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Entry 2017/05/13
Update

ジェーンドウの解剖あらすじネタバレと結末!考察と感想ともに怖い最後とは何かを探る

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

“ジェーン・ドウ”それは、“身元不明な女性”のことー。

全米最大のジャンル映画の祭典である「ファンタスティック・フェスト」にて、最優秀作品賞を受賞。

数々の映画祭で注目を集めた作品『ジェーン・ドウの解剖』を紹介します。

1.映画『ジェーン・ドウの解剖』の作品情報

【公開】
2017年(イギリス映画)

【監督】
アンドレ・ウーブレダル

【キャスト】
エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス、オフィリア・ラビボンド、マイケル・マケルハットン、オルウェン・ケリー

【作品概要】
遺体安置所で行われる身元不明女性遺体の検死をすると、さまざまな怪現象が巻き起こる恐怖をリアリティある解剖の描写で描いたホラー作品。

監督は『トロール・ハンター』で大きな反響を呼び、カルト的な人気を博したアンドレ・ウーヴレダル。また、『28週後…』など多数のホラー作品を手がけたセブ・バーカーが視覚効果を担当しています。

さらに製作は『ラ・ラ・ランド』のフレッド・バーガーが名を連ねています。

主演の父親役は『X-MEN2』『ボーン・アイデンティティー』の名優ブライアン・コックス。その息子役には『イントゥ・ザ・ワイルド』で一躍脚光を浴びたエミール・ハーシュの共演作。

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2.映画『ジェーン・ドウの解剖』のキャストは?

エミール・ハーシュ


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

エミール・ハーシュ(Emile Hirsch)は、1985年3月13日生まれのアメリカ・カルフォルニア州出身の俳優。

2007年にショーン・ペン監督『イントゥ・ザ・ワイルド』にて、世界的に高評価を受け、全米映画俳優組合賞にノミネート

2011年にウィリアム・フリードキン監督『キラー・スナイパー』で主演を務め、2012年にローマ国際映画祭で観客賞を受賞した『ランナウェイ・ブルース』にも出演をしています。

また、2013年にダコタ・ファニングと共演した『セルフィッシュ・サマー』では、サンダンス映画祭で初上映、ベルリン国際映画祭で監督賞(デヴィッド・ゴードン・グリーン監督)を受賞しています。

ブライアン・コックス


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

ブライアン・デニス・コックス(Brian Denis Cox)は、1946年6月1日生まれのスコットランド・ダンディー出身のイギリスの俳優。

1987年にヴォードヴィル劇場にて『お気に召すまま』のオーランドー役でデビュー。また同年に、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの『タイタス・アンドロニカス』(87)に出演し、1990年にロイヤル・ナショナル・シアターで上演された『リア王』をはじめ、数々の舞台でその演技力でファンの人気を博しました。

1986年には映画界へ進出しており、マイケル・マン監督『刑事グラハム/凍りついた欲望』にて、ハンニバル・レクター博士役を好演。1990年にケン・ローチ監督の『ブラック・アジェンダ/隠された真相』に出演を果たします。

1996年の米国アカデミー賞にて作品賞、監督賞、撮影賞などを獲得したメル・ギブソン監督作『ブレイブ・ハート』にも出演しています。

また、2002年に、新年叙勲者として大英勲章代3位が授与された演技派の大御所俳優です。

オフィリア・ラビボンド


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

オフィリア・ルーシー・ラヴィボンド(Ophelia Lucy Lovibond)は、1986年2月19日にロンドンで生まれのイギリス女優。

14歳でチャンネル4のシットコム『The Wilsons』でデビュー、その後、数々の話題作に出演。2005年にロマン・ポランスキー監督『オリバー・ツイスト』に出演を果たします。

2009年にサム・テイラー=ウッド監督『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』、2010年に『ロンドン・ブルバード - LAST BODYGUARD -』、2011年に『抱きたいカンケイ』、また、同年にジム・キャリーと共演をした『空飛ぶペンギン』などに出演。

さらには、2014年にジェームズ・ガン監督『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にも出演を果たしました。

オルウェン・ケリー


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

オルウェン・ケリーは13歳でロシア版の「VOGUE」誌にモデルとして登場。それをきっかけに世界中でを活躍をするようになりました。

やがて、オルウェンはブランドでモデルとして、ダイエット・コーラ、タッティー・ディバイン、アックス、エデン・ディオダーティ、セバド、ヴェスティーノとに抜擢されます。

最近は「Ballad Of..」誌、「タトラー」誌、「Milk Magazine(※原題)」誌、「Beauty Rebel」誌などや、また、アメリカ「Image and Huff」誌にも登場しています。

彼女のスクリーンデビューは、2014年に『Darkness on The Edge of Town』があります。

3.映画『ジェーン・ドウの解剖』の監督は?


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

アンドレ・ウーヴレダル監督はノルウェー出身で、サンタバーバラのブルックス写真専門学校で映画制作を学びます。

2000年の在学中に長編映画『Future Murder』の共同監督を務めます。内容は、自身の死についての夢を見て、その犯人を見つけだすことに執着する男を描いた作品

2010に第2作目として手がけたドキュメンタリータッチのノルウェー映画『トロール・ハンター』は、世界から大きな反響を呼び、カルト的な人気を得ました。

その物語は、学生たちが田舎で妖精トロールを発見するという内容で、低予算映画でありながらのヒットは「バラエティ」誌が選ぶ、その年に注目すべき映画監督トップ10に選出されたほどです。

4.映画『ジェーン・ドウの解剖』のあらすじとネタバレ


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

バージニア州の田舎町。息子オースティンとともに遺体安置所と火葬場を経営するベテラン検死官トミーが暮らしていました。

ある夜に保安官から入った緊急連絡の検死依頼は、一家3人が惨殺された家屋の地下から全裸で発見された身元不明女性の遺体でした。

通称「ジェーン・ドウ」の検死でした。その女性の遺体には見た目にはどこにも外傷がなく、死因は不明。

トミーとオースティンは、何とか「ジェーン・ドウ」の死因を突き止めようと解剖を続けていると、やがて、天候が嵐の襲来で傾き、建物の電気がチカチカと点滅すると落ちてしまいます。

2人は室内に閉じ込められ、やがて、真っ暗になった部屋では、次々と奇妙な現象がトミーとオースティンを襲うのです。

息子のオースティンは奇怪な現象に嫌な感じを覚え、今日はここまでにしてと明日の朝にしようと提案しますが、父親トミーは一刻も早く死因を調べて解明したいと譲りません。

やがて、遺体ににメスを入れて体内を調べていくと、不審な点がいくつも見つかってきました。

一見、傷ひとつない身体でしたが、両手足首に骨折が見られ、舌は抜かれ、また、肺は常識では考えられないほど黒く焦げ上がっていたのです…。

検死解剖の途中で父親トミーは手馴れているはずが、その日に限って自身の手を切ってしまいます…。

一方のオースティンは、他の部屋から物音がするので様子を見に行くと、その換気する通気口には猫が挟まっているのを発見します…。

以下、『ジェーン・ドウの解剖』ネタバレ・結末の記載がございます。『ジェーン・ドウの解剖』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

その瀕死状態の息絶え絶え猫の姿に、オースティンは安楽死の処置をしてから火葬してあげました。やがて、不可解なことはまだまだ続きます…。

父親トミーのいる検死の部屋に戻ったオースティンでしたが、他の遺体ある扉は閉めていたはずなのに開いているのを見て、「ジェーン・ドウ」のせいだと言い出して、彼女の遺体に火を着けます。

だが、火は燃え上がるものの、彼女の遺体には何も変化はありません。

一層恐怖心を抱いたオースティンは、ここから逃げ出したくても、扉が開かずにエレベーターも停電で使用できません。

事務所にある電話を使い保安官ジェルに掛けますが、外の嵐のせいなのか会話はほとんど聞こえず助けを呼べませんでした。

やがて、今度は事務所にいた父親トミーが何者なか、生き返った遺体らしきもの襲われてしまうのです。

やがて、少し電灯が着いた隙にエレベーターに乗って逃げようとするのだが、今度は霧のようなものが発生して視界不良となってしまいます。

父親トミーは手にした斧で応戦すると、生き返った遺体だと思った者はオースティンの彼女エマでした。トミーはあまりの出来事に自責の念にかられてしまいます。

それでもこの怪奇現象の出来事の原因は、「ジェーン・ドウ」にあると、父親トミーと息子オースティンは検死作業を再開し続けます。

胃から出てきた異物である布を折りたたんでみると、ある文字を解読することができました。

2人は「ジェーン・ドウ」としてきた女性の遺体は、1693年のニューイングランドで起きた魔女借りの犠牲者であることを突きとめます。

しかし、トミーはあの魔女狩りの犠牲者は、皆が本当に魔女であった訳ではなかったと言いますが、「ジェーン・ドウ」だけ実際に魔女であったのだと気が付きます。

だからこそ、どんな死因究明の解剖を続けても原因が見つからず、この“ジェーン・ドウはまだ死んでいない”と判明しました。

魔女である彼女は死んでいないことから、刺され、燃やされ、足首を切られ、300年以上も埋まっていたとしても、その魔力で怨念をかけてくるのだとオースティンは言い出しまします。

やがて、そうこうしている部屋にあった他の遺体が襲い始めてきます。オースティンは扉を抑えて必死に抵抗します。

一方の父親トミーは魔女であろう遺体に話しかけると、息子オースティンだけは苦しめずに助けて欲しいと伝え、自身はどうでもいい、魔女であるあなたも助けると告げます。

すると、トミーの手首と足首は折れ、何者かに刺された激痛に襲われ、燃えているようで息も出来なくなってしまいます。

また、魔女の遺体から流れたはずの血液は彼女の身体へと戻り始め、その瞳にも力が戻るかのように色が変わっていくのです。

オースティンは苦しむ父親トミーの側に駆け寄ると、自死を心願する父親の言われるがままにトミーの心臓をメスで刺して楽にさせる決断をします。すると、魔女の身体の蘇生も止まります。

すると、部屋の外からパークの声が聞こえ、オースティンは戸口の方へ行きますが、それもまた、魔女のまやかしで後ろ振り向いた瞬間、亡くなった父親トミーの姿に驚き、そこから転落してしまいます。

翌朝になると、パークはトミーとオースティンの遺体を発見をします。仲の良い彼らがなぜこのような事態を招いたのか彼には見当もつきませんでした。

また、男は「ジェーン・ドウ」の遺体も運び出し、車両に積み込みます。その際にラジオから聞こえてくるのは4日続きの晴天を知らせる声。

嵐も停電もそのすべてが、父親トミーと息子オースティンに「ジェーン・ドウ」が仕掛けた幻想だったのでしょうか。

その時、わずかに遺体の指がぴくりと動きます…。

映画『ジェーン・ドウの解剖』の感想と評価


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

この作品は世界的に話題を集めたノルウェー映画『トロール・ハンター』で知られるアンドレ・ウーヴレダルの上質のホラー映画と言えるでしょう。

その見どころはリアリティのある映像と、音響で描かれた解剖シーン。その拘りを追及した制作スタッフは、実際にロサンゼルスにある遺体安置所に視察に訪れたそうです。

廊下にある凸面鏡が設置されていることや、遺体から出て来るハエを捕獲するための電気虫取り器があることなど、現場で知り得た情報を美術セットに活かしています。

そのことが遺体安置所という、日常では知り得ない閉ざされた空間で起きる、その恐怖がよりいっそう煽られているのです。

人工装具を使った特殊メイクアーティストとして、第一線で活躍するクリスティアン・マレットの力量の見せどころ

彼の代表作には、2012年の『レ・ミゼラブル』、2015年には『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などがあり、流石のひと言というばかりです。

また、特殊効果を担当したのはセブ・バーガー。視覚効果のアーティストとして長年活躍してきた重鎮。

2007年の『28週後…』、2014年の『モンスターズ/新種襲来』など、彼の技術力で映像化に成功を導いたのです。

このような力のあるスタッフの結集によって、完成度の極めて高いホラー作品を制作することができ、十分に恐怖心を刺激されました。

また、物語の謎は、これらスタッフ技術の裏付けのもと、「ジェーン・ドウ」の遺体を解剖することで謎に迫っていくのも見せどころです。

魔女の遺体というか、その死体もどきには次のような特徴も見られました。

「両手と両足首の骨折」「胃が黒く焼け焦げている」「臓器に不可解な傷跡」「腰にコルセットの痕跡」「抜いた歯を布でくるみ無理に呑ませた」「布には文字とシンボルがある」「肌の内側には同じシンボルが刻まれている」など。

さらには、シンボルが描かれた布を折り曲げていくと「Leviticus 20:27」という聖書の一説と、ローマ数字1693が読み取れていきます。

これこそが聖書にある魔女狩りに関しての記述で、「ジェーン・ドウ」が遠い過去に魔女狩りされた者としての証、その被害者だったと突き止める悲しい現実が見えてきます。

遺体の内部にあった傷も、彼女が生け贄の儀式として受けた拷問の痕跡なのでしょう。

ジェーン・ドウ」が本当は魔女なのか、それとも、拷問を受けた女性が結果として魔女にさせてしまったのかは理解は及びません

しかし、孤独な女性の”念”があったのは言うまでもありません

本物の魔女なのか、人間が復讐化した化け物なのかというより、異物を忌み嫌い追い込んだ結果として人間が招いたもの

そこを忘れてならないでしょう。

まとめ


(C)2016 Autopsy Distribution, LLC. All Rights Reserved

『ジェーン・ドウの解剖』の公開は、2017年5月20日から全国順次公開。

ミステリーとサスペンスが巧みに融合された内容に、ホラー映画ファンならずとも惹きこまれてしまう作品。

物語の展開から結末の終焉といい、上手に描かれた見事な映画です。

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