Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2021/08/30
Update

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』感想評価と考察解説。実話として描かれた世界滅亡を未然に防いだ1人のサラリーマン

  • Writer :
  • 松平光冬

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』は、2021年9月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開!

べネディクト・カンバーバッチ主演で贈る実録スパイ・サスペンス『クーリエ:最高機密の運び屋』。

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2015)でアカデミー賞にノミネートされたべネディクト・カンバーバッチ主演の最新作となる、映画『クーリエ:最高機密の運び屋』が、2021年9月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開されます。

米・ソ全面核戦争目前、“スパイ”にスカウトされた英国人セールスマンが背負った衝撃の実話を描いた、本作の見どころをご紹介しましょう。

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』の作品情報

(c)2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【日本公開】
2021年(イギリス・アメリカ合作映画)

【原題】
The Courier

【監督】
ドミニク・クック

【製作】
アダム・アクランド、ベン・ブラウニング、ベン・ピュー、ロリー・エイトキン

【製作総指揮】
ドミニク・クック、トム・オコナー、ジョシュ・バーニー、アシュリー・フォックス、グレン・バスナー、アリソン・コーエン、ミラン・ポペルカ、ベネディクト・カンバーバッチ

【脚本】
トム・オコナー

【撮影】
ショーン・ボビット

【キャスト】
ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー、アンガス・ライト

【作品概要】
キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた知られざる実話を基に、核戦争回避のために命を懸けた男たちの葛藤と決断をスリリングに描くスパイ・サスペンス。

主人公グレヴィル・ウィンを演じつつ、製作総指揮も務めたのは、いまや英国映画界を代表する俳優で『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2015)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたベネディクト・カンバーバッチ。

ソ連の情報機関GRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の大佐オレグ・ペンコフスキー役には、『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015)のメラーブ・ニニッゼが扮します。

監督は、舞台演出家として活躍し、シアーシャ・ローナン主演作『追想』(2018)で映画監督デビューを果たしたドミニク・クックです。

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』のあらすじ

(c)2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

1962年10月、アメリカとソ連、両大国の対立は頂点に達し、「キューバ危機」が勃発。

世界中を震撼させたこの危機に際し、戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、英国人セールスマン、グレヴィル・ウィンでした。

仕事柄、東欧に出張が多いため警戒されにくいという理由で、CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)の依頼でスパイに抜擢されたウィン。

彼に課せられた任務は、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)高官オレグ・ペンコフスキーと接触し、機密情報を持ち帰る“運び屋(クーリエ)”でした。

核戦争回避のために命を懸けた2人の男は、次第に政治体制を超えた友情と信頼で結ばれていきます。

しかし彼らには、やがて過酷な運命が待ち受けているのでした…。

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』の感想と評価

(c)2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

核戦争回避のために奔走したセールスマンの実話

1962年10月に勃発したアメリカとソ連の対立、いわゆるキューバ危機。

ソ連がカリブ海のキューバに核ミサイル基地を建設しているとして、アメリカが海上封鎖で対抗したという、“人類史上、最も第三次世界大戦に近づいた13日間”とも呼ばれたこの事件については、映画『13デイズ』(2000)などでご存知の方もいることでしょう。

そんな世界中を震撼させたこの危機に際し、核戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、ソ連の高官オレグ・ペンコフスキーと、そして、工業製品のセールスマンをしていたイギリス人のグレヴィル・ウィンでした。

本作『クーリエ 最高機密の運び屋』は、キューバ危機の舞台裏で実際に繰り広げられた諜報戦を、とある一人のセールスマンの目を通して描きます。

(c)2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

東欧に出張が多いため警戒されにくいという理由で、米英の情報部からスパイに任命されたウィンは、家族には内密に、モスクワでペンコフスキーから受け取った軍事機密を持ち帰る任務に就きます。

しかし、スパイの経験などない一般人ゆえに、世界の運命を左右する重責に苛まれることに。

ウィン役のべネディクト・カンバーバッチといえば、テレビドラマシリーズ「SHERLOCK シャーロック」(2010~)のシャーロック・ホームズ役に、『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』のアラン・チューリング役など、頭脳明晰な役どころのイメージが強い俳優。

そんな彼が本作では、KGB(ソ連国家保安委員会)に監視されているのではという恐怖や、次第に生じる家庭内不和に悩み苦しむという、等身大の男を演じるのも見どころでしょう。

国家間をまたぐ2人の男の友情

(c)2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

スパイとは常に孤独な立場。もし正体がバレてしまったら、どんなに恐ろしい目が遭うか想像だにしません。

頼れるのは己だけ――そんな状態の中、極秘にスパイ活動するウィンとペンコフスキーは、置かれた境遇こそ違えど、友情と信頼で結ばれていきます。

ペンコフスキーが生前密かに書き綴っていた膨大なメモをまとめた「寝返ったソ連軍情報部大佐の遺書」(集英社文庫)の序文に、ウィンはこう寄稿しています。

オレグ・ペンコフスキーは異常な人物であった。彼の機密情報は、西側に偉大な貢献をなした。しかし私が彼を知っているのは、単に情報将校としてばかりではなく、最初は協力者であったが、後には親友としての彼であった。

協力者から親友となっていった、知られざる男たちのヒューマンドラマがここにあります。

まとめ


(c)2020 IRONBARK, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

核戦争の回避を懸けるグレヴィルとペンコフスキーですが、やがてあまりにも過酷な運命が待ち受けることとなります。

終盤、運命に翻弄されていくグレヴィルに扮したカンバーバッチは、おそらく彼の俳優キャリア史上で、もっとも凄まじい演技を見せます。

世界平和、ひいては家族の平穏を守ろうとした者たちが直面する葛藤と決断を、ぜひともお見逃しなく!

映画『クーリエ 最高機密の運び屋』は、2021年9月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。





関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『英国総督 最後の家』あらすじと感想レビュー。グリンダ・チャーダ監督はなぜこの作品を作ったのか

映画『英国総督 最後の家』は、8月11日(土・祝)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー! 1947年、英国からの独立前夜。混迷を深める激動のインドで、歴史に翻弄された人々を鮮やかに描いた感動のド …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】東京タワー オカンとボクと、時々、オトン|あらすじ感想と結末の評価解説。リリー・フランキーの自伝小説をもとに描く

永遠に続く母と息子の強い絆 リリー・フランキーのベストセラー自伝小説を、オダギリジョーと樹木希林共演で実写映画化。 第31回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を受賞した感動作で、女手ひ …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】ロブ・ライナー映画『記者たち』の評価と解説。戦争背景を理解する洋画6選の紹介も

『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』は、2019年3月29日(金)より、東京・TOHOシネマズシャンテほかロードショー! イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた実在の …

ヒューマンドラマ映画

『PERFECT DAYS』ネタバレレビューと感想評価。ヴェンダース監督と役所広司が人生に本当に必要なものとは何かを問いかける

日々の喜びを静かに紡ぐヴィム・ヴェンダース監督の秀作『PERFECT DAYS』 『パリ、テキサス』(1984)『ベルリン・天使の詩』(1988)で知られるドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督が、『孤 …

ヒューマンドラマ映画

映画『チアアップ!』あらすじネタバレと感想考察。ダイアン・キートンの新作はハートフルな感動作

たとえいくつになろうとも自分をあきらめない。 「今の自分が最高!」と言いたい。 平均年齢72歳のチアリーディングチームが、世界を驚かせた奇跡のハートフルストーリー。 主人公のマーサは、余生を過ごすため …

Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学