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Entry 2017/10/20
Update

韓国映画ザ・メイヤー 特別市民|あらすじとキャスト!ミンシク紹介も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

日本映画では忖度ばかりをしていまい、映画として娯楽性の高さや魅力的な人物描写が不得意なジャンルがあります。

それポリティカルものです。逆にメディアのひとつとして得意とも言える手法で政治の裏側を描く韓国映画。

『ザ・メイヤー 特別市民』は、生き馬の目を抜くソウル市長選挙を舞台に、不正、策略、裏切りと、勝つためには手段を選ばないモラルなき選挙戦を描いたポリティカル・サスペンス!

ソウル市長選!最後に笑うのは誰だ⁉︎

1.映画『ザ・メイヤー 特別市民』の作品情報


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2017年(韓国映画)

【原題】
특별시민

【脚本・監督】
パク・インジェ

【キャスト】
チェ・ミンシク、クァク・ドウォン、シム・ウンギョン、ムン・ソリ、ラ・ミラン、リュ・ヘヨン

【作品概要】
『オールド・ボーイ』『LUCY /ルーシー』などで世界的に知られた名優チェ・ミンシク主演による、ソウル市長選挙の舞台裏を描くポリティカル・サスペンス映画。

2.映画『ザ・メイヤー 特別市民』の見どころ


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

本作の注目の見どころは、何といっても主演を務めたのはチェ・ミンシク(崔岷植)。

彼は1962年5月30日生まれの韓国の俳優で、高校在学中に劇団「根」に研究団員として入団します。

1990年にKBSドラマ『野望の歳月』に出演してスター俳優の仲間入りを果たします。

1999年に映画『シュリ』でパク・ムヨン役を演じて、韓国のアカデミー賞と言われる大鐘賞の主演男優賞を受賞。

2002年にカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『酔画仙』のチャン・スンオプ役を演じています。

もちろん、2004年にカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞したパク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』のオ・デス役であまりにも有名ですね。

復讐の鬼と化したデスの演技は、あのクエンティン・タランティーノ監督をも魅了させ、その後のタランティーノ作品に“復讐というアイデア手法”に影響を与えました。

ほかにもリュック・ベッソン監督のSFアクション大作『LUCY /ルーシー』では、韓国人マフィアのボス・Mr.チャン役を演じて、海外でも活躍しています。

そんなチェ・ミンシクは、韓国映画界の大鐘賞で3度の主演男優賞を受賞した名優なのです。


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

その名優チェ・ミンシクが本作『ザ・メイヤー 特別市民』で挑んだ役は、ソウル市長のピョン・ジョング

政治をショーだと言い切る信念と徹底したイメージ戦略によって、ソウル市民である有権者の支持を集め、次期大統領選挙を目論みながら史上最多の3選に挑む現職のソウル市長です。

権力を握るために手段を選ばない男として、圧倒的な存在感とカリスマ性を発揮して演じています。

そのソウル市長選を徹底的にサポートする選挙対策本部長シム・ヒョクス役を演じるのは、『哭声/コクソン』の主人公の警察官ジョングを務めたクァク・ドウォン

ドウォンファンのあなたも満足させてくれますよ。


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

また、情熱だけで政界に飛び込んだ怖いもの知らずの広報担当パク・ギョン役を、『怪しい彼女』の オ・ドゥリ役など、愛らしくて元気な少女で魅力を発揮した実力派女優シム・ウンギョンが演じています。

演技派ばかりのキャスティングに本作を見ない手はありませんね。


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

さて、パク・インジェ監督は、人間の権力欲とは何かを考えた時、“政治家”を描いてみようと本作への思いを語っており、構想から3年をかけて映画制作に至ったようです。

2017年4月に韓国で公開された『ザ・メイヤー 特別市民』は、同年5月の大統領選と相まっての注目の的となり、大きな反響となりました。

パク・インジェ監督は、その際に映画取材する訪れた記者たちを前に次のように述べています。

「投票は国民の基本権。最良の政治家を選ぶために投票へ行かねばならない。投票に行かなければ、最悪の政治家が選ばれてしまう」

パク・インジェ監督は、誰もが有権者であることに強い意識を持つように問題意識を投げかけました。

そんな『ザ・メイヤー 特別市民』に登場した最悪の政治家とは?

巧みに企てられていく、不正、策略、そして、その上での裏切りとは何か、要注目です!

また、本作の撮影担当したのはキム・テソン。

『トンネル 闇に鎖された男』や『ヒマラヤ ~地上8,000メートルの絆~』など、サスペンスや人間描写を上手く見せるキャメラマン、そんなビジュアル的なところも押さえておきましょう。

3.映画『ザ・メイヤー 特別市民』のあらすじ


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

カリスマ的人気を集めたソウル市長として、現職であったのピョン・ジョング。

ふたたび市長選に出馬して、韓国憲政史上初の3期連続ソウル市長を目指して、対抗馬であるライバル候補者と激しい選挙戦を繰り広げます。

ジョング候補を支えるのは百戦錬磨の選対本部長ヒョクスと、市長直々にスカウトされた若手の広報担当キョン。

ジョングとヒョクスは耳障りのいい政策や公約を掲げてクリーンなイメージ戦略で選挙戦を戦います。

しかし、その裏側では、対立候補のフェイクニュースやヤクザを使った妨害工作、賄賂による買収など汚い手段でモラルなき選挙戦を有利に進めていくのです。

キョンはそんな彼らに戸惑いを隠せな い。

だが、そんな中、取り返しがつかない事故を起こしてしまうジョング。

隠蔽を図ろうとしますが、その様子を盗撮していたのは腹心の部下で あるヒョクスでした。

果たしてヒョクスの目的とは?そしてできるのか?

ソウル市民1,029万人の心と票を掴みとり、ジョングは再選のソウル市長になれる…!?

まとめ


© 2017 SHOWBOX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

韓国映画界きっての豪華なキャストで贈る本作は、『悪魔を見た』『オールド・ボーイ』で人気を集めたチェ・ミンシクのほかに、『哭声/コクソン』『アシュラ』のクァク・ドウォン。

また、『怪しい彼女』『新感染 ファイナル・エクスプレス』のシム・ウンギョン、『お嬢さん』『オアシス』のムン・ソリなど共演で描く、韓国映画のお得意なポリティカル・サスペンスです。

パク・インジェ監督の『ザ・メイヤー 特別市民』は、2018年2月17日(土)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開です。

130分の見逃せない作品、乞うご期待!

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