映画『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』は2019年11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー!
2008年に公開され、国内外で人気を博したカルトムービー『片腕マシンガール』の”極悪リブート版”として、注目を集める『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』。
日活無国籍アクションへのリスペクトほか、情け無用のバイオレンス描写が炸裂するアクション映画です。
「親にもらったこの身体、こんなバケモノに誰がした?」と啖呵を切るヒロイン・姉アミ役の搗宮姫奈さん。そして妹ヨシエ役で切れのあるアクションで演じた、もうひとりのヒロイン花影香音さんのお二人にインタビューを行いました。
「ヤツらを皆殺しにするまで、”魔神少女(マシンガール)”は止まらない!!」。そんなバイオレンス・アクション映画の魅力について語っていただきました。
CONTENTS
膨大なイメージがつまった脚本
アミ役の搗宮姫奈さん
──初めて『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』(以下、『バーストマシンガール』)の脚本を読んだときの印象を教えてください。
搗宮姫奈さん(以下、搗宮):最初いただいた脚本は、実際に撮影したものと全く違いました。
花影香音さん(以下、花影):最初は沖縄を舞台にした脚本でした。私は沖縄出身だったので、その点でも気合が入っていたのですが、改めて渡されたものを見たら、印象が違うほど全然変わっていました。この脚本をどうやって映像化するんだろう…。あまりに未知すぎて。
撮影中も、順番に撮っていたわけではないので、正直わからなかったのですが、監督やスタッフさんを信じて一つ一つやり切るしかないと思っていました。だから出来上がった作品を見たときに、本当にびっくりして、「監督は天才なんだ」って。
搗宮:最初に脚本を読んだときは、面白い作品だと思ったんですが、やはり現場に行ってみないとわからない部分が多かったです。そのため、自分のイメージを作りすぎず現場に行こうと決めていました。
不思議な台本で、「○○の引用」「△△から引用」と、たくさんの引用の記載がありました。小林勇貴監督のイメージは、はっきりとしていたようで、他の映画やアクション作品からのイメージの引用があるけれど、あまりに多すぎて調べきれない(笑)。
ヨシエ役の花影香音さん
──それは脚本に書いてあったんですか。
搗宮:はい。後になってから、かなり戸惑ったことを小林監督にそのことを伝えました。それに現場でも、少しずつ脚本は変更されていき、本当に一つの映画につながってるのかなと不安になりつつも。でも、小林監督を信じてついていった結果、出来上がった『バーストマシンガール』は、「ものすごく面白い!」と感動しました。
花影:逆に言えば、撮ってる最中の情緒不安定な雰囲気が映像の中に盛り込まれていて、私たちの不安定さが観客の皆さんにも返って良い意味で伝わって、面白さを倍加させていると思います。
──当初の脚本はかなり違う、しかもユニークな改訂稿が手元に届いたということですね。
搗宮:アクションの稽古が3ヶ月あって、私たちは年も近いし「ライバル」として無我夢中で練習していた頃に、ようやく脚本が出来上がっていました。その時になって二人で、「あ!お芝居もあるじゃん!」と思い出しました(笑)。
だから脚本を読んで、役柄を作っていくというよりは、小林監督のイメージに合わせる形で現場に臨んでいきました。
現場に入る前に、2時間くらい小林監督と一緒に脚本について話し合って、役柄をつかんでいきました。でも小林監督の独特の世界観はなかなかわからなくて。最後はもうやっていくしかないと覚悟を決めました。
映画に「熱すぎる」小林勇貴監督
──小林監督の印象をもう少し詳しく教えてください。
花影:小林監督はとてもチャーミングな方です。映画に対しての熱い愛がある方です。笑った時とかとってもチャーミングで子供みたいで…。
搗宮:映画監督の時と私生活とのギャップが激しくて、私生活の様子だけ見ていると「本当に映画監督なのかな?」と疑うくらい。
でも映画のことになると、熱い。理不尽なくらいに(笑)。それが面白くて。このギャップがあったから小林監督は、この映画ができたんだなと。
──小林監督からはどのような演技指導を受けましたか。
搗宮:撮影に入って話し合っていた時は、ひたすら「アミは“馬鹿”なんだ」って言われました。それはわかるんですが、その後の気持ちの流れを準備しておきたいと思って話し合うのですが、「違うんだ、アミはもっと“馬鹿”なんだよ」「だから“馬鹿”って何なんですか」って話が進まない(笑)。
そういったことを真剣に言い合って、怒られる。現場の小林監督は全然違いました。最後まで小林監督の意図するところはわかりませんでした(笑)。わからなくて、それゆえの未完成さが映画にとって良かったんだと思います。
『バーストマシンガール』が完成して
──撮影中は不安がいっぱいだったということでしたが、出来上がった作品を見ていかがでしたか。
搗宮:出来上がったものを見た時は、ただもう感無量でした。
尊敬する俳優さんやスタッフの方とご一緒できて、また支えてくださったので、主演という立場でしたが、撮影中は安心していました。
脚本を読んで、大変なことはもちろんありましたが、絶対に乗り越えられると思っていたので、実際に完成した作品を見たときは、涙が出るくらい感動しました。
花影:私は実は、グロテスクなものや、血が得意ではなく…(笑)。本来なら目を背けてしまうのですが、『バーストマシンガール』は自分が出ているせいか、全然そんなことはなく。仕上がりをスマホの画面で観た時には、ニヤニヤしてしまって。何回も繰り返し再生するシーンもあって、今までにない面白い作品でした。
搗宮:自分たちが、出演してるからそう感じるのか、客観的に観ても同じように思えるのか。劇場での観客の方々の反応をとても楽しみにしています。
アクション監督・坂口拓(TAK∴)による特訓
──アクション監督であり、キャストでもある坂口拓(TAK∴)さんはいかがでしたか。
搗宮:撮影現場にいてくださるだけで、安心感がありました。3カ月間、みっちり稽古をつけていただいて、お互いに信頼関係を作ることができたし、撮影中も、この人のために頑張ろうって思いながら演じていました。アクション監督として現場に緊張感を与えてくれる人でした。
──かなり稽古を積まれたというアクションですが、観ていてとても心地の良いアクションでしたね。
搗宮:それはやはりアクションを指導してくださった拓さんのおかげです。
花影:最初は蹴りの練習から始めました。ミット打ちや柔術の基礎を行い、家でできる筋トレをして、週に何回か一緒に稽古をしていました。
搗宮:最初は全然様にならなくて、「下手くそ」って何度も言われ続けましたが、一生懸命やるしかないなって(笑)。
──坂口さんによるアクション指導の中でも、特に印象に残っていることはありますか。
花影:拓さんの「頭は冷静に。でも体の熱量は上げておきなさい。」という言葉が印象に残っています。
私たちは2人とも考えが先立って、なかなかアクションを覚えられなくて。動きの中の「次」を頭の中で考えてしまう。アクションの中の流れに対して理由づけをしてしまう傾向がありました。その時に「考えるのではなく、身体で感じて反応しろ」って、よく言われました。
──ブルース・リーの「Don’t think, feel.(考えるな、感じろ)」ですね。撮影本番中の2人のアクションに対しては、坂口さんから何かコメントをいただきましたか。
搗宮:アイドル服でのアクションは、全然できなくて、何度も何度も繰り返して。
ですが最後の、長回し撮影によるアクションシーンを、ミスなく一発オーケーで決めた時には「とっても良かった」と褒めてくれました。その時はもう、涙が出てしまいました。
ヒロインが決まったオーディション
──劇中にはアミが啖呵を切るシーンがありますが、あれはいつごろ撮影されたんですか。
搗宮:撮影の終盤、あと3日でクランクアップという時です。あれで完全に声をつぶしました。一度アミが殴られたあとに、新たに再生し「本気で助けに行く」という使命感を持つんです。だから、そこのシーンの前後でアミのキャラクターを変化させないといけないと思ったんです。
この啖呵を切るセリフは、実は、オーディションのセリフでもありました。
主演が決まってから、途中でなぜ私が選ばれたのかがわからなくなった時に、小林監督に私を選んだ理由を聞いてみたんです。
すると、この「お控えなすって」というセリフを聞いた時に、「この子だ!」と決めたと知らされました。それもあって、絶対にこのセリフは大切にしようと思っていました。
──花影さんは「オーディションでは自信があった」と公言していますが、そう思われた理由はいったい何でしょう。
花影:過去の経験から、決まるオーディションというのは、終わった後にすごく手応えがあるものか、全然だめだったなぁと思うものかの両極端で、今回は手応えを感じる方だったんです。
身体は動く方なので、アクションをやってみたいと思っていたんです。また当初は沖縄が舞台の脚本だったから、「沖縄のセリフだったら任せてください」という気持ちもありました。

お互いの関係について
──お互いの関係についてはどう思われていますか。
搗宮・花影:(ふたり一緒に)ライバルだよね。
搗宮:花音は、すごく器用だし感性も優れている。脚本も一度読んだら決めてくるし、アクションもそう。
アクションの稽古をつけていく中で、拓さんがわざと私に「花音はアクションの申し子だから」って言ったりして、それは私のやる気に火をつけるためだっていうのはわかるんだけれど、悔しくて。私は負けず嫌いだから、泣きながら家に帰るということもありました。
今もアクションの稽古を続けているんですが、この間、わざわざ花音を呼び出して。私は花音の顔を見るだけで、なんか悔しい気持ちになって(笑)。他の子には感じない、感情にさせてくれる人。だから単なる親友みたいな感じにはならないです。
花影:私もライバルだと思っています。彼女は誰からも好かれるんですよ。人の懐にすっと入っていけるというか。後輩ともすぐ仲良くなれるし。
私は逆で、周りからはツンケンしているように見えてしまうそうで。彼女のまっすぐさや他人を引きつけるエネルギーが、人の良さを表していて、それがお芝居にも滲み出てくる。「まっすぐ」というのは、正直すごく羨ましいです。
インタビュー・撮影/出町光識
インタビュー補佐/河合のび
構成/くぼたなほこ

映画『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』の作品情報
【公開】
2019年11月22日(金)(日本映画)
【監督・脚本・編集】
小林勇貴
【出演】
搗宮姫奈、花影香音、坂口拓(TAK∴)、北原里英、根岸季衣
【作品概要】
最凶を称する製作陣が、最狂を誇る監督と共に世界に放つ、極悪エンターテイメント・バイオレンスムービー。
小林勇貴監督はPFFアワードの出身で、本物の不良少年を起用した映画『孤高の遠吠』で世間から注目され、間宮祥太朗主演の『全員死刑』でメジャー映画デビューを果たしています。
プロデューサーは『片腕マシンガール』製作に参加し、『冷たい熱帯魚』『日本で一番悪い奴ら』と問題作を連発する千葉善紀と、特殊効果の分野で活躍するだけでなく、『東京残酷警察』などで知られた西村喜廣監督。
キャストの”魔神少女(マシンガール)”姉妹にオーディションで選ばれた、搗宮姫奈と花影香音が、アクション監督の坂口拓の指導で激しいバイオレンスシーンを演じ切りました。
姉妹に敵対する殺し屋を、元AKB48で現在は女優として『サニー/32』に出演している北原里英、姉妹に敵対する組織のボスをベテラン女優・根岸季衣が演じています。
映画『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』のあらすじ
どこか昭和の香りが漂わせる、無法地帯のスラム街のイシナリ地区。街は臓器売買組織の元締め・ダルマ屋が支配し、そこに住む貧乏人は自らの、そして家族の肉体を切り売りして暮らしていました。
幼い頃、親に身体の一部を売られた姉妹、アミ(搗宮姫奈)とヨシエ(花影香音)は、今ではゴダイ一座の見世物小屋で、姉妹アイドルとして舞台に立ち、一座の仲間と共に暮らしていました。
ある日、その見世物小屋に、流れ者のマツカタ(坂口拓)が現れ、仁義を切ってワラジを脱ぎます。実はその正体は、“殺し屋協会ランキング5位”の称号を持つ殺し屋でした。
一方親によって片腕を売られたヨシエは、アミには内緒でマシンガン義手を装着すると、ダルマ屋の女ボス・青山ダルマ(根岸季衣)への復讐を開始します。
ダルマ屋の臓器売買所に乗り込んだヨシエは、ダルマの息子を半殺しの目に遭わせます。激怒したダルマは、改造人間兵器“ドリルブラシスターズ”を送り込みます。
激しい闘いの果てに、ダルマ屋に囚われたヨシエ。知らせを聞いたアミは、ヨシエを返してもらうべくダルマ屋に乗り込みます。
しかし、ダルマは話の通じる相手ではなく、凄惨なリンチの果てに片腕を切断されたアミ。なおも怒りの収まらないダルマは、ゴダイ一座を皆殺しにするため、”殺し屋協会ランキング1位”の凄腕殺し屋、橘キキョウ(北原里英)を送り込みます。
対決するキキョウとマツカタ。そして復活したアミは、憎きダルマ屋一味の皆殺しを決意し、失った片腕にマシンガンを付け立ちあがりますが…。
映画『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』は2019年11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国ロードショー!