2017年11月3日より劇場公開されるアン・ハサウェイが主演を務める『シンクロナイズドモンスター』。
職ナシ、家ナシ、彼氏ナシ‼︎巨大な怪獣を操るダメウーマンが、負け犬人生と世界の危機に立ち向かう?
ハリウッドを代表するオスカー女優アン・ハサウェイ!彼女が怪獣とシンクロしちゃうって、なんだこりゃ〜!コレは観なくちゃ!
CONTENTS
1.映画『シンクロナイズドモンスター』の作品情報
【公開】
2017年(カナダ映画)
【監督】
ナチョ・ビガロンド
【キャスト】
アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーブンス、オースティン・ストウェル、ティム・ブレイク・ネルソン
【作品概要】
『プラダを着た悪魔』や『レ・ミゼラブル』などの人気女優アン・ハサウェイ主演作品で、なぜか怪獣を操ることができるようになってしまった負け組の女性が、自らの人生と世界の危機に立ち向かう姿を描く異色の怪獣映画⁈
また、アン・ハサウェイは製作総指揮も務め、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーブンス、オースティン・ストウェルたちが脇を固めています。
演出は『エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる』『ブラック・ハッカー」のナチョ・ビガロンド監督。
2.映画『シンクロナイズドモンスター』のあらすじ
憧れのニューヨークで働いていた職を失ったグロリア。
失業してからというもの、毎晩のように酒に酔って暴走したあげく、同棲中の彼氏ティムからも家を追い出されてしまいます。
仕事と家と彼氏のすべてを失ったグロリアは生まれ育った故郷の田舎町に帰って来ました。
そこで再会した幼馴染みのオスカーに誘われて、グロリアはオスカーが経営するバーで働くことにしました。
そんなグロリアが新生活への一歩を踏み出すなか、衝撃のニュースが世界を駆け巡りました。なんと韓国ソウルで謎の大怪獣が出現したというのです。
テレビに映し出された怪獣の姿を映し出した映像を見たグロリア。彼女はある異変に気づきます。
「この怪獣、私と全く同じ動きをする⁈」舞い上がったグロリアは、怪獣をシンクロさせて操ると世界をさらなる混乱へと陥れるのだが、そこに“新たなる存在”が立ちはだかったのです…。
3.映画『シンクロナイズドモンスター』の感想と評価
今作『シンクロナイズドモンスター』の主人公グロリアを演じたのは、誰もがご存知のアカデミー賞女優のアン・ハサウェイ。
この映画のプロデューサー(制作総指揮)の一角を、アン自身が務めたことからも分かるように、彼女にとって、どうしても制作しなくてはならない理由のある映画だったのでしょう。
一体どうして、アンはダメダメな女性グロリアと巨大怪獣がシンクロするという、奇妙な映画を作ろうとしたのでしょう?
職なく家もない、また交際相手ティムからも見捨てられたグロリアは、行き場がなくしぶしぶ故郷に逃げ帰ります。
そこでオスカーというある宿命の男に出会うのですが、このあたりの展開は、あなた自身の目で映画をご鑑賞くださいね。
さて、今作の予告編を見たあなたなら、既にお気付きのようにグロリアと韓国ソウルに出現した怪獣の動作はシンクロしています。
また予告編にはアン演じるグロリアが、「わたしはダメじゃない」と呟いています。
この台詞が言い表しているように、この作品はグロリアが奮起して“自ら再生をしようとする”物語です。
単に怪獣とシンクロして何かを倒す(予告編に見られるロボット)ことで再生を果たすのではなく、グロリアの心の奥底にあるひとつの“念”のような存在と対峙することで克服をしていきます。
つまりは「グロリア ⇄ 怪獣」と相対する“念”の関係であり、また、宿命の男オスカーも、「オスカー ⇄ グロリア」の“怨”の関係と言える鏡合わせの構造の面白さを見せています。
そして深読みをするならば、「アン ⇄ 怪獣 ⇄ グロリア」となっているからこそ、この映画をアンはどうしても作りたかった(演じたかった)のではないでしょうか。
そのようなことに気を留めて、アン・ハサウェイの生い立ちから物事に対峙する彼女の姿勢を紐解いていきましょう。
4.女優アン・ハサウェイの幼少期
女優であるアン・ジャクリーン・ハサウェイ(Anne Jacqueline Hathaway)は、1982年11月12日生まれのニューヨーク市ブルックリン区出身の女優。
父親ジェラルド・ハサウェイは弁護士、母親のケイト・マッコーレーは舞台女優という両親のもと、敬虔なカトリック教徒の家庭で何不自由なく育ちます。
また、彼女の名前の由来は劇作家ウィリアム・シェイクスピアの妻であるアン・ハサウェイから得たことも有名な話です。
さらにアンは、カトリック教徒として育ったことで将来の夢は修道女に成ることを希望します。
しかし、アンは彼女が15歳の時に兄がゲイであることを知りました。そんな兄の性的指向や人格を認めない宗教に信仰心は尽くせないと、彼女はその道を取りやめます。
さらに、これをきっかけにして、アンを含めた家族全員がカトリック教会から離脱。
信仰心を強く持ったアンやその家族が、兄のために精神的な葛藤と困難を克服しようとした姿勢は、思春期のアンに強く影響を与えたのではないでしょうか。
問題を前にして逃げ出さないアンの姿勢や、周囲にいた愛する家族も同様に実行した思考は、アンの原風景として大きかったような気がします。
どこかで、『シンクロナイズドモンスター』の主人公グロリアの下した判断。また、“宿命の男オスカーが許せない”という、アン自身のバックボーンが見え隠れしてはいないでしょうか。
ネットのへイターから逃げ出さないアン
今作『シンクロナイズドモンスター』のなかでグロリアは、ネットライターをしていますが、ある記事をきっかけに炎上を起こしてしまい、ネットにいる大勢から嫌われ者になってしまいます。
このことは実生活のアンにも似たようことがあったそうです。
あなたもご存知のように彼女は、女優としてあまりに美しい美貌だけでなく、実力派俳優でもあります。
2010年公開の『ラブ&ドラッグ』でゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネート。
2012年は『ダークナイト ライジング』にて、セクシーでグラマーな女怪盗セリーナ・カイル役で一躍人気者へ。
また同年には、『レ・ミゼラブル』にてファンティーヌを演じて、第85回アカデミー賞助演女優賞を受賞します。
しかも、アンの出演したどの作品も記録的な大ヒット作であり、ハリウッド女優としては不動の地位と実績を築き上げています。
ただ、他人とは、どこかで羨み、嫉妬をするものです。このような女優アン・ハサウェイを羨む人たちがたくさん現れました。
アンの成功する要因であった美貌や演技力について、ネットにいる「ハサヘーターズ(アン・アンチな者たち)が、負の言葉の“念”を彼女に送ります。
彼女の美貌や演技力を誹謗中傷したのです。
しかし、彼女は先の章であげたように、自らの生き方や誰かの人生のためにも逃げ出さずに道を切り開く人物です。
そんな「ハサヘーターズ」の“念”に自己と向き合い負けじと、アンは挑みます。
今作『シンクロナイズドモンスター』とは、自己の状況をある意味では自虐的なネタにして、アンが笑いを持って吹き飛ばした快作の映画です。
アン・ハサウェイの真摯な姿勢の現れこそが、“グロリアと怪獣のシンクロ”や“宿命の男オスカー”そのものなのでしょう。
この作品は荒唐無稽な物語ではなく、独りの女性が真の意味で成長をする物語です。
女性のあなたには、ぜひとも観ていただきたい映画ですよ。
もちろん、小難しいお話とかではなく、単純に笑えちゃうアン渾身の一作です!
さてさて、まあ、オスカー女優として偉大な(巨大なかな?)アン・ハサウェイ演じるグロリアが、手にしたちっちゃなオスカーを〇〇てしまうのは、あまりにベタですが、気の利いた爆笑なネタもありますので要チェックしてくださいね。
まとめ
アン・ハサウェイが演じたグロリアは、自堕落な生活を送り、居場所を失い地元に帰ってしまいます。
そんな精神的に弱ったグロリアが幼なじみオスカーと再会します。
やがてグロリアはオスカーの営むバーのテレビでソウルに出現する怪獣を見ることになるのです。
この怪獣とグロリアの関係について、アン・ハサウェイは次のようなコメントをしています。
「突然巨大怪獣がソウルを攻撃し始める。世界中の誰もが混乱に陥る中、彼女は泥酔した次の日に怪獣の動画を見て気がつくの。自分そのものが怪獣だとね」
さて、彼女の内なる“念”の怪獣とは何か?
愉快!痛快!キキカイカイな『シンクロナイズドモンスター』は、2017年11月3日より劇場公開です。
自身の困難を笑いに昇華できる女優アン・ハサウェイはカッコイイのひとこと!
ぜひ、お見逃しなく!