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Entry 2020/04/06
Update

『凱里ブルース』映画本編動画/上映館。注目のビーガン監督作から話題のワンシークエンスショットを紹介!

  • Writer :
  • 石井夏子

『ロングデイズ・ジャーニー』のビー・ガン監督がその名を知らしめた初長編が待望の日本公開。

2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開予定の映画『凱里ブルース』

中国新世代を代表するビー・ガン監督の原点である本作の本編動画の一部が解禁となりました。「中国のアンナ・カリーナ」とも言われたルナ・クオックの出演シーンも確認できる本編動画をご紹介します。

また、公開にあわせて六本木・蔦屋書店でのアートポスター展も開催されます。

ビー・ガン監督と『凱里ブルース』

(C)Cinemarche

ビー・ガン監督は1989年生まれで、2020年現在31歳、中国貴州省凱里市出身の映画監督です。

日本では第二作目の『ロングデイズ ・ジャーニー この夜の涯てへ』が先に劇場公開されて話題を呼んでいますが、本作『凱里ブルース』は、監督が26歳の時に撮影した長編デビュー作となります。

低予算での製作で、出演者のほとんどが監督の家族や親戚、友人であり、故郷である凱里でロケを行った本作は、瞬く間に各国の映画祭で評判を呼び、スイスのロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映されると新進監督賞と特別賞を受賞

各国のメディアやジャーナリストから驚きと称賛を持って向かえ入れられました。その時の興奮を、後に新華社通信は「過去五年で一番優れた中国国産映画」「中国映画を五十年進歩させる」と絶賛されたと伝えています。

その後も、フランス・ナント三大陸映画祭で中国人としては、ホウ・シャオシェン監督の『恋恋風塵』(1986)以来となる黄金の熱気球賞〔グランプリ〕を受賞、さらに中華圏のアカデミー賞とされる金馬奨では最優秀新人監督賞とFIPRESCI賞に輝くなど圧倒的な才能を世界に見せつけた傑作です。

映画『凱里ブルース』の本編映像

画像:ルー・ユンファンのデザインによる『凱里ブルース』ポスター

(C)Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., – LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms

この度、公開を控えて、本編動画2本が解禁されました。

「パオメイ・シェン[リトル・ジャスミン]シーン」と「ダンマイの街にて」と題された2本は、いずれも後半40分間にもわたるワンシークエンスショットから抜粋されたショット

『ロングデイズ・ジャーニー』の革新的な後半60分のワンシークエンスショットの原点でもあり、ビー・ガン監督の代名詞とも呼べる長回しショットの一部を垣間見ることができます。ぜひ、本動画をご覧いただき、中国新世代の監督とキャストの魅力の一端に触れてください。

本編映像1「パオメイ・シェン[リトル・ジャスミン]シーン」

「パオメイ・シェン[リトル・ジャスミン]シーン」の見どころは、主演のチェン・ヨンゾンが「ダンマイ」という過去の記憶と現実と夢とが混在する架空の街へと、トラックの荷台に乗って移動する場面です。チェンはビー・ガン監督の実の叔父でもあり、『ロングデイズ・ジャーニー』でもヤクザの役で出演しています。

背景で流れている歌謡曲は、1980年代に活躍した台湾のフォークシンガーであるパオメイ・シェンのラブソング。その郷愁を誘う懐かしい旋律は、チェン演じる男が失った人々へのつきせぬ想いや喪失感が表現されています。

本編映像2「ダンマイの街にて」

「ダンマイの街にて」ではダンマイの街に暮らすヤンヤンという若い女性が、夕刻に開催されるライブ会場へ向かう様子を描いているシーンを抜粋

凱里の土地の高低差を巧みに活かした撮影は、不意に観客をその街中へと誘われたような臨場感と既視感を覚えさせる効果があり、デビュー作にしてすでにビー・ガン監督の非凡さが垣間見られるシーンです。

またヤンヤンを演じるルナ・クオックの存在感が抜群で、フランス・リベラシオンの記者からは「中国のアンナ・カリーナ」とも評されました。ルナ・クオックは2016年には犬童一心監督の『ジャスミン・ゲストハウス』に準主演し、2018年には東京フィルメックスでも話題を呼んだシンガポール映画『幻土(げんど)』でも好演しています。

『凱里ブルース』アートポスター展について

画像:ルー・ユンファンのデザインによる『凱里ブルース』ポスター

(C)Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., – LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms

3月よりリニューアルオープンした六本木・蔦屋書店で開催中の「ビー・ガン フェア」で、引き続き『凱里ブルース』のフェアも継続が決定しました。会場では、中国出身のデザイナー、ルー・ユンファンによる4種のポスターの展示とオリジナルプリントの受注販売を行っており、ファンには見逃せないイベントとなっています。

【会期】
2020年4月6日(月)から5月5日(火)まで

【会場】
六本木 蔦屋書店 
東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り 2階フロア

【フェア内容】
ポスター展:ルー・ユンファンのデザインによる『凱里ブルース』ポスター4種を展示。オリジナルプリントの受注販売もあり(3月7日より実施中の『ロングデイズ ・ジャーニー』のポスター12種類も継続販売)。パンフレット及びポストカードの販売も。

映画『凱里ブルース』の作品情報


(c)Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., – LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms

【日本公開】
2020年(中国映画)

【原題】
路边野餐

【監督・脚本】
ビー・ガン

【キャスト】
チェン・ヨンゾン、ヅァオ・ダクィン、ルオ・フェイヤン、シエ・リクサン/ルナ・クオック

映画『凱里ブルース』のあらすじ

(c)Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., – LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms

凱里の小さな診療室に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすシェン。

刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はこの世になく、しばらくして可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへ連れ去られてしまいました。

シェンは甥を連れ戻すために旅に出ます。そして辿り着いたのは、ダンマイという名の、過去の記憶と現実と夢が混在する不思議な街でした…。

まとめ

画像:ルー・ユンファンのデザインによる『凱里ブルース』ポスター

(c)Blackfin(Beijing)Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)The Movie Co., – LtdEdward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms

中国第8世代の最前線に立つビー・ガン監督の長編デビュー作がついに日本公開です。

六本木・蔦屋書店にて開催の「ビー・ガン フェア」とあわせてお楽しみください。

映画『凱里ブルース』は2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開予定です。




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