「二十世紀の至宝」カール・テオドア・ドライヤー監督作品
『裁かるゝジャンヌ』『怒りの日』『奇跡』『ゲアトルーズ』を上映!
「二十世紀の至宝」と謳われ、世界映画史が誇る孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー監督珠玉の4作品がスクリーンで蘇ります。
「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」が、2021年12月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次開催します。
併せて著名人からのコメントが到着、デンマークから貴重なメイキング写真も解禁となります。
CONTENTS
「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」について
1889年2月3日にデンマーク・コペンハーゲンで生まれ、79年の生涯で長編14作品を発表したカール・テオドア・ドライヤー。
人間の心の本質をフィルムで捉え続け、常に独創的で革新的な作品を生み出し後世に多大なる影響を与えました。
今回の上映作品は、“人間”ジャンヌ・ダルクを描いた無声映画の金字塔『裁かるゝジャンヌ』、魔女狩りが横行した混沌の時代を映し出した衝撃作『怒りの日』、家族の葛藤と信仰の真髄を問い、ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した傑作『奇跡』、愛を探し求め続けた一人の女性の姿を完璧な様式美の映像で捉えた遺作にして集大成的作品『ゲアトルーズ』の4作品をラインナップ。
すべてデジタルリマスターされた素材での貴重な上映となります。
映画『裁かるゝジャンヌ』『奇跡』『ゲアトルーズ』のメイキング写真
この度、特集上映に併せてデンマークより、『裁かるゝジャンヌ』『奇跡』『ゲアトルーズ』の撮影当時の貴重なメイキング写真が到着しました。
『裁かるゝジャンヌ』からはジャンヌが火刑に処されることになる処刑場のセットを背にしたドライヤー監督の姿を捉えたカット、『奇跡』からはボーオン家長男の妻・インガーを演じたビアギッテ・フェザースピルに監督が真剣に演技指導をしている姿、『ゲアトルーズ』からはドライヤー監督が真剣な眼差しで撮影を見届ける姿とスタッフと談笑するカットの計4点が解禁となりました。
著名人からのコメントも到着!
この度、特集上映に併せて映画監督をはじめとした著名人からのコメントが届きましたのでご紹介します。
アルノー・デプレシャン(映画監督)のコメント
『ゲアトルーズ』は、サイレント映画が音を迎え入れた作品として革命的な作品と言えるだろう。
燃えるような熱さと、凍えるような冷酷さの両方をあわせ持ち、その緊張関係が、この作品の美しさとなっている。
万田邦敏(映画監督)のコメント
ドライヤーほどいまもって先端的な映画作家は他にいない。それが証拠に、『裁かるゝジャンヌ』から『ゲアトルーズ』に向けて進化していく、登場人物のあの形容不能で奇妙な「まなざし」が持つ刺激の秘密を、批評でも実作でも解き明かせたものはいないのだ。
深田晃司(映画監督)のコメント
私たちの現実には一生起こりえないかもしれない「奇跡」に、ある種の映画は軽やかに到達してしまう。
ドライヤーの『奇跡』はまさにその一本である。
しかし考えてみれば映画もまた私たちにとって一つの体験であるのだから、そこに起きる奇跡はやはり本物の奇跡なのだ。
三宅唱(映画監督)のコメント
たとえば『怒りの日』冒頭、〈なにか〉が動きだす。ゆっくりと、すこしずつ、しかし確実に動きだす。
その変化が美しくて、恐ろしくて、艶かしくて……
いや、何といえばいいか言葉にならず、狂おしい。何度みても驚く。
石橋英子(音楽家)のコメント
ドライヤーの映画ほど、見た後に人間の顔を当たり前のように見れなくなる映画監督はいない。
火葬場で骨が顔を構成している様を見るように、登場人物の顔そのものから目が離せなくなる。
破れ目が見えてくる。まるで向こう側から破れ目を通してこちらに光が差してくるようだ。
中原昌也(ミュージシャン・作家)のコメント
“吸血鬼が日光で腐敗するような一瞬を、永遠の時間に投射するエクスタシー。
ドライヤーは映画に神々しい光の奇跡を発見した。
いつまでもスクリーンで鑑賞されるべき傑作の数々に、ひたすらにため息”。
映画『裁かるゝジャンヌ』の作品情報
【製作】
1928年(フランス映画)
【監督・脚本・編集】
カール・テオドア・ドライヤー
【キャスト】
ルネ・ファルコネッティ、アントナン・アルトー
【作品概要・あらすじ】
ジャンヌ・ダルクは百年戦争で祖国オルレアンの地を解放に導くが、敵国イングランドで異端審問を受け司教からひどい尋問を受けます。
心身ともに衰弱し一度は屈しそうになるが、神への信仰を貫き自ら火刑に処される道を選び処刑台へと向かっていく…。
実際の裁判の記録をもとに脚本化、“人間”ジャンヌ・ダルクを映し出した無声映画の金字塔的作品。
映画『怒りの日』の作品情報
【製作】
1943年(フランス映画)
【監督・脚本】
カール・テオドア・ドライヤー
【キャスト】
ハンス・ヴィアス=イェンセン
【作品概要・あらすじ】
中世ノルウェーの村で牧師アプサロンと若き後妻アンネの夫婦は平穏に暮らしていました。
しかし、前妻との一人息子マーチンが帰郷するとアンネと親密な関係に。そんな折アプサロンが急死し、アンネが魔女として死に至らしめたと告発を受けてしまい…。
陰影を巧みに使ったモノクロームの映像美で、魔女狩りが横行する時代の複雑に絡み合う関係性を映した衝撃作です。
映画『奇跡』の作品情報
【製作】
1954年(フランス映画)
【監督・脚本】
カール・テオドア・ドライヤー
【キャスト】
ヘンリック・マルベア、エーミール・ハス・クリステンセン
【作品概要・あらすじ】
ユトランド半島に農場を営むボーオン一家が暮らしていました。
長男の妻で妊婦であるインガーはお産が上手くいかず帰らぬ人に。家族が悲嘆に暮れる中、自らをキリストだと信じ精神的に不安定な次男ヨハンネスが失踪、しかし突如正気を取り戻しインガーの葬儀に現れます。
カイ・ムンクの戯曲「御言葉」を原作に、演劇的目線で家族の葛藤と信仰の真髄を問う傑作です。
映画『ゲアトルーズ』の作品情報
【製作】
1928年(フランス映画)
【監督・脚本】
カール・テオドア・ドライヤー
【キャスト】
ニーナ・ペンス・ローゼ、ベント・ローテ
【作品概要・あらすじ】
弁護士の妻であるゲアトルーズは夫との結婚生活に不満を抱き、若き作曲家エアランとも恋愛関係にありました。
ある日、彼女の元恋人であり著名な詩人ガブリエルが帰国し祝賀会が催され、ゲアトルーズはエアランの伴奏で歌唱するが卒倒してしまいます。
愛を探し求め続けたゲアトルーズの姿を完璧な様式美の画面におさめ会話劇に徹したドライヤー遺作にして集大成的作品です。
特集上映前売券・販売情報
【発売日】
全国共通特別鑑賞券が販売中!
【特典・価格】
ポストカードセット付4回券 /¥4,000(税込)
※当日1回券:一般¥1,800、大学・専門学生・シニア¥1,300の処
※シアター・イメージフォーラム窓口、メイジャー・ネット通販ほかで発売中!
まとめ
孤高の映画作家の魂揺さぶる珠玉の4作品がデジタルリマスターでスクリーンに蘇ります。
特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」は、2021年12月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次にて開催です。