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『ある船頭の話』ヴェネチア国際映画祭公式上映レポート!オダギリジョー監督作に確かな手ごたえ

  • Writer :
  • 石井夏子

満席&鳴り止まぬ拍手。
『ある船頭の話』ヴェネチアでついにお披露目!

2019年9月13日(金)より公開されるオダギリジョー長編初監督作品『ある船頭の話』が、第76回ヴェネチア国際映画祭の“ヴェニス・デイズ”部門に選出され、主演の柄本明、村上虹郎、オダギリジョー監督がヴェネチアに登場しました。

©Kazuko Wakayama

9月5日(木)の現地時間同日夜に行われた公式上映の模様と、その後行われたトークイベントの様子をお届けします。

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公式上映と上映後Q&Aリポート

©Kazuko Wakayama

【日程】
日本時間9月5日(木)23:45頃~
※現地時間9月5日(木)16:45~

【場所】
イタリア・ヴェネチア
※公式上映会場Sala Parla

【ゲスト】
柄本明、村上虹郎、オダギリジョー監督

公式上映前の様子

©Kazuko Wakayama

ヴェネチア国際映画祭“ヴェニス・デイズ”部門に選出され、長編初監督作で邦画としては史上初の快挙となったオダギリジョー監督作『ある船頭の話』が、日本時間9月6日(金)に公式上映が行われました。

上映会場となるSala Perlaには多数のカメラが集結し、約500席のチケットも完売

過去4本の出演作がヴェネチア国際映画祭に出品され、2019年は監督(『ある船頭の話』)と俳優(『サタデー・フィクション』)の2作品での参加となった、“ヴェネチアに愛された男”オダギリジョーの人気の高さをうかがわせていました。

©Kazuko Wakayama

公式上映前、日本人メディア向けに行われた会見で、ヴェネチア国際映画祭に招待されたことについてオダギリジョー監督(以下:オダギリ)は、「俳優として何度か参加した思い入れのある映画祭だったので、とても光栄です」と今の心境を語りました。

主演を務めた柄本明(以下:柄本)は、「監督に船頭という役で選んでもらえて、ヴェネチアに来られたことを大変光栄に思います」と監督への感謝とともに喜びを伝えます。

ヴェニス・デイズ部門への出品についてオダギリは、「長編初監督作品で選んでいただけるのは本当に幸せで、それ以上の言葉が見つからない」と作家性を重視する部門への出品に、喜びを噛みしめていました。

鳴りやまぬ拍手

©Kazuko Wakayama

公式上映では、オダギリ、柄本、村上虹郎(以下:村上)が参加しエンドロールから約5分間の鳴りやまないスタンディングオベーションに応えました。

上映後のQ&Aで、脚本段階での構想について聞かれたオダギリは、「最初僕が船頭の主人公・トイチを演じるつもりで書いていて、突然現れる少女が大人に変わっていく過程を、親子のような仲で紡いでいくドラマをイメージしていたが柄本さんにお願いすることになり、関係性を書き直した。結果的に、柄本さんがキャラクターにより深みをあたえてくれて、素晴らしい高みに持っていってくれた」と自信を覗かせます。

諸行無常を表す英題“They Say Nothing Stays the Same”について、『“すべてのものは変わってしまう“というタイトルだが、船頭は何も変わらなかったのではないか?』という質問に対してオダギリは、「船頭は(この先もずっと)舟に乗り続けるし、そのまま変わらないものも確かにある。そう受け取ってもらえた事は嬉しいし、そういう色んな見方をしてもらえる映画であってほしいと思っていたので有難いです」と映画に込めた思いを語りました。

ワールドプレミアとなった公式上映について

©Kazuko Wakayama

また、ワールドプレミアとなった公式上映については、それぞれこう答えています。

オダギリ「(上映の途中で)出ていってしまう人もいるのではないかと心配しましたが、あれだけ長い時間拍手をいただいて、皆さんに満足してもらえたように見えたので本当に嬉しかったです」

柄本「疲れましたね(笑)。初めて試写で観た時とは感じ方が違いました。監督の志の高さをあらためて強く感じました。」

村上は「僕もかなり体力と気力を奪われました。3回目の鑑賞ですが、3回とも違う映画を観ているような不思議な感覚。あと、イタリアの映画好きの方々が観終わった直後に感想を話し合っているのが印象的だった」

不安からの疲れを見せながらも、国際的な映画祭で反応を受けたことに対して笑顔を見せました。

映画『ある船頭の話』の作品情報

【日本公開】
2019年(日本映画)

【脚本・監督】
オダギリジョー

【音楽】
ティグラン・ハマシアン

【衣装デザイン】
ワダエミ

【キャスト】
柄本明、川島鈴遥、村上虹郎、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功

【作品概要】
俳優として海外でも精力的に活動してきた俳優のオダギリジョーの長編初監督作品で、超豪華な国際派スタッフが集結。

撮影監督は『ブエノスアイレス』(1997)『恋する惑星』(1994)などで知られるクリストファー・ドイル、衣装デザインには黒澤明監督作『乱』(1985)で米アカデミー賞®を受賞したワダエミ。

そして世界を舞台に活躍するアルメニア出身のジャズ・ピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦しました。

主人公の船頭トイチ役に日本を代表する名優、柄本明。主演としては2008年公開『石内尋常高等小学校 花は散れども』(新藤兼人監督)以来、11年振り。

そして人懐っこい笑顔でトイチのもとに遊びに来る村人・源三役には、映画・テレビ・舞台と出演作が目白押し、映画『銃』(2018)での演技も印象深い、若手実力派・村上虹郎です。

ヒロイン役には『望郷』(2017)の川島鈴遥を抜擢。

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映画『ある船頭の話』のあらすじ

© 2019「ある船頭の話」製作委員会

近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。

川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていました。

そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。

何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始め…。

まとめ

“ヴェニス・デイズ”部門の授賞式は、日本時間9月7日(土)AM1:00~(※現地時間9月6日(金)18:00~)実施予定

長編初監督作での快挙となるか、その動向に注目が集まっています。

映画『ある船頭の話』は2019年9月13日(金)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開です。

©Kazuko Wakayama





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