Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2024/02/26
Update

『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』あらすじ感想と評価解説。奥平大兼x鈴鹿央士がeスポーツに情熱をかける高校生を熱くユーモラスに演じる

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』は2024年3月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

MOTHER マザー』(2020)の奥平大兼と『蜜蜂と遠雷』(2019)の鈴鹿央士が主演を務める青春映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』が、2024年3月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開となります。

実話にインスパイアされて制作された日本初のeスポーツ映画です。『のぼる小寺さん』(2020)の古厩智之が監督を務めます。

共演は山下リオ、小倉史也、花瀬琴音、和田聰宏、古舘佑太郎、三浦誠己。

天才ゲーマーと初心者ふたりが3人でチームを組み、ゲーム全国大会に挑むさまを熱くユーモアたっぷりに描く極上の一作です。

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』の作品情報


(C)2023映画「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」製作委員会

【日本公開】
2024年(日本映画)

【監督】
古厩智之

【脚本】
櫻井剛

【編集】
大重裕二

【キャスト】
奥平大兼、鈴鹿央士、山下リオ、小倉史也、花瀬琴音、斉藤陽一郎、唯野未歩子、山田キヌヲ、和田聰宏、古舘佑太郎、三浦誠己

【作品概要】
eスポーツの全国大会を目指す若者たちを描く青春映画。実在の男子学生をモデルに、『のぼる小寺さん』(2020)の古厩智之監督が映像化しました。

「サクラ大戦シリーズ」等を手がけ、ゲーム界のレジェンドと称される広井王子が企画・プロデュースを担当。

成長目覚ましい若手俳優の『MOTHER マザー』(2020)の奥平大兼と『蜜蜂と遠雷』(2019)の鈴鹿央士が主演を務めます。

共演は山下リオ、小倉史也、花瀬琴音、和田聰宏、古舘佑太郎、三浦誠己。

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』のあらすじ


(C)2023映画「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」製作委員会

徳島県の小さな港町にある阿波高専に通う、金髪にピアスのやんちゃな外見の翔太。ある日、「全国高校eスポーツ大会メンバー大募集」という校内に貼り出された勧誘ポスターに興味を持ちます。

翔太は、このポスターを作った張本人である1学年先輩・達郎に連絡を取ります。優等生の達郎は挫折を知る天才ゲーマーでした。

1チーム3人編成の車でやるサッカーゲーム<ロケットリーグ>出場をもくろむ達郎は、たまたま席が近かったVTuberに夢中の亘を、人数合わせとして残り1枠に選びます。なかば強引に了解を取り付け、とうとうチームが成立しました。

はじめは全く息の合わなかった3人でしたが、次第に競技に魅せられていきます。東京での決勝戦を目指して彼らは奮闘し……。

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』の感想と評価


(C)2023映画「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」製作委員会

小さな町の高専に通う学生らが、eスポーツ全国大会出場に向けて熱い思いを燃やすさまを爽やかに描く青春映画です。

2年生の翔太は、金髪にピアスというやんちゃな見た目ながら、友人たちからも弟たちからも慕われるやさしい少年です。しかし、両親の不仲が原因で、若いながらも家庭を支える役目を翔太が果たさなければならない事情がありました。

そんな翔太は、校内に貼られたeスポーツメンバー募集のポスターの「勝つとか負けるとかどーでもよくて」というキャッチコピーに心奪われます。

ポスターを貼った3年生の達郎は、手首のケガが原因でバスケットボールを諦め、周りと距離を置きオンラインゲームで孤独な心の隙間を埋めていました。

それぞれ家庭の問題や過去の挫折を抱える翔太と達郎は、自然に魂が引き合うかのように出会います

主人公のふたりを、近年活躍目覚ましい若手演技派、『MOTHER マザー』(2020)、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の奥平大兼と、『蜜蜂と遠雷』(2019)、ドラマ『silent』の鈴鹿央士が好演しています。

3人メンバーをそろえるために、達郎に白羽の矢を立てられたのはクラスメイトの小西でした。強引に仲間に引き込まれたものの、VTuberに夢中で人とあまり関わらずにきた小西は、次第にゲームの面白さや仲間の大切さを学んでいきます。

小西役の小倉史也が、なんともいえないおかしみのある味わい深い演技を見せており、本作にコミカルな笑いと温かみを与えています

通常はハンドルネームだけが用いられ、当人の顔が表に出ることのないネットゲームの世界。しかし大会では高校名、メンバーの氏名が必要とされることで、「匿名」ではない個々の人間同士として、少年たちは温かみある関係を築いていきます。

国籍も性別も障害もまったく関係なく開かれる、すべてにおいて平等な大会eスポーツには大きな希望が感じられます

次第にゲームがうまくなっていく嬉しさ。仲間とのコンビネーションがうまくいく喜び。勝利を共に手にしたときの達成感。そして、信頼関係がチームを強くしていくさまに胸を打たれます。

誰かが熱くなると冷静な者がなだめて励ますなど、試合の中でも主導権が入れ替わる少年たちの精神の成長ぶりにもしびれることでしょう。次第に深まっていく3人の絆が最大の見どころです。

胸キュンの小さな恋物語や、難しい家族関係の苦みなど、華々しい大会出場との陰と陽ともいえるリアルな対比も見逃せません。

まとめ


(C)2023映画「PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」製作委員会

ゲーム全国大会出場を目指す高校生トリオの、温かくユーモラスな絆を描く『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』

そろぞれが悩みを持ちながらも、今目の前にあるものに熱く一心不乱に打ち込む若者たちの姿に心揺さぶられます。

勝ち負けだけを気にすることなく、思いっきりぶつかる大切さに気づかされる作品です。

映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』は2024年3月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開です。



関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画ヒットマンズ ボディガード|ネタバレ結末あらすじと感想評価。キャストたちの個性がNetflixアクションで爆発!

Netflix映画『ヒットマンズ・ボディガード』 役柄によって様々な演技を見せてくれる名優たち。 そんな名優たちがまさに適役と言える役柄を演じ、ド派手なアクションを披露する作品が日本では映像配信サービ …

ヒューマンドラマ映画

映画『シンク・オア・スイム 』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。逆転劇の実話を孤独な現代人へ贈るヒューマンコメディ

映画『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』は2019年7月12日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー! スウェーデンに実在する、男子シンクロチームをモデルに、駄目な中年男達の逆転劇 …

ヒューマンドラマ映画

映画『ハドソン川の奇跡』あらすじネタバレと感想!ラストの結末も【イーストウッド監督とトムハンクス作品】

名匠クリント・イーストウッド監督と名俳優トム・ハンクスが初タッグ。 乗員乗客155人全員が奇跡の生還を果たした航空機事件「USエア1549便不時着水事故」を映画化。 今回紹介するのは『ハドソン川の奇跡 …

ヒューマンドラマ映画

映画『ブラック校則』あらすじネタバレ感想と結末の評価解説。佐藤勝利×高橋海人らキャストによるドラマと連動する青春劇

映画『ブラック校則』は2019年11月1日(金)より全国ロードショー公開! テレビドラマ×ネット配信ドラマ×映画がクロスオーバーする形で展開される青春映画『ブラック校則』。 主演には人気アイドルグルー …

ヒューマンドラマ映画

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』感想評価と考察解説。実話として描かれた世界滅亡を未然に防いだ1人のサラリーマン

映画『クーリエ:最高機密の運び屋』は、2021年9月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開! べネディクト・カンバーバッチ主演で贈る実録スパイ・サスペンス『クーリエ:最高機密の運び屋』 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学