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『東京遭難』あらすじ感想と評価解説。木原勝利×秋谷百音で加藤綾佳監督が描く人生に“遭難”した男女の“明日”

  • Writer :
  • 谷川裕美子

加藤綾佳監督・脚本作『東京遭難』は2023年11月18日(金)より新宿K’sシネマほかで全国順次公開!

互いを知らない男女が東京近郊を舞台に織りなす3日間の旅をつづったロードムービー『東京遭難』が、2023年11月18日(金)より新宿K’sシネマほかで全国順次公開されます。

おんなのこきらい』(2014)やドラマ『オールドファッションカップケーキ』(2022)で注目された加藤綾佳が、デビュー以前から12年以上にわたり構想を続けてきた一作です。

『わかりません』(2022)の木原勝利が主人公・進一を、『ベイビーわるきゅーれ』(2021)の秋谷百音がヒロイン・えりなを演じます。

映画『東京遭難』の作品情報


(C)GOLD FISH FILMS

【日本公開】
2023年(日本映画)

【監督・脚本】
加藤綾佳

【キャスト】
木原勝利、秋谷百音、永井秀樹、武田敏彦、大沢真一郎、福山香温

【作品概要】
おんなのこきらい』(2014)やドラマ『オールドファッションカップケーキ』(2022)で知られる加藤綾佳監督が、12年以上ものあいだ構想を温めてきたロードムービー。

初めて出会った年の離れた男女が、東京近郊を3日間一緒に旅するさまを描きます。予測不能にも関わらず、始終繊細な⼆⼈の表情の変化から⽬が離せない一作です。

『わかりません』(2022)の木原勝利と、『ベイビーわるきゅーれ』(2021)の秋谷百音がバディを組み、濃密なふたり芝居を展開します。

映画『東京遭難』のあらすじ


(C)GOLD FISH FILMS

ある夜、接待先の客に相当な量の酒を飲まされたサラリーマンの柳進一は、最終電車の終着駅で目を覚ましました。

財布や携帯電話はすべてなくなっており、ポケットの中に入っていたのはわずかな小銭と顔も覚えていないホステス“えりな”の名刺だけでした。

進一は公衆電話からえりなに電話をかけ、留守電に助けを求めるメッセージを残そうとしますが、途中で切れてしまいます。そのまま彼は、電話脇のベンチに倒れ込みました。

翌朝、進一はホテルで目を覚まし、目の前にはえりなと思われる女性の姿がありました。

助けてもらえたと安堵する進一でしたが、えりなは助けた代わりに自身の人探しに3日間つき合うように頼んできます。断ろうとする進一でしたが、ホテルで撮ったツーショット写真をダシに、脅迫される形で従うこととなりました。

運転ができないえりなの代わりに、進一は車のハンドルを握って彼女の指示通りに走らせますが……。

映画『東京遭難』の感想と評価


(C)GOLD FISH FILMS

人生に“遭難”したふたりの物語

主人公の進一は、生気のない寡黙な男性です。しがないサラリーマンの彼は、顧客の言葉を断れずに大量の酒をあおり、記憶を失くしている間に身に付けていた貴重品を奪われてしまいます。

また彼は過去に秘密を持つ様子で、冒頭から同じシーンが何度もフラッシュバックし、映画ではやがてその“秘密”が明かされていきます。

「目を覚ました時に名刺が手元にあったから」という理由で、彼はクラブのホステス・えりなに助けを求めますが、普通なら友人や家族、あるいは会社の同僚に助けを求めるはずです。顔も覚えていないえりなにしか頼れないと考える進一が、いかに孤独な人間であるかが伝わってきます。

一方のえりなは謎めいた女性で、気の強いまっすぐな瞳で進一を見据え、脅迫まがいの手口で進一を人探しに協力させます。

身一つで東京で“遭難”してしまった進一しかし次第に、えりなもまた、人生に“遭難”していることが浮き彫りとなっていきます

身を寄せ合いながら、どうにか状況を打開しようともがきながら旅を続ける進一とえりな。ほぼ全編ふたり芝居で濃密な時を紡いでいく、木原勝利と秋谷百音の高い演技力に注目です。

まとめ


(C)GOLD FISH FILMS

互いに見知らぬ同士の男女が、3日間かけて過去に向き合っていくロードムービー『東京遭難』

現実から離れたところを漂い、今にもつながっている紐が切れて飛んでいってもおかしくない風船のような2人が、身を寄せ合ってそれぞれの明日を探す物語です。

日々を繰り返すことに疲れた人たちに、小さな光を照らしてくれる作品となっています。

映画『東京遭難』は2023年11月18日(金)より新宿K’sシネマほかで全国順次公開です。




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