香坂の後輩・麻生の殺害犯が判明!?急展開をみせる第8話
予測不能で、真犯人は一体誰なのかと考察せずにはいられない、スリルたっぷりな完全オリジナルの心理サスペンスドラマ『約束~16年目の真実~』。
16年前に生まれ育った町で起きた連続殺人事件で人生を奪われ、故郷に戻って事件の真相に迫ろうとする女性刑事。しかし帰郷後、殺人事件が再び起こり始めます。
主演の中村アンをはじめ、横山裕、岡部たかし、杉本哲太ら豪華キャストが紡ぐスリリングなストーリーが病みつきになる一作です。
第8話「犠牲」では、かつて特殊詐欺グループの捜査中に命を落とした香坂の後輩・麻生を殺めた犯人が判明。そして連続殺人事件の捜査にも、予想外の新たな展開が訪れます。
ドラマ『約束~16年目の真実~』の作品情報
【放送】
2024年(日本ドラマ)
【演出】
山本大輔、今和紀、吉川祐太 ほか
【脚本】
小峯裕之、本田隆朗、富安美尋
【音楽】
木村秀彬
【キャスト】
中村アン、横山裕、細田善彦、佐津川愛美、森永悠希、織田梨沙、坪倉由幸、樋口幸平、森優作、長谷川朝晴、井上肇、向里祐香、山田キヌヲ、川床明日香、岡部たかし、杉本哲太
【作品概要】
16年前に起きた連続殺人事件によりすべてを奪われた女性刑事・桐生葵が、父の無実を証明するために故郷に戻り、事件の真相に迫るさまをスリリングに描くサスペンスドラマ。
葵が帰郷した途端に再び事件が次々に発生し、青春時代をともにした同級生らまでも容疑者に。登場人物全員、互いが互いを疑い疑われるストーリーから一瞬たりとも目が離せません。考察必至の極上ミステリーです。
主演を中村アンが務め、バディの刑事を横山裕が演じます。細田善彦、佐津川愛美、森永悠希、織田梨沙が元同級生役を演じるほか、杉本哲太、岡部たかしらベテラン実力派が脇を固めます。
ドラマ『約束~16年目の真実~』第8話「犠牲」のあらすじとネタバレ
葵は天草に銃を向け、追い詰める香坂の姿を目の当たりにします。
天草は香坂の後輩刑事・麻生を捕らえた現場には居合わせたものの、殺したのは自分ではなく、「俺は刑事を殺した」と話していた特殊詐欺グループの先輩ではと話しました。
麻生を殺した犯人を「ひとりで追う」という香坂を心配した葵は、夏目に彼を監視させます。
香坂は麻生の死の真相は、自分の全てをかけて追いかけることだと決めていました。葵にも、自身の真実を追うように言い「連続殺人犯が大胆な行動をとる可能性がある」と警告します。
自らを囮にして犯人をおびき寄せるため、葵は連続殺人の事件現場に、犯人へのメッセージを暗号で書いたメモを残します。「次の犠牲が生まれるなら自分でいい」とさえ葵は思っていました。
一方、特殊詐欺グループの拠点となっていたビルの所有者だった恵は、警察で聴取を受けます。彼女は何も知りませんでした。
天草は香坂の指示で、麻生殺害の実行犯と思われる詐欺の先輩を呼び出します。しかし先輩曰く、捕らえられた男を殺したのは、自分はなくハルク」と呼ばれる人物だと話します。
その頃、不破は高校の文化祭実行委員だった元同級生で、雑貨屋店主の井出を訪ねました。井出はシナリオを読んだと話した後「書いた意味あったな」と言います。
その後、不破は葵・恵・桃を呼び出し、井出に会ってきたことを話しました。
井出の家の入り口に、桃の店のテイクアウト容器が捨てられているのを見つけた不破は、桃が彼と知り合いだと気づいていました。桃はボランティアで引きこもりの井出に弁当を届けに行ったものの「もう二度と来るな」と冷たく言われたことを話します。
また詐欺グループでの天草の先輩だった男が、映像でハルクのバイクを特定しました。ハルクの正体を知った香坂・葵・夏目。香坂がある場所に向かうのを見送りながら、葵は「彼を信じていい」と夏目に言いました。
ドラマ『約束~16年目の真実~』第8話「犠牲」の感想と評価
第8話では、さらにいくつかの重要な真実が明らかになりました。まず判明したのは、香坂の後輩・麻生刑事を殺したのは有村刑事部長の息子の有村潤だったことです。
潤は天草の所属する特殊詐欺グループの幹部のひとりで、刑事を殺したことを自ら吹聴する愚かな男でした。有村刑事部長は自らの保身のために、ドラ息子の罪を隠し続けてきたのです。16年前、出世のために尾藤に偽証させ、葵の父に罪をかぶせたことも明らかとなりました。
自分の意のままに動かせる尾藤が所有していた施設が、詐欺グループの拠点として使われていたことにも、有村が関係していた様子がうかがえます。掘り返せば、有村からはまだまだやましい事実が出てきそうです。尾藤の自死にも裏がありそうで、さらに大きな闇が隠されているように思えてなりません。
もう一つは、事件に大きく関わっていたのが葵たちの元同級生の井出だという事実でした。井出はなかば引きこもりで、小さな雑貨店を細々と営んでいました。彼は暗号で葵を自宅に呼び出し、その間に警察に出頭して殺人の罪を自白します。
それ以前にも、井出は黒パーカー姿で葵や女子高生の後を追っている姿を目撃されていました。顔は見えなかったものの、特徴的な仕草で特定されていたのです。井出の自宅で、葵は事件に関する数々を目にしますが、葵に見せることを意図して仕組まれた悪意ある証拠ばかりでした。
しかしながら、本作はまだ残り2話を残しており、井出が犯人のまま終わるとは思えません。井出の室内を葵にわざと見せたのはおそらく「シナリオ通り」だったはず。桃のポストにシナリオを投げ入れたのと同じく、井出にシナリオを流した黒幕がいるのではないか。井出は自ら望んで演者となっている可能性があります。
真犯人は誰なのかと考えるにあたり、より引っかかる点は最初の被害者・山名恵里香の存在です。
16年前に殺された不破玲は不破の妹、飛鳥万里江は桃の母でしたが、山名だけは関係者ではありません。その上で「山名を殺した犯人を知ってしまったために、玲と万里江は殺されてしまった」とは考えられないでしょうか。もしそうだとするなら、一条も疑わしくなります。メタな推理ではありますが、ブレイク中の名優・岡部たかしがこのまま終わるとは思えないというのも理由の一つです。
いまだすべての記憶を取り戻していない、葵への疑惑も残ったままです。彼女を守るために父親と一条が結託したということも考えられます。16年前にいなくなった万里江の遺体が速水家の裏庭に埋められていたことを思うと、外部の人間より可能性が高いと思えるからです。もちろん、速水家が無人になってからの犯行の可能性もありますが。
近年殺された女性たちは、いずれも旅行者として町を訪れていました。特殊詐欺の仕事に加担していた可能性は高く、有村潤が彼女たちの死にも大きく関わっているかもしれません。有村刑事部長が必死で連続殺人事件を掘り起こされないようにしているのは、16年前の自身の判断ミスだけが理由ではない可能性があります。
しかし、まだ謎があります。神田橋で見つかった、5年前に殺された被害女性の存在です。彼女の死は「空白の時期にも、殺人は行われている」という香坂のプロファイリングが一番しっくりきます。いずれにせよビー玉が埋められていたことから、望野の連続殺人を知る者が関係していることは間違いありません。
まとめ
知るほどに謎が深まり、その魅力の虜になってしまうミステリードラマ『約束~16年目の真実~』。
今回は、特殊詐欺グループの闇の中に有村刑事部長がいることが判明しました。息子への愛情というよりも、自らの保身ゆえに、息子に振り回される悲惨な状況が浮き彫りとなります。
また、謎めいた元同級生の井出が、葵の前に証拠らしきものをこれでもかと並び立てた末に、突然警察に自ら出頭しました。
しかしながら、観ている方の多くは井出が真犯人では納得しないはず。おそらく、彼の後ろに潜む黒幕の存在を嗅ぎ取っていることでしょう。
ここまで終盤に近づきながら、その黒幕がいったい誰なのかまったく読めません。元同級生4人の内の誰かなのか、それとも有坂刑事部長または一条なのか。あるいは今回から登場した有坂の息子・潤なのか。
次回の予告では「世界の反転」というキーワードが掲げられています。私達は皆、どこか見誤っていたのでしょうか。さらに真相に近づく次回を楽しみに待ちましょう。