映画『GINAGINA ぎなぎな』は公開初日に主な登場人物たちの舞台挨拶を実施!
2023年1月26日(木)~28日(土)渋谷ユーロスペースにて一般公開された映画『GINAGINA ぎなぎな』。
コロナで仕事を失った初老の俳優が映画制作に挑戦するも、ことごとく不運に見舞われて途方に暮れますが、ふと参加した故郷の同窓会から小さな希望を見出すという作品です。
「カンブリア宮殿」「SASUKE」のナレーションや、『ソロモンの偽証』(2015)『ひかりのたび』(2017)の出演で知られる俳優の高川裕也が初脚本と監督を務めました。
高川自身が主人公の初老の俳優・木村誠役を演じ、コロナ禍の閉塞感をリアルに映し出した映画『GINAGINA ぎなぎな』。
1月26日渋谷ユーロスペースでの初日公開後に、監督を始めとする主な登場人物たちが舞台挨拶をしました。
本記事では、その初日舞台挨拶の模様をお届けします。
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映画『GINAGINA ぎなぎな』の舞台挨拶
上映後の舞台挨拶に満場の拍手で迎えられた高川監督。満席の会場にビックリしながらも感謝を述べ、以下のように語りました。
「ぎなぎなというのは、関西弁の‟ぼちぼち”が様態を表すのと違って、主体の気の持ち様やアクションも加味されている。言葉というのは主体の使い方によっていろんなニュアンスが生まれ、道具となるもの。作中の人たちのやり取りも100人100様の味わい方をしてもらえたら。そして時間を経て、作品に何度も出合い直してもらえたら嬉しい」
登壇者の言葉
まずは、高川監督が「脚本監督、そして木村誠の役をやらせて頂きました高川裕也です。本日はこんなにたくさんの方々に入れして頂き本当にありがとうございました」と挨拶。
この「GINAGINA ぎなぎな」は2度目目の緊急事態宣言の時に、家で悶々としているよりはと初めて書いた脚本だと言います。いろいろな部署の自分より年の若い先輩たちの親身な協力があってここまでたどり着いた作品ですと、周りの後押しがあって完成したことを話しました。
「ぎなぎな」という言葉はこの作品のロケ地にもなっている三重県四日市の方言で「ゆっくりと」とか「ボチボチ」とか「どうにかこうにか」と言ったニュアンスの言葉だそうです。
映画の主人公の男のぎなぎなと凌ぐ姿に、次の世代に繋ぐという機微って一体どういうことなのかとか…思い浮かべていただければいいなと思って作ったそうです。また、監督は、時間が経ってから何かのきっかけにふと反芻するようなそんな作品になればいいなと思っているとも語りました。
登壇者は、高川裕也監督を始めとして、八十川真由野、田村義晃、永宝千晶、海部剛、鷹野梨恵子。監督に続き、一人ずつ本作への思いを言葉にしてくれました。
八十川真由野:本日は寒い中ありがとうございます。私と高川さんはナレータースクールで、先生と生徒という関係で出会ったのですけど、その後一年位経って急に私を想定して描いた台本があるので映画に出てくれないというメールを頂きまして、それは絶対やろうと思って今回参加させて頂きました。撮影も楽しかったのですけれど、登壇までさせていただいてありがとうございます。
永宝千晶:監督とは6年前に舞台で共演したのが出会いでした。その時も父と娘の役でした。またこの様な形で高川さんの作品に出られて本当に良かったなと思っています。たくさんの方に見ていただけたら嬉しいです。
田村義晃:大佛助監督をやらせて頂いた田村義晃です。この衣装をそのまま着てきたので(撮影時の衣装で)…ぜひ覚えて帰って頂いて。高川さんとは、飲み会でしか会ったことがない……。酔っ払いながら芝居の話をした程度で、キャスティングしてくれまして。でも誠意のあるモチベーションの高い方だなと思いましたので出演させていただいて……こんな渋谷の都会で、こんな多くの方の前に見ていただけるまでになるとは想像してなかったので本当に感謝しております。
鷹野梨恵子:赤いドレスの女で出演しました鷹野梨恵子です。監督とは無名塾の先輩と後輩ということでこの作品に出させて頂きました。映像は初めてで、電車の客さんに見られながらの撮影でドキドキしましたけれども、これからもたくさんの方に届くといいなと思っております。ありがとうございました。
海部剛:本日はありがとうございます。録音部チーフの、生川(なまかわ)と書きまして、なるかわと読ませる役を頂きました海部剛史です。この生川というのはですね、四日市市富田一色町に分布する名字でございまして、役もそこを出身という設定にしております。私・海部はですね、無名塾高川派の一員であります。高川派の一員として参加させて頂きました。よろしくお願い致します。
感謝の言葉あり、監督との思い出あり、自己PRありと個性豊かな舞台挨拶で、会場は大盛り上がり。和気あいあいとした雰囲気で時折笑い声も起こり、あっという間にフォトセッションの時間となりました。
来場者からのコメント(SNSより)
SNSからの舞台挨拶の来場者のコメントをご紹介します。
「心をざわつかせるけど、心地よい余韻が残る作品。見に行けて良かった」30代女性
「おっさんの悲哀と現実が心に沁みました。コロナ禍を切り取ったある種ドキュメンタリーの様でもあり」(50代・会社代表)
「ズキッとじわじわ刺さる、ぎなぎなの意味を知るとより沁みる、そんな時間でした。(と、まだ上映中なのでここまでにします)」(声優・看護師)
「全てを宙吊りで終えたラストがいい。人生に答えはないのだから」(50代・映画監督)
「同窓会のターンしていくカメラワークは、どこに視線を合わせていいのやら分からない時間とピッタリでした。答え合わせにもう一度見たい」(40代セラピスト)などなど。
大勢のお客さんの誘導でロビーを奔走したユーロスペースの北條誠人支配人からも、「久方振りの満席を見れて嬉しかったです」との声も届きました。
映画『GINAGINA ぎなぎな』の作品情報
【日本公開】
2023年(日本映画)
【脚本・脚本】
高川裕也
【キャスト】
高川裕也、八十川真由野、田村義晃、永宝千晶、元気屋エイジ、鷹野梨恵子、橋本拓也、海部剛史、伊藤俊、鈴木貴丈、森岡弘一郎、小林峻、南千尋、井手泉、辻成哉、入鹿尊
映画『GINAGINA ぎなぎな』のあらすじ
コロナ禍で生活を脅かされた初老の俳優・木村誠は、補助金や助成金をもとに一念発起して映画づくりを始める。
けれども、アクションシーンの撮影で、主演俳優の恵介に重傷を負わせてしまい、映画制作は中止に追い込まれます。
恵介のマネージャーからは損害賠償を求められ、生活補助金の申請も却下の通知がきて困り果てる木村。
さらに、娘のアサミからも、離婚間際の夫との間にできた子どもをひとりで生んで育てるという連絡が入りました。
金策に頭を悩ます木村は、故郷で開かれる中学の同窓会に出席。そこで再会した、学生時代のマドンナ的存在だった雪乃から、ある提案をもちかけられたのですが…。
まとめ
俳優の高川裕也が初脚本と監督を務めた『GINAGINA ぎなぎな』。初公演後の舞台挨拶の様子をご紹介しました。
満席の会場で、携帯カメラを向けられる登壇者たちの感激と喜びが伝わってくる舞台挨拶でした。
映画『GINAGINA ぎなぎな』の上映は1月28日まで3日間の限定公開。その後は、2月25日、26日に四日市市文化会館第2ホールでの「四日市凱旋上映」が決まっています。
渋谷の次は四日市で! ぎなぎな旋風、まだまだ吹き荒れそうです。