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Entry 2021/04/27
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台湾映画『親愛なる君へ』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。サスペンスフルに亡き同性パートナーとの絆と“罪”を描いたチェン・ヨウジエ最新作

  • Writer :
  • 石井夏子

台湾アカデミー賞3部門受賞作品。

世界的評価を受けた『一年之初(一年の初め)』や『ヤンヤン』など、人と人のつながりや人生模様、アイデンティティを描くことに⻑けたチェン・ヨウジエ監督。

(C) 2020 FiLMOSA Production All rights

チェン・ヨウジエが5年ぶりに監督を務め、緻密で繊細なストーリーラインで愛の極限を描いた最新作『親愛的房客(英語:Dear Tenant)』が日本上陸します。

邦題が『親愛なる君へ』に決定し、2021年7月23日(金・祝)より全国順次公開となります。

完成したポスタービジュアルは、「間借り人は少年にとって“もうひとりのパパ”」というキャッチとともに、ジエンイーと血の繋がりのないヨウユーが海辺で切ない表情で抱き合う写真が大きく配置されています。

さらに同性パートナーが生きていた在りし日の幸せな家族の食卓の写真もあり、その対比から、現在のふたりの関係が頑強さと脆弱さの両面を持ち合わせるような情調を想像できる仕上がりとなりました。

映画『親愛なる君へ』について

(C) 2020 FiLMOSA Production All rights
ミステリアスで重厚なサスペンス調の展開を匂わせつつ、徐々に真実が解き明かされていくと、温かな情感溢れる結末まで一気に導かれる本作。

老婦・シウユーとその孫のヨウユー、そのふたりの面倒を見る⻘年・ジエンイーの3人が、血の繋がりを越えた家族の絆をつむぐ物語です。

ただの間借り人のはずのジエンイーがふたりに尽くすのは、今は亡き同性パートナーの家族だから。

しかしある日、シウユーが急死してしまいます。その死因を巡り、ジエンイーは不審の目で見られるように。

警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには罪を認めてしまうジエンイーですが、それはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことでした……。

主演は『一年之初(一年の初め)』でもヨウジエ監督とタッグを組んだモー・ズーイー

本作でも高い評価を受け、第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)や、第22回台北映画奨、第2回台湾映画評論家協会奨で最優秀主演男優賞(台
湾映画評論家協会奨は主演・助演の区別がない最優秀男優賞)を受賞。

また、老婦シウユー役の名演が光った“国⺠のおばあちゃん”の別名を持つ台湾の国宝級女優であるチェン・シューファンは、第57回台湾アカデミー賞で最優秀助演女優賞を獲得しました。

映画『親愛なる君へ』の作品情報

(C) 2020 FiLMOSA Production All rights

【日本公開】
2021年(台湾映画)

【原題】
親愛的房客

【監督・脚本】
チェン・ヨウジエ

【監修】
ヤン・ヤーチェ

【キャスト】
モー・ズーイー、ヤオ・チュエンヤオ、チェン・シューファン、バイ・ルンイン

映画『親愛なる君へ』のあらすじ

(C) 2020 FiLMOSA Production All rights
老婦・シウユーの介護と、その孫のヨウユーの面倒をひとりで見る⻘年・ジエンイー。

血のつながりもなく、ただの間借り人のはずのジエンイーがそこまで尽くすのは、ふたりが今は亡き同性パートナーの家族だから。

彼が暮らした家で生活し、彼が愛した家族を愛することが、ジエンイーにとって彼を想い続け、自分の人生の中で彼が生き続ける唯一の方法であり、彼への何よりの弔いになると感じていたからです。

しかしある日、シウユーが急死してしまいます。病気の療養中だったとはいえ、その死因を巡り、ジエンイーは周囲から不審の目で見られるように。

警察の捜査によって不利な証拠が次々に見つかり、終いには裁判にかけられてしまいます。

だが弁解は一切せずに、なすがままに罪を受け入れようとするジエンイー。

それはすべて、愛する“家族”を守りたい一心で選択したことでした……。

まとめ

愛する“家族”を守るため、いわれなき罪を背負う青年。

今は亡き同性パートナーの母と子との、血の繋がりを越えた“家族”の絆をつむぐ物語。

映画『親愛なる君へ』は、2021年7月23日(金・祝) より、シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開予定です。

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