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【ネタバレ解説】フォールアウト|ドラマあらすじ感想評価と結末考察。シーズン2続編も決定!シーズン1は大人気ゲームの“リアリティある再現”と“人間の在り方”を描く

  • Writer :
  • 糸魚川悟

崩壊した世界で人はどう生きるのか?
大人気ゲームシリーズが待望のドラマ化!

2077年に発生した核保有国同士の戦争によって、文明が崩壊した世界。

さまざまな方法で生き延びた人類は、再び徒党を組み組織化し、そして争いが始まる……。

世界観と「人は過ちを繰り返す」という印象的なフレーズで、世界中に多くのファンを持つゲーム「フォールアウト(Fallout)」シリーズ。

今回はそんな「フォールアウト」シリーズが、原作お馴染みのブラックユーモアと再現度の高い映像で実写化されたドラマ『フォールアウト シーズン1』(2024)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

ドラマ『フォールアウト シーズン1』の作品情報

【配信】
2024年(Amazonプライム・ビデオ独占配信)

【原題】
Fallout

【原作】
ベセスダ・ソフトワークス「フォールアウト」シリーズ

【原案】
グレアム・ワグナー、ジェニーヴァ・ロバートソン=ドウォレット

【キャスト】
エラ・パーネル、アーロン・モートン、ウォルトン・ゴギンズ、モイセス・アリアス、デイブ・レジスター、サリタ・チョウドリー、カイル・マクラクラン

【作品概要】
1997年にインタープレイ・エンターテインメントがPC向けゲームとして発売した『フォールアウト』。その後インタープレイの経営破綻などの波乱がありながらも世界的人気を博した同シリーズを、映像配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」が実写ドラマ化した。

ドラマシリーズ『JUSTIFIED 俺の正義』でエミー賞を受賞したウォルトン・ゴギンズが主人公の一人であるグールを演じ、日本でも社会現象を巻き起こしたドラマ『ツイン・ピークス』などで知られるカイル・マクラクランが物語の鍵を握る役で本作に出演しました。

ドラマ『フォールアウト シーズン1』のあらすじとネタバレ

【219年前:クーパー】

2077年。核戦争の緊張感が高まる中、カウボーイ映画で活躍した俳優クーパーは娘ジャニーとともに、ある富豪が開催した誕生日パーティに訪れていました。

パーティの最中、クーパーは街中に立ち昇る無数のキノコ雲を目撃。ジャニーを助けるために馬を走らせました。

【ルーシー】

核戦争が起こり世界が崩壊してから、219年後。Vault-Tec社の開発した核シェルター「Vault」のひとつであるVault33で生まれ育ったルーシーは、勉学にも運動にも優れていたため、隣接するVault32の住民とのお見合い結婚を行う人間に選ばれます。

ルーシーは母親を幼少期に失い、Vault33の監督官(リーダー)である父ハンクが、男手ひとつで彼女とその弟ノームを育ててきました。

Vault32との境界の扉を開けると、そこからVault32の監督官モルデイヴァーとルーシーの結婚相手となるモンティが現れます。

ルーシーとモンティの結婚式が執り行われ、二人は部屋に戻って結ばれます。しかし、空いた扉からVault32に潜り込んだノーマンは、死体が転がるVault32の現状を見て異常を覚えます。

同時にルーシーもモンティが地上から来たレイダー(略奪者)であることを確信し、揉み合いの果てにモンティを殺害。

Vault32の人間になりすまし、Vault33に入り込んだレイダーたちは虐殺を開始。戦闘訓練を経験済みのVault33の住民の反抗もあり、双方に多くの犠牲が出ます。

モルデイヴァーはハンクを確保すると、その場に居合わせたルーシーに「母親そっくり」と話します。そして地上に出て追いかけてくるように促しながらも、ハンクを拉致しVaultを出ていきました。

翌日。ルーシーは生き残ったVault33の住人に父ハンクの捜索を提案しますが、代理監督官のベティは「復興を優先すべき」として却下します。それでも諦められないルーシーは、ノームと従兄弟のチェットの協力を経て、Vault33を脱出し地上へと向かいました。

【マキシマス】

「B.O.S.(Brotherhood of Steel:鋼鉄の同志)」の隊員マキシマスは同期からのリンチをたびたび受けながらも、パワーアーマーを着ることを許される「ナイト」の地位を目指していました。

ある日、友人のデインがナイトの付き人である「スクワイア」に昇格しますが、何者かがデインの靴に刃物を仕込んだことで負傷。デインの代わりにマキシマスが、ナイトであるタイタスのスクワイアに昇格しました。

「エンクレイヴ」から世界の命運につながる重要な鍵を握る研究者が脱走し、タイタスとマキシマスは研究者を追う任務に就くことになります。

捜索拠点となる街へ向かう途中で森に差しかかったタイタスとマキシマスは、ヤオ・グアイ(放射能汚染で変異してしまった熊)に襲われます。

パワーアーマーを持ってしてもヤオ・グアイは脅威の相手であり、タイタスは逃走した上に情けなく命乞いをしたどころか、その後ヤオ・グアイを倒したマキシマスさえも非難しました。

憧れていたナイトの見苦しい姿に幻滅したマキシマスは、重傷を負ったタイタスを放置して死なせると、そのパワーアーマーを奪いました。

【グール】

エンクレイヴから脱走した研究者に、多額の懸賞金がかけられたことを知った賞金稼ぎたちは、墓の中に生かされながらも封印されたグール(変異した人間)を解放します。

しかしグールは、研究者がカリフォルニアのモルデイヴァーのもとに向かっていると知ると、賞金稼ぎたちを次々と殺害しました。

【ルーシー】

Vault33を出て、荒野を彷徨った後に「フィリー」という街を訪れたルーシー。雑貨店でモルデイヴァーの情報を聞き込む彼女は、例の脱走中の研究者ヴィルツィヒと遭遇します。

多額の懸賞金がかかっているヴィルツィヒを追っていたグールも現れ、グールは容赦なくヴィルツィヒの脚を撃ち抜きます。

雑貨店の店主は「ヴィルツィヒを逃走させる」という依頼を大金で引き受けていたため、ならず者たちを使ってグールを始末しようとしますが、グールはならず者たちを単独で殲滅。

グールはヴィルツィヒの飼い犬すらも容赦なく攻撃し、見かねたルーシーは争いに介入しますがグールは止められず、さらにパワーアーマーを装備したマキシマスも乱入してきます。

マキシマスは任務で探していたヴィルツィヒを見つけると、ルーシーに保護を頼んで自身はグールと対峙。

雑貨店の店主は、ヴィルツィヒの保護を依頼して来た人物こそがモルデイヴァーだと言うと、モルデイヴァーの所在の座標を共有してヴィルツィヒを連れて行くことを頼みます。父を取り戻すために交渉材料が必要だったルーシーは、仕方なくヴィルツィヒを連れて行くことに。

一方、パワーアーマーの力でグール相手にも有利に立ち回っていたマキシマスでしたが、パワーアーマーの弱点を知るグールにアーマーを破壊され、街の外へと飛ばされてしまいます。

マキシマスを退けたグールはヴィルツィヒが逃走したことを知ると、彼の飼い犬を手当てし匂いを追わせることにしました。

ヴィルツィヒの出血は酷く、生きてモルデイヴァーの元へ行くことを諦めた彼は毒を飲みます。そして「自分の頭部だけを持って行くだけでも、世界を変える価値」があるとルーシーに話し、頭部を切り落としモルデイヴァーへ引き渡すように頼みます。

ルーシーは覚悟を決めヴィルツィヒの首を切り落とすと、旅路を進めます。

【マキシマス】

グールに破壊されたパワーアーマーの修理を試みるマキシマスは、B.O.S.からの通信に対して咄嗟にタイタスを名乗り「マキシマスが死亡した」と報告。

するとB.O.S.は即座に次なるスクワイアとして、マキシマスを虐めていた一人であるサディアスを送り込みます。

マキシマスは直したパワーアーマーを装着し、顔を見られないようにしながらも、ヴィルツィヒを追って頭部を失った死体を見つけました。

【ルーシー】

ヴィルツィヒの首を切り落としたルーシーはハリウッド大通りへたどり着きますが、現れたガルパー(変異した巨大サンショウウオ)にヴィルツィヒの頭部を奪われてしまいます。

さらにヴィルツィヒの飼い犬を使って追いかけて来たグールに捕まり、ガルパーを誘き出すための餌として使われます。

誘き出されたガルパーを相手にするグールとルーシーでしたが、ガルパーを倒すことはできず水中へ逃げ込まれてしまい、グールはルーシーを連れてその場を離れます。

【ノーム】

ルーシーを逃す手助けをしたためにチェットはVault33内での仕事を失い、ノームは捕らえたレイダーの食事係を命じられました。

ノームはレイダーたちの卑劣な人間性に触れる中で、「更生」を掲げるVault33の住民の意見に疑問を唱え「復讐」を提案しますが、住民たちには受け入れられませんでした。さらにVault33のウォーターチップが壊れ、2ヶ月分の水しかないことが判明します。

チェットとともに秘密裏にVault32へ忍び込んだノームは、Vault32の住民はレイダーたちに殺されたわけではなく、住民同士の殺し合いで死んだことに気づき始めます。

そしてノームは、Vault32を開けた人物が自身の母親であることを知ってしまいました。

【マキシマス】

ハリウッド大通りにたどり着いたマキシマスとサディアスは、ガルパーと対峙し倒すことに成功。

ガルパーの吐き出した胃の内容物の中から、二人はヴィルツィヒの頭部を発見しました。

【ルーシー】

グールに奴隷のように扱われながら「スーパーウルトラ・マーケット」に連れられたルーシーは、グールによって人身売買組織に売られます。

グールは正気を保つために「小瓶」が必要であり、ルーシーを売って小瓶を手にしようとしていましたが、直後にその場に倒れてしまいます。

睡眠薬を嗅がされたルーシーが目を覚ますと、医療用ロボットによって臓器を奪われそうになっていました。その場の機転によって難を逃れたルーシーはレイダーを脅迫し、囚われていたグールたちを解放します。

しかし、ルーシーは無知からフェラルグール(脳まで変異し、正気を失ったグール)の解放をも迫ったため、マーケット内のレイダーは全滅。危うくルーシーも命を落としかけました。

フェラルグールを殺害したルーシーは、「黄金律」を重んじる自身の正義感からマーケットの外で倒れていた賞金稼ぎのグールに小瓶を渡し、その場を去ります。

賞金稼ぎのグールはレイダーたちが全滅したマーケットの中で、レイダーたちが確保していた多量の小瓶を手にしました。

【マキシマス】

ヴィルツィヒの頭を手に入れ興奮するマキシマスとサディアスでしたが、マキシマスが自身の正体を明かすとサディアスは理解を示さず、マキシマスはサディアスの口を封じようとします。

サディアスは足を折られながらも、パワーアーマーの駆動に必要なフュージョンコアを奪い、マキシマスは直立したパワーアーマーの内部に取り残されます。

やがてパワーアーマーにはラッドローチ(変異したゴキブリ)がたかり、マキシマスは窮地に陥りますが、そこに現れたルーシーに救われパワーアーマーから脱出しました。

ルーシーは多量の放射線を被曝しており、マキシマスは持っていたRADアウェイ(除去薬)でルーシーを治療します。

ルーシーはヴィルツィヒの頭部に追跡装置をつけていることを話した上で、B.O.S.に協力する対価として父の救出に力を貸してほしいと頼み、マキシマスは了承します。

道中、「フィーンド」と呼ばれる人を喰らい生きる人間たちに襲われた2人。何とか撃退には成功したものの、マキシマスが負傷してしまいます。

【ノーム】

Vault32の中でかつて叛旗を翻した住人たちが、隣接するVault31を目指していたことを知ったノーム。

Vault33では次なる監督官を決める選挙が始まっており、「非常時にはVault31出身者を選べ」というVault33内の格言の通り、Vault31出身のベティが当選しました。

ノームは過去の記録を探り、父を含めた過去のVault33の監督官が全員Vault31の出身者であることに気づきます。

その頃ベティは、Vault33内の一部の人間をVault32に移動させることを決めていました。

【ルーシー】

「NCR(新カリフォルニア共和国)」のシェイディ・サンズを訪れたルーシーとマキシマス。

そこでルーシーは、シェイディ・サンズがNCR内部の抗争によって再び核が投下され、巨大なクレーターとなっている様子を目にします。

マキシマスはシェイディ・サンズの生き残りであり、その日パワーアーマーを着た人間に救われたことからB.O.S.に強い憧れを抱くようになったのです。

またルーシーは、マキシマスがフィーンドによって受けた傷が深いことに気づき、医療品を探す間に近隣のVault4に迎え入れられます。

マキシマスはVaultの危険性を訴えますが、Vault出身のルーシーは無条件にVault4を支持。

Vault4の監督官ベンジャミンが現れますが、ルーシーはベンジャミンに目が一つしかないこと、そしてVault4の他の住民も身体に異変があることに気づき、核シェルターであるはずのVaultに放射能で変異した人間がいることに違和感を覚えました。

Vault4で行われる儀式に参加したルーシーは、Vault4には何か秘密があると疑い、立ち入り禁止区域へと踏み込みます。

そこは実験施設であり、Vault4では「変異した生物と人間を強制的に交配させる」という悍ましい実験をしていたことをルーシーは知りますが、侵入を検知したVault4の住民たちに拘束されてしまいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『フォールアウト シーズン1』のネタバレ・結末の記載がございます。『フォールアウト シーズン1』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

【219年前:クーパー】

Vault-Tec社で幹部として働く妻バーブの紹介で、VaultのCMに出演するクーパー。

ところが、世界の終わりの際にのみ使われるVaultの宣伝をしたことで、クーパーは友人や仕事に見放され始めます。またバーブは核戦争の可能性を強く訴えていましたが、クーパーは彼女を信じながらも違和感を覚えていました。

クーパーは友人のチャーリーに誘われ、反Vault-Tec社の会合に足を運びますが、思想を受け入れることができずその場を去ろうとします。

しかし、「低温核融合」の技術の研究をVault-Tec社に奪われた過去を持つ反Vault-Tec社のリーダーは、クーパーに盗聴器を渡しました。

【グール(クーパー)】

マーケット内で目を覚ましたグール……クーパーは、人身売買組織の元締めに捕まります。

クーパーは自身を襲った構成員を射殺し、元締めが貼っていた手配書を見ます。そこには、賞金首でもあるモルデイヴァーの似顔絵が載っていました。

その似顔絵は、かつて出会った反Vault-Tec社のリーダーに瓜二つでした。

【ルーシー】

ベンジャミンたちに捕まったルーシーは、過去の映像を見せられます。

その映像には、Vault4内で非道な研究を行なわれていたのは事実であるものの、反乱が起きた今ではVault4内は正常化された経緯が残されており、ベンジャミンをはじめとした変異した人間は非道な実験によって生まれた人間だと分かります。

ルーシーは事情を知らなかったとはいえ、住民に暴力を振るった罪で裁かれ死罪となりますが、Vault4における死罪とはあくまでも「Vaultからの追放」であり、ルーシーとマキシマスは多量の物資とともに解放されました。

マキシマスはルーシーに、自身がタイタスを偽る卑怯な男であることを明かします。ルーシーもVault4内での自身の愚かな行動や地上の理不尽を語り、すべてが終わったのちにVault33でともに暮らそうとマキシマスを誘います。

その頃サディアスは、怪しげな医者に薬剤を打たれ折られた足を復活させていました。

【ノーム】

隔離していたレイダーたちの一部が、食事に混入させられていた殺鼠剤によって死亡。

移住するVaultの割り当てが始まると、ノームはVault33に残留し、チェットはVault32に移住することが決まります。Vault32のリーダーにはVault31出身のステファニーが就任し、Vault32へと移動していきます。

ノームは出発会を抜け出ると監督官の部屋に忍び込み、ベティに成りすましてVault31の監督官とコンソールで通信。監督官と会う約束を取り付けると、扉の開いたVault31へ侵入しました。

【ルーシー】

電波塔に辿り着きB.O.S.に連絡したサディアスの前に、ルーシーとマキシマスが現れます。

電波塔の主人が仕掛けた罠によって、ボウガンの矢が首に刺さったサディアスでしたが死ぬことはなく、折れた足を治した例の薬で自身がグール化してしまったことを悟ります。

グール化したことがB.O.S.に知られたら、サディアスは処刑されると考えたマキシマス。サディアスとルーシーに差し向けられるB.O.S.の追手から時間を稼ぐべく、転がっていた死体の頭部をヴィルツィヒの頭部に偽装することにし、サディアスから受け取ったヴィルツィヒの頭部をルーシーに託して2人と別れました。

【マキシマス】

B.O.S.はフィリーを拠点にしており、タイタスが死亡したことや頭部が偽物だったことからマキシマスは処刑の対象となってしまいますが、デインの懇願により処刑は免れます。

マキシマスはB.O.S.の指導者クインタスにモルデイヴァーの座標を教え、B.O.S.は持てる戦力を投入して頭部の奪取を試みることになります。

【ルーシー】

モルデイヴァーのアジトにたどり着いたルーシーは、グリフィス天文台を根城とし、モルデイヴァーをリーダーに据えるNCRに招き入れられます。

モルデイヴァーは檻に監禁したハンクと、フェラルグールと化した女性とともにルーシーを待っていました。そして受け取ったヴィルツィヒの頭部から、低温核融合装置の起動に必要な素体を取り出しました。

【219年前:クーパー】

バーブの端末に盗聴器を仕込んだクーパーは、Vault-Tec社の幹部および著名な複数の企業の幹部が揃った重役会議を盗み聞きします。

重役会議では「争いをなくすためには一度世界を荒廃させ、敵対勢力も何もかもをなくしたその後に再建すればいい」というアイデアがやりとりされていました。

そのためには、核戦争を意図的に起こすべきだという悍ましい結論を導き出していたのはバーブであり、盗み聞きしていたクーパーは戦慄します。

【ノーム】

Vault31へと侵入したノームでしたが、そこには人は住んで居らず、冷凍睡眠中のVault-Tec社の幹部たちがいるだけでした。

Vault31では、戦前のVault-Tec社の幹部を冷凍睡眠させ、必要に応じて目覚めさせた幹部をVault32・33の監督官として送り込むことで住民を支配し、優秀な人間を育成していました。そしてルーシーとノームの父ハンクも、戦前のVault-Tec社の人間であることが分かります。

真実を知ってしまったノームはVault31の扉を塞がれてしまい、扉が再び開くまで冷凍睡眠ポッドに入ることを余儀なくされました。

【ルーシー】

同時期、モルデイヴァーからハンクが「戦前」の人間であるという真実を聞かされたルーシー。

さらにモルデイヴァーはルーシーの母が過去にVault33から逃走し、追いかけてきたハンクによってシェイディ・サンズごと核で焼き払われたと語ります。

その場にいた女性のフェラルグールはルーシーの母の「成れの果て」であり、ハンクに絶望したルーシーは低温核融合装置の起動に必要なアクセスコードをモルデイヴァー伝えるようハンクに強要し、低温核融合装置が起動させます。

しかし、そこにB.O.S.の部隊が現れ、装置をめぐってNCRとの戦闘が始まります。その場に現れ戦いに介入したクーパーは、パワーアーマーの持つ欠陥を突き次々とB.O.S.のナイトを倒しますが、圧倒的なB.O.S.の武力の前にNCRは壊滅します。

ルーシーの元にたどり着いたマキシマスはハンクを解放しますが、ルーシーはハンクこそが自身の家族を奪ったシェイディ・サンズの悲劇の黒幕だと告白します。

するとハンクはマキシマスを昏倒させ、ルーシーを連れ出そうとしますが、ハンクの戦前からの知り合いだったクーパーがその場に現れます。

「200年探し回った」というクーパーは「自分の家族が今どこにいるのか」をハンクから聞き出そうとしますが、ハンクは逃走。

クーパーはルーシーに対し「この世界には黒幕がいて、ハンクはそいつの元に向かった」と言うと、マキシマスといるか、黒幕を追うかをルーシーに選ばせます。

ルーシーはフェラルグールと化した母親を殺害すると、クーパーとともに行くことを決断するのでした。

【マキシマス】

瀕死のモルデイヴァーが現れるとマキシマスは目を覚まし、装置によって見渡す限りの建物に灯りが点く様子をマキシマスに見せます。

モルデイヴァーは、マキシマスに「無限のエネルギーをB.O.S.は何に使うのか」を見届けた上で、自ら選択するように言い残すと絶命。

駆けつけたデインは、マキシマスがモルデイヴァーを討ち取ったとB.O.S.の仲間に宣言し、マキシマスは複雑な思いを胸に正式にナイトの位に就くことになりました。

【ハンク】

クーパーから逃げたハンクはパワーアーマーを着て、「ニューベガス」と呼ばれる地区に足を踏み入れました……。

ドラマ『フォールアウト シーズン1』の感想と評価

原作の世界観を“完全再現”

配信開始から16日間で累計6500万回再生を記録した『フォールアウト シーズン1』。

この再生記録はAmazonプライム・ビデオ内の映像作品としては『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 シーズン1』(2022)に次いで史上2番目となるものであり、本作の世界からの注目度が分かる結果となりました。

ゲーム「フォールアウト」シリーズの特徴ともいえる、荒廃した世界に再建される街や無機質な核シェルター「Vault」、そしてシリーズの顔としても強い印象を残す「パワーアーマー」。

こういったゲーム「フォールアウト」シリーズの世界になくてはならない要素の数々を、すべてをCGに頼るのではなく実物のセットを製作することで、再現性だけでなく「リアリティ」を感じられる映像になっており、原作ファンの心を強く掴みました。

原作ファンだからこそ厳しめに実写化作品を観てしまう人も、問題なく楽しむことができるドラマです。

崩壊した世界で生まれる“それぞれの倫理”

核戦争によって世界は崩壊し、国も法律も地上からは失われました。

しかし、核シェルターVaultの中から出ることなく生まれ育ったルーシーは、戦前の「黄金律(人からしてもらいたいことを他人にせよ)」を心に刻んだまま地上へと赴きます。

詐欺、強盗、殺人が当たり前の地上でルーシーは黄金律が通じない世界を目の当たりにし、己の中の倫理観を揺るがされていくことになります。

例外もありますが、ゲーム「フォールアウト」シリーズの多くはVault居住者を主人公としていることが多く、現代の人間と価値観を合わせることで、無秩序な世界をより驚愕させる効果を生んでいます。

本作も同じくVault居住者であるルーシーを主人公に据える一方で、地上で生まれ育ったマキシマスや、人を殺すことに躊躇いのないグールといった異なる倫理観を持つキャラクターを複数の主人公として配置。

その結果、それぞれの考える法律なき世界での「人間の在り方」が浮かび上がることになり、人間ドラマとしての『フォールアウト』の物語が原作ゲームとは異なるベクトルで描かれていました。

まとめ

物語はゲームシリーズのどの作品とも類似しませんが、製作陣が本作を「正史」と明示したことで、原作シリーズと同一世界観であることが確定したドラマ『フォールアウト』。

評価の高さと再生数の多さから、すでにシーズン2の制作が公式からも発表されており、3人の主人公たちが今後どのように世界とVault-Tec社に向き合っていくのかの興味が尽きません。

崩壊した世界を描いたドラマ『フォールアウト シーズン1』はAmazonプライム・ビデオにて独占配信中です。



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