イタリア・ホラーの生ける伝説の初期代表作『ダリオ・アルジェント 動物3部作』が一挙上映に!
極彩色のビジュアルと先鋭的な音楽を融合し、それまで低く見なされがちだったホラー映画を官能的なアートへと昇華させた、イタリアを代表する映画監督ダリオ・アルジェント。
彼が1970年代前半に発表した3本の初期代表作は、いずれもタイトルに動物の名が含まれていることから「動物3部作」(アニマル・トリロジー)と呼ばれています。
この度、イタリアホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントの初期代表作『ダリオ・アルジェント 動物3部作』が、2024年11月8日(金)より新宿シネマカリテ、菊川Strangerで公開決定。
ポスタービジュアル・予告編・監修者コメントが解禁となりましたので、お届けいたします。
CONTENTS
映画『ダリオ・アルジェント 動物3部作』について
イタリアを代表するホラー映画の監督ダリオ・アルジェントは、今日に至るまでホラー映画のマエストロとして君臨し、全世界の映画ファンから賞賛され、多くのクリエイターに影響を与え続けています。
ダリオ・アルジェントが1970年代前半に発表した3本の初期代表作は、いずれもタイトルに動物の名が含まれていることから「動物3部作」(アニマル・トリロジー)と呼ばれています。
1作目『歓びの毒牙』(1969)は、主人公が目撃した「事件」を回想する構造を用い、観客が真相に迫るスリルを追体験するという、視覚的効果とサスペンス要素を融合させた画期的監督デビュー作。
2作目『わたしは目撃者』(1970)は、盲目の元新聞記者が主役の本格サスペンスにして、アルジェントの永遠のテーマ「視覚の喪失」を見事に映像化した作品。
3作目『4匹の蝿』(1971)は、現実の世界と悪夢の融合という彼の個性的な作風を確立した先駆的な作品です。
この『ダリオ・アルジェント 動物3部作』が、2024年11月8日(金)より新宿シネマカリテ、菊川Strangerで一挙上映公開されますので、ご期待ください。
映画『ダリオ・アルジェント 動物3部作』の予告編
この度解禁された新規ポスタービジュアルと劇場予告編。予告編の冒頭で注意をひくのは「ジャッロ」の文字です。
イタリア語のジャッロは「黄色」を意味し、イタリアの20世紀の文学、映画のジャンルのことでもあります。フランスの幻想文学、犯罪小説、ホラー小説、エロティック文学に密接にかかわりも持っています。
イタリアの「ジャッロ」作品で、ほとばしるアルジェントの才気を感じさせるシャープでスリリングな130秒の予告編となっています。
また、ポスタービジュアルには、メインカラーとして黄色を大胆に配色し、ジャッロ映画を強調しています。
映画『ダリオ・アルジェント 動物3部作』の作品情報
『歓びの毒牙』 (L’uccello dalle piume di cristallo)
監督・脚本:ダリオ・アルジェント
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:トニー・ムサンテ、エヴァ・レンツィ、スージー・ケンドール
【あらすじ】
アメリカ人作家サム・ダルマスはローマに滞在中、ギャラリーで起こった殺人未遂事件を偶然目撃する。謎の連続殺人事件に巻き込まれた彼は帰国を断念し、現場で耳にした《鳥の鳴き声》を手がかりに真相を解き明かそうとする。
【作品概要】
原作はフレドリック・ブラウンの『通り魔』。アルジェントの監督デビュー作であり、彼の独特の映像美学と緊張感あふれるストーリーテリングが光る作品。特にショッキングなビジュアルと斬新なカメラワークが特徴で、後のジャッロ映画に多大な影響を与えた。
1969年/イタリア・西ドイツ/97分/カラー/スコープサイズ/イタリア語モノラル
『わたしは目撃者』 (Il gatto a nove code)
監督:ダリオ・アルジェント
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジェームズ・フランシスカス、カール・マルデン、カトリーヌ・スパーク
【あらすじ】
遺伝学研究所での謎多き侵入事件と、所員である博士の列車での轢殺事件。関係者が次々と殺される中、盲目の元新聞記者フランコ・アルノと若き新聞記者ジョルダーニは、決死の覚悟で犯人を追い詰めていく。
【作品概要】
『歓びの毒牙』大ヒットを受け、各国からの出資を受けて作られた監督第2作。サスペンスとスリルに満ちた心理描写、科学と犯罪が絡み合うプロットが魅力の本作で、アルジェントは自身の十八番である華麗なる殺人描写に磨きをかけていった。『ダーティハリー』『時計じかけのオレンジ』『フレンチ・コネクション』などがひしめく1971年の映画興行界でイタリアを代表し、ジャッロ映画の礎の形成に寄与した。
1970年/イタリア・西ドイツ・フランス/112分/カラー/スコープサイズ/イタリア語モノラル
『4匹の蝿』 (4 mosche di velluto grigio)
監督:ダリオ・アルジェント
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:マイケル・ブランドン、ミムジー・ファーマー、ジャン=ピエール・マリエール
【あらすじ】
ロックバンドのドラマー、ロベルトは黒いハットの男に付きまとわれていた。
ある晩、限界に達したロベルトは男に詰め寄るも、揉み合いの末に誤って彼を殺害。その現場を覆面を被った謎の人物に撮影されてしまう。やがて脅迫電話がロベルトを襲い、彼の周りでは不可解な殺人事件が起こり始める。
【作品概要】
「動物3部作」において最も音楽と映像の融合が際立つ作品。残酷と優美が同居する、アルジェントの革新的かつスタイリッシュな演出が光る。そして映画のラストを飾る驚異的なスローモーション撮影は、圧巻の一言に尽きる。
1973年/イタリア/104分/カラー/スコープサイズ/イタリア語モノラル
ダリオ・アルジェント監督プロフィール
“鮮血の魔術師”とも呼ばれるイタリアン・ホラー界の巨匠。
映画プロデューサーの父親とカメラマンの母親を持ち、幼少から映画製作に興味を抱く。高校時代からホラーやサスペンスに傾倒し、映画雑誌に映画評を投稿、卒業後はローマの新聞「パエーゼ・セーラ」の映画批評を担当する。
セルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』(1968)の原案をベルナルド・ベルトルッチと共同執筆して以降、マカロニ・ウエスタンや戦争映画の脚本を手がけ、1969年の『歓びの毒牙』で監督デビュー。『4匹の蝿』(1971)や『サスペリア PART2』(1975)などの傑作を次々に発表し、1977年の『サスペリア』が全世界的に大ヒットし、ホラー映画の鬼才としての地位を確立した。
その後『インフェルノ』(1980)でハリウッドにも進出、『シャドー』(1982)『フェノミナ』(1984)や『オペラ座 血の喝采』(1988)などの話題作を発表。ジョージ・A・ロメロ監督作『ゾンビ』(1978)の製作にも関与し、「デモンズ」シリーズなどのプロデューサーとしても知られる。
近年も監督最新作となる『ダークグラス』(2022)や初主演作『VOLTEXヴォルテックス』(2021)が劇場公開され、自伝『恐怖』の邦訳が出版されるなど、84歳となる現在もその動向は全世界の映画ファンからの注目を集め続けている。
矢澤利弘(アルジェント研究会代表・本特集上映監修者)コメント
動物3部作は若き日のダリオ・アルジェントが70年代前半に立て続けに放った鋭い3本の矢。『サスペリアPART2』も『サスペリア』も、これらの映画がなければ決して生まれなかった。公開から50年以上を経て、ますます輝き続けるアルジェントの初期の傑作が新しい字幕で劇場公開される。なんて贅沢で幸せなことだろう。巨匠の胎動をぜひ映画館で感じていただきたい。
まとめ
イタリアホラーの生ける伝説の、原点にして頂点の初期代表作『ダリオ・アルジェント 動物3部作』は、2024年11月8日(金)より新宿シネマカリテ、菊川Strangerで公開されます。
ポスタービジュアル・予告編・監修者コメントも解禁となりました。
1970年代前半に初期3部作のホラー映画をだしたダリオ・アルジェント。彼の描く狂気と恐怖の世界を一挙に見られるチャンスです。
ぜひ劇場でご覧ください。