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映画『カスリコ』あらすじとキャスト。監督高瀨將嗣が全編モノクロで賭場の人間模様を描く

  • Writer :
  • 石井夏子

裏社会で生きる人びとの姿を描く人情ドラマ。


(C)2018 珠出版

昭和40年代の土佐、究極のギャンブル“手本引き”に翻弄される人々、人生の哀歓を描いた映画『カスリコ』が2019年6月22日(土)渋谷ユーロスペースほかにてロードショーされます。

公開に先駆け緊張感溢れる賭場のシーンが映し出された予告編が解禁され、各界著名人よりコメントが届きました。

本記事では全編モノクロ、オール高知ロケによって描き出した『カスリコ』の魅力についてお伝えして行きます。

映画『カスリコ』について


(C)2018 珠出版

“手本引き”に翻弄される人々、盆中(賭場)に満ちる冒険的で愛おしい人生の哀歓を全編モノクロ、オール高知ロケによって描き出した本作。

高知在住の國吉卓爾が、放蕩三昧だった若い頃に目にした、賭場の人間模様を基にシナリオを執筆し、第26回新人シナリオコンクール準佳作を受賞しました。

映画『ビー・バップ・ハイスクール』(1985)、「あぶない刑事」シリーズ、『マルタイの女』(1997)をはじめ、殺陣師として活躍する高瀨將嗣が監督を務め、賭場での札のやり取りには殴り合いを凌駕する緊張感が溢れます。


(C)2018 珠出版

キャストは、1986年に映画『君は裸足の神を見たか』の主演で俳優デビューを果たし、2018年にはドラマ『正義のセ』や『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』に出演するなど活躍を続ける実力派・石橋保と、ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズで新たな魅力を見せつけた宅麻伸という2人の名優をメインに迎えました。

中村育二、山根和馬、金児憲史、伊嵜充則、高橋かおり、高橋長英、小市慢太郎といったベテラン俳優が脇を固め、骨太な芝居を見せます。

また、西村雄正、大家由祐子、鎌倉太郎、池上幸平、掛水杏樹ら高知県の俳優がネイティブの土佐弁を披露しており、舞台・土佐の魅力をいかんなく発揮している点も注目です。

“カスリコ”とは


(C)2018 珠出版

賭場(盆)で客の世話や使い走りをして、わずかなご祝儀をもらう下仕事。

高知の賭場で呼称された隠語です。

“手本引き”とは


(C)2018 珠出版
1~6の数字のうち、親が選んだ1枚の札を複数の子が推理して当てるゲーム

親の性格やクセを読む心理戦の性質もあり、日本における「究極の賭博」とも言われています。

映画『カスリコ』の予告編

予告編では、主人公吾一が身を滅ぼすまでにのめり込み「賭博の終着駅」とも称される、日本が生んだ究極のギャンブル“手本引き”の緊張感溢れる賭場のシーンが映し出されます。

人生のやり直しを懸けた吾一の決意が伝わる予告編となっています。

あわせて、『仁義なき戦い 完結篇』の脚本家としても有名な高田宏治からは「モノクロの光と影でいのち札にかける男の情念の哀しさ愚かさを丁寧に描いて大人の映画にしている」とコメントが。

また、俳優・永島敏行からは「アクションも恋愛も無い映画だが、男の本能、血が騒ぐ映画だ」など、絶賛のコメントが寄せられました。

映画『カスリコ』の作品情報

(C)2018 珠出版

【日本公開】
2019年(日本映画)

【監督】
高瀨將嗣

【脚本】
國吉卓爾

【音楽】
辻陽

【キャスト】
石橋保、宅麻伸、中村育二、山根和馬、鎌倉太郎、金児憲史、高橋かおり、高橋長英、小市慢太郎、西山浩司、高杉亘、伊嵜充則、及川いぞう、西村雄正、大家由祐子、池上幸平、服部妙子

【作品概要】
昭和40年代の高知県土佐を舞台に、裏社会で生きる人びとの姿を描く人情ドラマ。

高知在住の脚本家・國吉卓爾がシナリオ大賞に入賞した脚本を高知全編ロケ、多数の高知出身俳優出演で映画化しました。

吾一役を石橋保、五郎役を宅麻伸がそれぞれ演じます。

監督は殺陣師としても活躍する高瀬将嗣です。

映画『カスリコ』のあらすじ


(C)2018 珠出版

昭和40年代、土佐。

高知一の料理人と呼ばれた岡田吾一(石橋保)は、「賭博の終着駅」と言われる“手本引き”で破滅。

途方に暮れていたところをヤクザの荒木五郎(宅麻伸)に拾われ、かつて自分が客として入り浸った賭場の下働き「カスリコ」として働き始めます。

行き場のない吾一はプライドを捨てて懸命に働きますが、賭場の客たちやカスリコ仲間の悲喜交々を目の当たりにし、やがて人生を賭けた最後の大勝負に挑むことに…。

まとめ


(C)2018 珠出版
男は己の人生に勝てるのか、再びどん底に落ちるのか。

脚本の國吉卓爾は、自身が目にしてきた賭場の人間模様を基にシナリオを執筆し、第26回新人シナリオコンクールにて準佳作を受賞ました。

國吉卓爾は本作の映画化について以下のように語っています。

若き日、放蕩三昧に生きていたあの頃、共に生きたひとたちの息吹を感じてもらえるよう、努力をしたつもりです。今回、映画化に至り、私の思い描いていた作品に仕上げていただき、監督をはじめ、全てのスタッフのご尽力に感謝します。

國吉卓爾が描いた当時の人びとを、高瀬将嗣監督らスタッフと、キャストの硬派な演技力で映画化した本作に期待が高まりますね。

全編モノクロだからこその説得力と緊迫感を、ぜひスクリーンで味わって下さい。

映画『カスリコ』は2019年6月22日(土)より渋谷ユーロスペースほかにてロードショーです。

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