Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

コメディ映画

Entry 2020/04/06
Update

チャップリン映画『黄金狂時代』ネタバレ感想とラストまでのあらすじ。喜劇王が雪山の金脈探しに挑む

  • Writer :
  • 松平光冬

数々の名シーンが詰まった傑作チャップリン映画

“喜劇王”チャールズ・チャップリン監督・主演の、1925年製作の映画『黄金狂時代』

一攫千金を求めて山を目指す男たち描いたコメディ映画のクラシックを、ネタバレ有でレビューします。

スポンサーリンク

映画『黄金狂時代』の作品情報

映画『黄金狂時代』

【日本公開】
1925年(アメリカ映画)

【原題】
The Gold Rush

【製作・監督・脚本・音楽(サウンド版)】
チャールズ・チャップリン

【撮影】
ローランド・トザロー、ジャック・ウィルソン

【キャスト】
チャールズ・チャップリン、ジョージア・ヘイル、マック・スウェイン、トム・マレイ、ヘンリー・バーグマン、マルコム・ウエイト、スタンリー・J・サンフォード

【作品概要】
“喜劇王”チャールズ・チャップリンが監督・主演を務めた、1925年のコメディ映画。雪深い山に金鉱を捜し求める男たちの騒動を描きます。飢えをしのぐために靴を食べたり、フォークを刺したロールパンでダンスするシーンが有名となりました。

1926年のキネマ旬報ベスト・テン外国映画1位に加え、イギリスBBCが2015年に発表した「史上最高のアメリカ映画100本(The 100 Greatest American Films)」では17位に選出。1942年には、チャップリン自身がナレーションをつけて再編集したサウンド版も製作されました。

映画『黄金狂時代』のあらすじとネタバレ

参考:『黄金狂時代』の1シーン

アラスカ山脈で金鉱が発見されたことにより、一攫千金を求める者が相次いで山を目指していた1920年代。

その中の一人、チャーリーは、吹雪を逃れるために小屋に駆け込みますが、中にはお尋ね者となっていたラーセンが潜んでいました。

小屋から出ていくよう脅すラーセンと、それを拒むチャーリーが揉めていると、そこへやはり金脈を求める大男のジム・マッケイが現れたことで、仕方なく3人で避難生活を送ることに。

次第に飢餓状態となった3人は、外へ食料を探す者を決めることにし、ラーセンが行くことになります。

外に出たラーセンは、彼を追う警察と遭遇してしまいますが、彼らを殺害し、荷物を奪って逃走。

その頃、チャーリーとジムは、空腹を満たすためにチャーリーの靴を食べることに。

靴底をステーキに、紐をスパゲッティに見立てて食べるチャーリー。

しかしその後、飢餓と寒さが頂点に達したジムから、鳥と錯覚されて襲われたりも…。

そうした危機を乗り越え、小屋に入ってきた熊を仕留めて、2人はなんとか飢えをしのぐのでした。

吹雪が止み、体力を回復させた2人は、一旦分かれて金脈探しに。

そこでジムは、ついに金鉱を見つけるも、先に見つけていたラーセンに襲われて気絶させられてしまいます。

だがラーセンは、逃亡中に崖が崩れてしまい、奈落の底に落ちてしまうのでした。

一方チャーリーは、麓にある町の酒場で出会ったジョージアに一目ぼれ。

女たらしのジャックに言い寄られる彼女は、いつかこの町を出ようと思っていました。

ジョージアの気を惹こうと、チャーリーはとりあえず鉱山技師ハンクの小屋の留守番をする仕事に就きます。

そこへ、友人たちと雪遊びをしていたジョージアと再会し、大晦日の晩に小屋でパーティをする約束を取り付けます。

大晦日当日、パーティの準備をして待つチャーリーは、いつの間にか眠りに。

夢の中では、チャーリーがフォークを刺したロールパンを使ってダンスを披露し、ジョージアたちを楽しませていました。

その頃、ジョージアはパーティのことなど忘れて、ジャックたちと酒場で騒いでいました。

その様子を店の外で見かけ、気落ちするチャーリー。

年が明けた直後、約束を思い出して小屋に向かうジョージアでしたが、中には誰もおらず、プレゼントにご馳走が用意された状態のテーブルが。

彼の気持ちを弄んでしまったと後悔したジョージアは、謝罪の手紙を書いて酒場に託します。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『黄金狂時代』のネタバレ・結末の記載がございます。本作をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

手紙を受け取り、彼女を探して酒場をうろつくチャーリーの前に、ジムが姿を現します。

ラーセンに殴られて金鉱の在処を忘れてしまうも、近くに山小屋があったことは覚えていたため、小屋の場所を知るチャーリーに道案内を頼みに来たのです。

金鉱を見つければ山分けにすると言われ、チャーリーはジョージアに愛を告白し、山へと向かうのでした。

再び山小屋にたどり着いた2人でしたが、猛吹雪により、小屋が崖近くまで飛ばされてしまいます。

シーソーのように傾き始めた小屋から、なんとか脱出を試みた2人は、ついに近くにあった金鉱を発見します。

億万長者になった2人は、客船で記者会見を受けることに。

その船には、新天地を求めて一人乗るジョージアもいました。

記者のリクエストで、今まで着ていたボロボロの服に着替えて記念撮影をしようとするチャーリーと再会した彼女は、彼を密航者と勘違いして匿おうとします。

しかし、すべての誤解が解けたチャーリーは、ジョージアが婚約者だと記者に公表し、熱い口づけを交わすのでした――。

スポンサーリンク

映画『黄金狂時代』の感想と評価

参考:『黄金狂時代』の靴を食べるシーン

本作『黄金狂時代』は、チャップリンが、友人にして映画会社ユナイテッド・アーティスツの共同経営者のダグラス・フェアバンクス&メアリー・ピックフォード夫妻から、アラスカの金鉱発見のスライド写真を見せてもらったことが、制作のアイデアにつながりました。

加えて、1846年のシエラ・ネバダで発生した開拓団のドナー隊の悲劇から、靴を食べるシーンを思いついたとされています。

撮影で食べる靴は、革部分は海藻、釘は飴細工、靴紐はイカ墨スパゲッティで造ったものを使用。

しかし、60回以上も撮り直しをしたために、チャップリンとジム役のマック・スウェインは食あたりを起こしています。

映画評論家の淀川長治は、このシーンについて、これまでのチャップリン映画の代名詞である衣装のドタ靴を食べる=彼が新たなステップに進むという意思表示であると考察しています。

ちなみに本作は1942年に、チャップリン自身がナレーションをつけて再編集したサウンド版も製作されています。

現在テレビで放映されるのは、このサウンド版が主となっていますが、実はこちらにはオリジナル版にあったラストのキスシーンがありません。

理由として、撮影時はチャップリンとジョージア役のジョージア・ヘイルが恋愛関係にあったものの、再編集を施した42年には、すでにその関係が終わっていたためにカットされたとも云われています。

まとめ

参考:『黄金狂時代』のロールパンのダンスシーン

靴を食べるシーン以外にも、ロールパンのダンスシーンは『ピックポケット!』(1983)や、『ジョジョ・ラビット』(2020)にオマージュされたり、クライマックスの山小屋シーソーは、『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』(2015)での山小屋での攻防シーンを彷彿とさせるなど、古今東西の映画に影響を与えた本作『黄金狂時代』。

単純明快で楽しい本作を、ぜひチェックしてみてください。


関連記事

コメディ映画

三谷幸喜映画『記憶にございません!』あらすじネタバレと感想。キャストの演技力が光る【記憶喪失の総理大臣】

映画『記憶にございません!』は2019年9月13日(金)より全国ロードショー公開! 脚本家・演出家・映画監督として、数多くの笑いあり涙ありのコメディ作品を手がけてきた三谷幸喜。 彼の通算8作目となる長 …

コメディ映画

映画『自由の幻想』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

これは“自由”への挑戦状か…?! ルイス・ブニュエルがその鬼才ぶりを如何なく発揮した『自由の幻想』をご紹介します。 スポンサーリンク CONTENTS映画『自由の幻想』の作品情報映画『自由の幻想』のあ …

コメディ映画

映画『ハッパGoGo大統領極秘指令』あらすじネタバレと感想。虚実入り混じりのドラッグ・ムービー

アメリカに渡ったウルグアイ人親子に与えられた極秘ミッション。 それは、「マリファナの供給ルートの確保」だった―― ウルグアイ発のコメディ『ハッパGoGo 大統領極秘指令』が、2019年7月13日(土) …

コメディ映画

【妻ふり映画】あらすじとキャスト!『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』

映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』は、6月8日(金) 謎の〈妻ふり〉ロードショー! ネットで有名なYahoo!知恵袋。そこにあげた投稿から始まった伝説のコミックエッセイを、榮倉奈々×安 …

コメディ映画

映画『天使にラブソングを』ネタバレあらすじと感想レビュー。キャストのウーピーゴールドバーグが相違する価値観の必要性を問う

クラブ・シンガーが巻き起こすヒューマンコメディの秀作『天使にラブ・ソングを…』。 売れない歌手が、ある事件から逃げる為に、かくまわれた修道院で起こす騒動を描いたコメディ映画『天使にラブ・ソングを…』。 …

U-NEXT
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【Cinemarche】今週のおすすめ映画情報
凱里(かいり)ブルース|2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー予定!
映画『異端の鳥』2020年10月9日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開
映画『朝が来る』2020年10月23日(金)より全国公開
ドラマ『そして、ユリコは一人になった』
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学
国内ドラマ情報サイトDRAMAP