林海象監督7年ぶりの新作、ついに劇場公開。
第22回上海国際映画祭パノラマ部門正式招待、京都国際映画祭2019に特別招待され、劇場公開が待ち望まれていた林海象監督7年ぶりの新作映画『BOLT』。
本作『BOLT』が、2020年12月11日(金)より、テアトル新宿ほか全国順次公開が決定しました。
発表済のコンセプトビジュアルに合わせ、予告編、林海象監督のコメントが解禁されましたのでご紹介します。
映画『BOLT』について
本作は、2015年から2017年にかけて製作された『BOLT』『LIFE』『GOOD YEAR』の3つのエピソードで構成された人間ドラマです。
監督は、『夢みるように眠りたい』『我が人生最悪の時』『弥勒MIROKU』などを手がけてきたほか、プロデューサーとしても活躍する林海象。
主演は、林海象と何度もタッグを組んできた盟友、永瀬正敏。
そのほか、佐野史郎、金山一彦、後藤ひろひと、大西信満、堀内正美、月船さららが脇を固めるほか、佐藤浩市が声の出演を果たしました。
現代美術家、ヤノベケンジが香川・高松市美術館に創り上げた巨大セットや防護服などの近未来的なデザインも圧巻です。
映画『BOLT』の予告編
解禁された予告編では、永瀬正敏演じる男を中心に、『BOLT』『LIFE』『GOOD YEAR』の3本のエピソードが紹介されていきます。
地震により緩んでしまった圧力制御タンクの配管のボルトを締めに、防護服を着て原子力発電所内へ向かう『BOLT』。佐野史郎、後藤ひろひとらも出演し、緊迫感溢れる密室劇を予感させます。
『LIFE』では、その数年後、被災地で遺品整理の仕事についた男の様子が描かれます。
『GOOD YEAR』では、男と、月船さららが演じる謎の女性との交流が映し出されました。
林海象監督のコメント
画像:林海象監督
撮影から完成まで七年もかかってしまった。二年に一本くらいのペースでそれぞれの章を撮影していたので、久しぶりの新作という感じは自分ではしないが、前作「彌勒MIROKU」から確かに七年経っている。東日本大震災の翌年に、京都である写真展があった。福島第一原発の作業員の方が、内部の現状を写真にとり写真を公開しているものだった。その時、その方から「大地震で原発内部のボルトの多くが緩み、それを閉めに行った。高濃度の汚染があるため、ボルトを締める回数は必ず一回と決められ、一つボルトを締めるのにのペ数百人の人間が必要だった」という話をきいた。いつかその話を映画にしてみたいと思った。それがこの「BOLT」を作るきっかけであるが、原発内の描写や防護服など低予算自主映画には高いハードルがあった。それを救ってくれたのが現代美術作家のヤノベケンジ氏だ。高松市美術館の中に「BOLT」のセットを組んでくれるというのだ。美術館で撮影風景を観客に公開しながら映画を撮っていく、という前代未聞の撮影方式が行われた。そしてこの三本が完成できたのは、主演 永瀬正敏さんのおかげである。お二人と、長年携わってくれたスタッフ、キャスト、そして何より学生たちに大いなる感謝を述べたい。やっと公開できる。
映画『BOLT』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【監督・脚本】
林海象
【美術】
ヤノベケンジ、竹内公一、磯見俊裕
【キャスト】
永瀬正敏、佐野史郎、金山一彦、後藤ひろひと、テイ龍進、月船さらら、吉村界人、佐々木詩音、大西信満、堀内正美、佐藤浩市 (声)
映画『BOLT』のあらすじ
ある日、日本のある場所で大地震が発生。
その振動で原子力発電所のボルトがゆるみ、圧力制御タンクの配管から冷却水が漏れ始めました。
高放射能冷却水を止めるため、男は仲間とともにボルトを締めに向かいます。
この未曾有の大惨事を引き金に、男の人生は大きく翻弄されていき…。
まとめ
「私立探偵 濱マイク」シリーズなどで何度もタッグを組んできた永瀬正敏と林海象監督が、新たな作品を紡ぎます。
香川県の高松市美術館で開催していた個展「ヤノベケンジ シネマタイズ」の会期中、映画の撮影セットをインスタレーションとして会場内に組み、そこで実際に撮影も行うという、極めて珍しいスタイルで完成させた本作の美術にもご注目ください。
映画『BOLT』は、2020年12月11日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開です。