Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2018/12/13
Update

『宵闇真珠』オダギリジョー演技力のみならず映画に音楽も提供!ドイル監督の映像がさらに幻想的に

  • Writer :
  • 中村綾子

『ブエノスアイレス』『恋する惑星』など、映画史に燦然と輝く傑作を多数撮ってきた世界的撮影監督クリストファー・ドイル。

彼が監督を務めた映画『宵闇真珠』(よいやみしんじゅ)が 12月15日(土)にシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開。

この作品は、香港の片隅にある漁村を舞台に村を訪れた異邦人との出会いにより、世界を知る少女の物語です。

劇場公開を前に、映画『宵闇真珠』の本編映像の一部が解禁されました。

映画『宵闇真珠』の本編映像解禁

映画『宵闇真珠』の劇中から解禁となった本編映像は、村のみんなから幽霊扱いされ避けられている少女が、初めて自分の存在を認めてくれる異邦人の男と出会う重要な場面です。

途中英語でたどたどしい会話をしていますが、それもまた2人が言葉を通じ合わさなくても、心が通じているように感じます。

さらに、オダギリジョーは自らが作曲したという音楽(曲名「JellyfishSyndrome」)で、2人の世界を優しく包みこみます。

オダギリジョーの楽曲起用のいきさつ


©Pica Pica Media

オダギリジョーは、自らが作曲した音楽が起用された過程について、次のように述べています。

「クリス(クリストファー・ドイル)と飲んでる時に<最近作った曲なんだよ>って聞かせたんじゃないですかね?気に入ってくれて<使っていいか?>、<いいよ、いいよ>って感じだったんだと思います(笑)クリスとは監督と俳優という関係に限らず、音楽や絵や写真や、お互いの作品を認め合えたから、今の関係があるんだと思います。」

クリストファー・ドイル監督にサラっと、曲を作ったと話ができるオダギリジョー。

それを気に入り、その時だけの言葉でなく、実際に起用したクリストファー・ドイル監督。

2人がお互いの才能を認め合い、なんでも話ができる関係にあるからこそ、今回のようないきさつがあったんですね。

解禁された本編映像について

©Pica Pica Media

映像後半の鏡の前でのシーンについて、アンジェラ・ユンが次のようなコメントを残してくれました。

「そこではセリフが無いんですけど、照明の色が変わっていく。それが二人の心の変化をリアルに描いていて、とても良かったと思います」

いくつものろうそくの炎と、オダギリジョーの作曲した音楽がとても幻想的で、セリフがなくても画になる2人。

これも世界的な撮影監督のクリストファー・ドイルによる緻密に計算された演出なんでしょうね。

映画『宵闇真珠』作品情報


©Pica Pica Media

【公開】
2018年(香港・マレーシア・日本合作映画)

【原題】
白色女孩 The White Girl

【脚本・監督】
ジェニー・シュン、クリストファー・ドイル

【キャスト】
オダギリジョー、アンジェラ・ユン、マイケル・ニン、トニー・ウー、サム・リョン、ランヤ・リー

【作品概要】
『欲望の翼』や『恋する惑星』など、90年代にウォン・カーウァイ作品のカメラマンとしても知られるクリストファー・ドイルが、新鋭ジェニー・シュンとの共同監督を務めた映画。

日光を浴びるとやせ細って死んでしまうという少女と、どこからともなくやってきた異邦人の男との出会いから始まる物語です。

主人公の少女を演じるのは、香港出身のアンジェラ・ユン。シャネルやシュウ・ウエムラの広告塔やアンバサダーに起用され、香港では「文青女神(サブカルオシャレ好きにとっての女神の意味)」と呼ばれています。

異邦人の男役には、日本にとどまらず、ワールドワイドに活躍を続ける実力派俳優オダギリジョー。

映画『宵闇真珠』のあらすじ

©Pica Pica Media

香港最後の漁村、珠明(じゅめい)村に、一人の少女が住んでいました。

彼女は、幼少時から日光にあたるとやせ細って死んでしまう病気だと言い聞かせられていて、太陽から肌を隠して生活していました。

透き通るような白い肌のため、村人たちからは「幽霊」と呼ばれ、気味悪がられています。

彼女の孤独を癒す唯一の楽しみは、日没後、肌を露出し、お気に入りの音楽を気に入りの場所で楽しむことでした。


©Pica Pica Media

ある日、どこからともなくやってきた異邦の男と出会った少女は、今まで知ることのなかった自身のルーツに触れていくことになるのですが…。

まとめ


©Pica Pica Media

世界的巨匠クリストファー・ドイル監督の妥協を許さない映像美と、国際的にも活躍するオダギリジョーにより作られた幻想的な音楽が、見事に調和して生まれた映像は必見です。

国境・世代を超えたスタッフ・キャストが織りなす幻想的で美しい世界に酔いしれてみてはいかがでしょうか。

映画『宵闇真珠』は2018年12月15日シアター・イメージフォーラムほかで全国ロードショー!

ぜひお見逃しなく!

関連記事

新作映画ニュース

【映画試写会プレゼント】ドキュメンタリー『フリーソロ』5組10名様ご招待!8月27日(火)渋谷ユーロライブにて

魂を揺さぶるクライマックスが待っている! 稀代のクライマー、アレックス・オノルドが、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園にそびえる巨岩エル・キャピタンにフリーソロで挑む一部始終を臨場感溢れるカメラワーク …

新作映画ニュース

映画『あなたの番です 劇場版』キャストの横浜流星は二階堂忍役!演技力の評価とプロフィール

映画『あなたの番です 劇場版』は2021年12月10日(金)ロードショー 日本中に考察ブームを巻き起こした大ヒットドラマを映画化した『あなたの番です 劇場版』が、2021年12月10日(金)に公開され …

新作映画ニュース

映画『異端の鳥』あらすじ/キャスト/公開日/特報予告編。原作本はホロコーストの本質を描いた発禁の書

第76回ヴェネツィア国際映画祭ユニセフ賞受賞。 第92回アカデミー賞チェコ代表作品。 ホロコーストの本質に迫る、美しくも残酷な異端の問題作が日本に上陸します。 2019年のヴェネツィア国際映画祭におい …

新作映画ニュース

『母さんがどんなに僕を嫌いでも』映画公開日決定!太賀&吉田羊の画像新たに解禁

©2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会 俳優太賀&吉田羊による『母さんがどんなに僕を嫌いでも』の公開日は、11月16日に決定! さらに演技派キャストの熱演が光る場面画像も新たに …

新作映画ニュース

映画『在りし日の歌』公開日/上映館。ワン・シャオシュアイ監督が描く感動の人間ドラマとは?

ジャ・ジャンクー、ロウ・イエら名匠と並ぶ中国第六世代の旗手ワン・シャオシュアイとは? 第69回ベルリン国際映画祭にて最優秀男優賞と女優賞の2冠に輝いたワン・シャオシュアイ監督最新作『在りし日の歌』。 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学