究極のeスポーツバトルを実写とアニメの融合で描くスポーツアクションアドベンチャー!
マルコム・D・リーが監督を務めた、2021年製作のアメリカのスポーツアクションアドベンチャー映画『スペース・プレイヤーズ』。
映画会社ワーナー・ブラザースのAIスーパーサーバー「無限バーチャル・ワールド」の中に迷い込んでしまったバスケ界のスーパースターが、はぐれてしまった息子と再会するため、人気映画キャラクターと一緒に究極のeスポーツバトルに参戦する姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ワーナー・ブラザースの歴代の作品や人気キャラクターたちと、人気NBA選手が共演するスポーツアクションアドベンチャー映画『スペース・プレイヤーズ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『スペース・プレイヤーズ』の作品情報
【公開】
2021年(アメリカ映画)
【原作】
レオ・ベンベヌーティ、スティーブ・ルドニック、ティモシー・ハリス、ハーシェル・ワイングロッド
【監督】
マルコム・D・リー
【キャスト】
レブロン・ジェームズ、ドン・チードル、セドリック・ジョー、ソネクア・マーティン=グリーン、クリス・デイヴィス、ゼンデイヤ、ジェフ・バーグマン、エリック・バウザ
【作品概要】
『ガールズ・トリップ』(2017)のマルコム・D・リーが監督を務めた、アメリカのスポーツアクションアドベンチャー作品。
バスケットボールの神様と呼ばれているマイケル・ジョーダンが主演を務めた『SPACE JAM/スペース・ジャム』(1996)の続編です。
人気NBAプレイヤーであるレブロン・ジェームズが主演を務め、「アイアンマン」シリーズのドン・チードルが共演しています。
映画『スペース・プレイヤーズ』のあらすじとネタバレ
驚異的なバスケの才能と、身長201㎝体重109キロという体格にも恵まれたプロバスケットボール選手レブロン・ジェロームは、MVPに4度輝き、世界中にファンを持つバスケ界のスーパースターです。
妻カマイヤとの間に二男一女の子供を授かり、レブロンは公私ともに幸せな人生を送っていました。
そんなレブロンには今、ある悩みがありました。それは次男のドミニク(通称ドム)が、バスケよりもゲーム開発に夢中なことです。
実は、レブロンもゲームが好きでしたが、当時のクラブチームのコーチにバスケに専念するよう言われてしまった過去がありました。
ですが今は、レブロンはそのコーチのおかげでバスケに成功しました。その経験があるからこそ、レブロンは長男ダリウスよりも、ドムに厳しい教育をしてしまいます。
それを見かねたカマイヤの助言により、レブロンは父親として接しようと、ドムを連れて、カリフォルニア州バーバンクにある映画会社ワーナー・ブラザースのスタジオへ行きました。
実はレブロンは、ワーナー・ブラザースの幹部から映画に出てみないかとオファーを貰っていたのです。
親友マイクの車に乗り、彼と一緒にワーナー・ブラザースの幹部に会ったジェローム親子は、ワーナー・ブラザースのアルゴリズム、アル・G・リズム(通称アル・G)が発案・企画したスーパーコンピューター「ワーナー3000」を使って製作するレブロンが主役の映画のプレゼンを聞きました。
「名作映画のスタジオである我々の技術で、レブロンをスキャンし、君を映画に出演させる」
「まるで鏡を見ているかのように完璧にコピーした君は、ワーナー・ブラザースのどの作品にも出演可能だ」
「君をうち(ワーナー・ブラザース)のキングにする。それが“ワーナー3000”のパワー」「我々と一緒に、永遠に刺激的な作品を作ろうよ」
そう動画でプレゼンするのは、アル・G本人。実は彼は、前々からネットでもスターであるレブロンに目をつけ、彼をパートナーに迎えたいとずっと願っていました。
何故ならレブロンの名声とアル・Gの科学技術を合わせれば、サーバーバースに囚われ誰にも知られていなかったアル・Gのことが世間に認知され、自分が主役になれるからです。
自分が立案したこの企画に自信があったアル・Gは、当然レブロンが快く引き受けてくれるだろうと思っていました。
しかし、レブロンの答えはノーでした。「悪いが俺には向いていないし、試合に専念したい」
「それにこの企画はダメだ、アルゴリズムがクズ」………同調して自分を馬鹿にしたワーナー・ブラザースの幹部はもちろん、自分をバカにして誘いを断ったレブロンに怒り心頭なアル・G。
対してドムは、「僕は結構いいと思う」と賞賛します。「僕は今ゲームを作っているんだ。“E3ゲーム合宿”というゲーム合宿に週末参加するのが楽しみで…」
「待てドム。バスケ合宿があるからそれには行けないぞ」「バスケは行く気ない」
「ビビるな。俺がお前の才能を引き出してやる」「そんなの僕は望んでない」
「だいたいバスケは嫌いだ。全部パパの押し付けだ、僕の希望は通らないし、パパは僕らしさを否定する」………ドムは初めて自分の本音を言い、レブロンに反抗しました。
そんなジェローム親子の様子を見ていたアル・Gは、2人を地下にあるワーナー3000があるサーバールームへ誘導し、自分がいるサーバーバース内に引きずり込みます。
そしてドムを別の場所に移し、アル・Gはレブロンにこう言いました。「私の案を却下し“試合に専念”したいんだろう?」
「だったら息子を取り戻すために、史上最多の囚われた観客の前で行われるバスケの試合に専念しろ」
「君のフォロワーが見て注目が集まれば、ついに私は表舞台に立てる。全世界の人々が私を知るのだ、このキング・アル・G・リズムを」
「もし君が勝てば、息子と一緒に元の世界へ帰してやろう」「負けたら、君たちはここを出られない。いつまでもずっと、ずっと永遠に」
そう話すアル・Gは、「まずはチーム編成をしろ」と言い、仲間のピートに頼んでレブロンを、ワーナー・ブラザースが製作したアニメの世界「ルーニー・テューンズ・ワールド」へ送りました。
レブロンは、アル・Gが唆したせいで仲間が他の世界へ行ってしまったことを嘆く、クールで頭の回転が速い『ルーニー・テューンズ』のキャラクター、ウサギのバッグス・バニーに協力を求めます。
最初はからかって遊ぶだけで、素直に話を聞いてくれなかったバッグスですが、同じくアル・Gに家族を奪われたレブロンに協力することにしました。
レブロンはスーパーマンやバットマンら最強のキャラクターでチームを組みたかったのですが、バッグスが連れてきたのは仲間のダフィー・ダックとポーキー・ピッグ。
ロード・ランナーとワイリー・コヨーテ、エルマー・ファッドとシルベスター・キャット。ヨセミテ・サム、タズマニアン・デビル、グラニー、トゥイーティーたちでした。
バスケのバの字も知らないメンバーに不安を覚えたレブロンは、「せめて1人ぐらいまともな選手が欲しい」と懇願し、バッグスにバスケが得意なローラ・バニーを紹介してもらいます。
DC作品のキャラクター・ワンダーウーマンがいる世界にいたローラは、アマゾンの戦士となるべく試練を受けていましたが、葛藤の末、自身を必要としているバッグスたちに協力することにしました。
レブロンたちはバッグスたちの故郷であるルーニー・テューンズ・ワールドに戻り、試合までの残り時間を使って練習に励もうとします。
しかし、バスケを真剣勝負だと考えているレブロンと、遊び心を忘れず楽しんでやりたいバッグスの意見は食い違い、2人はチームの方針を巡って真っ向から対立してしまうのです。
映画『スペース・プレイヤーズ』の感想と評価
遊び心を取り戻すレブロン
物語の初めから試合のハーフタイムまで、バスケ界のスーパースターであるNBA選手レブロンはあくまで、成功した自分のバスケが正しいと思い、ドムやバッグスたちに自分のやり方を押し付けてしまいます。
それがドムとの仲違いの原因なのですが、レブロンはバッグスたちが自分を目指してプレイしていると言われるまで、自分の過ちに気づくことができませんでした。
これじゃあまるで、ゲームよりもバスケに専念するよう厳しく指導した昔のコーチと一緒ではないか。そう気づいたレブロンは心機一転、試合後半はバッグスらしさを活かして戦います。
バッグスたちと一緒にバスケを心から楽しんでいるレブロンの姿は、まるでバスケが大好きで楽しくて仕方がない子供のようです。
いつの間にか失くしてしまった遊び心を取り戻したレブロンは、心身共に成長していてとても感動します。
ゲームを支配するアル・G
ジェローム親子に拒絶され、自分の考えを否定されてしまったアル・Gは、彼らもろとも会場にいる全ての人間とキャラを抹消するべく、ゲームを支配してしまいます。
そんな独裁者アル・Gですが、彼だって最初からジェローム親子を消したいなんて思っていません。アル・Gはただ、サーバーバースに囚われ誰にも知られぬ存在であった自分を、誰かに認めて欲しかっただけなのです。
ワーナー・ブラザースのスーパーコンピューターを駆使し、レブロンを主役にした映画を作ることで、それを立案・企画したアル・G自身が日の目を浴びられる。アル・Gはそう期待していました。
ドムも父親に認められたいと内心思っていたから、理由は違えどレブロンを見返したい同志として、彼はアル・Gに協力したのでしょう。
誰にでもある承認欲求が強かっただけに、力で他者をねじ伏せ認めさせようとしてしまったアル・Gの気持ちが、最後まで報われることがなかったのがとても悲しいです。
まとめ
バスケ界のスーパースターがアルゴリズムに連れ去らわれた息子を取り戻すため、ワーナー・ブラザースのアニメ『ルーニー・テューンズ』の人気キャラとチームを組み、究極のeスポーツバトルに挑むスポーツアクションアドベンチャー作品でした。
チームを組んだレブロンとバッグスたちの出会いと、仲間探しの旅に出た彼らの冒険は、『ルーニー・テューンズ』を知っている人も知らない人も楽しめるほど終始ワクワクさせられます。
また、レブロンたちが仲間集めしている時や試合の時には、他のワーナー・ブラザースの人気作品のキャラクターたちが沢山登場しており、自分の好きなキャラクターを見つけた時は大興奮すること間違いなしです。
エンドロールでは、物語のラストで感動の再会を遂げたレブロンとバッグスが、バッグスが連れてきた彼の仲間たちと一緒に、現実世界での生活を一緒に楽しんでいる姿が描かれていました。
バスケ界のスーパースターやNBA選手本人が出演する、ワクワクドキドキが止まらない究極のeスポーツバトルを描いたスポーツアクションアドベンチャー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。