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Entry 2022/05/10
Update

【古川雄輝インタビュー】ドラマ「ねこ物件」主人公・優斗の成長をキャスト陣と“ネコンディション”と共に演じる

  • Writer :
  • タキザワレオ

ドラマ「ねこ物件」はテレビ神奈川、TOKYO MX、BS11ほかにて順次放送!

猫とイケメンが集うシェアハウスが舞台のオリジナルドラマ「ねこ物件」。

シェアハウスの入居条件は「猫に気に入られること」。ある一軒家を舞台に、猫を愛し猫とともに暮らす男・二星優斗と夢を追う同居人たちの人生模様、そして猫を通じて人とのつながりや新しい家族の形を描いた、究極の癒し猫エンターテインメントです。


photo by 田中舘裕介

このたび、念願の「猫ドラマ」で初主演を果たした古川雄輝さんにインタビューを敢行。

猫たちの撮影で心がけられたことや主人公・優斗の役作りや共通点、古川さんご自身の俳優としての成長などを語っていただきました。

念願の「猫ドラマ」での主演


(C)2022「ねこ物件」製作委員会

──レギュラーキャスト同士として、猫たちと共演された感想をお教えいただけますか。

古川雄輝(以下、古川):子どもの頃は犬派でしたが、猫の素晴らしさに気づいてからは猫派になりました。その中で今回の「ねこ物件」で主演をやらせていただけたのは本当に幸せなことだと思います。

実際に猫ちゃんたちと共演して発見したのは、自由気ままな生き物と芝居する難しさです。脚本では「猫がここを通る」と書いてあったとしても、その通りに猫ちゃんは動いてくれません。普通の撮影よりも予測がつかないことが多く、思っていた以上に大変でした。

猫ちゃんが良い動きをしてくれても、役者が台詞を噛みリテイクになってしまうことはありますし、リテイク時に猫ちゃんが同じ動きをしてくれることはまず難しい。そのため猫ちゃんが登場し、人間同士の会話が続く場面ではミスができないと、通常のドラマとはまた異なる要因で撮影に緊張感が生まれる瞬間も何回かありました。

「ネコンディション」に基づく撮影スケジュール


photo by 田中舘裕介

──猫たちとともに撮影を進められていく中で、古川さんご自身が心がけられていたことはありますか。

古川:自分は他の出演者よりも猫ちゃんたちと一緒にいる時間が長いですが、その時間を通じて猫ちゃんたちに懐いてもらおうとはあまり考えず、むしろ自分が猫ちゃんたちそれぞれに合わせて演じるということを覚えていきました。

現在の日本において、家で飼われているねこちゃんは基本的に散歩はしませんし、外に出かけることも少ないです。撮影現場のような普段の生活とは異なる環境が猫ちゃんにとってのストレスになってしまうこともある以上、そうしたストレスをできる限り減らしていくのも、猫ちゃんとの共演において重要なことでした。

どの子も比較的接しやすい猫ちゃんたちですが、その子の性格によって接し方を変えています。たとえばチャーは比較的人見知りをしないので抱っこもさせてくれますし、シシマルはまだまだ子どもなので猫じゃらしで元気よく遊んでくれます。

クロちゃんは少しビビりなので、抱っこしてる時にカメラを向けられると後退りをして自分の脇の後ろに隠れようとするんです。そういう時は、自分が工夫してカメラから隠れないよう脇をしめたりして、座ってる自分の膝の上に乗せて落ち着かせながら、カメラに映るようにしていました。

ドラマ「ねこ物件」メイキング写真より


(C)2022「ねこ物件」製作委員会

古川:また撮影自体も、猫ちゃんたちそれぞれの性格やコンディションに合わせて進めていきました。「クロちゃんだったら、ソファーの上に座らせた方がうまく撮影できる」「チャーはあまり逃げないから、広い空間で撮ってみよう」「今あの子が寝ているから、寝てる姿をそのまま撮ろう」という風にです。現場ではそれを「ネコンディション」と呼んでいました。

うまく撮り進められない日も中にはあったんですが、そういう時は諦めて他の場面の撮影を進め、後日猫ちゃんのための撮影日を設けていました。猫はとことん気ままですから、1日粘っても撮れないものは撮れません。「ネコンディション」を優先しつつ、柔軟に撮影を進めていきました。

役として/俳優としての「声」の出し方


photo by 田中舘裕介

──主人公・優斗を演じられるにあたって、特に意識されたことは一体何でしょうか。

古川:優斗を演じる上で特に意識していたのは、声のトーンですね。自分自身の本来の声のトーンよりも、少し高めに変えた上で彼を演じています。

話し声を低めにしてしまうと、脚本から感じ取った優斗や彼の言葉の印象とは異なる声になってしまうと感じたんです。いわゆる「喉から出す」「腹から出す」というよりも、身体の内側からフワッと出すイメージで声を出すようにしていました。

また猫の話題の時だけ早口になってしまうなど、芝居に緩急を付けつつも、通常の会話の場面では台詞を少しゆっくりめに話すよう心がけました。

実は優斗と「人見知り」という共通点があります。元々そこまで明るい方ではなかったこともあり、インタビューなどもかつては「何を話すべきなのか」と変に緊張してしまい、うまく話せないということもありました。

ただ俳優として活動し続ける中で、インタビューや記者会見での話し方の調子、声の出し方にもだんだんと慣れていったように感じています。また得意ではないと知っているからこそ、そのための準備をするなどを常に心がけています。

優斗の成長の物語でもある「ねこ物件」


photo by 田中舘裕介

──最後に、ドラマ「ねこ物件」の見どころを改めてお聞かせください。

古川:本作の魅力はやはり、「癒し」のドラマである点です。日常を素朴に描いていく中で、猫が常にそこにいてくれる。それだけでとても癒されるドラマなので、気を張らずに観ていただけたらと思います。

また猫にスポットライトが当てられた作品ではありますが、自分が演じた優斗が成長していく様を縦軸として人間模様が語られていきます。

人とのコミュニケーションが苦手な彼が、猫を通じて人と出会うことで成長していく様子が丁寧に描かれているので、他者とのコミュニケーションやつながりに悩みながらも日々を生きている多くの人に響く作品だと感じています。

──「ねこ物件」はドラマの放送後、劇場版作品の公開も控えています。

古川:劇場版はドラマ版とは少しテイストが違っていて、優斗の過去が描かれていきます。

ドラマ版だけでは分からなかった部分が補完されていくストーリーとしてお楽しみいただけると思います。だからこそ、ドラマを観てくださった方には引き続き劇場版も観ていただけると『ねこ物件』という作品をより楽しんでいただけるんじゃないかと思います。

インタビュー/タキザワレオ
撮影/田中舘裕介

古川雄輝プロフィール

1987年12月18日東京生まれ。7歳でカナダに移住し、16歳の時に単身ニューヨークで生活を送る。高校卒業後は慶應義塾大学に進学し、2009年にミスター慶應コンテストのグランプリに選ばれ、2010年に「キャンパスターH★50with メンズノンノ」で審査員特別賞を受賞。

翌年2011年から俳優として活動を始め、映画『men’s egg Drummers メンズエッグ・ドラマーズ』(2011)、『富夫』(2011)で主演を務める。代表作となった人気少女マンガの2度目のドラマ化『イタズラなKiss~Love in TOKYO』では、主人公の恋の相手である入江直樹役を演じ、中国でも脚光を浴びる。

ドラマ「ねこ物件」の作品情報

【放送】
テレビ神奈川、TOKYO MX、BS11ほかにて順次放送

【監督】
綾部真弥、田口桂

【脚本】
綾部真弥

【キャスト】
古川雄輝、細田佳央太、上村海成、本田剛文、松大航也、長井短、竜雷太、ねこたち(クロ、ヒゲ、チャー、ケイ)

【作品概要】
2022年4月よりテレビ神奈川、TOKYO MX、BS11ほかにて放送開始される全10話からなるオリジナルドラマ。

本作で主演を務めたのは、同氏主演のドラマ『イタズラなKiss~Love in TOKYO』(2013)が日本と同時期に中国で配信され大ヒットを記録し、中国版ツイッターWeiboのフォロワー数は440万人を突破するなど中国でも絶大な人気を誇る古川雄輝。

また入居希望者としてやって来る司法浪人生・立花修を、テレビ朝日系連続ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(2022)にて主演を務めた細田佳央太が演じる。

ドラマ「ねこ物件」のあらすじ


(C)2022「ねこ物件」製作委員会

幼い頃に両親を事故で亡くした二星優斗は、祖父の幸三と2人暮らし。現在は病床の幸三と、2匹の猫・クロとチャーの世話をしています。

ある日突然、祖父が他界してしまったことから、30歳の今まで働いた経験がない優斗は、猫との生活を守るため、そして生きていくために、収入を得ないといけない状況に。

幸三から不動産の管理を任されているという四つ葉不動産の広瀬有美が訪ねてきて、収入がないなら家を改築して猫と暮らすシェアハウスにしてみてはと提案されます。他人と暮らしたことがなく、猫も気に入るか分からず不安な優斗は、広瀬と共に入居希望者の面接をすることに。

しかし、優斗が次々と面接で入居希望者を落とすなか、新たな入居希望者、弁護士志望の立花修が現れました。

タキザワレオのプロフィール

2000年生まれ、東京都出身。大学にてスペイン文学を専攻。中学時代に新文芸坐・岩波ホールへ足を運んだのを機に、古今東西の映画に興味を抱き始め、鑑賞記録を日記へ綴るように。

好きなジャンルはホラー・サスペンス・犯罪映画など。過去から現在に至るまで、映画とそこで描かれる様々な価値観への再考をライフワークとして活動している。



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