週刊少年ジャンプで好評連載中の『斉木楠雄のΨ難』(さいきくすおのさいなん)が『銀魂』の大ヒットも記憶に新しい福田雄一監督によって実写化。
主演は山崎賢人、共演に橋本環奈、新井浩文、吉沢亮、ムロツヨシ、佐藤二郎、内田有紀、田辺誠一。一部『銀魂』と被っているキャストも。
特報予告で「山崎賢人実写やりすぎじゃね?」という自虐的なセリフを言わせ、劇場の幕間CMでは肝心の山崎賢人をしっかり写さないというぞんざいな扱いをするなどなど、福田雄一監督ワールド全開です。
また、ハリウッドメジャーのソニー・ピクチャーズエンターテインメントが初めて手掛ける邦画作品となります。
ハリウッドメジャーの邦画といえば『デスノート』から『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険』と続くワーナー・ブラザーズジャパンを想像させますが、果たしてこちらはどうなりましょうか?
CONTENTS
1.映画『斉木楠雄のΨ難』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【脚本・監督】
福田雄一
【キャスト】
山崎賢人、橋本環奈、新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸、賀来賢人。ムロツヨシ、佐藤二朗、内田有紀、田辺誠一
【作品概要】
週刊少年ジャンプの連載でテレビアニメにもなった人気コミックを、『勇者ヨシヒコ』や『銀魂』などで知られる福田雄一監督が実写映画化。
主人公の斉木楠雄役は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』ほか、多くのコミック作品の実写化で主演を務める山崎賢人。共演には橋本環奈や新井浩文のほか、福田作品の名バイプレイヤーのムロツヨシ、佐藤二朗も顔を見せます。
2.映画『斉木楠雄のΨ難』のキャスト一覧
山崎賢人(斉木楠雄)
幼いころ驚異的な超能力を持つがそれを隠して、できるだけ平凡な日々を過ごすことを目指している。そのために超能力を駆使する。
橋本環奈(照橋心美)
楠雄の学園。PK学園のアイドル。自分でもそのことを分かっている。心の声を読んだことで一切ときめかなくなった楠雄のことが気になって仕方がない。
新井浩文(燃堂力)
高校生離れした自称楠雄の相棒。余りにもバカすぎて楠雄が思考を読めない。
吉沢亮(海藤瞬)
高校生になってからも中二病が続いている。自称“漆黒の翼”、謎の組織“ダークリュニオン”と一人戦っている。
笠原秀幸(灰呂杵志)
学級委員長。過剰なまでに熱血漢で本気になりすぎる。
賀来賢人(窪谷須亜蓮)
元暴走族総長。普通の生活を過ごそうとするが時々地が出る。
ムロツヨシ(蝶野雨緑)
とても胡散臭いマジシャン。助手は母親。
佐藤二郎(神田品助)
楠雄の通うPK学園のチョイエロ校長
田辺誠一(斉木國春)& 内田有紀(斉木久留美)
楠雄の母。夫とともに少しずれているバカップル夫婦。
楠雄の父。楠雄の超能力であることも普通に受け入れる大らかを超えたズレをもつ。
3.映画『斉木楠雄のΨ難』のあらすじとネタバレ
主人公の斉木楠雄は現在16歳の高校生。ごくごく普通の学園生活を送る楠雄ですが、彼は生まれながらにして超能力を持ち合わせているのでした。
生後わずか14日で言葉を話すようになります、しかもテレパシーで。
一ヶ月もたつと空中を歩くようになり、一歳にもなるとテレポーテーションを使って“はじめてお使い”に出ます。
ちなみに両親の久留美と國春はどこかずれているというか、異様に楽天的でこの一件を見ても楠雄をどこかの特別な施設に入れるのではなく、支払いをしていないので万引きになるということでお店に謝りに行くかどうかを話し合っています。
高校生になった楠雄はピンクの頭髪に二つのピンを頭に挿しています。
このピンは強くなりすぎた楠雄の能力を抑えるためのものでした。
高校生に成長した楠雄の能力はその気になれば一瞬にして地球を滅亡させてしまいかねないほどになっていました。
女の子のあこがれ壁ドンをやれば学校ごと吹き飛ばし、うっかり転んで手を着きようなものなら転んだ勢いもあるので周辺都市ごと崩壊させかねません。
眼鏡をはずすと見つめた相手を石化させてしまいます。
普通の学生生活についてもそうです。余りにも目立つピンクの頭髪も周囲の人間全員の頭の中にそれが異常でないことを刷り込ませています。
当然、能力を発揮すれば勉強では満点連発を、スポーツをすれば断トツのトップを取ることもできますが、それをしてしまえば望まぬ注目を浴びてしまいます。
そう、楠雄の望みはただ一つ目立たない普通の生活を送ることでした。そのために日々超能力を人知れず駆使して生活をしています。
そんな穏やかな生活を送る楠雄の周りにはなぜか面倒なクラスメイトばかりが集まってきます。
そんな中、文化祭の季節がやってきました。ところが、今年文化祭で少しでも問題が起こると来年以降文化祭が行われないことになるということに…。
4.映画『斉木楠雄のΨ難』の感想と評価
もしかしたら山崎賢人のベストアクトかも!
山崎賢人が原作モノの実写化で制服を着る。今年だけでも『ジョジョの奇妙な冒険』『氷菓』『一週間フレンズ』に本作「斉木楠雄のΨ難」と4作。
過去作も含めると実10作品以上の制服姿を見せています。正直ちょっとお腹一杯という方も多いでしょう。
大丈夫です、山崎賢人自身が予告編の中で「山崎賢人、実写やりすぎじゃねと思いましたね」と語っているほどです。
映画『斉木楠雄のΨ難』特報映像
『斉木楠雄のΨ難』は総じてそういう映画です。生真面目取り合ってはいけません。何せ監督は『銀魂』の福田雄一監督、普通のことをしてくるわけがありません。
そんな『斉木楠雄のΨ難』での山崎賢人はとにかく醒めています。
生まれつき圧倒的な超能力を持っていて、人の心を読め、相手の心を操り、テレポーテーションでどこにでも行けて、サイコキネシスであらゆるもの動かせます。
ここまでできればもはやあらゆる物事に対して驚きもトキメキもありません。なので、高校生でありながら達観した日々を送っています。
相手の本音も、物事の真実も透けて見えているうえで、周りの人間はそんなことも知らないで楠雄の目の前であれやこれやと繰り広げます。楠雄は醒めるばかりです。
この醒めて、引いて、受け身に回って、心の中でボソッとツッコミを入れる山崎賢人が抜群に良いです。もしかしたら山崎賢人のこれまでの中でもベストアクトと言っていいかもしれませんね。
まとめ
考えてみると、山崎賢人はここまで受け身で引く側に回ったことはなかったです。
どちらかというと俺様系・ツンデレ系の王子キャラばかりでした。
『四月は君の噓』や『orange』のように内に何かを秘めるキャラを演じましたが、それもなんだかキャラになっているという感じがしていました。
思えば『氷菓』の彼が好感触だったのも受け身キャラだったからかもしれません。実は案外受け身キャラがはまるのかもしれません。
山崎賢人自身もそういう性格なのかもしれません。
優秀なコメディの演じ手の秘訣の一つに“醒めて踊れ”という言葉がありますが、これがもしかしたら大きくはまるのかもしれません。