これまで数々の映画を手掛けてきたマーティン・スコセッシ監督。
映画賞レースでは必ずと言っていいほど名前が挙がる、ハリウッドを代表する名監督です。
今回はマーティン・スコセッシ監督の作品の中から厳選した5作品をご紹介したいと思います!
その前に…
2017年1月21日、スコセッシ監督の最新作『沈黙―サイレンス―』が公開されましたね!
この映画は、遠藤周作の小説「沈黙」を映画化した歴史ドラマで、窪塚洋介や浅野忠信ら日本人俳優が出演していることでも話題になっています。
スコセッシ監督が原作を読んで以来28年間温め続けてきた企画が念願の映画化となりました。
果たしてどんな映画に仕上がっているのか、これはぜひスクリーンで鑑賞したいですね。
CONTENTS
1.ロバート・デ・ニーロ主演の名作『タクシードライバー』(1976)
『タクシードライバー』の作品概要
1976年のアメリカ映画。出演はロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ピーター・ボイル、ジョディ・フォスターなど。
『タクシードライバー』のあらすじ
人と接することを好まず、孤独に生きるトラビスはタクシー運転手。
客に命令されるまま車を走らせる毎日。ある日アイリスという少女と偶然出会い、彼女がポン引きの男に追われているのを目の当たりにし、彼はこの世界を自分が浄化してやるという思いを募らせます。
そして、体を鍛え、銃を覚えたある日のこと、強盗事件に遭遇した彼は躊躇することなく犯人を撃ち殺してしまいます。
『タクシードライバー』のおすすめポイント
この作品は第29回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞しました。
若かりしロバート・デ・ニーロが主演、少女アイリスをジョディ・フォスターが演じています。
マーティン・スコセッシ監督の名作の1つで、今でもこの作品のファンという方も多いです。
デ・ニーロが鏡に向かって自問自答するシーンは秀逸です。このシーンは、脚本に書かれておらず監督とデ・ニーロが即興で練ったのだそうです。
2.実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの半生を描く『レイジング・ブル』(1980)
『レイジング・ブル』の作品概要
1980年のアメリカ映画。主演は「タクシードライバー」のロバート・デ・ニーロ。彼はこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞。
『レイジング・ブル』のあらすじ
1941年ジェイクは黒人のミドル級ボクサーであるシュガーと対戦。
内容的には敵を叩きのめしたジェイクだったが、まさかの判定負け。
ジェイクは翌日妻に八つ当たりし、昼間から酒を飲んでいました。
やがてジェイクは美女ビッキーと出会い、猛アプローチをかけやがて結婚。
因縁のシュガーとの戦いは1943年にKO勝ちを収めるも、同年に行われた再戦では判定負け。
後に「ブロンクスの猛牛」とも呼ばれるようになるジェイクですが、八百長試合を強いてくる組織との関係などに悩まされながらも栄光をつかみとります。
しかし妻や弟ジョーイに対し猜疑心や嫉妬心を募らせ、信頼できる人間が離れていくことで凋落していくことに…
『レイジング・ブル』のおすすめポイント
実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタの自伝を元に映画化されました。
ボクシングだけやってきた彼がいかに不器用な人生を送ってきたかが描かれています。
主演のデ・ニーロは、ミドル級チャンピオンまで上り詰めた鍛え上げられた肉体と、引退後の肥満体型を表現するために体重を27kg増量しました。
これは今や伝説的なエピソードとなっています。確かにすごい役者魂ですよね。
大迫力のボクシングシーンは圧巻です!
3.父を殺された青年の復讐を描いた『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)
『ギャング・オブ・ニューヨーク』の作品概要
2002年のアメリカ映画。主演は、レオナルド・ディカプリオ、ダイエル・デイ=ルイス。
『ギャング・オブ・ニューヨーク』のあらすじ
1864年.ニューヨークでは、アイルランド移民とアメリカ生まれのネイティブが対立していました。
移民である父を殺されたアムステルダムは、15年後に復讐のため素性を隠して街に戻ってきます。
しかしほどなく父を殺したビルに正体がばれてしまい、追放されてしまいます。
アムステルダムは移民たちと再び集結し、ビルたちに戦いを挑もうと決心します。
『ギャング・オブ・ニューヨーク』のおすすめポイント
スコセッシ監が構想に30年を要したと語った作品。
撮影はローマ郊外の大規模映画スタジオである「チネチッタ」に当時のニューヨークの町並みを完全再現して行われ、また撮影期間270日、制作費約150億円を投じて制作されたことで話題になりました。
膨大なお金がかかっているところも見どころですが、俳優陣も超豪華!
女スリ師のキャメロン・ディアスがとても綺麗!ダイエル・デイ=ルイスは、いぶし銀でカッコ良く、存在感抜群です。
4.香港映画『インファナル・アフェア』をリメイク『ディパーテッド』(2006)
『ディパーテッド』の作品概要
2006年のアメリカ映画。主演は、マット・デイモン、レオナルド・ディカプリオ。第79回アカデミー賞で作品賞、スコセッシ自身初となる監督賞も受賞。
『ディパーテッド』のあらすじ
ボストン南部。マフィアのボス・フランクが一帯を牛耳っていました。
幼い頃出会ったフランクに育てられたコリンは、警官となりスパイとして警察に送り込まれます。
一方、警察官のビリーはマフィアへの潜入捜査の任務が課せられます。
しかし、マフィア側と警察側で同時にスパイ探しが始まりコリンとビリーは次第に追い込まれることに…。
『ディパーテッド』のおすすめポイント
この作品は、香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクであり、日本でも2012年テレビドラマ「ダブルフェイス」のモチーフとなったことでも有名です。
どうしても本家の『インファナル・アフェア』と比べたくなってしまいますが、アメリカが物語の舞台になっているため、人間関係や結末などに本家とは違った点があるのも見どころの一つではないでしょうか。
終始緊張感の漂う展開で、オスカー受賞も納得の秀作です。
5.映画を愛する心が詰まった傑作『ヒューゴの不思議な発明』(2011)
『ヒューゴの不思議な発明』の作品概要
2011年のアメリカ映画。出演はエイサ・バターフィールド、クロエ・モレッツ。
第84回アカデミー賞では作品賞含む11部門で同年最多ノミネート。撮影賞、美術賞など計5部門で受賞。
『ヒューゴの不思議な発明』のあらすじ
1930年代パリ。少年ヒューゴは父が亡くなり叔父が行方不明になってからは、駅の時計台にひとり住んでいました。
ある日、少女イザベルとジョルジュに出会います。イザベルは、ヒューゴの父が残した壊れた機械人形を動かす鍵を持っていたのです。
さっそく2人は鍵を使って人形を動かし、思いがけないメッセージを受け取ります。
それはかつて映画監督だったジョルジュの夢にも関係することでした。
『ヒューゴの不思議な発明』のおすすめポイント
世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説「ユゴーの不思議な発明」が原作。
マーティン・スコセッシ監督初の3D映画化となった作品です。
実在の映画監督、ジョルジュ・メリエスのエピソードも多く、特撮映画の歴史にも触れることができます。
終始ドキドキさせられて、最後には感動できる、映画好きな大人におすすめの映画です。
まとめ
サスペンス、人間ドラマ、SF、ドキュメンタリー、などあらゆるジャンルの映画を製作しヒット作を次々と連発しているマーティン・スコセッシ監督。
最新作『沈黙―サイレンス―』がいよいよ公開されましたので、この機会にスコセッシ監督のこれまでの作品も観賞してみてはいかがでしょうか。