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Entry 2018/02/12
Update

映画『空海 美しき王妃の謎』あらすじとキャスト。原作者紹介も

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

東宝とKADOKAWA初の共同配給作品にして、日中共同製作映画史上最大の本格ビッグプロジェクトと話題の映画 『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』は2月24日より全国ロードショー!

企画の立ち上げから完成まで、10年の歳月をかけた本作の、あらすじやキャストなどを紹介します。

1.映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』の作品情報


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

【公開】
2018年(中国・日本合作)

【原題】
妖猫伝 Legend of the Demon Cat

【監督】
チェン・カイコー

【製作総指揮】
角川歴彦

【キャスト】
染谷将太、ホアン・シュアン、阿部寛、チャン・ロンロン、松坂慶子、火野正平チャン・ルーイー、シン・バイチン、ティアン・ユー、チン・ハオ、キティ・チャン、チャン・ティエンアイ、リウ・ハオラン、オウ・ハオ、シャー・ナン、リウ・ペイチー、チェン・タイシェン、ワン・デイ

【作品概要】
8世紀、遣唐使として日本から唐へやってきた若き僧侶の空海が、詩人・白楽天とともに首都・長安を揺るがす巨大な謎に挑む。

『さらば、わが愛 覇王別姫』『始皇帝暗殺』の名匠チェン・カイコーが監督を務め、主人公の空海を海外作品初挑戦となる染谷将太が演じる。

2.『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』の原作は


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

本作の原作小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は『陰陽師』『神々の山嶺』などで知られる、ベストセラー作家・夢枕獏の作品。

『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は1988年から2004年まで、17年かけて完結した総ページ数1900を超える作品で、文庫本にして全4巻となる大作です。

原作では空海、最澄らと入唐した橘逸勢が相棒でしたが、映画では白楽天に変更されています。

白楽天の存在をクローズアップすることで、日本の密教のカリスマである空海と、中国人なら誰でも知っている大詩人・白楽天という、日中両国の夢の組み合わせを実現させています。

3.弘法大師空海とは


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

宝亀5年(774年)に、讃岐の国、現在の香川県に生まれた弘法大師空海。

平安時代に唐(中国)に渡って「密教」を学び、それを日本に伝えた事で真言宗の開祖として知られています。

幼くして仏法に目覚めた空海は、厳しい修行の末、無名の留学僧として唐に渡り、わずか1年余りで密教を極めました。

また、宗教・書道・土木建築・慈善事業などあらゆる分野で才能を発揮したと言われています。

今作で描かれている空海のキャラクターに関して、原作者の夢枕獏は次のように語っています。

僕の小説は半分ファンタジーですし、小説を書くために作ったキャラクターではあるのですが、空海が実際にやったことをいろいろ見ていたら、こんな人物だったのではないかと立ち上がってきたんですね。多少、ネタとして盛っていますが(笑)、あながち遠くはないのではないかと思ってます。

夢枕獏は高校の頃から“日本が生んだ最初の国際人”として、空海に興味を持っていたそうです。

その興味を抱き続けた空海について、多くの記述を調査した後に、小説としてのキャラクターを作り上げたと語っています。

4.『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』のキャスト紹介

染谷将太(空海役)


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

密教の教えを求め、日本から遣唐使として唐に渡った、若き修行僧の空海。

相棒の白楽天と共に、長安の都を脅かす怪事件の謎に挑みます。

染谷将太は、1992年9月3日生まれ、東京都出身。

2001年、9歳の時に映画『STACY』でデビュー。2009年に映画『パンドラの匣』で長編映画初主演を果たします。

子役時代より多くの映画、ドラマに出演し、2011年9月には、映画『ヒミズ』で第68回ヴェネチア国際映画祭、日本人初となる新人俳優賞を受賞した、若手実力派俳優です。

ホアン・シュアン(白楽天役)


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

空海と共に長安の怪事件に挑む詩人、白楽天(後の大詩人・白居易)。

ホアン・シュアンは、1985年3月生まれ。北京舞踊学院ミュージカル学科を卒業後、俳優としてドラマや映画で活躍しています。

2007年に映画『地下的天空』で俳優デビュー、2008年には、中国の名作『紅楼夢』の最新リメイクドラマに出演し、知名度を大いに上げました。

2014年の映画『推拿(ブラインド・マッサージ)』で、目の不自由の按摩師を好演し注目を集め、2017年は巨匠、馮小剛(フォン・シャオガン)監督の新作『芳華(Youth)』でも主演を務めている人気俳優です。

阿部寛(阿倍仲麻呂役)


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

玄宗皇帝の時代に、晁衡(ちょうこう)という中国名で遣唐留学生として入唐。

皇帝に仕えつつも、その皇妃・楊貴妃に想いを寄せている阿倍仲麻呂。

阿部寛は、1983年 大学在学中にモデルデビュー、大学卒業と同時に、「はいからさんが通る」で映画デビューし、つかこうへい作・演出 舞台「熱海殺人事件~モンテカルロ・イリュージョン~」の主人公を演じ話題となります。

ダイナミックな役からエキセントリックな役までこなす演技派として知られ、出演依頼が絶えない人気俳優です。

チャンロンロン(楊貴妃役)


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

玄宗皇帝の寵愛を一身に受け、絶世の美しさを持つ皇妃、安史の乱をきっかけに、悲劇の死を遂げます。

チャン・ロンロンは、台湾とフランスの血統を持つハーフ美女で、過去に数多くの女優が演じてきた楊貴妃役に、ハーフ女優として初起用されました。

2018年1月27日に日本でも公開された、中国の若手監督5人が手がけたオムニバス映画『恋する都市 5つの物語』にも出演しています。

5.映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』のあらすじ


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐へ渡った若き天才僧侶・空海。

あるきっかけで知り合った詩人、白楽天との交流を深めていく中、世界最大の都・長安の街は、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件に見舞われます。

空海は白楽天とともに一連の事件を探る中で、阿倍仲麻呂という、約50年前に唐に渡った日本人が鍵をにぎっている事を突き止めます。

仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、そこには国中を狂わせた絶世の美女、楊貴妃がいました。

極楽の宴、妖猫の呪い、楊貴妃の真実、歴史を揺るがす巨大な「謎」、楊貴妃の命を案じた阿倍仲麻呂は何を知っているのでしょうか?

数々の謎に挑む空海と白楽天が辿り着いた真実とは…?

海を渡った若き天才僧侶・空海と、中国が生んだ稀代の詩人・白楽天、二人はやがて、歴史に隠された哀しき運命と対峙することとなります。

6.映画『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』の見どころ


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

夢枕獏の原作をカンヌ国際映画祭パルム・ドールやゴールデングローブ賞など、多数の受賞歴を誇る世界的巨匠チェン・カイコーが映画化した本作。

チェン・カイコーの本作への意気込みが凄く、原作者の夢枕獏は、チェン・カイコーと交わした会話を以下のように語っています。

「監督に『いいか獏、お前の読者が何人いるか知らないけど、この作品を千回読んだの俺だけだ。お前のことを世界一わかってるのは俺だ』と言われて『どうにでもしてください』とお任せしようと思いました」

夢枕獏は、完成した映画を見て何度も涙したそうです。

また、今回の舞台となった長安の街のセットは、東京ドーム8個分の広さで、6年かけて作られており、チェン・カイコーは映画の準備の苦労を以下のように語っています。

「グリーンバックで撮るようなことをしたくなかった。セットではなく、本物の木を植えて、本物の街を作りたいと言うと、皆驚いていましたね。街を作るのは本当に時間がかかりました。デザインに2年間、実際の建築に4年間。」

映画『始皇帝暗殺』で秦の時代の宮城や衣裳などを再現した、チェン・カイコーならではのこだわりだと思います。

更に撮影には5ヶ月、ポスプロ(撮影後の作業)に1年かけて、夢枕獏の世界観を映像化した事を語っています。

作品全体のイメージとして監督とプロデューサー陣が目指したのは、ファンタジーとアドベンチャーを融合させた壮大なスケールのエンタテインメント映画。

予告編の映像では実際に再現された長安の街の他に、CGを使用した幻想的な映像もあり、美しい世界観に期待感が高まりますね。

主演の染谷将太は、全編中国語のセリフに挑み、ホアン・シュアンに助けられながら演じた事を以下のように語っています。

「僕のセリフもサポートしてくれた。彼がいなければ、この作品はできなかった。まさに相棒。友情が深くなった」

5カ月間の長期間撮影で絆が生まれた、染谷将太とホアン・シュアンによって演じられる空海と白楽天のコンビが、どのようにして王朝を震撼させる事件に立ち向かうのか?

非常に楽しみですね。

まとめ


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

総製作費150億円をかけ、日中豪華キャストによって描かれた本作。

中国全土では約5万スクリーンで上映されるという、空前の規模で公開されています。

撮影の際には、テストを1カット終えるごとに監督・俳優・撮影スタッフ全員で確認し、演技や映像に関して全員の意見を聴き、監督から要求を出し、細かく検討しながら一つのカットを完成させていき、非常に時間をかけています。

その為、1日に撮影するのは5、6カットで、ハリウッド映画に近い撮影方法に、染谷将太や阿部寛は当初驚きましたが、チェン・カイコーの熱意を感じ、日本とは違う映像作りを楽しんだそうです。

製作費と時間を贅沢に使った「豪華絢爛」という言葉が非常に似合う、『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』。

2018年2月24日から全国公開です。


(C)2017 New Classic Media, Kadokawa Corporation, Emperor Motion Pictures, Shengkai Film

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