百花繚乱の魅力を放つ最新中国映画、厳選6本を一挙上映する中国映画祭「電影2019」。今年は東京と大阪での開催となります。
東京会場の角川シネマ有楽町にてオープニング作品として上映されたのはルー・ユエ監督の作品『失踪、発見』。
上映後にはこの作品で主人公である女性弁護士の娘のベビーシッターとして働きながらも、娘とともに失踪してしまうスン・ファンを演じたマー・イーリーのQ&Aが行われました。
マー・イーリー登壇で観客もうっとり
地味なメイクを施し、影のある役柄を演じていたスクリーンの姿とはうってかわって、活動的な美しさに満ちたマー・イーリーの登壇に客席からはため息がこぼれました。
MCを務めた矢田部吉彦氏から脚本を読んだときどう思ったか問われると、マー・イーリーは笑顔で次のようにコメントしました。
「女性ふたりの描写が完璧だと思いました。はじめからこの物語がとても好きになりました」
役作りに関して次のようにアピールしました。
「このような女性は実際に周りにいたこともあり、それほど役作りはせずに、記憶を頼りにイメージを合わせ演じました。今回は普段私が演じるようなものからとても遠い役柄でぜひ演じたいと思ったのです。社会の底辺を生きる彼女たちにも視線を送ってください」
また観客から一番辛かったことは何かという質問には、役柄に対する没頭ぶりを明かしてくれました。
「(演じたスン・ファンの)外見というよりも心です。彼女は周りからの同情を拒絶する人。私は彼女を演じることで彼女と旅をしたわけで、それはひどく疲れたし辛い旅でした。いつもはそれほど役に入り込みませんが今回は違いました。入り込むのもそこから出て行くのも苦労しました。これは私にとってはじめての経験でした」
マー・イーリーは今回の役に入り込み過ぎて苦しんでいたようです。それだけ彼女がこの役に対して深く演じていたのかもしれませんね。
最後に、マー・イーリーは次のように力強く語ってくれました。
「現代の中国と中国女性を理解する絶好のチャンスです。私もそのような女性を描く映画のために努力、貢献したいので、理解を深めてください」
海を隔ててすぐお隣の国、中国。それでも知らないことは多々あります。
中国映画祭で現在の中国について知り、理解を深めていくことができたらいいですね。
中国映画祭「電影2019」とは
今年で2回目の中国映画祭。今年の開催地は東京と大阪です。
日本公開予定作を含め、多種多様なジャンルの6作品を厳選してラインナップしていて、すべて日本初上陸の作品ばかりです。
また、中国から俳優や監督などゲストを招き、オープニングイベントやトークショーが開催されます。
最新映画を通して、現代中国の”今”を見つめます
今年上映された作品は『ペガサス/飛馳人生』『失踪、発見』『アイランド/一出好戯』『駐在巡査 宝音(ボヤン)』『選ばれざる路/未択之路』『アラ・チャンソ(原題)』の6作品です。
今回は東京会場でオープニング上映された作品『失踪、発見』についてご紹介します。
映画『失踪、発見』の作品情報
【公開】
2019年(中国映画)
【原題】
找到你
【監督】
ルー・ユエ(吕乐)
【キャスト】
ヤオ・チェン、マー・イーリー
【作品概要】
『上海ルージュ』や「レッドクリフ」シリーズで撮影監督として参加していたルー・ユエ。
中国内外からの評価が高いルー・ユエが自ら監督を担当したサスペンス映画です。
主演のヤオ・チェンは、チャン・ツィイー主演『ソフィーの復讐』に出演しています。
スン・ファン役のマー・イーリーは『江北好人』(日本未公開)で長春映画祭最優秀主演女優賞を受賞した演技派女優。
第21回上海国際映画祭コンペティション部門にもノミネートされました。
映画『失踪、発見』のあらすじ
弁護士のリー・ジエは娘のためにスン・ファンというベビーシッターを雇いました。
ある日家に戻ると、スン・ファンと娘が姿を消していました。
2人を必死に探すリー・ジエ。しかし、元夫の身内から非難の声を浴びせられ、警察からは反対に疑いをかけられ心身ともに崩壊寸前まで追い込まれてしまいます。
リー・ジエは自力で2人を探し出す決意をします。
スン・ファンが自身の身元を偽っていたことが発覚したことをきっかけに、驚愕の真実が次々と明らかになっていき……。
まとめ
現代中国の今を映し出す作品を厳選して上映する中国映画祭が今年も開催となりました。
今年は東京と大阪の2会場だけとなりますが、それでも熱気は昨年以上です。
今回東京会場のオープニング作品『失踪、発見』に出演し、イベントにも参加したマー・イーリーは、厳選作品6作の内の1作、『選ばれざる路/未択之路』にも出演しています。
どちらもどこか影のある役ですが、全く違う印象を与えてくれます。
今年の開催は大阪会場の3月9日(土)と10日(日)で終わってしまいますが、お近くの方は会場まで足を運んでみてください!
中国映画祭「電影2019」情報
開催日(大阪):3月9日(土)、10日(日) 会場:梅田ブルク7
主催: 文化庁、公益財団法人ユニジャパン、上海国際影視節有限公司
共催: 国際交流基金
【中国映画祭「電影2019」公式サイト】
チケット料金:1,300円(税込)
<梅田ブルク7>劇場窓口、インターネット予約【インターネット予約KINEZO】