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Entry 2017/05/08
Update

映画『パーソナルショッパー』あらすじとネタバレ感想!ラスト結末も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

オリビエ・アサイヤス監督の前作『アクトレス 女たちの舞台』で素晴らしい演技を見せつけたクリステン・スチュワート。

ふたたび、アサイヤス監督とクリスティンがタッグを組んだ『パーソナル・ショッパー』がまもなく公開。

今回は2017年5月12日から上映が始まる『パーソナル・ショッパー』に注目します!

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1.映画『パーソナル・ショッパー』の作品情報

【公開】
2017年(フランス映画)

【脚本・監督】
オリビエ・アサイヤス

【キャスト】
クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガー、シグリッド・ブアジズ、アンデルシュ・ダニエル、タイ・オルウィン、アンムー・ガライア、ノラ・フォン・バルトシュテッテン、バンジャマン・ビオレ、オードリー・ボネット、パスカル・ランベール

【作品概要】
『アクトレス 女たちの舞台』のオリビエ・アサイヤス監督が、同作に続いて女優クリステン・スチュワートとコンビを組み、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞を果たした、ミステリー作品。

また、アサイヤス前作に引き続きシャネルも衣装協力として参加しています。

2.アサイヤス監督お気に入り!クリステン・スチュワート


(C)2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

クリステン・ステュワートはアイサイヤス監督の前作『アクトレス 女たちの舞台』にも出演。

ジュリエット・ビノシュが演じた大女優マリア・エンダースに付く、マネージャーヴァレンティン役を演じました。

ヴァレンティンは雇い主マリアとの関係は信頼を寄せられ、時にまるで友人のように和やかに接するあいだ柄。

しかし、若手女優の台頭に“老いる”ことが受け入れられない女優マリアは葛藤を繰り返すようになると、少しずつ2人の関係は疲弊していきます。

まだ、演技プランで意見をぶつ合うライバル関係までは良かったのですが、“光と影”という雇用契約のバランスが崩れて、ヴァレンティンはマリアを超えた瞬間、静かに変化を見せる素晴らしい作品でした。

その演技が評価され、ヴァレンティン役を演じたクリステン・スチュワートは絶賛され、見事アメリカ人女優としては史上初となる、セザール賞助演女優賞を受賞するまでになりました。

クリスティの演技が名優ピノッシュに共鳴する『アクトレス』(2016)

アサイヤス監督が『パーソナル・ショッパー』のプロットをクリスティンに持ちかけたのは、『アクトレス』の撮影が終了した後のことだったようです。

続けて出演を約束したかったアサイヤス監督にとって、どれだけクリスティンが魅力的な女優であったかは、『アクトレス』を観たあなたには想像に容易いと思います。

また、『パーソナル・ショッパー』と『アクトレス』は、プロットおける設定や人物が従事する構図などに類似点が見られる作品。

アサイヤス監督が前作撮影終了後、即座にクリスティンをキャスティングしたことから見ても、この2つの映画は対となることを意識したものではないでしょうか。

アサイヤス監督の『アクトレス』、こちらもぜひ見ていただきたい作品です。

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3.映画『パーソナル・ショッパー』のあらすじとネタバレ


(C)2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

双子の兄を亡くしたモウリーンは、数カ月経ってもまだ悲しみから立ち直れずいます。

そんな彼女の仕事は、パリでセレブのために高級ブランドの服やアクセサリーの買い物代行をするパーソナル・ショッパー。

しかし、モウリーン自身はバイクに安手のセーター、革ジャンをまとう容姿でした。

彼女には夢に向かって生きているようなこともなく、その日を暮らすだけの生活。

だが、たった一つパリに滞在する理由がありました、それはパリで亡くなった兄の霊に会うことが諦められなかったのです。

モウリーンは生前に兄が弟亡くなる前に約束をしました。ています。死んだ後も、互いがわかるように何かのサインを送り合おうと決めていたのです。

ある日、モーリーンはそんな兄が住んでした部屋に泊まることにします。そこは霊が出ると言われる曰く付きの幽霊屋敷。

彼女は望んだ兄の霊と出会えるとことを期待して宿泊をします。すると、奇怪な現象が起きるのです。

“蛇口から水が勝手に出たり”、またはラップなど、超常現象がモウリーンを襲います。

やがて、彼女は幽霊に遭遇。兄弟の霊を期待していたのですが、現れたのは口からエクトプラズムを吐く女性の例でした。

モウリーンは見知らぬ霊に驚き、慌ててその場を後にします。

また、ある日、モウリーンはパーソナルショッパーの仕事をこなしていると、見知らぬメールが届きます。

その1通のメールに、私はあなたを知っている。あなたも私を知っている…と書いてありました。

気味の悪いメールだとは思いつつモウリーンはメールに返信を送ります。

そのメールは彼女の行先や行動を先々まで理解していて、メール送信者を不気味に感じつつも、これこそが兄の霊が送るものではにかと思い始めます…。

メールのやり取りは徐々にモウリーンの個人的なことに触れていき、彼女もそれを受け入れていくのです。

以下、『パーソナルショッパー』ネタバレ・結末の記載がございます。『パーソナルショッパー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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モウリーンは、パーソナルショッパーの仕事をこなして、毎度のように雇い主の家へと荷物を届けるのですが、とはいえ、雇い主はいつも多忙で留守。

ふと、モーリーンは雇い主の住む部屋で休んでいると、また、正体の不明なメールが届きます。

メールの質問にはモウリーン最も恐れていることは何かと尋ねてきました。彼女は禁止されていることをしてしまうことだと返信を返します。

やがて、モーリーンは雇い主の契約で彼女が買い揃えた服や靴には、一切触れてはいけない約束でしたがそれを破り、彼女は欲求を満たすように、雇い主の洋服を試着して自慰行為に浸ります。

地味な服を着ている彼女でしたが、心の奥底にはセレブリティへの憧れと欲望が潜んでいたのです。そのまま雇い主の部屋で眠りに落ちモウリーン…。

翌朝、目覚めると彼女の隣には霊がいました。それは消えることもなく存在する、モウリーンはまたも怖くなりその場を後にします。

やがて、あのメールの送信者がモウリーンをホテルに誘い出します。それが兄の霊なのか、違うものの仕業なのかわからぬまま、彼女は雇い主の服に着替えると、呼ばれたホテルに向かいます。

モウリーンはいつもならそのような、雇い主との契約違反な行為はしないが気が動転していたと言うのですが、ふたたびメールを受信すると。

モウリーンにその雇い主の着ている写真を送信して欲しいと言う内容でした。自撮りをするモウリーンは写真をためらうことなく送信します。

あくる日、モウリーンはパーソナルショッパーの買い物を終えて、雇い主の部屋へ向かうと、そこにはいたのは残忍な姿で亡くなっている雇い主。

さらに、奥の部屋から奇妙な音が聞こえると不気味な光も見えてきます。幽霊がいると直感的にわかったモウリーンはその場を逃げ出して警察に向かいます。

警察に着くと、モウリーンは何故もっと早く連絡をしてこなかったのかと疑念を抱かれます。彼女は霊や超常現象によって雇い主が殺されて動転したと告げます。

意味不明な第一発見者であるモウリーンを警察の疑いは晴れることはありません。それでも物的な証拠で決めてない彼女は自宅に帰れました。

部屋に戻ったモウリーンの目にしたものは、雇い主のために買った高級なジュエリーが自分の部屋のベッドの上にありました。

やがて、また、メールが送信されてきます。内容はメールのことを警察に話したのかという問いかけでした。

そして今からモウリーンに会いにくるというのです。じわじわと近づいてくる場所の経過を彼女のメールに着信が届きます。

駅、家の前、エレベーター、部屋の前とそれはやってきます。恐ろしくなったモウリーンでしたが、彼女はは恐る恐るドアにある覗く窓からドアの前を見ようとすると。

足元のドアの隙間から1枚の紙が、“ホテルに来て”。モウリーンにとって、メールの送信者は兄の例ではなく、恐しい存在でしかありません。

それでも、ホテルに向かったモーリーン。しかし、指名された部屋にはもちろん誰もいません。やがて、扉が開く音。

“モウリーンは何かを見つめています…。”

一方で、ある男が1人、ホテルのエレベーターからエントランスへ向かうと張り込みで待ち伏せていた警察に逮捕されます。

その男は命を奪われた雇い主の恋人。モウリーンにメールを送信し続けていたストーカーはこの男でした。あのメールは霊の仕業などではなかったのです。

やがて、誰も乗っていないはずのエレベーターが開き、誰もいないのにエントランスの自動ドアが開くと、何か目には見えない何者かが通っていきました…。

不気味なメールの送信者の正体を知ったモウリーン。もう、メールの送信者は警察に犯人として身柄を逮捕されたか、メールは送信されてはきません。

しかし、その後も、モウリーンを襲う超常現象は終わることはなく、友人の家に滞在中のモウリーンに友人は、君の弟は実際にいると思うと言い出しました。

モウリーンは笑って聞き流しますが、後ろにはコップを手にした男の霊がいた。やがて、その霊の身体が消えるとコップだけ空中を浮いています。

突如コップが落下。その音に驚いて後ろを振り返るモーリーン。もちろん、そこには誰もいません…。

床には割れたコップの破片。男の霊は誰なのか…。

やがて、時が経ちモーリーンは、彼氏の待つオマーンへと向かうことを決めました。

ふと、モウリーンは物音がするビングに行くと、また、コップが空中を浮いています。そして、また落ちて割れます。

モウリーンは霊がいるのを確信して、ラップ現象が起きている方向に問いかけます。

彼女は言います、答えて、大きな音が1回ならYes。2回ならNo。あなたは兄なの? 大きなラップ現象音が1回。

モウリーンが尋ねます、あなたは今ツライの? 無音……。彼女は続けて、自分のせいなのかと尋ねると。

大きなラップ現象音が1回、響きわたります…。

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4.映画『パーソナル・ショッパー』の感想と評価


(C)2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

『パーショナル・ショッパー』は、一方的な師従関係のようなコミュニケーションをいくつかの点から感じることができます。

それはモウリーンを見つめることでコミュニケーション不全を引き起こしていることに観客は気が付くのではないか。

多忙すぎて姿を合わせないセレブリティな雇い主と献身的に服を買い集めるモウリーン。

一方的で姿の見えない霊たちはとモウリーンの計り知れない方法でアクセスをしてくる。

または、モウリーンに送られるメールといった現実的な物でさえ、正体を示さない質量のない言霊。

これらの一見では異なるものがモウリーンを通してコミュニケーションとは何かを考えさせてくれるのではないか。

そこに共通点が見出だすことが出来ずにいると、不可解なB級ホラー映画のなのと感じる観客もいるはずです。

“霊”とはなんでしょう。幽霊とはこの世に未練があり、そのことに納得がいかないものが具体化して現象になったものだと思います。

つまり、何か言いたい、納得が出来ない、などといった念があるからではないでしょうか。

象徴的なのは霊の登場するシーンをあげても良いのですが、ヒネタ感覚から言えば、パーショナルショッパーのモウリーンに雇い主が要件がなくなった後、(要件が言えなくなったとも言えますが)姿を遺体という形で登場した点は面白いですね。

一方的に買い付けのお願いをしている時には、まるで霊のように姿がなく、モウリーンに用件を言えなくなったゴロリと転がっている。

さて、本来コミュニケーションとは一方通行なのでしょうか。双子の兄と亡くなってからも気がつくようにとした約束したサイン。

メールなどで姿を見せずに要望を告げるのでなく、会ってお互いの存在を知りつつ確かめるような相互関係のコミュニケーションは希薄になってしまったのでしょうか。

ラスト・シーンの完結されたコミュニケーションに、人は何を思うのか。また、あなたは何を感じるのか。

この世から成仏できない霊のように一方的に念のようなコミュニケーションしかない人が出来ないとすれば、現世に生きてるとは言い難いのかもしれませんね。

『パーソナル・ショッパー』をそのように見るのは、歪んだ一方的な私からのコミュニケーションなのでしょうか。

後ろを振り返ってください。コップが空中をフワフワと浮いてないかご用心を。

5.まとめ


(C)2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

オリビエ・アサイヤス監督とふたたびタッグを組んだクリステン・ステュワート。

『パーソナル・ショッパー』は、前作『アクトレス』が人間の価値観を超えた“マローヤのヘビ”という景勝地「シルス・マリア」で見た光景のように、今度は霊を用いて、人の持つ価値観の狭さをついてくるような作品です。

霊は念。であるならそれは霊自体が“メッセージ”という存在なのかもしれません。しかし、この映画はそれぞれ観客の数だけ感想も豊富にあるのです。

その多様さこそがコミュニケーションをとる真理なのでしょう。

2017年5月12日から、東京のTOHOシネマズ六本木ヒルズとTOHOシネマズ新宿ほか、全国順次公開です。

アート系映画は難しいと敬遠せずに見ていただきたい作品。答えはあなたと観客の数だけある映画。素敵な作品をお見逃しなく!

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