寺山ワールドという独特の世界観で演劇、映画、文学などマルチな才能を発揮して、今なお注目され続ける鬼才・寺山修司。
寺山が1966年に唯一遺した長編小説『あゝ、荒野』。歌人である彼が書いた小説は言葉の全てが“詩のボクサー”といえ、書籍がまるで四角いリングそのものです。
映画化された映画『あゝ、荒野』と、その原作である寺山修司を中心にご紹介します。
1.映画『あゝ、荒野』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【監督】
岸善幸
【キャスト】
キャスト
菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、モロ師岡、高橋和也、今野杏南、山田裕貴、河井青葉、前原滉、萩原利久、小林且弥、川口覚、山本浩司、鈴木卓爾、山中崇、でんでん、木村多江、ユースケ・サンタマリア
【作品概要】
詩人の寺山修司が遺した唯一の長編小説『あゝ、荒野』を、『帝一の國』に出演した菅田将暉、『息もできない』に出演したのヤン・イクチュンによるダブル主演で実写映画化。
また作品は劇場公開の前編&後編による2部作と、U-NEXT配信の完全版が存在します。『二重生活』の岸善幸監督が演出を務めます。
原作者寺山修司のプロフィール
寺山修司(てらやま しゅうじ)は、1935年12月10日〜1983年5月4日の時間に生きた青森県弘前市で生まれた歌人。または劇作家として演劇実験室「天井桟敷」主宰しました。
1954年に早稲田大学教育学部国文学科(現・国語国文学科)に入学、同年に第2回短歌研究50首詠(後の短歌研究新人賞)受賞しています。
1967年に1月1日演劇実験室「天井桟敷」を結成、1974年に映画『田園に死す』で文化庁芸術祭奨励新人賞、芸術選奨新人賞を受賞します。
1983年に肝硬変のため入院。腹膜炎を併発し、敗血症で惜しまれつつも47歳の若さで亡くなりました。
寺山修司は言い表した異名には、“言葉の錬金術師”や“アングラ演劇四天王のひとり”、また、“昭和の啄木」などの数多くあります。
近代を生きた歌人として、1970年のテレビアニメ『あしたのジョー』の主題歌や、1969年にカルメン・マキが歌った『時には母のない子のように』など、多くのドラマや歌謡曲の作詞もおこなっています。
【短歌・俳句・詩】
われに五月を (1957年)第一作品集
はだしの恋唄 (1957年)
櫂詩劇作品集 (1957年)
空には本 (1958年)歌集
血と麦 (1962年)歌集
ひとりぼっちのあなたに (1965年)
田園に死す (1965年)歌集
長編叙事詩・地獄篇
寺山修司全歌集(1971年)
わが金枝篇(1973年)句集
花粉航海(1975年)句集
寺山修司俳句全集 (1986年)
【随筆・評論】
戦後詩(1965年)
みんなを怒らせろ(1966年)
競馬場で逢おう(1966年)
書を捨てよ、町へ出よう(1967年)
対談・競馬論(1969年)
馬敗れて草原あり(1971年)
不良少女入門(2004年)
【小説】
あゝ、荒野(1966年)
【長編映画(監督作品のみ)】
『書を捨てよ町へ出よう』(1971年)
『田園に死す』(1974年)
『ボクサー』(1977年)
『草迷宮』(1978年)
『上海異人娼館/チャイナ・ドール』(1980年)
『さらば箱舟』(1982年/公開1984年)
『寺山修司&谷川俊太郎ビデオ・レター』(1983年)
マルチなアーティストとして活動をおこない、膨大な量の文芸作品を発表しています。
また、馬を好きなことから競馬への造詣も深く、競走馬の馬主になるほか、実況解説も行なっていました。
メディアの寵児的存在として新聞や雑誌などの紙面を常に賑わします。また、現在多くのテレビバラエティ番組のハプニング的な面白い要素のあるロケ番組は、天井桟敷を率いた市街劇「ノック」などの寺山修司の亜流といっても言い過ぎではないかもしれませんね。
多くの偉業を成した寺山修司を讃えるために、1997年に三沢市民の森公園内において、三沢市寺山修司記念館開館されています。
寺山修司を教科書や書籍でしかご存知のない方は、ぜひ、寺山ワールドに触れることお薦めします。
三沢市寺山修司記念館開館公式ホームページ:https://www.terayamaworld.com/museum/
3.映画『あゝ、荒野』のあらすじ
2021年の新宿。その昔、親から捨てられた新次は、兄貴分の劉輝を半身不随にまでの後遺症を負わせた元仲間の裕二に復讐心を誓っていました。
ある日、新次は街でティッシュ配りをしている吃音で赤面対人恐怖症の“バリカン”こと健二と知り合います。
やがて2人はジムのトレーナー“片目”こと堀口からボクシングジムへ誘われます。
見た目も性格も対照的な2人だが、新次は復讐を成し遂げるため、バリカンは内気な自分を変えたい一心で、それぞれの思いと孤独を胸にトレーニングに励んでいきます。
2人はお互いを想う友情と絆を育みながら、それぞれが愛を見つけよう自分を変えるべく成長していきます。
幼い頃に新次を捨てた母親、バリカンに捨てられた父親、また過去を捨てて新次を愛する芳子、そして社会を救いたいデモを繰り広げる大学生たち…。
しかし、やがて逃れることのできないある宿命にも直面します。
3.映画『あゝ、荒野』を観るならU-NEXTが断然お得に見られる!
今回公開される『あゝ、荒野』前篇は10月7日より劇場で上映され、また、『あゝ、荒野』後篇は10月21日より劇場で公開されます。
この公開に先駆けて、映画『あゝ、荒野』は劇場公開版よりもいち早く、9月29日(金)より動画配信U-NEXTサイトで公開がされます。
これにより映画館で観ることができないエリアでも気にせずご覧いただくことができます。
また、U-NEXTの配信では、劇場版未収録の重要な12分間のシーンを追加した、まさにこれぞ“決定版”。
劇場版の本編は305分に対して、さらに長い317分をお届けするという、圧倒的の熱量を発する『あゝ、荒野』の世界観を一層味わうことがでます。
さらに、第1回の9月29日よりU-NEXTで独占配信される完全版では、ここでしか見ることができないオリジナルエンドロールを収録。
新次とバリカンが日常を激写し合うお宝映像付きです。
【U-NEXTで独占配信スケジュール】
第1回:9月29日(金)
第2回:10月6日(金)
第3回:10月13日(金)
第4回:10月20日(金)
第5回:10月27日(金)
第6回:11月3日(金)
また、今、U-NEXTに加入登録をすると、今なら抽選で豪華賞品をプレゼントのゲットもあります。
①U-NEXT会員限定!ご応募いただいた中から抽選で10月7日に行われる初日社会抽選チケットを10名にプレゼント。
登録画面完了から、「特集ページ」内にある「プレゼント応募フォーム」からお進みご応募の手続きをしてください。
▼▼動画配信サービース「U-NEXT」では 映画『あゝ、荒野』を期間限定で独占配信でご覧いただけます。
映画『あゝ、荒野』の前編と後編を2回に分けで劇場へ行くのも良いのですが、やはり、劇場版よりも【12分間も長い完全版】をU-NEXTがオススメです。
U-NEXTは31日間無料お試し期間があり、さらに登録時にレンタルに使うことが出来る600ポイントをもらうことができますで、大変お得になっています。
31日間の無料お試し期間でも、通常の会員と同様のサービスを受けることが出来るので、見放題扱いになっているドラマや映画、さらには雑誌が無料で読み放題となるのはうれしいポイントですね!
無料登録期間に解約をすれば料金は一切かかりませんので、この機会に試してみてはいかがでしょうか?
※紹介している情報は2017年9月時点のものです。配信作品の状況が変わっている可能性もありますので、詳細は公式ホームページにてご確認ください。
まとめ
映画『あゝ、荒野』の監督を務めたのは岸善幸監督。どのように寺山文学を映像化したのか楽しみですね。
しかも昭和の匂いが漂う寺山修司の歌とも言える世界観の小説『あゝ、荒野』。寺山が作詞家であったように、まるで歌が聞こえてくるような詩の文学なのです。
連歌とも呼ぶべき寺山修司の小説の書き出しは次のような序文で綴られます。
「〈バリカン〉が生まれてはじめて買った書物は三百二十ページの厚さの「吃りの治し方」であった。彼はそれを五度続けて読み、六度目には目次をすらすら吃らずに読めるようになった。」
このつかみの序文だけでも寺山修司の才気を感ずにはいられませんね。読者に読ませながらにして吃りと体感させる、恐ろしいセンスです。
また、映画でバリカン役を演じるのは韓国の映画監督ヤン・イクチュン。
どのように韓国人の彼が心境の雄弁さを吃りで語るのか、大いに注目ですね。
『あゝ、荒野』のイメージビジュアルと公開日を解禁しました!イメージビジュアルは世界的巨匠・写真家 森山大道さんがW主演の菅田将暉さんとヤン・イクチュンさんを撮り下ろし!
公開日は前篇が10月7日、後篇が10月21日です! pic.twitter.com/14coqUlTv9— 映画『あゝ、荒野』公式 (@kouya_film) 2017年4月25日
さて、最近、映画の楽しみ方もライフスタイルに変化とともに変わってきましたね。
映画館に出かける面倒な時間も節約できるし、周囲にいる見知らぬ観客などとのストレスもないのは利点ですよね。
今回、映画『あゝ、荒野』の興行として行う方法は、まだ珍しい映画公開の仕方です。でも、今後は広がりを見せるかもしれかもしれません。
何よりも映画『あゝ、荒野』は劇場版よりも【完全版は12分間長い】のですから、じっくりと菅田将暉&ヤン・イクチュンを自宅でも鑑賞できます。
この機会にU-NEXTに加入するのはオススメかもしれませんね。ぜひお見逃しなく!