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Entry 2019/01/19
Update

映画『ハードコア』ネタバレ感想と解説。ラストまでのあらすじも【山田孝之×山下敦弘監督】

  • Writer :
  • もりのちこ

間違っていることを間違っていると言いたいだけ

東京の片隅で、まっすぐで不器用な男たちが、人生をもがきながら生きていました。

そんな男たちの前に現れた人工ロボット。

ひとりぼっちのロボットと男たちの、異色な共同生活が始まります。

平成の奇書、伝説的コミックが、山田孝之と山下敦弘監督のタッグで遂に実写映画化。

腐った世の中で大事なものは何のか。映画『ハード・コア』を紹介します。

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映画『ハード・コア』の作品情報

【公開】
2018年(日本映画)

【原作】
狩撫麻礼・いましろたかし「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」

【監督】
山下敦弘

【キャスト】
山田孝之、佐藤健、荒川良々、石橋けい、首くくり栲象、康すおん、藤原季節、松たか子

【作品概要】
『山田孝之のカンヌ映画祭』『映画山田孝之3D』と、本気なのか冗談なのか自由でいいのか、山田孝之シリーズでお馴染み山田孝之と山下敦弘監督が新たにタッグを組んだ映画『ハード・コア』

2人の愛読書でもあったコミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」の完全実写化です。

謎のロボット出現で、不器用に生きる男たちの未来が変わっていく⁈

キャスト陣には、山田孝之と兄弟役で登場の佐藤健、圧倒的な存在感の荒川良々と、クセ者が勢揃いです。

映画『ハード・コア』のあらすじとネタバレ


(C)2018「ハード・コア」製作委員会

「刀」と後ろにプリントされた上着を羽織り、ひとりの男がBarにやってきます。

世の中はハロウィン。渋谷の街は仮装した若者たちでお祭り騒ぎです。

「マスター、ボトルまだある?」と聞くハードボイルドな男、権藤右近(山田孝之)。

同じカウンターには、ハロウィンで浮かれてバカみたいとこぼす、ひとりの女性(松たかこ)の姿がありました。

気の合いそうな女性の登場に嬉しそうな右近。

Barには、浮かれた若者たちがやってきます。

カラオケに高じる若者たちに嫌気がさしてきた頃、右近にとどめを刺す出来事が起こります。

「いますぐKISS ME オゥオゥ!」

バカみたいと言っていたカウンターの女性が、一緒にカラオケを歌いだし男たちのキスに応じているではありませんか。

矛盾したことが大嫌い、間違ったことから目を逸らせない、腐った世の中で常に葛藤している右近。怒りは限界に達し、男を頭突きで倒します。

気付いたらカウンターで寝ていた右近を、迎えに来たのは弟の左近(佐藤健)でした。

兄と違い生き方が器用な弟は、一流商社のエリートサラリーマン。そんな彼もまた、肩書で寄ってくる軽い女、器用なものが生き残る社会にうんざりしていました。

右近の仕事はというと、怪しい活動家・金城銀次郎とその弟子・水沼のもと、山奥で埋蔵金を掘るという日雇いのバイトでした。

すぐ暴力に走ってしまい仕事も長続きしなかった右近は、拾ってくれた金城と水沼に恩を感じています。

そこには右近と同じ世間からはみ出した牛山(荒川良々)もいました。彼は唯一心を許せる友達です。

ある日、右近のところに牛山が血相をかえて「死んでる」と言いにきます。

急いで牛山が住んでいる廃墟に行ってみると、死んでいたのはロボットでした。

いまいち把握できない右近でしたが、ロボットの胸を開け修理します。

すると動き出すロボット。彼はひとりで歩き、意思を持っているようでした。

廃墟の地下で作られたらしいロボットは、なぜか2人に懐いてきます。

自分たちと同じひとりぼっちのロボットに情が沸いた2人は、ロボオと名付け可愛がります。

兄・右近のもとを訪れた弟・左近は、ロボオと初めての対面です。

あまりにも馴染んだ様子にロボットだとは触れずにいましたが、ショートし停止したロボットの胸をあけ慣れた手つきで修理する兄に、さすがに突っ込みます。

人工頭脳を搭載したロボットはもはや世紀の発見です。

金儲けの道具にしようと考える左近に、右近は怒り殴りつけます。「ロボオは大事な仲間なんだ。誰かにバラしたら許さない」

ロボオは、極度の人見知りでロボットのコスプレをする人という認識で右近たちと行動を共にします。

埋蔵金発掘現場では誰よりも土をかき出し大活躍。給料も右近たちを追い越します。

右近と牛山とロボオは、貰った給料でキャバクラへと繰り出します。

突然のディスコタイムに踊り出すロボオ。これぞまさにロボットダンス。

そこにやってきたヤクザに楽しい時間を止められた右近たちは、しぶしぶ店を後にします。

自分たちは楽しんじゃだめなのか、納得できない右近たちの前に、さっきの因縁をつけてきたヤクザが現れます。

目つきが気に入らないと右近に殴りかかるヤクザ。

その時、ロボオが右近と牛山を抱え、空へと飛び立ちました。

空も飛べるの?!ロボオ!

以下、『ハード・コア』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハード・コア』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2018「ハード・コア」製作委員会

左近は、ロボオの人工知能に注目していました。

「ロボオの人工知能で埋蔵金の発掘なんてちょろいぜ」と右近たちに持ち掛けます。

右近たちは埋蔵金発掘現場で試してみることに。

ロボオは手にした金を読み取り、穴の中に進んでいきます。ロボオが指す場所を掘ると、なんとそこには埋蔵金がありました。

本当にあったことを、恩人の金城に言うべきか迷う右近。とりあえず左近の言う通り秘密にすることにします。

そんな折、右近は水沼の家で飲んでいました。金城も俺もお前に期待しているぞ、と右近に今後のことを熱く語る水沼。右近の胸は痛みます。

そしてそこにやってきた水沼の娘・多恵子にあれよあれよと、たぶらかされる右近。悲しいかな男の性。骨抜きにされた右近は多恵子に溺れていきます。

右近の様子に苛立つ左近は、「人間なんて愚かなもんだろ。自信がないのをハードボイルドで隠してるだけ。もっと利口に生きろよ」と怒鳴ります。

「間違ったことを間違っていると言いたいだけ。俺だってちゃんと生きたい」と喧嘩になる兄弟。

埋蔵金のこと、怪しい組織のこと、多恵子のこと、右近は決着をつけることができるのでしょうか。

埋蔵金は、中国マフィアを通して金に換えようと提案した左近に従い、交渉をまかせることにしました。中国へと経つ左近。

多恵子は、相変わらず右近を誘い秘密の関係を楽しんでいるかのようです。

そんな多恵子との関係をばれたくない人物多恵子の父・水沼が右近を訪ねてきます。

関係がバレたとあせる右近に、水沼は衝撃的な告白をします。「金城が一般人を殺してしもた。殺人の隠ぺいを手伝え」と命令します。

スーツケースに入れられた死体を、牛山の住む廃墟の地下に隠すことにした水沼は、ロボオに運ぶのを手伝わせます。

ロボオは野球に将棋、言葉もしゃべれるようになっていました。

ある日右近は、中国沖で密輸の船から死体があがったとテレビのニュースで知ります。

弟の左近が死んだと落ち込む右近。

廃墟ではロボオがスーツケースの意変に気付いていました。ケースをスキャンし、水沼のもとへと行くロボオ。

「スーツケースの死体は金城だ。お前がやったのか」と迫ります。自白する水沼。罪を全部、右近たちにかぶせるつもりでした。

廃墟は警察に包囲され、右近たちは逮捕寸前です。

ロボオは右近と牛山を抱えます。そして空高く飛び立つのでした。「家族なんていらねえ。俺たちは空だって飛べるんだ。」

誰もいなくなった廃墟。そこにアタッシュケースを持った左近が帰ってきました。

何が起こったのか知りもしない左近は、タバコを吸いながら帰りを待つことにします。

物語はここで完結したかのようでした。

世界のどこかもわからない島、髭も髪の毛もぼうぼうの右近と牛山の姿がありました。

今まさに出産しようとしている女性を励ます2人。赤ちゃんが産まれました。

取り上げた右近は、牛山に「ほらお前の息子だ」と手渡します。

家族もいらねぇと言っていた右近でしたが、新たな命の誕生に感動しています。

海辺には、古くさびつき動かないロボオの姿がありました。

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映画『ハード・コア』の感想と評価


(C)2018「ハード・コア」製作委員会

山田孝之と山下敦弘監督のタッグと知って、わくわくするファンは多いことでしょう。

本作『ハード・コア』は、監督と俳優、俳優同士の信頼関係があるからこそ思い切った映画になったのではないでしょうか。

漫画の実写化はストーリーをぎゅっと縮めることで説明が多くなる印象ですが、『ハード・コア』は漫画を読んでいなくても、世界観がすんなり入ってきてオリジナルストーリーを見ているようでした

原作を読んでいなくても置いて行かれない感覚の作品です。

また、山田孝之と佐藤健との兄弟が面白い。顔は似てないのに、兄弟に見えてくるから不思議です。普段の彼らの関係性がなせる業なのでしょう。

今どきの体温の低いエリート若者・左近を佐藤健が演じると、こうもセクシーで危険なのかと翻弄させられます。

実は名家の出で悲しい経緯の牛山を演じるは、個性派俳優・荒川良々。まさにはまり役。ロボットのロボオとの仲睦まじい姿に笑えます。

そして山田孝之の自然体の演技にドキュメンタリーかと錯覚を覚えるほどです。カメレオン俳優が演じるハードボイルド右近、必見です。

まとめ


(C)2018「ハード・コア」製作委員会

平成の奇書、伝説的コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を、山田孝之と山下敦弘監督のタックで実写映画化した映画『ハード・コア』を紹介しました。

原作の作者・狩撫麻礼は映画の完成を前に急逝。映画の最後「狩撫麻礼に捧ぐ」という文字が印象的です。

不器用だけど真っ直ぐ生きる男たち「腐っているのは世の中なのか、俺たちなのか」

謎のロボットとの出会いは、彼らにどんな影響を与えるのか。

AIとの共同生存、どう付き合っていくべきか、映画『ハード・コア』で謎が解けるかもしれない⁈

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