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Entry 2021/09/15
Update

映画『ターミナル』ネタバレ感想考察とあらすじ結末の評価。実話を原作にスピルバーグ×トムハンクスで紡ぐ空港住まいの男の物語

  • Writer :
  • くろみずし

スピルバーグ×トム・ハンクスの最強タッグが贈る心温まるヒューマンドラマ!

映画『ターミナル』は、とある事情で母国クラウコジアとアメリカの間で板ばさみとなり、「空港内」に住むことになった男ビクター・ナボルスキーが、ある目的のためニューヨークに入れる日をひたすら待ち続ける姿を追った物語です。

スティーヴン・スピルバーグが監督を務め、トム・ハンクスが主人公ビクターを演じた本作。ビクターの一風変わった空港内サバイバル生活に笑い、個性豊かな空港スタッフに微笑んでしまいます。

“恋愛・友情・笑い・感動”と盛り沢山の内容に満足すること間違いない作品です。

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映画『ターミナル』の作品情報


TM & (C) 2004 DREAMWORKS LLC

【公開】
2004年(アメリカ映画)

【原作】
The Terminal

【監督】
スティーヴン・スピルバーグ

【キャスト】
トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ、シャイ・マクブライド、ディエゴ・ルナ、バリー・シャバカ・ヘンリー、ゾーイ・サルダナ、クマール・パラーナ

【作品概要】
監督のスティーブン・スピルバーグと主演のトム・ハンクスは、『プライベート・ライアン』(1998)、『キャッチミー・イフ・ユー・キャン』(2002)とタッグを組んでいます。

3回目となる『ターミナル』は、息のあった最強の組み合わせ作品となりました。

映画『ターミナル』のあらすじとネタバレ


TM & (C) 2004 DREAMWORKS LLC

クラコウジア人のビクター・ナボルスキーは、ニューヨークに向かうため空港に到着しました。

関税を通過するところで事務所へ連れて行かれ、税関国境警備局のディクソンから、ビクターの祖国であるクラコウジアでクーデターが起こったと言われます。

国境が封鎖されパスポートが無効になったこと、国に戻ることもニューヨークに入ることもできないと伝えられます。ビクターは余儀なく空港の国際線乗り継ぎロビーに待機することになりました。

ビクターは乗り継ぎロビーへと案内され、食堂のクーポンや15分使えるテレフォンカード、警備員からの呼び出し用のポケベル、税関国境保護局に入る際のバッチを渡されました。

英語が話せないナボルスキーは事態を把握することができないまま、空港生活が始まってしまったのです。

ロビーで待機していると、クラコウジアでのクーデターのニュースが目に飛び込んできました。そこで初めて事態を理解したナボルスキーは途方に暮れました。

テレフォンカードは使い方がわからず、食事クーポンは掃除係のグプタに回収されてしまい、更に辛い状況になってしまいました。

夜になり暗くなったロビーを彷徨っていると、人気のない使われていないロビーにたどり着きました。椅子をベットのようにつなげ、大事な缶を抱きかかえたまま眠りにつきました。

税関国境保護局のディクソンは、上司のリタイアを機に、保護局長代理の席を譲られました。自分がトップに立ち失敗が許されない立場になったことにより、ビクターの存在が厄介なものだと感じ始めていました。

ビクターは入国審査局へ向かい、ビザの申請を行おうとしました。しかし、トーレス入国審査官にビザ発行にはパスポートが必要で、パスポート発行には国が必要であることが伝えられました。ですが、ビクターは何時間も待つこの手続きに、何度もやって来ました。

ディクソンはビクターを追い出したいため、出口の見張りがいなくなる時間をあえて伝え、逃げ出すチャンスを与えようとしました。

ビクターは時間になると出口にやってきました。その様子を監視カメラで見ていると、外に出るのを躊躇していました。

ビクターの動きに合わせて監視カメラを動かしていると、その動きでビクターは監視カメラに気が付き、“僕は待つ”と伝えました。脱出させ、他の管理下に押し付けたかったディクソンの作戦は失敗に終わりました。

ビクターは掃除係のグプタに食事券を回収されてしまっていたので、食事を取ることができず困っていました。そんな時、空港のカートを定位置に戻すと25セントが払われることを発見しました。

ビクターは空港中のカートを回収することで、25セントを稼ぎ続けます。そしてようやく、バーガーキングでハンバーガーを購入することができました。

その他にも本屋で母国語の観光本と英語の観光本の2冊を購入し、見比べながら英語を勉強し始めます。こうしてビクターはなんとか空港での暮らしを乗り切る術を見出し始めたのです。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ターミナル』ネタバレ・結末の記載がございます。『ターミナル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ディクソンはビクターのカート集めを辞めさせるため、新しい職務を設置しました。この作戦によりビクターは食事をすることができなくなり、数日で逃げ出すだろうという魂胆だったのです。そして、ビクターは再びご飯の食べれない生活へと戻ってしまいました。

お腹を空かせながら、いつもの寝床へ戻るとエンリケ・クルズと名乗るフードサービススタッフがご飯を持って取引を提案してきました。

その取引とは、クルズの気になる相手であり、ビクターがビザ申請に通っている入国審査官トーレスの情報の代わりにご飯を提供するというものでした。

ビクターは取引に応じ、翌日から再びトーレスの元へ通うようになりました。ビクターが最初に得た情報は、彼女が男に浮気をされたということでした。トーレスから不審がられ、君を愛して苦しんでいる男から頼まれていることも明かしました。

翌日、税関国境警備局から渡されていたポケベルが鳴りました。大喜びで急いでディクソンの元へ行くと、移民局判事にクラコウジアに戻るのが怖い理由を訴えれば、移民になれるという話をされました。

しかし、何度ディクソンが聞いても、ビクターはクラコウジアは怖くないと答えたのです。またしてもディクソンの追い出し作戦は失敗に終わりました。

ビクターはまたロビーへと戻りました。すると以前手助けをしてあげたCAのアメリアが電話で泣いているのを見かけました。そっとハンカチを渡し慰めた後、ディナーを誘われましたが、ビクターは「この空港から出ることができない」と話し、断るを得ませんでした。

ビクターは彼女とご飯を食べるために職探しを始めましたが、住所不定で身分証明をもっていないため、雇ってくれるところはありません。

悲しい気持ちで寝床へ戻っていると、塗装途中の壁を見つけました。興が乗ったビクターは夢中になって塗装作業をしてしまい、いつの間にか朝に。そして、綺麗に仕上がった壁を見て驚いた作業員と現場監督は、勘違いも相まってビクターに仕事を与えてくれました。

夜になりクルズの元に向かうと、掃除スタッフのグプタと貨物担当のジョーがいました。グプタはビクターのことを、CIAと疑っており、ビクターを探知機へ通すことにしました。もちろん何も探知されず、無事に仲間に入ることが許されました。

翌日本屋で再びCAのアメリアに遭遇しました。彼女はナポレオンの本を購入し、ナポレオンが好きだとビクターに話しました。そして、彼女はすぐに仕事へ戻って行きました。

ロシア人の男性が書類が必要な薬を持ち出そうとして、税関国境警備局で事情聴取をされていました。言葉が通じず苦戦していたため、ディクソンはビクターに通訳を依頼しました。

彼が持ち出そうとしていた薬は、病気の父親のためのものであるとわかりました。しかし、その薬を持ち出すには医師の許可書が必要でした。

そこでビクターは、それはあくまで「ヤギ」のための薬だとディクソンに嘘の通訳をします。何故なら動物のための薬には申請が不要だからです。ディクソンの詰問にも乗り切り、ビクターはその男性を助けました。そのヤギの話は空港スタッフに広がり、ビクターは更に空港内で人気者になりました。

ビクターはクルズ達とアメリアが次いつ帰って来るかを調べました。調査通り彼女は空港に現れ、ビクターはディナーに誘い、空港内の仮設レストランで食事をすることになりました。

クルズ達がレストランのスタッフになりきり、二人をもてなしました。二人で食事をしていると彼女のポケベルが鳴りました。

それは不倫相手からの連絡でした。彼女は7年も不倫していることを話し、ビクターは空港に住んでいることを話しました。そして二人は一緒にポケベルを投げ捨て、‟僕はここにいるから”と伝え、二人はキスをしてお別れをしました。

アメリアと別れ作業現場に向かうとクルズがやってきました。最後のお願いだと言いました。その願いは、指輪をトーレスに渡すというものでした。

ビクターは直ぐにトーレスの元へ向かいました。そして、クルズの元に指輪をつけた彼女が現れたのです。ビクターのお陰で二人は結ばれました。

アメリアの到着の日にビクターは花を持ち、搭乗ゲートで彼女のことを待っていましたが現れません。

彼女はディクソンの事務所に連れていかれていました。そしてビクターとの関係を尋ねてくるるディクソンとの会話の中で、彼女は本当にビクターが空港に住んでいるということを知りました。

彼女はビクターの元へ向かいました。彼女は浮気相手と別れたことを伝えに来たのに、どうして男の人は皆嘘をつくのかと怒りをビクターにぶつけました。

ビクターは「空港に住んでいる」と彼女に話していましたが、その詳しい事情までは話していなかったので、彼女はビクターが本当に住んでいるとは思っていなかったのです。

怒るアメリアにビクターは、彼女が好きなナポレオンが1000個の噴水を恋人に恋人に贈ったという逸話になぞらえて、お手製の噴水をアメリアへと贈りました。この噴水を見た彼女は、ビクターになぜここに住んでいるのか理由を聞き、ようやくビクターが大事にしている缶の話を始めたのです。

「缶には、父が大好きだったニューヨークのジャズクラブのメンバーのサインが入っている」「父がジャズクラブに手紙を贈ったところ、一人を除き皆が一人ずつサインを送ってくれた」「しかし、残りの一人ベニー・ゴルソンのサインが届く前に、父は亡くなってしまった」

その時、ビクターは父にベニーのサインをもらい、缶に入れると約束をしたのだと話しました。真相を打ち明け二人はキスをしました。

朝を迎えるとクラコウジアの戦争が終わったことが伝えられました。空港内でお祝いをしていると、アメリアが現れ、‟1日アメリカに入れるビザ”を友人に手配してもらったと、紙をビクターに渡しました。ビクターは一緒にニューヨークへ行こうと誘いましたが、彼女は彼の元を去りました。

ビクターはアメリアからもらった紙をトーレスの元へ持って行きましたが、空港の責任者であるディクソンのサインがないと無効であると言われました。

急いでディクソンの元へ向かいサインを求めましたが、ビクターが今日クラコウジアへ帰らないと空港の仲間達をクビにすると脅してきました。ビクターは直ぐに帰ると言いました。そして、空港の仲間達に急遽帰国することを伝え、飛行機を待つことになりました。。

事情を知らないグプタは、ビクターを臆病者だと怒ってしまいます。すると真相を知っている一人の警備員は見るに見兼ねて、ビクターが帰国するのは、グプタ達に今の仕事を失ってほしくないからだと伝えました。

ビクターはロビーで待機していると、グプタがモップを持ってビクターの飛行機に向かって走っていき、クラコウジア行きの便の出発を遅れさせようとする姿を目にします。そしてグプタはビクターに向かって、故郷に帰ると大きな声で叫びました。

彼の思いが届き、ビクターはニューヨークへ向かうことを再び決意。

ディクソンは部下である空港警備員達に逮捕を命令しましたが、警備員達までもがビクターの味方をし、ビクターはついに空港の外へでました。すると、アメリアがタクシーから降りてきました。しかし、微笑み直ぐにその場を去って行きました。

呆れ果て、疲れ切ったディクソンはスタッフ達に仕事に戻れと指示をし、ビクターのことを見逃しました。ついにビクターは、父との約束を果たすことが出来るのです。

ジャズのお店に到着すると、ベニー・ゴルソンがおり、父の話を伝え約束のサインを手に入れることができました。そしてお店を出てタクシーに乗ったビクターは、運転手に「家に帰る」と伝えたのでした。

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映画『ターミナル』の感想と評価


TM & (C) 2004 DREAMWORKS LLC

スティーヴン・スピルバーグはある男性の話をモデルに映画『ターミナル』を制作されたそうです。

その男性とは、イラン国籍の難民でフランスのシャルル・ド・ゴール空港に約17年も住み続けていました。

彼は「TheTerminal Man」という自伝を出しており、その内容は映画『ターミナル』とはかけ離れている内容です。

映画『ターミナル』はどん底の環境でありながらも、主人公ビクターはあらゆる工夫と努力を続け、空港生活を生き抜いていました。

前向きな姿勢と人柄を見ていると、‟困難な時こそ前向きに”と思え、ポジティブなパワーをもらえる作品になっています。

また、ビクターを支える個性豊かな空港スタッフ達も見どころです。一人では乗り切れない困難も、仲間がいれば大きな力となるビクターのようにどんな人にも優しく接することのできる人には、自然と仲間がついてくるのでしょう

まとめ


TM & (C) 2004 DREAMWORKS LLC

「ターミナル」は題名通り、空港のターミナルを舞台に物語が描かれています。

たった一つの空港が一つの世界にも見えてくるほど、性別、年齢、人種、背景、全てが異なった人たちが毎日何かしらの目的で降り立つ、もしくは旅立っていく、様々な人たちが行き交う場所でした。

今回の作品では利用者だけでなく、空港で働くスタッフ達も様々な背景を抱えていました。母国インドで犯罪を犯してしまい帰ることのできない掃除係グプタ。7年も不倫を続け辞めることのできない美人なCAアメリア。空港スタッフに恋をするフードサービス係のクルズ。一つの空間とは思えない、ヒューマンドラマが大きな感動となったのでしょう。

また、祖国が消滅し、国に戻ることも、他の国に入ることもできない主人公ビクターの危機的状況を、あえて明るく描いているために、この作品に多くの人が感動しながら笑ってしまう……。

また空港から旅立つ高揚感と帰って来た時の安堵感を自由に感じる世界感も感じられ、幅広い世代に愛されるべき作品となっています。



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