映画『食べる女』は9月21日(金)よりロードショー。
70年代から数々の映画やドラマ、アニメの脚本を手掛けてきた超ベテラン脚本家・筒井ともみの短編小説『食べる女』『続・食べる女』を映画化。
原作者である筒井ともみも脚本として参加し、原作には存在しない、小泉今日子演じるキャラクターを主人公にした新設定バージョンが楽しめる作品です。
CONTENTS
映画『食べる女』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
生野慈朗
【キャスト】
小泉今日子、沢尻エリカ、広瀬アリス、前田敦子、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香、ユースケ・サンタマリア
勝地涼、池内博之、小池徹平、笠原秀幸、遠藤史也
【作品概要】
脚本家・筒井ともみの短編小説『食べる女』『続・食べる女』を原作者自ら脚本を務め、「3年B組金八先生」シリーズを多く手掛けた生野慈朗監督の手で映画化されました。
筒井ともみが小泉今日子に惚れ込んで作った、新キャラクターを主人公にした原作とは違った新バージョンでの作品です。
生野慈朗監督のプロフィール
生野慈朗は、1950年2月25日生まれ、東京出身のドラマ・映画監督。
1972年TBSに入社し、AD・演出補佐として数多くのドラマを手掛け、1978年にテレビドラマ『夫婦ようそろ』で初演出を手掛けました。
その後、「3年B組金八先生」シリーズや『男女7人夏物語』などのヒット作をいくつも担当し、1988年に『いこかもどろか』で映画監督デビューを果たします。
2000年の木村拓哉主演ドラマ『ビューティフルライフ』では平均視聴率32.3%を達成しました。
映画『食べる女』の主なキャスト
小泉今日子(餅月敦子役)のプロフィール
小泉今日子は、1966年2月4日生まれ、神奈川県出身の歌手・女優。
1981年にオーディション番組『スター誕生!』に出場し合格したことで1982年に歌手デビューを果たします。
1983年に出演した月曜テレビランド枠のドラマ『あんみつ姫』で女優としても注目され、同年に『十階のモスキート』で映画デビューを果たします。
その後もアイドル業と並行して映画やドラマに出演し続け、2005年『雪に願うこと』では東京国際映画祭サクラグランプリを受賞しました。
最近では歌手や女優業の他にナレーションの仕事もこなします。
2018年公開のドキュメンタリー『ピース・ニッポン』や、2019年公開の『PLANETIST』でもナレーションを務めました。
沢尻エリカ(小麦田圭子役)のプロフィール
沢尻エリカは、1997年2月28日生まれ、東京出身の女優。
小学6年生のときに芸能界に入り、ティーン向け雑誌のモデルとして活躍した後、2003年に『ノースポイント フレンズ』でドラマデビュー。
2004年に『問題のない私たち』で映画デビューにして初主演を果たし、2005年の『パッチギ!』での演技が評価され、日本アカデミー賞など数々の賞を受賞します。
2007年『クローズド・ノート』の舞台挨拶での態度に対して、マスコミからバッシングを受けたことがきっかけで、2010年まで芸能活動を休止していましたが、2010年にたかの友梨ビューティークリニックのCMで活動再開。
2012年に女優業復帰作であり、主演作『ヘルタースケルター』の体当たり演技が話題となり、再び女優として脚光を浴びます。
同年にはテレビドラマにも復帰し、更に知名度も上げていきました。次回作には2018年10月公開の『億男』が待機中です。
前田敦子(白子多実子役)のプロフィール
前田敦子は、1991年7月10日生まれ、千葉県出身の歌手・女優。
2005年にAKB48オープニングメンバーオーディションに合格。
2007年に『あしたの私のつくり方』で映画デビュー、『スワンの馬鹿!~こづかい3万円の恋~』でドラマデビューを果たし、アイドル業と並行して女優としても活躍します。
2010年にNHKの『龍馬伝』の出演したことで、AKBメンバーで初の大河ドラマ出演者となりました。
2011年に映画化された『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の主演に抜擢、演技が評価されたことで日本アカデミー賞などの映画賞を受賞を果たします。
2012年にAKB48を卒業し、ソロで音楽活動も続けながら女優業にも力を入れており、次回作は2019年公開の黒沢清監督作品『旅のおわり、世界のはじまり』が待機中です。
映画『食べる女』のあらすじ
ある東京の古びた日本家屋の一軒家、通称「モチの家」。
家主は雑文筆家であり、古書店を営む敦子。女主人はおいしい料理を作って、迷える女性たちを迎え入れます。
「モチの家」には、男をよせつけない書籍編集者や料理ができないあまり夫に逃げられた主婦などがおり、何かとワケありな女性ばかりが集まります。
そんなワケあり女性たちが日常から解放される、美味しい食事と楽しい会話。
今日も、人生に貪欲で食欲旺盛な女性たちの心と体を満たす、美味しくて楽しい宴がはじまります…。
映画『食べる女』の感想と評価
ベテラン脚本家・筒井ともみの短編小説『食べる女』『続・食べる女』を映画化するにあたって、筒井が新要素として盛り込んだのは小泉今日子演じる主人公・敦子の存在でした。
2003年に小泉今日子主演ドラマ『センセイの鞄』の脚本を手掛けた際に、小泉に惚れ込んだ筒井は、ずっと映画化にあたって、オリジナル主人公として小泉を起用したかったのですが、小泉のスケジュールに空きがなかったため、制作開始まで2年間待ったという、こだわりのキャラクターなのです。
小泉今日子だけではありません!
メイン出演者には今の日本映画界を代表する錚々たる女優メンバーにも注目してください。
「おいしいゴハンと愛しいセックス」「例えばセックスも味覚だと思う」と、飛び出すワードは強烈に感じるかもしれませんが、この映画は別にエロスをメインテーマとしたR指定映画ではありません。
そこが女子的目線であって、男性と違う価値観だと言えるでしょう。
「おいしいごはんを食べているときと愛し合っているときは、みんな幸せなんだ」ということを指した言葉なのです。
8人居れば、8通りのドラマが存在する。
俳優陣によるアドリブも交えながらの年齢も職業も全く違う8人による、女子トークの中から広がる女性たちの恋愛感や価値観を掘り下げたアンサンブルドラマです。
テレビドラマの黄金期である80年代・90年代を経験してきた脚本家と監督だからこそ、シンプルでどこか懐かしい雰囲気の映画ながらも、現代に生きる女性に必要なものを教えてくれるバイブルと言ってもいと思います。
先日、前田敦子と勝地涼の結婚のきっかけとなった作品として、先行して取り上げられましたが、日本を代表する8人の女優の魅力がぎっしり詰まった映画です!
まとめ
この映画はタイトルの通り「食」を扱っているため、料理も映画の主役だと言っていいでしょう。
いくらストーリーが優れていても、出てくる料理がおいしそうでなければ、何も始まりません。
原作・脚本の筒井ともみ自身、大の料理好きということもあり、フードコーディネーターを入れず、劇中に登場する50品以上の料理を自ら考えました。
匂いはさすがにありませんが、目と耳で「おいしい」と感じる映画です。