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Entry 2018/06/01
Update

映画『空飛ぶタイヤ』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【長瀬智也×本木克英監督おすすめ代表作】

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『空飛ぶタイヤ』は、6月15日より公開にてロードショー

『下町ロケット』『陸王』『半沢直樹』と、テレビドラマで大ヒットを記録し続けたベストセラー作家・池井戸潤の作品を初の映画化。

本作で「人を描くことを覚えた」という語る原作者が、特に強い思いのこもった小説に豪華キャストが集結しました。

個々の道で巨大な敵に挑んでいく主役級の三人に長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生。

主題歌は今年デビュー40周年を迎えるサザンオールスターズ。

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映画『空飛ぶタイヤ』の作品情報

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
本木克英

【脚本】
本木克英

【キャスト】
長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、岸部一徳、笹野高史、寺脇康文、小池栄子、阿部顕嵐、ムロツヨシ、中村蒼、柄本明、佐々木蔵之介、和田聰宏、木下ほうか、浅利陽介、六角精児、大倉孝二、津田寛治、升毅、谷村美月、近藤公園、村杉蝉之介、渡辺大、矢野聖人、田口浩正、斎藤歩、岡山天音、矢島健一、津嘉山正種、毎熊克哉、加藤満、筒井巧、中林大樹、井上肇、小久保丈二、高川裕也、木下隆行、木本武宏、池上紗理依

【主題歌】
サザンオールスターズ『闘う戦士たちへの愛をこめて』

【作品概要】
走行中のトラックの脱輪事故により、主婦が亡くなる事故が発生。整備不良を疑われ、会社の窮地に直面した運送会社社長の赤松を中心に、事故を巡る大企業のリコール隠しに戦いを挑む、人々のドラマを描く。

演出は「超高速!参勤交代」シリーズなど、数々の話題作を手掛けた本木克英。

映画『空飛ぶタイヤ』のキャラクターと配役

赤松徳郎(長瀬智也)
中小運送会社赤松運輸社長、突然起きた脱輪事故から大きな敵に挑む。

沢田悠太(ディーン・フジオカ)
ホープ自動車カスタマー対策担当。赤松の要求を撥ねつけながら社内にうごめく策謀に徐々に気が付いていく。

井崎一亮(高橋一生)
同系列のホープ自動車から杜撰な収支予想を基に多額の融資を迫られる。

宮代直吉(笹野高史)
赤松運輸の専務。理想家肌の徳郎を支え続ける。

門田駿一(阿部顕嵐)
赤松運輸若手整備士。誤解されやすいタイプだが実際に緻密な整備計画を持っている

高幡真治(寺脇康文)
港北中央署の刑事。赤松運輸に整備不良の疑いの目を持つが…。

小牧重道(ムロツヨシ)
ホープ自動車の沢田の友人、社内の極秘会議T会議を調べる。

狩野威(岸部一徳)
ホープ自動車の常務。社内の隠蔽体質を裏で指示し続ける。

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映画『空飛ぶタイヤ』のあらすじとネタバレ


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

中小運送企業赤松運輸の社長、赤松徳郎のもとに驚くべき一方が届く、自社のトラックのタイヤが走行中に突然外れ、歩行者の母子を直撃、母親は即死します。

赤松は整備不調を疑われ、一度は若手整備士の門田を疑うが、彼は通常の基準よりもはるかに細かいチェックをしていたことを知ると、自社の整備不良以外の原因を疑い始めました。

トラックの製造元ホープ自動車カスタマー戦略課課長の沢田悠太は赤松からの情報提供を突っぱねるが、同僚の小牧から品質保証部がこの一件についてナーバスになっているという情報を得ます。

沢田は数年前のホープ自動車の大規模なリコール隠しを思い出しました。

小牧から製造部門を取り仕切りる常務の狩野を中心に極秘に開かれているT会議の存在を知る沢田、T会議のTはタイヤのTでした。

ホープ自動車の検査結果では赤松運輸の整備不良という結論が出されたが、赤松は納得がいかない。警察からの家宅捜索を受けるも整備不良の証拠が出てきません。

ホープ自動車からまともな回答を得られない赤松は自身の手で事故原因を追い始めますが…。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『空飛ぶタイヤ』ネタバレ・結末の記載がございます。『◯◯(作品名)』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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被害者遺族と警察からは犯人扱いを受け、会社の経営も行き詰まる中、赤松の耳にホープ自動車のリコール隠しの話が聞こえてきます。

一方、同系列ということ無謀な融資をホープ自動車から受けているホープ銀行本店の井崎は狩野とズブスブの関係にある銀行の専務巻田の圧力に苦しみながらも、徹底した調査を進めます。

そんな井崎の耳にもリコール隠しの噂が聞こえてきました。

ホープ自動車の社内政治で勝ち組になるため、沢田は実名で内部告発に打って出ます。

狩野のもとに内部告発話が伝わるが騒いでいるのは、一課長の相手に過ぎず、融資を渋っているのも銀行の一行員、赤松運輸に関してはあまたある中小企業の一つとしか思っておらず甘く見ていました。

赤松は会社経営がいよいよ苦しくなり、一方で社内政治取引で希望の部署に異動した沢田も異動先で飼い殺しに遭います。

全国価値の中小運送会社を巡り続けた赤松は多くの証拠と資料を手に入れ、港北中央署の高幡に突き付けました。

また沢田も起死回生の一手として、リコール隠しを最初に告発した品質保証部係長から預かったPCを警察に提出します。

この情報を手にした警察は狩野を中心としたホープ自動車製造部門の中心人物の多くを逮捕。

ホープ自動車は経営難に陥るとホープ銀行主導の救済合併を受け入れるしかありませんでした。

狩野=巻田のラインがなくなった中で沢田と井崎はポジションを挙げることになり、赤松は会社としての信用を取り戻します。

そして、慰謝料を求める裁判を取り下げた遺族とはじめて、すべてのことを語り合うことができるようになりました。

一年後、事故現場で花を手向ける赤松のもとに、歩み寄る男がいた、同じく供花を持った沢田でした。

映画『空飛ぶタイヤ』の感想と評価


(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会

新感覚反撃映画

驚愕の展開やラストの衝撃などなど、多くのうたい文句がすっかりとお馴染みになった映画宣伝。

しかし、そういった映画の多くがサスペンス映画であったりして、ラストは驚くことはあっても、すっきりすることはあまりにないことが多い、例えば、映画『セブン』(1995)のラストを見てスカッとした人物はまずいないでしょう。

ただ、その一方で『スティング』(1973)や『アフタースクール』(2008)などのコンゲームや、『ワンダー 君は太陽』(2018年6月15日公開)のように、耐えて、耐えて環境を越えていく爽快なラストの映画もあります。

映画『空飛ぶタイヤ』は、そんな映画の一本。ただ、他の映画と違うのが赤松・沢田・井崎の三人が手を取り合って対抗するのではなく、最後の最後まで個人の道で逆転をしてくという展開。

各々の生きる道を活かして始まる“反撃”を堪能していただきたい!

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まとめ

『空飛ぶタイヤ』は、2000年と2004年に実際に起きた、“ある企業の大規模なリコール隠しがモデル”とされていおり、原作者の池井戸潤は「怒りに駆られて書いた小説」と語っていました。

映画『空飛ぶタイヤ』は、2018年6月15日から全国公開されます、各自の生きる道を活かして始まる“反撃”に、ぜひ注目です!

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