妊娠、出産、障がい…出生前診断に女優たちが斬り込む。
野生児童主宰の有田あんが脚本・監督を務める長編映画、『渇愛の果て、』の制作が、2020年7月現在進行中です。
有田あん初の長編映画でもある本作は、コロナ禍で中止になった同名舞台を映画として撮影。
「出生前診断」をテーマに、出生前診断・妊娠・出産・障がいについて、そしてそれに対して様々な考えがあることを知ってもらうことで 「人にやさしくなれる」映画です。
本作の魅力と、この映画企画を立ち上げた10名の女優たちについてお伝えします。
映画『渇愛の果て、』について
『渇愛の果て、』は当初2020年6月9日〜14日に上演を予定していた舞台です。しかし、新型コロナウイルス感染症の危険を考えて中止を決断することに。
一時は創作を諦めたかけた有田監督でしたが、コロナ禍で多くの人が命についてより深く考えるようになった今だからこそ、新たに生まれる命に目を向けたこの作品を形にして届ける意味がある、と改めて思い至りました。
その想いに賛同した女優たちが集い、『渇愛の果て、』は新たに映画としてスタートを切ります。
映画企画の立ち上げメンバーは、本作で脚本・監督を務め女優としても活躍している有田あん、舞台版から志を共にする小原徳子をはじめとした10人の女優たち。
出生前診断・妊娠・出産・障がいに対して、それぞれ異なる考えを持った女性たちが制作段階から携わってきたからこそ、デリケートなテーマに深く斬り込んだ作品づくりが実現しました。
本作のストーリーは、有田監督の友人の体験が基になっています。友人の赤ちゃんは出生前診断によって“陰性”と診断されたにも関わらず、突然変異による障がいを抱えて生まれてきました。
その時の彼女の衝撃・苦悩…直面して初めて知ることが多過ぎるということを有田監督は痛感。
この経験から有田監督は、いつか「出生前診断」と向き合わないといけなくなった時に、赤ちゃんとの将来を考える手助けになるように、「出生前診断」をもっとよく知りたい、知って欲しい。色々な考えや選択肢があることを知ることで、一人でも傷つく人を減らしたいと思い、本作を創り始めます。
正しい理解と様々な考えに触れるため、出産を経験した方、出生前診断を受けた方・受けなかった方、障がいを持っている方、医療関係者へのインタビューを行い、それを基にリアルで多様な意見を盛り込んだ脚本が仕上がりました。
「野生児童」とは?
野生児童とは、有田あん主宰によるプロデュースユニットです。
作曲:奈緒美フランセス、制作・役者:岸田エリ子の女性3人で活動しています。
2015年8月に『1980’』を機に旗揚げ。
2016年9月には、旗揚げ公演にオーディションメンバーとして出演し、作曲でも参加していた奈緒美フランセスが加入。
2017年12月には、野生児童第3弾より出演しており、 自身も『演劇ユニットル ソルナ』の主宰である女優・岸田エリ子が加入しました。
ユニットの特徴は、「できない理由より、どうしたら実現できるかを考える前のめりな姿勢」で、モットーは「やりたいことを、真摯に実現」。
劇団鹿殺しに所属し、俳優として活動中の有田あんがジャンルを飛び越えて、一番気になる個性的な役者、スタッフを集めて作品を創り、各々の人間性・個性を生かすことを基本としています。
「カテゴリー」を飛び越え、最も気になる表現者とテーマを掛け合わせ、他にはない組み合わせ、表現を独自に追求しています。
監督・有田あんのプロフィール
本作『渇愛の果て、』で監督・脚本・キャストを務める有田あんは、大阪出身。台湾とのハーフ。野生児童主宰であり、劇団鹿殺しの劇団員です。
中学・高校は吹奏楽部に所属し、特技はトロンボーン、トランペット、ユーフォニウムの演奏。
立命館大学、新演劇研究会劇団月光斜で芝居を始めました。
2010年、インドに2か月間滞在。インド中南部kolekanalの小学校で1か月勤務、その後インドを北から南へ約7都市一人旅。その経験が、目標とする、途上国での公演への大きなステップとなります。
学生時代には学生劇団で出演しながら演劇指導に関わっていました。ENBUゼミナールで作・演出を始め、学内大会で作品賞を受賞。
2015年に野生児童を旗揚げし、本格的に作・演出を始めます。
作風は「家族・人間愛」をテーマにしたものが多く、脚本は実話ベース、出演者のキャラクターを生かした当て書きが特徴。
2018年の野生児童第5弾『春暁』では、家族愛をテーマに統合失調症の母をもつ家族の話を繊細に描き、大きな反響を呼びます。
外部活動では、2019年に乃木坂46の4期生『3人のプリンシパル』でアクティングコーチ、劇団空白グリムでは演出を務めました。
映画『渇愛の果て、』の作品情報
【製作】
2020年(日本映画)
【監督・脚本】
有田あん
【音楽】
多田羅幸宏(ブリキオーケストラ)
【歌唱協力】
奈緒美フランセス
【キャスト】
有田あん、小原徳子、瑞生桜子、辻凪子、烏森まど、廣川千紘、伊島青、藤原咲恵、輝有子
まとめ
新型コロナウイルス感染症の危険を考えて中止を決断した野生児童の舞台『渇愛の果て、』が、映画となって新たに生まれ変わります。
有田あん監督が友人の実話から作り上げた脚本をもって、いよいよ2020年8月に撮影がスタート。
また、クラウドファンディング・プラットフォームMotionGallery にて、制作費の支援を募るクラウドファンディングを開始されました。目標金額は2,000,000円だそう。
クラウドファンディングに関しての詳細は、『渇愛の果て、』クラウドファンディングページをご覧ください。
どうぞ映画『渇愛の果て、』の応援をお願いいたします。