イ・ビョンホン主演『エターナル』は、2018年2月16日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー!
証券会社で支店長を務めるカン・ジェフンは不良債権事件により、職も地位もすべてを失います。
失意の中、シドニーに暮らす妻スジンと息子の元を訪ねたジェフンが目にするは…。
新人監督イ・ジェヨンの書き下ろしたラブ・サスペンスの脚本に惚れ込んだビョンホンの演技と衝撃のラストとは?
CONTENTS
1.映画『エターナル』の作品情報
【公開】
2018年(韓国映画)
【原題】
Single Rider
【脚本・監督】
イ・ジェヨン
【キャスト】
イ・ビョンホン、コン・ヒョジン、アン・ソヒ
【作品概要】
映画『マグニフィセント・セブン』など、ハリウッドでも活躍する韓国の国際的な俳優イ・ビョンホン主演による窃視ものサスペンス映画。
イ・ビョンホンが主人公カン・ジェフンを演じ、妻のスジン役をコン・ヒョジンが務めます。そのほか『新感染 ファイナル・エクスプレス』のアン・ソヒらが脇を固める。監督は本作が長編映画デビューとなるイ・ジェヨン。
2.映画『エターナル』のあらすじ
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証券会社の支店長カン・ジェフンは、有能なビジネスマンである以上に、妻スジンと息子を心から愛する良き家庭人でした。
息子の将来のために英語教育が必要だと考えたジェフンは妻と息子がオーストラリアに2年間留学させ、自分はソウルに残って金銭面のサポートを専念してきました。
そして間まもなく留学期間が終わり、数日後にはふたたび家族3人の生活戻れることを期待していました。
ところが会社が多額の不良債権を出し経営破綻となってしまいます。
自分が築き上げた顧客と信頼関係や、家族と暮らすための安定した収入、それまで一生懸命に働いてきた支店長の職も一夜にして何もかもを失うジェフン。
彼は精神科の薬に飲まなければならないほど、自身の心の均衡を見失っていたのです。
さらに追い打ちをかけるように「用事ができたので、帰国を1週間後に延期するわ」というメールが妻スジンから届きました。
ジェフンの疲れ切った脳裏に様々な思いが浮かんでは消えていくます。
不良債権の被害者にお詫びのメールを送り終えた彼は、すぐさま航空チケットを予約し、愛する家族に会うためにオーストラリアに旅立ちます。
スーツ姿のままシドニーに到着したジェフンは、さっそく妻と子が住む家を訪ねます。
だがそこで目にしたのは、オーストラリア人の男性と親しく笑顔で過ごす妻スジン姿でした。
あまりのショックにその場から立ち去ったジェフンは、これまでの家族との人生に思いを馳せ、妻子たちの秘密を探り始めます。
やがて残酷な真実と向き合うことになる…。
3.映画『エターナル』の感想と評価
①シナリオのテーマとアイデアの源泉は
本作で演出を務めたのは、イ・ジュヨン監督。韓国映画ファンのあなたも、まだ聞きなれない名前かもしれません。
この作品が長編映画デビュー作となっています。
主演を務めたイ・ビョンホンが脚本に惚れ込むほど、物語の語り手としての優れた能力とみせ、広告界で築いてきた演出力で、これから最も期待される新人監督として注目されています。
イ・ジュヨン監督は、自身の『エターナル』のテーマ性について次のように語っています。
「本作は、未来のために現在を犠牲にしている人々の物語です。『エターナル』を観て自分の人生を振り返り、本当に大切なものは何なのかその答えを見つけ出してください」
ジュヨン監督の語った「未来のために現在を犠牲にしている」は、シナリオのアイデアを思いついた当初からあったようです。
当時、彼女の周囲には、海外留学中の妻子へせっせと仕送りを送る一人くらしの父親たちが数多くいたそうです。
それらの様子を見ては「経済的には豊かに見えるが、果たして父親たちは本当にそれで幸せなのだろうか…」と疑問とアイデアを思いついたのです。
そこで脚本はゼロベースの想像で書いたものではなく、友人やその父親などに取材を行い、脚本のモチーフにしました。
また、学生として登場するキャラクターも、ワーキングホリデーで詐欺にあった知人の出来事をエピソードに使用して展開させ、これらをまとめて8ヶ月間かけて脚本を完成させました。
②イ・ビョンホンの印象は
この作品で主人公ジェフン役を務めるのは、2017年に日本公開された『MASTERマスター』や『密偵』など出演作が相次ぎ、韓国のみならずハリウッドでも活躍する国際的な俳優のイ・ビョンホン。
ジュヨン監督はイ・ビョンホンの俳優としてのプロフェッショナルさについて、次のように語っています。
「撮影した映像を一緒にモニターで確認しながら、カットごとに納得いくまで意見を交わしました。本当に集中力に満ちた演技をしてくれました」
確かにこのジュヨン監督のコメントは頷けるものです。
おそらくですが、ビョンホンは食事制限をしながらキャラクター作りに入り、この撮影に挑んだように伺えます。
そして本作での演技力は、これまで観てきたビョンホン映画とは全く違った演技力を見せつけるものでした。
物語のエピソードには、妻子を窃視する場面や孤独に失意の中にいるなど、あまり会話をすることのない場面も多く登場します。
本作97分間という上映時間を可能にした貢献は、脚本もさることながら、ビョンホンの観る者に見せつけた演技こそ最大の魅力だと思います。
物語に展開性もあることから、ジュヨン監督とビョンホンが、撮影したキャメラチェックに余念がなかったのも、互いの完璧主義さとして納得ができます。
②コ・ヒョジンの印象は
妻スジン役は『女は冷たい嘘をつく』などで知られる、実力派女優のコン・ヒョジンが演じています。
ジュヨン監督は、妻スジンのキャラクターと演じたヒョジンについて、次のように述べています。
「主人公の妻、スジンというキャラクターは典型的といえる良き母です。けれど妻としては複雑な心境を抱えています。このような複合的な面を持ったキャラクターの感情を、コン・ヒョジンさんは完璧に表現してくれました」
確かに夫のジェフン役も難しい役どころですが、これは妻スジンにも言えることです。
ヒョジンの映画出演作は『女は冷たい嘘をつく』ですが、その際に彼女はこれまでのチャーミングなイメージを脱ぎ捨て、冷酷さの演技に挑みました。
その甲斐もあって主演女優賞を取るなど評価も上がっています。
ジュヨン監督が言うように「複雑な心境を抱えている」と言うように、本作『エターナル』では、心の奥で葛藤する母であり女性の役です。
揺れる女性の奥底にも注目しましょう。
③アン・ソヒの印象は
そしてジェフンに助けを求める学生ジナ役に『新感染 ファイナル・エクスプレス』に出演している、元Wonder Girlsのアン・ソヒが共演を果たしました。
ジュヨン監督は学生ジナ役と演じたアン・ソヒについて次のように語っています。
「シナリオ執筆時からアン・ソヒさんを念頭に置いて書いていました。アイドルグループのメンバーとして海外公演なども経験してきたソヒさんなら、ジナを理解してくれると思いましたし、実際に役を演じる姿勢はとても真摯なものでした」
脚本段階からジナ役にはアン・ソヒを当て書きして、ジュヨン監督は書き上げたのですね。
物語展開で重要な役割のキャラクターでもあるジナ役。
彼女の前作『新感染 ファイナル・エクスプレス』の印象もあるかと思いますが、今回、アン・ソヒはどのように演じたのか、乞うご期待です。
⑤良い映画を制作したい!俳優ビョンホンの思い
本作『エターナル』は、イ・ビョンホンにとって、2005年のキム・デスン監督作品『バンジージャンプする』以来、最も衝撃的な脚本だったとし、書かれた世界観の全体的な感性と雰囲気がとても素晴らしかったと言うのです。
また、このようにも述べています。
「『エターナル』に関しては、1000万人もの観客を集めようという気持ちで出演したわけではありません、数字で映画が評価される傾向があるなかで、それが全てではないと以前から思っていました。1000万人動員という気持ちがなかったにもかかわらず、ぜひ出演したいと思ったのは、たとえ観客が少なくても映画の評価は大変高いものになると言う確信があったからです。またこのような上質なドラマが韓国映画にも登場する時が来たのだなと思いました。それほど衝撃的なシナリオでした」
ビョンホンが口にした「上質なドラマが韓国映画にも登場する時が来た」。
これは本作を鑑賞したら、きっと、あなたの脳裏にも思い浮かぶはずです。
この作品がオーストラリアでロケ撮影を敢行した理由は、当然ながら脚本に描かれた設定上のことです。
しかし物語にのめり込むうちに、どこか欧州的な映画の雰囲気を、ふと感じさせてくれます。
洗練された脚本と映像美に魅了されたとしたら、それが新たなる韓国映画の息吹だからでしょう。
劇場でご覧くださいね。
まとめ
本作『エターナル』はイ・ジェヨン監督の長編デビュー作にも関わらず、主演を果たしたイ・ビョンホンの共感の仕方は、かなりのものといえます。
ビョンホンは何度時間が戻ったとしても、『エターナル』の脚本を手に選び、出演するとまで言っています。
エターナルは万人受けする映画ではないかもしれません。しかし、ある方々には人生に残る1本になると思っています。またこの映画をご覧になって、すぐそばにいる幸せを大切にしていただけたらと思います。 イ・ビョンホン
さて、イ・ビョンホンのファンのあなた。そして韓国映画ファンのあなたも、お見逃しなく!
韓国映画『エターナル』は、2018年2月16日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー。