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『ウォーハント 魔界戦線』ネタバレあらすじ結末と感想解説の評価。ホラーに戦争映画の要素をプラスさせて“極秘任務”を遂行しようとするアメリカ軍に迫る恐怖

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

人を狂わせる「魔女の森」で、極秘任務は遂行できるのか!?

第2次世界大戦末期の時代を舞台に、森に墜落した輸送機と極秘書類の捜索に向かった、アメリカ軍が遭遇する恐怖を描いた映画『ウォーハント 魔界戦線』

本作は戦争映画の緊張感に、ホラー映画の要素を加えた、独特の世界観になっています。

森に潜む魔女に遭遇する、ブリューワー軍曹の部隊と、魔女の秘密を探るジョンソン少佐という、同時進行する2つの話が合わさった時、驚愕のラストが待ち受ける、本作の魅力をご紹介します。

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映画『ウォーハント 魔界戦線』の作品情報


(C)2021 OU WARHUNT FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2022年公開(アメリカ映画)

【原題】
WarHunt

【監督・原案・脚本】
マウロ・ボレッリ

【共同脚本】
レジー・ケヨハラ3世、スコット・スバトス

【キャスト】
ミッキー・ローク、ロバート・ネッパー、ジャクソン・ラスボーン、アグラヤ・タラーソバ、アンナ・パリガ、ロー・スタッセン、ポリーナ・プシュカレバ・ニオリー

【作品概要】『
第二次世界大戦末期、ナチスに撃墜され、森に墜落した輸送機の捜索を命じられたブリューワー軍曹達が、謎の魔女に遭遇するアクションホラー。

ブリューワー軍曹の上官で、魔女の秘密を探るジョンソン少佐を『ナインハーフ』(1986)『レスラー』(2008)のミッキー・ロークが存在感たっぷりに演じています。

ブリューワー軍曹を演じるロバート・ネッパーは、「HEROES ヒーローズ」「ツイン・ピークス The Return」など、数々のテレビドラマに出演している実力派の俳優。

ブリューワー軍曹から密命を受け、部隊の中で暗躍するウォルシュを、「トワイライト・サーガ」シリーズの、ジャスパー・ヘイル役で一躍有名になったジャクソン・ラスボーンが演じています。

映画『ウォーハント 魔界戦線』のあらすじとネタバレ


(C)2021 OU WARHUNT FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.

第2次世界大戦末期の1945年、ナチスドイツと激しい戦いを繰り広げているアメリカ軍。

機密文書を乗せたアメリカ軍の輸送機が、謎の攻撃を受けてドイツの森に墜落した為、ブリューワー軍曹率いる部隊が、捜索に入ることになります。

捜索当日、ブリューワー軍曹の上官であるジョンソン少佐が現れ、ウォルシュという兵士を部隊に加えるように命じます。

ブリューワー軍曹は乗り気ではありませんでしたが、上官の命令に逆らう訳にもいかず、嫌々ながらウォルシュを部隊に加えます。

墜落機の捜索を進める部隊は、木の上に吊るされたドイツ軍の兵士の死体を発見します。

死体からは、ドイツ軍しか所有していない装備で攻撃された痕跡があり、考えられる理由は「仲間割れが起きた」ということでした。

そこに、森に潜んでいたドイツ兵が突然現れ、ブリューワー軍曹の部隊は攻撃を受けますが、反撃してドイツ兵を1人捕虜にします。

さらに森の中を進む部隊は、山の中に不自然な小屋を発見します。若い兵士であるラッカーは、山小屋の中を覗き、綺麗な女性が入浴していることに興奮します。

その後、輸送機の墜落ポイントに到着した部隊は、それぞれ別行動を開始します。ラッカーは、先程の美女と森で出会い、墜落した輸送機まで案内してもらいます

そして、美女の誘惑を受け入れたラッカーでしたが、その数分後に森に銃声が響き渡ります。一方、基地に戻ったジョンソン少佐は、古いドイツ語の書物の解読を開始します。

100年前のドイツ語で書かれた、その書物には「生命の樹」という謎の言葉が記されていますが、ジョンソン少佐には心当たりがあるようでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ウォーハント 魔界戦線』ネタバレ・結末の記載がございます。『ウォーハント 魔界戦線』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2021 OU WARHUNT FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.

森での銃声後、何かに怯えた様子で走っているラッカーを、ウォルシュが止めます。ラッカーは何かに怯えているようで、ブリューワー軍曹の質問にも、何も答えようとしません。

その時、墜落した輸送機の搭乗員で、生き残っていた、ライス大佐の通信を傍受したことで、部隊は墜落した輸送機の場所まで向かいます。

ウォルシュは、輸送機の中から機密文書を探し出します。さらに、生存者を探すブリューワー軍曹は、ライス大佐を見つけ出します。

ですが、錯乱した様子のライス大佐は、突然ブリューワー軍曹達に襲いかかって来ます。応戦したブリューワー軍曹は、射殺したライス大佐の死体を探ります。

ライス大佐の体には、謎の呪文のような文字が書かれていました。ブリューワー軍曹は、捕虜のドイツ兵を尋問すると、ドイツ兵は「魔女だ」と言います。

輸送機の乗組員の墓を掘っていた、ブリューワー軍曹の部隊。ですが、突然ラッカーが錯乱し、周囲の兵士を襲い始めます。

ウォルシュが取り押さえると、ラッカーの体には不気味な腫れ物が出来ていました。

モルヒネを打たれたラッカーは、落ち着きを取り戻し「魔女に遭遇した為、腹部を撃って逃げ出した」と、発砲した時の状況を話します。

その瞬間、部隊の前に魔女が姿を現した為、全員で応戦します。

魔女は姿を消しましたが、ブリューワー軍曹は「皆がお前を裏切ろうとしている」と、謎の囁き声が聞こえるようになります。

さらに、兵士の1人が恐怖から逃げ出し、魔女に獣の姿に変えられます。

その夜、食事をしていた部隊ですが、お米が虫に変化したり、猪と思って食べていたのが、実は逃げ出した兵士だったなど、不気味なことが多発します。

さらに、ブリューワー軍曹が錯乱し、仲間を銃で撃ち始めます。そこに魔女が姿を現した為、部隊はほぼ全滅し、残ったのはウォルシュとフリーマンの2人となります。

そこへ、魔女について探っていたジョンソン少佐から連絡が入ります。

ジョンソン少佐の助言に従い、太陽コンパスを使って、緯度を図り、魔女達が隠れている「風車」を見つけ出したウォルシュ。

「風車」の中に入ったウォルシュは、フリーマンに今回の作戦の真実を語ります。

ドイツ軍が狙っていたのは「魔女の記録書」という書物で、2冊の内の「上巻」をジョンソン少佐が所有していますが、ドイツ軍は「下巻」を狙っていました。

「魔女の記録書」が2冊揃えば、不死身の軍隊を作り出すことも可能で、ヒトラーがその軍隊を指揮れば、ドイツ軍は無敵になります。

「下巻」は魔女の隠れ家である「風車」の中にあり、ウォルシュは最初から、この「魔女の記録書」を手に入れることが目的でした。

本当の目的を知ったフリーマンは激怒し、ウォルシュと殴り合いを始めます。

そして、地下の部屋に落ちたウォルシュとフリーマンは、地下に眠る3人目の魔女と、その復活に必要な「生命の樹」を見つけ出します。

ですが、魔女に攻撃され意識を失い、捕らえられたウォルシュとフリーマン。

フリーマンは殺され「生命の樹」の養分にされ、ウォルシュも死を覚悟した時に、ジョンソン少佐が助けに来ます。

マシンガンを撃ち、魔女を蹴散らしたジョンソン少佐は「生命の樹」も燃やし、ウォルシュと脱出を図ろうとします。

ですが、再び現れた魔女の攻撃を受け、ウォルシュとジョンソン少佐は応戦する為に、ガスマスクを装着し、ドイツ兵が残した毒ガスで攻撃をします。

それでも魔女の猛攻を受け、ジョンソン少佐が命を落としますが、ガスマスクを装着した状態で「魔女の記録書」を持ったウォルシュは外に脱出します。

脱出し倒れたウォルシュを、ドイツ兵が発見します。ドイツ兵がガスマスクを脱がすと、そこいたのはウォルシュと入れ替わった魔女でした。

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映画『ウォーハント 魔界戦線』感想と評価


(C)2021 OU WARHUNT FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.

極秘任務を受け、墜落した輸送機の探索に出た部隊が、迷い込んだのは「魔女の住む森だった」という、独特の世界観を持つ映画『ウォーハント 魔界戦線』

本作の特徴は、ドイツ軍の潜む森で、極秘任務を遂行しようとする、アメリカ軍の戦いを描いた「戦争映画の緊張感」を持つ前半と、人間を「生命の樹」の生贄にしようと襲ってくる、魔女との戦いが中心になる「異形の者とのサバイバル」の後半で、作風が大きく変わる点です。

ただ「何の脈絡もなく、いきなり魔女が登場するか?」というとそうではなく、森の中を散策するブリューワー軍曹の部隊が、同士討ちしたと思われるドイツ兵の死体に遭遇したり、捕虜にしたドイツ兵が心神喪失状態だったりと、何となく嫌な雰囲気は、前半から感じる演出になっています

特に、ブリューワー軍曹の部隊に、新たに参加することになったウォルシュは、極秘任務の詳細を明らかに知っているけど、何も話さないというキャラクターで、戦闘経験がないはずなのに、アメリカ兵のラッカーを簡単に取り押さえるなど、謎が多いです。

前半は、ブリューワー軍曹がメインの視点で物語が進み、上官であるジョンソン少佐の命令で、仕方なく隊に入れるしかなかった、自身の素性を明かそうとしないウォルシュの不気味さに翻弄されながら、森に潜むドイツ兵や異形の存在から、隊員の命を守るという、ブリューワー軍曹の責務を果たす為の戦いが続きます。

この辺りの戦いは、映画『プレデター』(1987)に作風が近いですね。

ですが、物語の中盤から一転し、魔女により精神が狂わされたブリューワー軍曹から、これまで謎だらけだったウォルシュの視点に代わり、物語は進行します

「戦争映画の緊張感」から「異形の者とのサバイバル」に作風が変化するのは、ブリューワー軍曹からウォルシュの視点に切り替わった時です。

これまで、謎の存在だった魔女の正体が明らかになり、ウォルシュも「不死身の軍隊を、ドイツ軍に渡さない為の作戦」を実行していたことが分かります

ここから「生命の樹」や「魔女の記録書」「太陽のコンパス」などの言葉が飛び交うようになり、SFホラーの要素が強くなります。

そしてクライマックスで、最高の活躍を見せるのが、ミッキーローク演じるジョンソン少佐

ミッキーロークは、片目に銀色の眼帯を装着し、普段は杖をついて歩いているものの、魔女相手にマシンガンをぶっ放し、毒ガス攻撃を喰らわす、カッコ良くて強いジョンソン少佐を、魅力たっぷりに演じています

嫌味を言うブリューワー軍曹に「お前との会話は楽しいよ」と言い放ったり、基地から出る際に「ちょっとブーツを汚してくる」と言い、魔女との戦いに出向いたりと、ジョンソン少佐の名台詞にも注目です。

「戦争映画の緊張感」「異形の者とのサバイバル」「ジョンソン少佐VS魔女」と、怒涛の展開の後に行き着く、背筋の凍るような展開も、本作を締め括るには「これしかない」と言える最高のラストです。

93分という、最近の映画の中では比較的短めの上映時間で、ここまでいろいろな要素を詰め込み、観客の感情を揺さぶり続けるという意味で、なかなか面白い作品でした。

まとめ


(C)2021 OU WARHUNT FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.

戦争映画の緊張感に、ホラー映画の恐怖を加え、ミッキーロークで仕上げた本作

ところどころにツッコミ要素もいろいろある、いわゆるB級映画なのですが、とにかく観客の感情を揺さぶり続けようとする、工夫は感じる作品です。

難しいテーマやメッセージ性は何も入れず、ただただ無心で楽しめる作品に振り切った辺り、かなり好感の持てる作品でした。




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