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Entry 2020/09/27
Update

『さくら』小説ネタバレと結末までのあらすじ解説。西加奈子原作の一匹の老犬が見守る家族のヒストリー|永遠の未完成これ完成である16

  • Writer :
  • もりのちこ

連載コラム「永遠の未完成これ完成である」第16回

映画と原作の違いを徹底解説していく、連載コラム「永遠の未完成これ完成である」。

今回紹介する作品は『さくら』です。直木賞作家・西加奈子の同名ベストセラー小説が、『三月のライオン』の矢崎仁司監督によって、実写映画化となりました。2020年11月13日、全国一斉公開となります。

                     

長谷川家は、父・昭夫、母・つぼみ、長男・一(ハジメ)、次男・薫、長女・美貴、そして犬の「サクラ」の5人と1匹の家族です。

しかし、長男ハジメの死をきっかけに、長谷川家はバラバラになっていきます。久しぶりに実家に帰ることになった次男の薫は、家族の歴史をたどるかのように、幼い頃の記憶を思い起こしていきます。

ストーリーテラーでもある薫役には北村匠海、自由奔放な妹・美貴役には小松菜奈、カリスマ的存在の長男ハジメ役には吉沢亮がキャスティングされています。

映画『さくら』の公開に先駆け、原作のあらすじ、映画化で注目する点を紹介します。

【連載コラム】「永遠の未完成これ完成である」記事一覧はこちら

映画『さくら』の作品情報


(C)西加奈子/小学館 (C)2020 「さくら」製作委員会

【公開】
2020年(日本)

【原作】
西加奈子

【監督】
矢崎仁司

【キャスト】
北村匠海、小松菜奈、吉沢亮、小林由依、水谷果穂、山谷花純、加藤雅也、趙たみ和、寺島しのぶ、永瀬正敏

映画『さくら』のあらすじとネタバレ


(C)西加奈子/小学館 (C)2020 「さくら」製作委員会

「年末、家に帰ります。おとうさん」。薫の元に2年ぶりに父から手紙が届きました。驚きすぎて一度出たしゃっくりが止まりました。

年末には彼女と過ごす約束をしていた薫は、犬のサクラを見に帰るという言い訳にもならない言い訳を残し、久しぶりの実家に帰ります。

長谷川家は5人と1匹の家族でした。兄の一(ハジメ)が4年前に亡くなり、父・昭夫が3年前に家を出て、次男の薫が上京してからは、実家には母・つぼみと妹の美貴、そして12歳になる犬のサクラの女系家族のみとなっていました。

薫は、そのまま家に上がるのをためらい、まずは庭にいるサクラに会うことにしました。

「サクラ」。返事がありません。庭には、また一段と太った母親が庭いじりをしていました。

「おかえり、お父さんが、帰ってきはったよ!」。母の顔は見えなかったが、笑っているようでした。

反対にサクラは随分痩せていました。両目は白内障で真っ白になっていたけれど、薫の声に頭を膝にすりつけてきます。

美貴はソファに座って足にマニキュアを塗っていました。「おかえり」。「ただいま」。こちらはまた随分と綺麗になったようです。

その日の晩御飯は、父のリクエストで鍋となりました。母の大きな話し声だけが響く中、どこか気まずそうな父と薫。

そんな中、美貴に家に入れてもらったサクラが、「ぐふぅ」とクサイ息を吐き、皆を和ませてくれます。

サクラは、長谷川家の幸せだった時代の象徴です。薫はサクラが家にやってきた日を思い出していました。

サクラは近所の家で生まれた子犬で、5匹いた中でも1番小さく、痩せていて、とても頼りない子でした。

濡れた目で、時折ふと遠くを懐かしそうに見つめる姿が寂しそうと感じた薫は、美貴の反対を押し切ってこの子に決めたのでした。

帰り道、ふてくされていた美貴でしたが、抱っこしてみると愛情が湧いてきます。弱々しくしっぽを振った子犬から透き通るようなピンクの花びらが落ちました。

美貴は、「この子が桜の花びらを産んだんや!女の子だもんな。名前はサクラや!」と興奮し、頬ずりしたものです。

薫たち3兄妹はサクラとよく遊びました。兄のハジメは、幼い頃からそれはそれはカッコよくスポーツ万能で、クラス中の女の子が好きになってしまうという「はじめレジェンド」を巻き起こしていました。

「ハジメ君の弟」と呼ばれ歯がゆい思いもした薫でしたが、兄ちゃんは薫と美貴にとってもヒーロー的存在でした。

特に妹の美貴は、兄のハジメにべったりでした。兄ちゃんに認めてもらいたくて危険な遊びにも参加し、そんじゃそこらの男の子には負けない伝説を残しています。

男勝りでわがまま放題の美貴でしたが、兄に劣らない美しい容姿と深みのある瞳は、誰もが振り返るほどでした。

いつも一緒だった3兄妹も、徐々に思春期に入り別々の時間が増えていきます。中学生になると、兄のハジメが彼女を家に連れてきました。

母はいつもないフルーツ盛りを置いてみたり、父は普段の休日の恰好より明らかにお洒落をしていたし、薫は「女の子は皆、犬を可愛いと言って触るもの」だと思い込み、サクラをシャンプーで洗いあげました。

美貴だけは、ふてくされ部屋から出てきませんでした。

ハジメの彼女という期待の中やってきた彼女は、薫が想像していたよりもずっと大人でした。

髪の毛をくるんと後ろにカールして、ピンクのリップを塗り、褪せたジーンズの上下を着こなし、鋭い目つきの、なんてゆうか「なめんなよ」といった感じでした。

矢嶋優子さんは、いわゆる不良と呼ばれるタイプでしたが、タバコを吸ったり喧嘩をしたりというわけではなく、一般的な家族の愛情を知らない子でした。

彼女が小さい頃、両親が離婚してからというもの、次から次へと男を連れ込んでくる恋多き母親の影響で、今までの恋愛も「こんなもの」と思い付き合ってきた矢嶋さん。

「はじめレジェンド」を巻き起こしてきた男の本気の愛情に触れ、自分は寂しかったのだと気付きます。

それからの矢嶋さんは、化粧を落とし髪をショートにし、サクラの頭をなでたり、口をあけて笑うようになっていきます。2人は幼いながらも真実の愛を育んでいました。

しかし、幸せはそう長くは続きませんでした。矢嶋さんが引っ越すことになったのです。15歳の2人はいつか絶対に結婚しようと誓い合って別れます。

一方、兄の本気の恋を目の当たりにしてきた薫にも彼女ができました。学年トップ成績の須々木原環。帰国子女の環は、なんとゆうか手慣れていました。

あれよあれよと付き合うことになった薫でしたが、興味はその人ではなくその人の身体にありました。

妹の美貴はというと、中学にあがり、ぼぉーとすることが多く、あまり笑わない顔はますます整い、凛とした美しさをたたえていました。

「妹紹介してくれよ」。薫はさんざん声をかけられたものです。しかし、当の本人はそんなことには興味がないようでした。

気に入らないと絡んでくる先輩たちを滅多打ちにし、校舎の2階から飛び降り脚を骨折したりと、相変わらずつむじ風のような存在です。

ある日、長谷川家にちょっとした嵐が吹き荒れます。父親宛てに「溝口サキコ」という人から手紙が届きました。

面白がって中身を朗読する美貴、じりじりと関係を問いただす母。長谷川家の女の怖さに震え上がる男3人。

父の答えは信じ難いものでした。溝口サキコさんは、父の高校の同級生で「溝口サキフミ」という男の人だったのです。

父は、卒業してから店を持つことになったサキフミさんに、少しばかり援助をし、たまにお店に通っていたようです。

母が言い出します。「サキコさんのお店に行ってみたい」。なぜか、家族全員で行くことになった長谷川家。はじめて、おかまバーと呼ばれる場所に足を踏み入れました。

女の感といいますか、母はサキフミさんが父のことを好きだと気付いていました。

殴り合いにならないか心配する子供たちをよそに、母とサキフミさんは意気投合するのでした。

その頃、兄ちゃんのところへ毎日のように来ていた矢嶋さんからの電話や手紙が、ぱったりと途絶えていました。

ハジメは、事あるごとにポストを覗き、そこにあるべきものがない状況に、ぐったりとうなだれ考え込むことが多くなっていきます。

以下、『さくら』ネタバレ・結末の記載がございます。『さくら』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)西加奈子/小学館 (C)2020 「さくら」製作委員会

兄の一(ハジメ)は、矢嶋さんへの想いを断ち切れないまま、長谷川家を出て大学の寮に住むことを決めます。

引っ越しの日まで、薫と美貴は、何をするでもなく兄の部屋に集まっては、兄妹水入らずの時間を過ごしました。

美貴は、ぶっきらぼうに振る舞っていましたが、誰よりも寂しがっていました。ハジメが家を出る日、美貴はとうとう部屋から出てきませんでした。

ハジメが事故にあったのは、その年の夏、雨の降る夜でした。夏休みで帰って来ていたハジメは、止まっていた家の時計の電池を買いにコンビニに出掛けます。

あまりにも帰りが遅いハジメを心配した頃、サクラが世界中の狼が集まってしまうくらい、危険を知らせる大きな遠吠えをしました。

自転車で傘さし運転をしていたハジメは、猛スピードで飛ばして来たタクシーを避け切れず衝突。下半身の筋肉と顔の右半分の表情を失いました。

1週間の眠りから覚めたハジメは、自分の顔と体に愕然とします。家族にとっては顔が変わろうが、車イス生活になろうが、お兄ちゃんが生きていたことへの喜びの方が大きなものでした。

サクラも車イスのハジメに駆け寄り、カッコイイという眼差しで見つめているかのようでした。

しかし、「はじめレジェンド」の人生を歩んできた兄ちゃんには、思い通りに動かない体と違う意味で振り返られる視線に耐えられないようでした。

一通り暴れる時期を経て、兄ちゃんは少し面倒くさがりで泣き虫になりましたが、サクラの散歩に出掛けるまでに回復します。

薫と美貴は、小さい頃のように兄ちゃん子に戻ったようでした。ひとりにするのが心配とかではなく、ただ一緒にいたいと思っていました。

しかし、何も変わらないようでいて、長谷川家は少しづつ変化していました。母は努めて明るく振る舞いどんどん太り、父は仕事の大変さもあり反対に痩せていきました。

「心の中の神様が、毎日ボールを投げてくる。今まで直球だったボールが、最近は悪送球やって。打たれへん」。ハジメは随分疲れているようでした。

12月に入った頃。薫は美貴から、あることを聞かされます。美貴は、小学校で肩紐が切れながらも使いきった赤いランドセルを持って、薫の部屋にやってきました。

「中みて」。薫が中身を覗くと、そこにはカラフルな封筒がぎっしり詰まっていました。

「長谷川君、元気ですか?こっちはもう、桜が咲いていますよ・・・」。暗記したように手紙の内容を読み上げて行く美貴。

「どうか、一度だけ、声を聞かせて」。最後の手紙を暗唱し終わるころには、美貴の涙がぼたぼたと手紙の上に落ち続けていました。

そのあと、美貴が混乱し支離滅裂に語った内容はこうでした。矢嶋さんから届く兄ちゃん宛ての手紙を、美貴はポストから抜き取っていました。

さらに、兄ちゃんの筆跡を完璧に模写し、「好きな人ができました。もう電話をかけてこないでください」と、矢嶋さんに手紙を送り返していたのです。

美貴の気持ちは、兄ちゃん子である妹の可愛らしいイタズラなんてものではありませんでした。美貴はハジメに恋をしていたのです。

矢嶋さんからの返事がこなくなってからも、彼女を思い続け事故に遭った兄ちゃん。

「遅いよ」。回らない頭で薫は美貴を殴りました。飛び散った赤は綺麗で絶望的でした。

12月23日でした。ハジメはサクラの散歩に出たまま、戻ってきませんでした。いつも散歩で寄る公園の木で首を吊ったのです。

薫と美貴がハジメの誕生日に買った、サクラの散歩用のリードで。

20歳と4カ月。兄ちゃんのポケットには紙切れが入っていました。「この身体で、また年を越すのが辛いです。ギブアップ」。

葬式の日。母は薫の手にいくつも爪痕を残すほど握りしめ続け、父は一度も動かず、美貴は焼香を食べたり、棺桶を勝手に閉めたり、終いにはお漏らしをしました。

それから、美貴は学校に行かなくなりました。母は、アルコールに逃げました。おしゃべりだったサクラもしゃべらなくなりました。

そして、父が家出をしました。ボストンバックを右手に持って、左の肩に赤いランドセルをしょって。

しばらくして、サキコさんから「お父さんは大丈夫だから」と連絡が入りました。薫は、バイトをし東京の大学へ進学します。長谷川家の灯は今にも消えそうでした。

ハジメがギブアップしてから4度目の年末。父が長い家出から戻ってきて、久しぶりに顔を合わせた大晦日。

サクラが突然苦しみだしました。「サクラ、サクラ」母と美貴はサクラを抱きかかえパニックです。

「病院に行こう」そう言い出したのは父でした。大晦日の夜中に開いている動物病院があるのか誰も分からないまま車は走り出します。

車の後部座席にサクラを抱えた母と美貴が、助手席に薫、運転するのは父です。「もう病院ないやろ?」「なんぼでもあるんや!」。

父はぐるぐるハンドルを回し続け、次から次へと病院への道を走ります。無茶苦茶な運転にパトカーのサイレンが聞こえてきました。

サクラは長谷川家の幸せな時代の象徴でした。それぞれの思いが狭い車内で爆発します。「美貴、赤いランドセルは捨てたぞ」父は知っていたのです。

「うち、もし好きな人できたら好きって言う。だってな、いつまでおれるか分からんやろ?」美貴は溢れ出したようにこれからの未来を一生懸命話します。「子供ができたら、生まれてきてくれてありがとう言うねん」。

「生まれてきてくれて、ありがとう」。気付いたら母も父も泣いていました。そこにパトカーが追い付いてきました。

「サクラがこんなときに、なんやねん!」。母の叫びに、膝の上のサクラが「げふっごぼっ」とゲップし、「ぶふうっ」とおならをし、緑色のうんちを出しました。

警官が後部座席を覗き込んだ時には、うんこまみれの美貴と恥ずかしそうにしっぽを振るサクラの姿がありました。

兄ちゃんがあんなに怖がっていた新しい年は、薫たちが知らない間にあっさりやってきました。帰って長谷川家恒例の当たり付き餃子を食べよう。

神様はいつだって打てないボールなんて投げてきませんでした。ボールを投げ続けていたのは、僕達だったのだから。

そこには変わらない日常がありました。新しい年が始まります。

映画『さくら』ここに注目!


(C)西加奈子/小学館 (C)2020 「さくら」製作委員会

『サラバ!』で直木賞を受賞した人気作家・西加奈子の、累計55万部を超えるベストセラー『さくら』がいよいよ映画化され公開となります。

西加奈子作品では『きいろいゾウ』『円卓』『まくこ』に続き、4作目の映画化となりました。

長谷川家の5人と犬のサクラの物語。家族の日々の幸せや、子供たちの成長、それぞれの恋のこと、そして思いがけない事故と死。バラバラになっていく家族模様が切なく心を締め付けます。

物語のクライマックス、崩壊寸前の家族が再び思いを寄せ合う瞬間、不細工な家族愛に感動の涙が止まりません。

実写映画化に伴い、長谷川家のメンバーを演じる俳優さんたちの演技にも注目ですが、物語のキーとなる存在、犬のサクラの演技にも注目です。

3兄妹のつながり

長谷川家の3兄妹、長男の一(ハジメ)、次男の薫、妹の美貴。それぞれを演じるのは、吉沢亮、北村匠海、小松菜奈と実力派若手俳優たちです。

物語のストーリーテラーでもある次男・薫(北村匠海)。誰よりも周りをよく観察し、様々な経験を通して成長していきます。

兄の後ろをついて歩くだけだった薫が、兄を亡くし無気力になるも、もう一度生きる意味を探し出すまでの心の変化に注目です。

自由奔放な孤高の女王様、末っ子の妹・美貴(小松菜奈)。兄ハジメへ、どこまでも真っ直ぐな愛情をぶつけます。

小さい頃から大好きだった兄への想いは、思春期になり叶う事のないものだと知ります。さらに、側にいたいという願いすら叶いませんでした。

最愛の兄、最愛の人を亡くした美貴の喪失感。痛々しい描写も多い美貴を小松菜奈がどのように演じるのか注目です。

学校でも家族の中でも常にヒーロー的存在だった兄・一(吉沢亮)。その持って生まれたカリスマ性を出し惜しみせず、皆を幸せな気持ちにさせる天才です。

事故をきっかけに、光を放つ存在から闇の世界へ堕ちていくハジメ。そして人生をギブアップと諦めた姿は、昨今の相次ぐ芸能人の自殺を思い起こさせ胸が痛みます。

兄妹の形としては歪だったかもしれない長谷川3兄妹。それでも、ラストには3人がいるだけで幸せだったということが感じられます。

サクラのおしゃべり


(C)西加奈子/小学館 (C)2020 「さくら」製作委員会

物語の中で犬のサクラは、おしゃべりをします。それは、ストーリーテラーの薫の想像によるものですが、サクラの性格を現しているようで、とても和やかです。

「ぐふぅ」ともらす声はお決まりで、ハジメの彼女には「どうも初めまして、長谷川サクラです。うふふ」と照れたり、大好きなタワシに「タワシがこんなにいっぱい!」と興奮したり、ボールの話に「あの、軽やかな跳ね!」と尻尾を振ったり。

場の雰囲気をまったく読めないサクラですが、長谷川家にとって欠かせない癒しの存在です。サクラと家族の微笑ましいエピソードの数々にも注目です。

まとめ


(C)西加奈子/小学館 (C)2020 「さくら」製作委員会

2020年11月13日公開の映画『さくら』の原作、西加奈子の同名小説を紹介しました。

生きていれば想像もつかない辛いことが起こるかもしれません。それでも、家族にはたくさんの幸せな思い出も残っていました。それがある限り、生きていくのです。

生きることの辛さ、それでも生きる意味を教えてくれる作品『さくら』。長谷川家の物語は、あなたの家族の物語かもしれません。

映画『さくら』は、11月13日全国一斉公開です。

次回の「永遠の未完成これ完成である」は…


(C)2020「青くて痛くて脆い」製作委員会

次回紹介する作品は『青くて痛くて脆い』です。

青春時代のまさに、青くて痛くて脆い体験を描いた、住野よるの同名小説が、吉沢亮と杉咲花の共演で実写映画化され、公開となりました。

「なりたい自分になる」という活動目標を掲げ、楓と秋好は2人だけのサークル「モアイ」を立ち上げます。

秋好の存在がなくなり、意識高い系のサークルへ変貌していく「モアイ」。楓は秋好の意思を引き継ぎ、真の「モアイ」を取り戻そうとします。

映画『青くて痛くて脆い』について、原作との違いを比較し、作品をより深く考察していきます。

【連載コラム】「永遠の未完成これ完成である」記事一覧はこちら




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