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Entry 2020/02/29
Update

映画『アンダーウォーター』ネタバレあらすじと感想。キャストのクリステン・スチュワートが閉所恐怖症を超えて挑んだ深海SF作品

  • Writer :
  • 奈香じゅん

クリステン・スチュワート主演の海底SFスリラー『アンダーウォーター』

映画『アンダーウォーター』は、世界で一番深い海・マリアナ海溝を舞台にした映画です。

資源の掘削会社の従業員で海底に暮らすメンバーは大地震に襲われ、更に未知の生物と遭遇するSFサバイバル作品。

主演は「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。

他に『ゲーム・オブ・スローンズ』でナイメリア・サンドを演じたジェシカ・ヘンウィックや『ブラック・スワン』(2011)のヴァンサン・カッセルも出演。

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映画『アンダーウォーター』の作品情報

【公開】
2020年(アメリカ映画)

【原題】
Underwater

【監督】
ウィリアム・ユーバンク

【キャスト】
クリステン・スチュワート、ヴァンサン・カッセル、ジェシカ・ヘンウィック、T・J・ミラー、ジョン・ギャラガー・Jr、ママドゥ・アティエ

【作品概要】
監督を務めるのは、撮影技師としてキャリアを積んだウィリアム・ユーバンクで、本作が長編映画3作品目。ユーバンクのSFインディペンデント映画『シグナル』(2015)の個人的ファンだった為クリステン・スチュワートは出演を決定。特撮とセットを混ぜて撮影されています。劇中に登場する生物の原案もユーバンクが担当。

映画『アンダーウォーター』のあらすじネタバレ

ノラは、マリアナ海溝で資源探査と掘削を行う企業のエンジニア。世界最大深部に建設されたステーションで生活をしています。寝る前に洗面室で歯を磨こうとしていると艦内が大きく振動。

ふと見るとシンクに蜘蛛が這っていることに気づいたノラは、ペーパータオルに乗せて洗面台へ運び助けてあげます。

そこへまたドンッと地響きにも似た振動。ホールへ出て様子を窺うノラの手に天井から海水の水滴が…。

突然壁が崩れ激しい揺れが始まり、床の通気口から海水が噴出。ノラは、船室を飛び出してきたロドリゴと一緒にホールを走り抜け、扉を閉鎖しようとしますが、後方から走ってくるメンバーの姿が目に留まり躊躇します。

壁からケーブルやパイプが外から掛かる水圧圧力で弾け飛び、噴水の様に海水が流入。もう間に合わないと言うロドリゴの必死の説得で、ノラは扉を閉鎖。

システムは損傷範囲70%と表示。壊滅的だと気づいたノラとロドリゴは、懐中電灯を照らしながら這うように進み、緊急時の避難小型船が収容されている区域へ向かいます。

途中瓦礫に埋もれたポールを発見して救出。3人が到着すると合流できたのは艦長のルシアン、リアム、そしてエミリーだけで、他の船員が緊急用小型船を利用し既に脱出した後でした。

交信は遮断されて陸上とは連絡もできず、いつまでステーションが持ち応えるのかも分からない状況下、ルシアンは、与圧服を着用して脱出し海底を歩いて削孔塔まで行くしかないと告げます。

強い余震が続き恐怖の表情を浮かべる船員から1マイル (1.6キロ)もある暗闇の中を歩くのかと次々異論が続出。

ノラもダイバーの経験が無いと反論しますが、ルシアンは、生き延びる可能性は唯一この方法だけだと全員を説得します。

与圧服さえ着たことが無いと怯える生物学者のエミリーを周囲が気づかいながら全員与圧服を着て6人は出発。

貨物用エレベーターで下りハッチを開けた途端、ロドリゴのヘルメットだけが水圧で亀裂が入り一気に圧し潰されます。

エミリーは叫び声をあげ、ノラも動揺。ルシアンは部下を落ち着かせようと声をかけ、残された5人は降下用ハッチに乗り海底へ向かいます。

途中、緊急小型船から救難信号を受信した為、ポールとリアムが調査へ行くことになります。漆黒の闇が広がる中、2人は船を発見。

しかし、照明に照らし出された船体は完全に破壊されており中は無人です。ポールが損傷の激しい遺体を見つけて近寄ると、突然何かがポールを襲撃。ハッチに戻ってきた2人は奇妙な生物を見せ、遺体を食べていたと報告。

エミリーは興味深くその生き物を観察し、未知の動物だろうと告げます。その時ハッチが大きく揺れ余震かと思った矢先、外からドンッと何かが突進して来る音が響きます。

天井の窓にポール達が持ち帰った生物よりも格段に大きな謎の生き物が一瞬横切った途端、ハッチは大きく傾いてバランスを崩し一気に海底へ落下。

5人は塔と塔を繋ぐトンネルに入り削孔塔を目指すものの、後方に居たポールが何者かに凄まじい強さで引っ張られます。全員でポールを助けようとしますが、水中へ引きずり込まれたポールのヘルメットは真っ赤な血で染まります。

必死に先を急ぐ4人は中間地点に在る通信室へ避難。エミリーは、資源を搾取しすぎた報いを受けていると声を震わせます。

「海底にまで手を出すべきじゃなかった」そう続けるエミリーにノラも同意。

交信を試みたルシアンは応答がないため断念。4人は、目的地の削孔塔へ海底を1歩1歩進み始めます。

すると照らされた明かりの中に謎の生物が浮かび上がり、こちらに向かって来ます。ルシアンは照明に惹かれていると気づき、消灯するよう指示。

しかし、リアムの体を生物があっという間にさらって行きます。後を追ったルシアンは洞窟でリアムを発見しますが、彼の体を引きずり出し無事を確認した途端、今度はルシアンが襲われます。

ルシアンの手を咄嗟に掴んだノラと共に、謎の生物は水中を上昇。与圧服は極端な水圧の変化に耐えられず警告が鳴り響きます。

決して手を放そうとしないノラを見つめたルシアンは自らを犠牲にします。海底へ落ちたノラは、1人無人化した掘削所へ辿り着き体を折って嗚咽。

ノラは海底地図を取り出し、削孔塔の距離を予想。新しい与圧服に着替え再び海底へ踏み出します。

以下、『アンダーウォーター』ネタバレ・結末の記載がございます。『アンダーウォーター』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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辺りを警戒しながら進んで行くと、エミリーが誰かに話しかけている声を受信。「愛してる。諦めないで」

ノラは、怪我を負い意識の無いリアンの腕を引きずって歩くエミリーを発見します。ノラがエミリーの腕を掴むと、襲われたと勘違いしたエミリーはパニック。

ノラは、与圧服さえ着たことのないエミリーの勇気を称え、誇りに思うと言葉を掛けます。

2人でリアムの足を引きずりながら遂に削孔塔へ到着。しかし、塔の光に惹かれて集まった大量の生物が塔を巣にしている光景が見えてきます。

照明を消して刺激しないようゆっくり歩を進めるものの、酸素の残量が少なくなったエミリーのヘルメットは赤く点灯。

先へ進むようエミリーを急かすノラは、足を伸ばしてきた生物に捕らえられ体を引っ張られます。

ヘルメットは吸盤で塞がれて見えず、ノラは与圧服ごと徐々に飲み込まれて行きます。信号灯を握ったノラは、上半身が飲み込まれても目をつむってじっと耐え、生物の体内へ信号灯を発射。

中から引き千切るように脱出しノラは難を逃れます。周囲を囲む生物を近くで見ると、まるで人間のように2つの目と1つの口を持つ不気味な姿です。

ふと見上げると、削孔塔の上部に動く物が目に入り、ノラは、その方角へ信号灯を打ち上げます。光の中に現れたのは、巨大化した生物の親玉。

無我夢中で走り出すノラ。3人は何とか削孔塔へ逃げ込んで避難しますが、興奮した親玉は塔を襲い始めます。

意識を取り戻したリアムの肩を担いだノラとエミリーは削孔塔に装備されている脱出用小型船の保管室へ駆け込みます。

しかし、3艇ある内、1艇は損傷し稼働不可能。リアムが人数分あるのかと尋ねると、ノラは大丈夫だと返答。ノラとエミリーに先に行けと言うリアムに対し、怪我を負ったリアムの体を2人で小型船の中へ押し込みます。

リアムは、自分を見捨てず海底を引きずってくれたエミリーに感謝。「いつでもO.Kといいたい所だけど、2度とやりたくないわ」とエミリーは笑顔を向けます。必ず生き伸びてまた再会しようと約束し合い、エミリーはハッチを閉鎖。

削孔塔が激しく左右に揺れる中、ノラとエミリーは先に行くよう譲り合います。損傷した小型船から警報が鳴り始め、事情を悟ったエミリーは、一緒に修理すると主張します。

ノラは、エミリーがリアンと交わした約束を口にし、人生を生きて欲しいと言いエミリーの体を船内へ押し込もうとしますが、エミリーは抵抗。

ノラは、エミリーの顔面を殴り、ふらついた彼女の体を押し入れてハッチを閉鎖。自分は大丈夫だと最後に声を掛けます。

2人の小型船が無事海中へ発進したのを見届けたノラは、少し前まで塔に体当たりしていた生物達が姿を消したことに気が付きます。

レーダーは無数の生物が水面へ向かうリアンとエミリーが乗った小型船の後を追いかけていることを表示。その距離は見る見るうちに縮小して行きます。

「未確認の物質が緊急用小型船へ接近。距離60メートル」と流れた警告を聞いたノラは、コア・エンジンのレバーを全てマックスまで引き上げます。

親玉も水中を上昇して行くのを見たノラは、静かに目を閉じます。海底から凄まじい爆発と共に火の玉を包んだ大きな水玉が轟音を立てて生物達に向かって行きます。

その後新聞はこの件について報道。

-会社はメディアに対し生存するリアンとエミリーに対するインタビューを拒否。事故の詳細は開示せず機密扱い-

-事故原因不明のまま、会社は海底掘削を再開-

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映画『アンダーウォーター』の感想と評価

『アンダーウォーター』は、海底資源の探査チームが遭遇する自然災害とそれによって目覚めた未知の生物の襲撃を描いたサバイバル作品です。

実際海底掘削は既に行われており、金等の資源を巡り様々な国が自国の企業を支援しています。陸上を掘りつくし次は海底環境を破壊してしまうと様々なメディアが取り上げていることから、現社会を戒める物語でもあります。

冒頭から大地震による壊滅的な被害に見舞われる登場人物達は、観客にとってマリアナ海溝大深部の道案内人。

真っ暗でヘルメットに取り付けられた照明だけが頼りの中、水圧と低温から身を守る45キロの重いスーツ内だけが人間にとって生存できる場所という閉塞感も伴います。

『ダイバージェント NEO』(2015)のフライアン・ダフィールドと『ターザン:REBORN』(2016)のアダム・コザッドが共著した本作の脚本は、予備知識が無い圧倒的な敵に対し人間はただ逃げ惑うしかないのだという現実を描写。

就寝前に全てが始まる為、終始下着に裸足で行動する女性主人公ノラは、SF映画の名作『エイリアン』(1979)を想起させ、恐怖に震えながらも立ち向かって行く姿は共感を呼びます。

監督を務めたウィリアム・ユーバンクは、宇宙に比べ海底については殆ど知られていないことから、チャレンジしたいと思う作品だったと監督業を受けた理由を説明。

加えて、主人公のノラを演じたクリステン・スチュワートも実は閉所恐怖症で水が苦手だと明かしつつ、未確認である世界だからこそ参加したかったと話し、海底で資源を掘削したことで起きる必然的な結果を物語る映画だと要約。

また、ユーバンクは、友人である『IT/ “それ”が見えたら、終わり。』(2017)を監督したアンディ・ムスキエティから助言を受けたと告白。

「あまり怖くない」と言われクリーチャーの造形を練り直したユーバンクは「ビヒーミス」と名付けたそうですが、太陽の光が届かない海底で狭い視界の中何処から襲われるか分からない臨場感を上手く描写しています。

まとめ

世界で最も深い海・マリアナ海溝で資源掘削会社のエンジニアとして働くノラは、突然大地震に見舞われます。

ノラと他に生き残ったメンバーは艦長ルシアンを先頭に壊滅的なダメージを受けたステーションから避難用小型船が備わった掘孔塔を目指すことに。しかし、海底へ足を踏み出した6人を未知の生物が襲い掛かります

冒頭から息を呑む展開が続くサバイバル映画『アンダーウォーター』は、災害パニック映画とは異なり、人間による環境破壊に警鐘を鳴らすSFスリラー作品

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