目をハッキングして4機の戦闘機を出動させ、ジャカンディが乗るヘリを狙いました。
(C)2014 Universal Pictures
一方ドムは黒のダッジ・チャージャー(1970年式)に乗り、駐車場の屋上でデッカードが乗る灰色のアストンマーティン・D89(2004年式)と正面衝突。
直前でウィリー走行し、アストンマーティンを破壊。さらにドムは、弾切れの銃の代わりに車の部品を武器にしたデッカードに、ショットガンを向けます。
ところがドムはショットガンから2本のレンチに変え、デッカードとの対決に挑んだのです。
最終的に互いに武器を捨て、肉弾戦にて決着をつけることになったドムとデッカード。そこへ、デッカードもろともドムを殺そうとするジャカンディが乗るヘリが襲来。
2人がいる屋上にミサイルが放たれ、デッカードの足元周りに亀裂が生じます。ドムはこれを好機と捉え、足でその亀裂を踏み抜き、デッカードを転落させました。
ジャカンディとドムが対峙したその時、無人機に搭載された機関銃を持ったホブスが登場。機関銃でヘリを攻撃します。窮地に立たされたジャカンディは、ホブスを追いかけてきたレティの車を狙い撃ちにします。
無線からレティの助けを求める声を聞き、ドムはデッカードの手榴弾を車に積み、ジャカンディの注意を引きつけます。
何発もミサイルが撃ち込まれたため、駐車場は崩壊寸前。するとドムは、駐車場から飛び出し、すれ違いざまにヘリに手榴弾が入った鞄を引っかけます。
それを見たホブスは、地上から鞄目掛けて銃を発砲。手榴弾が爆発し、ジャカンディと彼の部下はヘリと共に炎上しました。
ホブスとブライアンたちは、大破したダッジ・チャージャーからドムを救出。昏睡状態となったドムに、ブライアンの手で救命措置が行われた際、レティは記憶を取り戻したことを伝えます。
そしてレティの口から、逃亡中にドミニカでレティとドムが結婚式を挙げていたこと、十字架のネックレスを結婚指輪代わりにしたことが明かされました。
レティの言葉を聞いて意識を取り戻したドムは、皆に結婚したことを打ち明けなかったのは、記憶を失ってもなお自分以外の男は愛さないという、彼女の愛を信じていたからだと告げました。
後日。ホブスによって逮捕されたデッカードは、CIAの秘密留置施設に収監されました。
砂浜で穏やかなひと時を過ごしていたファミリーは、ブライアンたち家族の団欒を見て、ブライアンは「家庭」という安住の場所を手に入れたことを悟りました。
その後ドムは1人、ダッジ・チャージャーに乗ってその場から立ち去りましたが、やがて「“さよなら”も言わずに行くのか?」と、白のトヨタ・スープラ JZA80(1995年式)に乗ったブライアンが追いかけてきます。
「スピードを愛してきた。だから俺たちは兄弟だ、お前も同じだった」「どこにいようと、400m先か地球の裏側でも、いつも一緒だ」
「永遠の兄弟だ」………そう心の中で思いながら、ブライアンのトヨタ・スープラと並走するドムのダッジ・チャージャー。
やがて分岐路に差し掛かり、2人の車はそれぞれ別の道へと走っていきました。
映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』の感想と評価
(C)2014 Universal Pictures
家族想いの男たちの熱き戦い
デッカードは弟オーウェンの、ドムはファミリーの1人ハンの復讐のため、作中で2人は何度も死闘を繰り広げていきます。
ロサンゼルスでのカーチェイスから始まり、ロサンゼルスにある駐車場の屋上で幕を閉じたドムたちの戦いは、とてもスリリングな展開が多く、2人の家族への想いがビシビシと伝わってくる熱きバトルばかりです。
しかもロサンゼルスでの最後の対決の仕方が、初めて対決した時と同じ、互いの車を正面衝突させるというのがまた格好良いです。
剛腕捜査官ホブスはもちろん、これまでどんな強敵も倒してきたドムとも対等に渡り合い、時には2人を圧倒することもあるデッカードの強さは、並外れたものではありません。
デッカードVSホブス、デッカードVSドムのそれぞれの対決である格闘戦は、男女問わず胸が熱くなるほど格好良いので、一瞬たりとも目を離さず鑑賞することをオススメします。
ド派手なカー・アクション
作中では、ドムたちが飛行機から車でダイブする場面や、ドムとブライアンがWモーターズ・ライカン ハイパースポーツという超高級車に乗って高層ビル3棟の間を突き抜けるほどの大ジャンプなど、これまでの「ワイルド・スピード」シリーズの作品を遥かに上回るド派手なカー・アクション場面が満載です。
ローマンがビビッてなかなか空中ダイブしなかったのが痛いほど分かるくらい、どのカー・アクション場面も観ているだけで寒気がします。
ですがそれと同時に、いろいろな視点から描かれていることによる臨場感があるため、カー・アクション映画好きの人は怖さを通り越して楽しくなってくるに違いありません。
まとめ
(C)2014 Universal Pictures
ドムたちファミリーが、ファミリーの1人を殺したイギリス最強の殺し屋を倒すべく、最後のミッションに挑むアメリカのカー・アクション作品でした。
作中ローマンはブライアンに、「もう葬式は嫌だ。だから約束してくれ、“もう葬式はない”ってな」と言っています。しかしそんなローマンの願いもむなしく、ブライアン役を演じるポール・ウォーカーは本作の撮影中、交通事故で亡くなってしまいました。
急逝したポール・ウォーカーに捧げられた本作のラストでは、彼の死を悲しむドム役のヴィン・ディーゼルの気持ちを表現した歌が流れます。
「お前がいない日はとてもつらい。もし会えたらそのことを話す」「お前と知り合って遠くまで来た。再会できたら思い出を語りたい」
「すごく気が合い仲間になった俺たち。絆となった友情、切れることはない」「その絆のもと、俺たちは心を一つにする。そして永遠の友に」
「お前がいない日はとてもつらい。再会できたら思い出を語りたい」………そして、ポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルの別れを表すかのように、トヨタ・スープラとダッジ・チャージャーが別々の道へと走っていく姿が描かれるのです。
ドムたち最強のファミリーの「空」でのミッションを描いた、感動のカー・アクション映画が観たい人にとてもオススメな作品です。