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Entry 2021/04/12
Update

映画『へんしんっ!』あらすじ/劇場公開日/上映館/予告動画。PFFアワードグランプリ受賞の石田智哉監督の話題作がロードショー決定

  • Writer :
  • 石井夏子

第42回ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2020グランプリ受賞作品。
驚きの、歓びの、ドキュメンタリー。

第42回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2020」グランプリに輝いた石田智哉監督作品『へんしんっ!』。

(C)2020 Tomoya Ishida

ポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタでの公開初日が、2021年6月19日(土)に決定しました。

東京・ポレポレ東中野、ほか全国の一般般劇場では、日本語字幕、音声ガイドありの「オープン上映」を行います。

また、予告編も完成しましたのでご紹介します。

映画『へんしんっ!』について

(C)2020 Tomoya Ishida

電動車椅子を使って生活する石田智哉監督は「しょうがい者の表現活動の可能性」を探ろうと取材をはじめました。

演劇や朗読で活躍する全盲の俳優・美月めぐみさん、ろう者の通訳の育成にも力を入れているパフォーマーの佐沢静枝さん。

多様な「ちがい」を橋渡しするひとたちを訪ねます。石田監督と撮影、録音スタッフの3人で始まった映画制作。

あるとき石田監督は「対人関係でちょっと引いちゃうんです。映画でも一方的に指示する暴君にはなりたくないと思っていて…」と他のスタッフに打ち明けました。

対話を重ねながら、映画のつくり方も変化していきます。

(C)2020 Tomoya Ishida

とまどい、揺れながら、変わりつづけるその先に、石田監督自身の心と体にも大きな転機が訪れます。

振付家でダンサーの砂連尾理さんは「しょうがい」を「コンテクストが違う身体」という言葉で表現しました。「車椅子を降りた石田くんがどんなふうに動くのかを見てみたい」。

そう誘われて、石田監督もパフォーマーとして舞台に立つことに。

それは多様な動きが交差するダンスという関係性の網の目にみずからをあずける体験でもありました。

とまどい、揺れながら、またあらたな表現の可能性が拓かれていきます。

映画のプロが激賞する あたらしいドキュメンタリーの誕生完成した映画は、第42回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード 2020」グランプリに輝きました。

審査に関わった映画のプロたちが「とにかく興奮した」「映画をつくる楽しみが、画面全体から伝わってきた」と激賞。

映画の登場人物たちが迎える大団円に、観客もスクリーンから溢れ出す表現する歓びに震え、知らぬ間に「へんしん」してしまった自分自身に、心の底から驚くでしょう。

オープン上映とは?

(C)2020 Tomoya Ishida

東京・ポレポレ東中野、ほか全国の一般般劇場で、日本語字幕、音声ガイドありの「オープン上映」が行われます。

驚きも戸惑いも、気づきも発見も、みんなでシェアする「オープン上映」。

本作は、石田智哉監督が探究したものを表現するため、「日本語字幕」をスクリーンに投影し、「音声ガイド」を劇場内のスピーカーから流します。

それをみんなで観ることによる気づきや発見をシェアしたいとの思いから、このかたちを「バリアフリー上映」ではなく、「オープン上映」と名付けました。

はじめは驚きや戸惑いがあるかもしれませんが、ご覧になった一人ひとりの新しい感覚をひらかれる、そんな面白さを感じてください。

ユニバーサルシアター シネマ・チュプキ・タバタでは、音声ガイドは劇場内のスピーカーではなく、イヤホンから流れます。

映画『へんしんっ!』予告編動画


予告編には、石田監督はじめ、ダンサー・振付家の砂連尾理さんら登場人物たちが登場。

佐沢静枝さんの「一生懸命手話をしても伝わらない」、美月めぐみさんの「目で見ることだけが「みる」じゃないんじゃないか」といった言葉
から、多様なちがい、そのちがいをどうつないでいくのか、石田監督の対話から映画作りへの葛藤や変化が感じ取れます。

最後は、はじまりを感じさせるモーションや効果音で、「なにかが変わる」を表現した予告編になりました。予告編はバージョン違いの第二弾も制作予定です。

石田智哉監督のプロフィール

PHOTO by Masayuki HASHIMOTO

本作で企画・監督・編集を務めた石田智哉(いしだ・ともや) は、1997年生まれ、東京都出身

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業、同大学院修士課程在学中。

中学生の頃、自分に合った学習方法としてiPadを紹介され、そこでの短編映像の制作をきっかけに映像制作に興味を持ちます。

大学では、哲学、写真、映画、身体論などを学びながら、3年次より映像制作系のゼミに所属。

また、ボランティアサークル「バリアフリー映画上映会実行委員」を務め、上映会の企画・運営を行います。

現在、しょうがい者が創作をする過程で生まれる、身体観やしょうがい観の変化について研究しています。

本作が初監督作品です。

映画『へんしんっ!』の作品情報

(C)2020 Tomoya Ishida

【日本公開】
2021年(日本映画)

【英題】
Transform!

【監督・企画・編集】
石田智哉

【キャスト】
石田智哉、砂連尾理、佐沢(野﨑)静枝、美月めぐみ、鈴木橙輔(大輔)、古賀みき

【字幕監修】
北川光子、木山直子、佐沢(野﨑)静枝

【音声ガイド制作】
鈴木橙輔(大輔)、美月めぐみ、平塚千穂子

【ナレーション】
ぺんぺん

まとめ

(C)2020 Tomoya Ishida

体とからだ、人とひと。ちがうをつなぐ、こころとは。

さまざまな「ちがい」を架橋するひとたちを描いた映画『へんしんっ!』が、ついに劇場公開です。

映画『へんしんっ!』は、2021年6月19日(土)より、ポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタにて公開、他全国順次となります。

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