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Entry 2017/09/19
Update

映画『ダンケルク』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も【クリストファーノーラン代表作おすすめ】

  • Writer :
  • 山田苺

公開以前から各メディアでも取り上げられ、映画ファンからはバッドマンシリーズのクリストファー・ノーラン監督の最新作と期待が高まり、そうでない人でも全く見たことの無いようなジャンルの映画であると告知され、気になる方も多いであろう『ダンケルク』。

単なるの戦争映画ではなく、まさに息もつかせぬタイムサスペンスを続けることで、その映像・音響の迫力から、常に肩の力を抜くことも許されない緊張感に襲われます。

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1.映画『ダンケルク』の作品情報


(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

【公開】
2017年(アメリカ)

【原題】
Dunkirk

【監督】
クリストファー・ノーラン

【キャスト】
フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、アナイリン・バーナード、ジェームズ・ダーシー、バリー・コーガン、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィ、マーク・ライランス、トム・ハーディ

【作品概要】
『バッドマンシリーズ』のクリストファー・ノーランが始めて戦争映画を製作しただけでなく、これまで難解かつ、上映時間も長い作風だった監督がおよそ100分ほどで、ストーリー以上に映像にこだわったシンプルな異色作でもあります。

しかし映像に対する常軌を逸したこだわりは、過去作同様息づいており、劇場で見ればその迫力で本当に戦場にいるかのような緊迫感を体験できる大作です。

2.映画『ダンケルク』のあらすじとネタバレ


(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

1.防波堤 1週間

誰もいない街に大量のビラが撒かれる中を、若い仲間の兵士と歩くトミーたち。

するとどこからともなく、敵兵(ドイツ軍)からの銃撃を受け、逃げ惑う仲間は次々に凶弾に倒れます。

トニーはかろうじて逃げ切り、ダンケルクの浜辺へ出ますが、そこへは帰還の船を待つ長蛇の列がありました。

待機しているのは負傷した兵士を乗せる船のみ。防波堤にも長蛇の列に並んでいますが、負傷した兵士に付き添うものは優先的に乗船できるようになっていました。

すると空から機関銃や爆撃の攻撃を受け、待機していたイギリス兵は次々に吹き飛ばされてしまいます。

命からがら攻撃を受けずに済んだトニーは、傍にまだ息のある兵士を見つけます。

たまたま傍にいたギブソンという若い兵士とともに担架で負傷兵を舟へと連れて行きますが、彼らに気づかず、船は出向してしまいます。

長蛇の列をかいくぐりながらも爆撃は続き、防波堤は半壊になりながらも、なんとか負傷兵を連れて行くことに成功しましたが、トニーとギブソンは定員オーバーで乗ることが出来ません。

途方にくれるトニーをよそに、ギブソンは防波堤の隙間に隠れ、隙を突いて船に乗船しようとし、トニーも行動をともにします。

しかし再び爆撃を受けると、船は防波堤に向かって傾き、沈没していきます。

防波堤と船の間に挟まれ、断末魔のような叫びが響き渡る中、トニーたちはアレックスという兵士を寸でのところで救出します。

ボルトン海軍中佐は防波堤や船が破壊されたことで、民間の船の救出も受け入れる態勢を整えようとします。

しかし夜には別の船が来たことで、トミーたちは帰還できる兵士に紛れ込んで船内へ入ることに成功し、ギブソンはいざという時の脱出経路を探します。

船内では食料などが配給される中、船に魚雷が命中すると忽ち船内に海水が流れ込みます。

あっという間に満水になりますが、ギブソンが非常扉を開放してくれたことで、なんとかトニー、アレックスは脱出することが出来ました。

海に投げ出された3人は救助用のボートに牽引されて、夜が明けるころには再びダンケルクの浜辺に戻ることになってしまいます。

2.海 1日

海軍からダンケルクへの救助要請を受けたドーソンは息子のピーターと、危険を顧みず付いてくるといった友人ジョージととともに海に出ます。

途中、漂流した戦闘機の上でうずくまる、謎の英国兵を見つけた3人は彼を救出しますが、英国兵はショック症状を引き起こして完全なる混乱状態。

ドーソンは彼を船の下にある部屋に案内するようピーターに頼みますが、ピーターはその部屋の鍵をかけてしまいます。

動揺した様子で出てきた英国兵は行き先がダンケルクと知ると、それを頑なに拒否し今すぐ港へ行くよう声を上げます。

その時もみ合いになったジョージは押し飛ばされた際、頭部を強打してしまいどんどん意識が無くなっていきます。

港に引き返すか、ダンケルクへ向かうかの選択にドーソンは迫られます・・・

3.空 1時間

イギリス軍の戦闘機・スピットファイア三機がダンケルクで空襲しているドイツ軍戦闘機を追撃に向かいます。

しかしその途中でもドイツ戦闘機との銃撃戦が繰り広げられ、パイロットの一人・ファリアは好戦を見せます。

ところが、リーダーの戦闘機との通信が途絶え、急遽ファリアが指揮を取ることになります。

しかし先の銃撃により、燃料のメーターが破損してしまい、ファリアは逐一別のパイロット・コリンズから燃料の残量を確認することになります。

しかしそのコリンズの戦闘機も攻撃を受け、海面へ不時着します。

コクピットから脱出しようと試みますが、着水の反動か搭乗口が開かなくなってしまいます。

さらに海水がどんどんコクピットに入ってきてしまい、このままではコリンズは溺れ死んでしまいます・・・

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ダンケルク』ネタバレ・結末の記載がございます。『ダンケルク』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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1.防波堤 1週間

浜辺では、破壊された防波堤に変わって即席の乗り場を作り、満潮時には船が横に乗りつけるよう準備が進められていました。

救助船を待つトニー、ギブソン、アレックスですが、離れたところに別の船が陸に打ちあがっているのを見つけた、別の兵士たちと合流します。

トニーらは満水になるまで船に身を潜めるよう考えますが、何度かの銃撃を受け、船にはどんどん穴が開けられていきます。

銃撃が終わるのを待っている間に海水はどんどん増し、ついに穴から海水が入り込みます。

船の外に逃げれば銃撃を受けるし、中に入れば溺れ死んでしまう。

誰を最初に外に出すかという話になり、兵士はギブソンがスパイでその証拠に一言も口を聞かないのは裏づけになるとまで言います。

トニーは助けてもらったこともありギブソンをかばいますが、彼はスパイではなくとも、イギリス兵の遺体から軍服やタグを奪って成りすましていたフランス人でした。

しかし非難をしているうちに海水も銃撃もいっそう増え、兵士たちは船から脱出を余儀なくされますが、次々に溺れてしまいます。

その際ギブソンは逃げ遅れ、助かったのはトニーとアレックスのみ。

海上には救助の要請を受けた多くの民間線が押し寄せており、ボルトン海軍中佐らは驚きのあまり声も出ない様子です。

しかし再びドイツ戦闘機の空爆により、大きな救助船が被弾。沈没するだけでなく、重油を海に流してしまいます。

海に放り出されたも同然のトニー、アレックスは、必死で重油にまみれながら逃げますが、空ではファリアが追撃したドイツ軍戦闘機が重油の漂う海面へ墜落し、一面火の海となります。

しかしそこへドーソンの民間船が救助に来たことで、トニー、アレックスは無事救助されます。

2人は港に着くと配給品を受け取りながら駅へと歩いていきました。

アレックスは何も出来ずに救出されただけの自分を恥じていましたが、その日の新聞にはこの救出劇の賞賛と、無事に帰ってきたトニーらを喜んで迎え入れてくれる人々がいました。

2.海 1日

ドーソンは、ジョージが重症でありながら、ダンケルクへ向かうことを決意します。

ピーターよりも英国兵はその意見に断固反対し、ピーターは常にジョージの手当てに務め、英国兵にジョージの安否を聞かれても、気丈に対応するのでした。

その時、海上に不時着したスピットファイアを見つけ、ドーソンは船を寄せます。

そのコクピットには脱出が出来なくなっているコリンズがおり、ピーターは搭乗口を破壊し何とか救出することに成功します。

空ではファリアのスピットファイアがダンケルクに空襲を続けているドイツ軍と戦闘を繰り広げ、沈没していく船からは多くの兵士が逃げだしています。

海中に重油が流れていることに気づいたドーソンたちは、逃げる兵士を急いで救助しようとしますが、ファリアが追撃した戦闘機が重油まみれに海に墜落し、一面は火の海と化します。

それでも何とかトニー、アレックスら多くの兵士を救出しましたが、ジョージは既に息を引き取っていました。

ピーターはそれでもジョージの安否を聞いてくる英国兵に、彼は大丈夫だと伝えるのでした。

港につくと、市民は空軍のコリンズに野次を飛ばすものもいますが、ドーソンは優しく「私は知っている」とだけ言って去って行きます。

翌日、ピーターはジョージの写真を新聞社に持って行き、発行された新聞にはジョージの有志をたたえる記事が載せられていました。

3.空 1時間

ついに燃料を確認する術も失くしたファリアは、単身でダンケルクに攻撃を仕掛ける戦闘機に立ち向かいます。

直ぐ下の海上では、民間船が押し寄せ救助に向かっている最中、敵の戦闘機は空襲を続けます。

大きな救助船に直撃したことで船は沈没、燃料の重油も流れてしまいます。

ファリアは何とか敵機を追撃しますが、その戦闘機は重油の海に墜落し、辺りは火の海となってしまいます。

ファリアの戦闘機の燃料も尽き、帰還しようとしたその時、再び別の敵機がダンケルクの浜辺に向かって飛んでいきます。

彼は自分の帰還を捨てて引き返し、敵機の追撃に成功します。浜辺の兵士も歓声を上げます。

ファリアはそこから離れた浜辺に着陸に成功するも、直ぐに敵軍に包囲され連行されてます。

彼は最後に自分の身を捨てて、ダンケルクに残された兵士を救ったのでした。

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3.映画『ダンケルク』の感想と評価


(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

とにかく今作は監督の徹底した映像とタイムサスペンスの演出が容赦なく観客に迫ってきます

IMAXで鑑賞した際、画の迫力はもちろん、その音の凄さも本当に戦場で聞いているかのような地響きまで鳴るほどのものでした。

サントラも終始時計の針の音や、リズムで緊迫感をあおるような演出に徹底している姿勢は感服の一言です。このサントラを聴きながら宿題とかすれば強制的にスピードが上がること必須です。

演出も次から次へと迫り来る、生命の危機の数が尋常ではありません。

戦争の真っ只中なのだから当然といえば当然ですが、ひとつの危機を回避したと思えば、また別の危機に直面するなど、全く観客も含め休ませてくれないような演出が3つのパートで敷き詰められているので体感時間の早さもすさまじいです。

そしてあえて登場人物の背景はおろか、現状の詳細、敵の姿まで省略した演出によって、観客も戦場にいる兵士同様、何が起きているのか理解する前にあらゆる展開に直面させられます

このような演出は、ドニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』にも見られ、主人公が詳細を把握できないままストーリーが進む点は少し似ている気がします。

ただ『ボーダーライン』はその現状が不気味であって、『ダンケルク』はスリルになっていると思います。

ということは、例えばこの戦争の知識や、そもそも戦争映画画を滅多に見ない人でも、同じ条件で体感できるようになっており、そういう意味では若干親切な演出とも言えなくも無いのです。

『ダンケルク』は監督の常軌を逸したこだわりが、一週回って大衆向けになっていた(受けるかどうかは別として)稀有な作品となっています。

まとめ


(C)2017 Warner Bros. All Rights Reserved.

因みにダンケルクの救出劇は、その詳細を知れば知るほど興味深いものですが、このスリル間を全力で味わいたいのなら、まずは予備知識ゼロで(実際公式サイトも詳細があまりないです)見てみるのがいいと思います

そのあと、パンフレットや関連書籍を読んで改めてみると、今度は色々な発見があるかもしれません。

時系列も入り乱れいるので、あの時の場面はどんな風にして展開しているのか把握することも出来ると思います。

『ダンケルク』は次回アカデミー賞に大いに食い込んでくる作品とも言われているだけに、ぜひ劇場(可能であればIMAX)で見るべき作品なのは間違いないです!

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