異色の政治活動家、鈴木邦男の知られざる顔とは――
型破りの右翼活動家・鈴木邦男に密着したドキュメンタリー映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』が、ポレポレ東中野にて2020年2月上旬より公開されます。
映画公開に先駆け、ポスタービジュアルと予告編が解禁され、加えて鈴木邦男本人、中村真夕監督からのメッセージも到着しました。
CONTENTS
右翼活動家・鈴木邦男とは
1943年に福島県の生長の家の信者の家に生まれた鈴木邦男は、17歳の時に同い年の愛国党党員・山口二矢が社会党党首を刺殺する映像に衝撃を受け、愛国心に目覚めます。
早稲田大学在学時は、右翼活動家として民族派学生運動に参加し、全共闘運動と激しく対立。
今の日本会議の前身となる「全国学協」の初代委員長に就任するも、その後、組織の内紛で運動を離れ、産経新聞社に勤務します。
1972年に政治団体「一水会」を結成し、新右翼の旗手として注目されることに。
1999年に代表を辞任後は顧問となり、執筆活動に加えてプロレス評論家や予備校講師を務めるなど、多方面で活躍中です。
映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』のティザービジュアル
このほど解禁となったティザービジュアルは、メイン被写体である鈴木邦男を全面にフィーチャーしたデザインで構成。
また、「不自由な自主憲法より、自由な押し付け憲法」、「愛と正義に気をつけろ!」といった刺激的なキャッチコピーとともに、三島由紀夫や森田必勝、木村三浩や足立正生など、鈴木の思想に影響を与えた人物たちの写真も添えられています。
映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』の予告編
ティザービジュアルとともに、予告編も同時公開されました。
冒頭では、パンクロックバンドの頭脳警察が1972年に発表した「ふざけるんじゃねえよ」を挿入曲に、街頭演説を行ったり、自身の人生を変えたという三島由紀夫や森田必勝の墓に手を合わせる鈴木の映像が映し出されます。
さらに、鈴木について語る上祐史浩や松本麗華、雨宮処凛のインタビュー映像も挟みつつ、神妙な面持ちで靖国神社に足を運ぶ様子や、病床に伏せながらも自身の強い信念を語る彼の姿を捉えます。
映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【製作・監督・撮影・編集】
中村真夕
【キャスト】
鈴木邦男、雨宮処凛、蓮池透、足立正生、木村三浩、松本麗華、上祐史浩
映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』のあらすじ
長年、右翼活動家として活動しながらも、元赤軍関係者や元オウム真理教信者、元警察官からグラビアアイドルなど、様々な人たちと交流を持ち続ける政治活動家・鈴木邦男。
本作監督の中村真夕は、2015年発表のドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』のトークゲストとして鈴木を招いたことを機に、彼に2年間密着。
その思想遍歴をたどる中で、どのようにして彼が政治や宗教の境界を超えた交流をするようになったのかを追っていきます。
併せて、麻原彰晃の三女・松本麗華、元オウム真理教の幹部だった上祐史浩、元日本赤軍で映画監督の足立正生、右翼活動家から左派系論者に転向した作家の雨宮処凛、拉致被害者家族会の元副代表・蓮池透など、鈴木と交流を持った人たちの証言も収録。
多角的視点から、鈴木の素顔をひも解きます。
まとめ
本作公開にあたり、鈴木邦男と本作監督の中村真夕は、以下のようなメッセージを発表しています。
「ここに私のすべてが映っている。いや、私の知らなかった私がここにいる」
鈴木邦男
「若松孝二監督が突然、亡くなった時、誰も監督についてのドキュメンタリー映画を作っていなかったことをとても残念に思いました。60年代、70年代という激動の時代を知っている人たちもすでに70代、80代になっています。今、この時代を生きた人たちを記録しなければ、この時代は忘れられてしまうという強い焦燥感を感じ、この作品の制作にとりかかりました。鈴木邦男さんの人生を見ていくと、日本の戦後の政治の流れが見えてきました。鈴木さんの人生を記録に残すことは、戦後の日本を検証し、そしてこれからの日本の行き先を考える上で、とても重要だと思います」
中村真夕
これまで多くの本を出版し、テレビや講演会にも数多く出演してきた鈴木ですが、意外にも、彼に密着したドキュメンタリー映画は一本も製作されてきませんでした。
「自主規制の傾向が強い最近のテレビでは決して取り上げることのできない鈴木の存在と生き方を、ドキュメンタリー映画で残したい」という意向から、本作製作に着手したという中村監督。
2019年時点で76歳という鈴木の年齢を考慮すると、本作が彼の最初で最後のドキュメンタリー映画になるかもしれません。
数奇な運命を生き抜いてきた鈴木邦男の知られざる一面を、ぜひとも目に焼き付けてください。
映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』は、2020年2月上旬より、ポレポレ東中野にて公開。