映画『獣手』は2024年1月27日(土)より渋谷ユーロスペース公開後、6月17日より横浜シネマノヴェチェントにて上映!
失われた左手が異形ものへと変わってしまった男が繰り広げる凄惨な戦いを描く映画『獣手』が2024年1月27日(土)より渋谷ユーロスペースほかで上映されます。
主演の福谷孝宏が自ら企画した本作は、男の愛と再生を描いたバイオレンス・サスペンスです。
共演は和田光沙、川瀬陽太、松浦祐也、上西雄大、諏訪太朗。暴力に支配された哀れな男が、「獣手」となって壮絶な運命に向き合います。
緊迫感あふれる本作の魅力をご紹介します。
映画『獣手』の作品情報
【公開】
2024年(日本映画)
【監督】
夏目大一朗
【脚本】
春日靖徳、夏目大一朗
【キャスト】
福谷孝宏、和田光沙、川瀬陽太、松浦祐也、上西雄大、諏訪太朗、内藤正記、飯田浩次郎、夏目大一朗
【作品概要】
異形の姿となった男の愛と再生を強烈なタッチで描くバイオレンス・サスペンス。『真・事故物件パート2 全滅』(2022)の福谷孝宏が自ら企画し、主演を務めました。
監督は『オカルト地蔵』(2023)『怪奇タクシー 風の夜道に気をつけろ!』(2022)などを手がけ、心霊調査ビッグサマー・怪談師と幅広く活動する夏目大一朗が務めます。
主演の福谷は映画業界で働いていた元会社員で、過酷な労働環境に一度はくじけたものの、再び希望を取り戻そうと自ら主演映画を企画。自身の出資で映画の前半部分を撮影し、後半部分の製作費をクラウドファンディングで募って完成へこぎつけました。
共演には福谷のパートナーである『映画(窒息)』(2023)の和田光沙をはじめ、『激怒』(2022)の川瀬陽太、松浦祐也、上西雄大、諏訪太朗ら実力派俳優陣が集結しました。
映画『獣手』のあらすじ
小暮修は日雇い労働をしながら、貧しくも淡々と日々を過ごしていました。
しかしある日、突然先輩の乾が現れた時から、その生活は崩れ落ちます。乾は修のボロ家に上がり込むと、修とかつて関係のあった女・小雪を呼び出させます。
乾は暴力で修と小雪を支配し強盗をさせようとしますが、突然数人の覆面強盗団が現れ計画は失敗。乾は殺され、修は左手を斬り落とされてしまいます。
修は闇医者・別所に診てもらうことで一命を取り留めましたが、失われた左手は異形のものになっていました。
強盗団への復讐を誓い、修と小雪は住んでいた街を離れますが……。
映画『獣手』の感想と評価
切り落とされた左手が異形のものになってしまうという荒唐無稽な設定の中に、リアルな人間の姿を描き出すバイオレンス・サスペンスです。
貧しいながらまじめに働いて生きていた主人公・修のもとに、昔の知り合いの乾が突然現れ、悲劇の幕が上がります。
乾はすべてを暴力で支配する恐ろしい男でした。昔関係のあった小雪まで無理やり呼び出し、乾は二人を激しく殴りつけ意のままにしようとします。暴力で人を服従させることの恐ろしさ、そしてそのような行動をとることにまったく迷わない者もいるという現実の恐ろしさに身がすくみます。
しかし暴力をふるう者もまた、さらに強い暴力をふるう者への恐怖に怯えて日々を過ごしており、負の連鎖はどこまでも続いていきます。
名バイプレーヤーの川瀬陽太が、極悪でありながら強い者には弱気なチンピラ男・乾を好演。観ていて思わず震え上がらずにはいらない恐ろしさです。
自ら企画した主演の福谷は、手だけにとどまらず全身が獣になったかのような咆哮を上げる修を見事に体現しています。
また、どうしようもないほど暗い瞳を持つ孤独な小雪になりきり、負のオーラを存分に放つ和田光沙の演技は圧巻です。
恐怖に理性を失い、動物のように互いを求めずにはいられなくなっていく修と小雪を、実生活でも夫婦の二人が狂気の内に激しく演じます。
修の獣手が、世界すべてへの恨みつらみを発散させるかのように狂暴化していきます。あまりにも悲しく凄まじい姿に圧倒されることでしょう。
異形の姿になった修と、そんな彼にぴたりと寄り添って逃避行を続ける小雪の運命の行方から目が離せません。
まとめ
世の底辺をうめくように生きてきた男が獣の手となってしまい、さらに運命に翻弄されるさまを苛烈な描写で描いた衝撃作『獣手』。
そんな姿になっても彼を愛し続け、どこまでも行動を共にする孤独な女。男は愛する女の存在によって生きる意味を見出していきます。
映画『獣手』は2024年1月27日(土)より渋谷ユーロスペース公開後、6月17日より横浜シネマノヴェチェントにて上映
です。