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NETFLIX映画『砂の城』ネタバレ感想と考察評価。実話だからこそ描けた「いち兵士」から見た”戦場の現実”

  • Writer :
  • 糸魚川悟

NETFLIX映画『砂の城』

様々な社会問題を正面から捉えた作品を多く世に排出する映像配信サービス「Netflix」。

今回は愛国心も義務感も薄い1人の兵士から見た「イラク戦争」を描いた映画『砂の城』(2017)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

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映画『砂の城』の作品情報

(c)Netflix

【配信】
2017年(Netflix限定配信)

【原題】
Sand Castle

【監督】
フェルナンド・コインブラ

【キャスト】
ニコラス・ホルト、ローガン・マーシャル=グリーン、ヘンリー・カヴィル、グレン・パウエル

【作品概要】
実在の退役軍人クリス・ロースナーの体験を基に制作された戦争映画。

『マッドマックス/怒りのデスロード』(2015)でニュート役を演じ大ブレイクしたニコラス・ホルトが主演を務め、共演として『マン・オブ・スティール』(2013)から続く「DCEU」シリーズでスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが出演したことでも話題となりました。

映画『砂の城』のあらすじとネタバレ

(c)Netflix

2001年、学費を稼ぐ目的で軍に入隊したオークルでしたが、僅か数ヶ月で入隊したことを後悔し始めていました。

2003年、イラクに従軍する二等兵のオークルは戦地に出ることを嫌い、自分の手をわざと車のドアに挟むことによって負傷兵となっていましたが、傷が完治したことで戦地に出ることを余儀なくされます。

6月、バグダッド侵攻に参戦後、バクダッドの遺跡調査にあたるオークルを含めた第2歩兵部隊にある命令が下されます。

バグダッドの北北東に位置するバクーバの村で武器取引の情報を掴んだ本部は戦闘ヘリで村を急襲。

しかし、その際にポンプ施設を破壊してしまったことで村への水の供給が滞り、村人の生活に支障が出てしまったことから本部はポンプ設備の修復と村人への水の支給を歩兵部隊へ命じることにしました。

バクーバが統制の行き届いていない危険地帯であることからオークルは参加を躊躇っていましたが、後に引くことは出来ず第2歩兵部隊は全員バクーバの任務に着任することになります。

村に駐在する特殊部隊のサイバーソン大尉と合流した第2歩兵部隊は、水源と村を往復し水を村人に配給する任務を命じられますが、兵士に対する村人の態度は敵意に満ちており一触即発の状況が続きます。

ポンプ施設の復旧を進める部隊は想像以上の復旧の困難さから、復旧を急ぐため本部からの命令で村人を雇い復旧作業の人手とすることにします。

水の配給の際、現地語を話せるマフムードの通訳で村人へ協力を募りますが、誰一人復旧作業への協力を申し出る村人は現れず、復旧は難航します、

第2歩兵部隊のハーパー軍曹は部族長へ村人の参加を促すようにと協力を求めますが、米軍に協力することを快く思わない村人に命を狙われる可能性があることを理由に、部族長も協力を拒否してしまいます。

水を給水車に補給した帰り、第2歩兵部隊は複数の兵士に襲撃されます。

敵兵を追い払うことには成功しますが、給水車に穴が開いてしまいます。

第2歩兵部隊のチャツキーは村人のための水を運んでいるのに、その村人たちに襲撃されることに理不尽さを覚えます。

給水車を修繕し水の配給を続ける第2歩兵部隊でしたが配水中に敵兵に襲われ、複数の村人と仲間のチャツキーが死亡。

敵兵の追い払いに成功しましたが、チャツキーの死によって仲間たちの士気は下がり、ハーパーを除く第2歩兵部隊は村人の生活を支える意味を見失い始めます。

翌日、配水中に知り合った村の小学校の校長が現れ、水の配水をオークルに頼みますが、前日の事件から部隊は水の配給を止めており、オークルは校長を突き返します。

ポンプ施設の修復のためどうしても村人の力が必要だと話すサイバーソンに対し、オークルは校長の力を借りることを提案。

オークルはハーパーと共に小学校に水を運ぶと、校長に村人の懐柔を頼みます。

校長は米軍と共に行動することの危険さをオークルに話しますが、村人のために水と賃金も必要であることから、オークルたちに力を貸すことを決めます。

校長の尽力によって人手が集まり、ポンプ施設の修復は激的な速度で進みます。

オークルを始めとした第2歩兵部隊は現地民と交流を深め、遂に工期が残り1週間というところまで迫りました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『砂の城』ネタバレ・結末の記載がございます。『砂の城』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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翌日、村内で逆さ吊りにされた焼死体が発見されます。

その焼死体はオークルたちに協力した校長であり、見せしめとして村内に潜む米軍を敵対視する反抗勢力に殺害されたのでした。

兄を殺され憤る校長の弟は、オークルたちに反抗勢力が密会を行う場所を密告します。

復讐と任務の完遂に燃えるハーパーやオークルたちは、村の反抗勢力を根絶やしにすることを決め、大尉であるサイバーソンも殲滅作戦を承認。

深夜、密会現場に侵入したサイバーソンたちは反抗勢力と激しい銃撃戦になります。

サイバーソンたち特殊部隊によって密会現場の殲滅は完遂しますが、表通りで待機していた第2歩兵部隊が襲撃され、RPGによる攻撃を受けたバートンが重傷を負います。

銃座から降り、銃弾が降り注ぐなかバートンを救い出したオークルでしたが、バートンの負傷は酷くサイバーソンたちとの集合地点にて救護ヘリに運ばれて行きました。

仲間の負傷や校長の死に憤るオークルは捕虜として捕らえた反抗勢力に過度な暴力を振るい、ハーパーとサイバーソンに押さえつけられます。

オークルの行動に理解を示す2人はオークルを罪には問いませんでした。

翌日、反抗勢力を殲滅したことにより復旧現場には多くの村人が集まりました。

しかし、1人の村人が持ち込んだ爆弾によりポンプ施設は破壊、村人にも多く犠牲が出ます。

任務の失敗によりハーパーとオークルだけになった第2歩兵部隊はバクダッドの司令部まで帰還。司令部でオークルはアメリカへの帰国を命じられます。

自身にはまだこの地でやることがあると食い下がるオークルでしたが、上級曹長とハーパーに帰国するように強制され、渋々帰国を決めます。

休憩所でハーパーにかつて自身が戦地に出ないために自分で手を負傷したことを話すオークルは、もう少しで村を救えたと後悔します。

ハーパーは施設の破壊は誰のせいでも無いとオークルを慰め、オークルの生還を称えました。

バクダッドの飛行場に着いたオークルは上級曹長から帰国が叶った後はきっと心が苦しくなる、と聞きこの地に残る上級曹長に別れを告げました。

リビヤで休暇を取るように命じられたハーパーと米国での再会を約束したオークルはバグダッドの景色に心を残しつつ飛行機に乗り込みました。

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映画『砂の城』の感想と評価

(c)Netflix

退役軍人クリス・ロースナーの実体験を基にした映画『砂の城』。

お金目的で入隊し兵士に課せられた使命よりも自身の命の心配をするオークルを主人公とした本作は、いち兵士が何のために命を懸けるのかを徐々に理解していく様子を描いています。

オークルに課せられたのは自分たちを敵視する人間の混じる村を復興する任務であり、守るべき対象に常に命を狙われます。

砂で城を作るかの如く、いくら積み上げても簡単なことで崩壊してしまうような過酷で不毛な任務がオークルたちを精神的にも追い詰めます。

本作は、あくまでも1人の兵士から見た「イラク戦争」を描いており、国や上層部の命令に不満を持ちながらも仲間や困っている村人を助けたいと言う純粋な想いが彼らを奮い立たせているのだと教えてくれる物語で、改めて戦争の意味を考えさせられる作品でした。

まとめ

いかがでしたか。

戦場に出ることで「何のために戦うのか」を感情で理解し始めるオークルを繊細な演技で表現したニコラス・ホルトや、『マン・オブ・スティール』でのスーパーマン役からは想像もできないビジュアルのサイバーソンを演じたヘンリー・カヴィルなど俳優も大注目の作品である『砂の城』。

砂漠の映像も美しい本作をぜひ、「Netflix」で鑑賞してみてください。

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