映画「トレイン・ミッション』は3月30日(金)よりロードショー。
『フライト・ゲーム』『アウノウン』主演リーアム・ニーソン&ジャウム・コレット=セラ監督タッグが、ふたたび仕掛けた謎を解けるか!
通勤時間105分。始点から終点までのリアルタイム・サスペンスとは?
CONTENTS
1.映画『トレイン・ミッション』の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原題】
The Commuter
【製作総指揮・監督】
ジャウム・コレット=セラ
【キャスト】
リーアム・ニーソン、ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、サム・ニール、エリザベス・マクガバン、ジョナサン・バンクス、
フローレンス・ピュー
【作品概要】
俳優リーアム・ニーソンとジャウム・コレット=セラ監督が、2011年『アンノウン』、2014年『フライト・ゲーム』2015年『ラン・オールナイト』に続きタッグを組んだ作品。
主人公マイケルが10年間勤めてきた保険会社から。突然、解雇宣告を受けた後に、日々通勤した電車を舞台としたサスペンス映画。
2.映画『トレイン・ミッション』のあらすじ
息子と妻カレンとの朝の会話に始まり、いつもと変わらぬ通勤に過ぎなかったが、突然、保険営業マンとして勤務する会社から解雇通知。
「10年、働いて、こんな日に?」と茫然とするマイケル・マコリー。
定年まで残り5年の60歳の彼は、住宅ローンと一人息子の学費も抱えて、貯金もありませんでした。
その時、妻カレンから電話が入るが、これからの生活を考えるとマイケルには、打ち明ける勇気がありません。
ちょうどその日は、ニューヨーク市警で働いていた頃の相棒だったマーフィーと、バーで待ち合わせをしていました。
ことの次第を聞いて驚いたマーフィーは「7年間、俺を守ってくれた、恩返しをさせろ」と言われますが、マイケルは誰かに頼ることは選びませんでした。
グランドセントラル駅からいつもの通勤電車に乗り、帰宅の途につくマイケル。
顔なじみの乗客や乗務員たちと挨拶を交わしながら、空いた車両へと移動します。
ようやく腰を落ち着ける席を見つけるマイケル。
すると、そんな彼の前に見知らぬ女が前の席に座り、ジョアンナと名乗ると親しげに話かけてきました。
はじめは不審に思ったマイケルでしたが、行動学の専門家だと説明され、実験をしないかと打ち分けられて興味を持ちます。
ジョアンナは「もし私が、ちょっとした頼みごとをしたら?」と家庭で質問を投げかけてきます。
しかし、彼女の話はいつの間にか、「ある盗品の入ったカバンを持っている人物を見つけたら、10万ドルの報酬を与える」と、依頼にすり替わっていました。
カバンを持った謎の人物を探すヒントは3つ。
・普段は見かけない人物。
・プリンという偽名を使う。
・降車駅は終点のコールド・スプリング駅。
前金は2号車のトイレの中に隠した2万5千ドルだと、話は巧みに進められていきます。
呆気にとられるマイケルでしたが、ジョアンナは「元警官には簡単なはず」微笑みます。
すると、ちょうど停車した駅で彼女は降りていきました。
半信半疑であったマイケルが2号車のトイレに向かうと、通気孔に隠された現金の包み紙が入っていました。
ですが、電車に乗った乗客は100人。探し出すのは無理だと諦めたマイケル。
すると、子どもから封筒を渡され、「あんた見張られてる」と警告をされます。
なおも封筒を開けたマイケルは衝撃を受けます。なんと、その中には妻カレンの結婚指輪が入っていたのです…。
3.映画『トレイン・ミッション』の感想と評価
“サスペンスの神様”巨匠ヒッチコック監督へのリスペクト
4度目のタッグを組むことになったジャウム・コレット=セラ監督と俳優リーアム・ニーソン。
本作の主人公である保険会社を解雇通知されたマイケルは、映画冒頭の家族とのやり取りからも誠実さが伝わってきます。
そんな彼の良心を試される選択が次々に迫られ、その選択によって自分自身のみならず、電車の乗客たち、そして愛する家族までもが陰謀に巻き込まれていくスタイル。
これこそがサスペンス映画のお手本とされる、“巻き込まれ型”と呼ばれるものです。
警察や刑事、スパイなどの一般的に危険な職業を主人公を扱ったサスペンス映画ではなく、日常どこにでもいるような人物が何かに“巻き込まれ”て行く、それによって観客も身近に感じて感情移入をするのが、“巻き込まれ型”の特徴です。
また、本作『トレイン・ミッション』の原題は、『The Commuter』と言います。
「Commuter」の意味には、【取り替える・交換する・方向を変える・すり替えるetc】があり、誰にも頼ろとしないマイケルの選択がどのようになっていくか、ハラハラ、ドキドキのサスペンスを盛り上げるような意味もあるのでしょう。
“巻き込まれた状況”に感情移入をした観客を、良い意味で裏切っていく(方向を変える)ことでしょう。
さらには原題には【通勤・通学】という意味もあるので、まさしくこの作品は、毎日の日常で電車を利用するあなたにこそ、ジャウム・コレット=セラ監督率いる制作チームを見て欲しいと思っているのです。
ごく一般的な人物を主人公にして、日常という明るい光の中のある影に焦点をあて、“巻き込まれ型”という映像文法を導き出し、“サスペンスの神様”と呼ばれるまでになったのが巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督。
本作『トレイン・ミッション』の演出を務めたジャウム・コレット=セラ監督も巨匠にリスペクトして、映画のお手本である手法を使いながら新たなサスペンス映画を完成させています。
まとめ
マイケルは“一般的な市民”として、10年間もの間、保険会社に同じ電車に乗って通勤をしました。
彼がリストラされたのは、突然ではありますが観客の誰もは、「そんなあるはずがない」とは思わないことでしょう。
それは現実社会では、日常までとは言いませんが、よくあることだと観客が感じているからではないでしょうか。
経済格差のなかで終始雇用はなく、また先行きが見えない社会不安というようなものを、誰もが“人生”のなかで感じているからです。
自身のことのみなえらず、家族の将来までを思った時に、あなたもマイケルのように“何か人生のサスペンス”に巻き込まれていくのです。
そんな時、本作でも俳優リーアム・ニーソンが力強く演じてくれたマイケルのように、一般的な人物であるにもかかわらず、謎や困難となる出来事に怯まずに自身で選択をしていく。
それこそが本作『トレイン・ミッション』のあなたに仕掛けられた「人生の選択」のというテーマの鍵です。
突然、思いも寄らず悪い通告を受けても、良い未来に自分を信じて「Commuter(方向を変える)」。
毎日、同じように繰り返される「Commuter(通勤)」で、揺られ輸送されているだけでは、“何かに巻き込まれ”てしまいますよ。
映画「トレイン・ミッション』は3月30日(金)よりロードショー。
ぜひ、一般人がヒーローとなるリアルサスペンス行きの電車に、あなたもご乗車ください!