映画『大阪カジノ』は、2024年4月20日(土)〜 4月26日(金)新宿K’s cinemaで都内独占公開!
実話をもとに、“カジノ王”になる夢を掲げ、逆境にもめげずに夢に向かって突き進んでいく男の姿を描いたヒューマンドラマ。
監督を務めたのは、『大阪外道 OSAKA VIOLENCE』(2012)、『コントロール・オブ・バイオレンス』(2015)など大阪を舞台にアウトローな映画を手がけてきた石原貴洋監督。
主人公・杉村を演じたのは、『コントロール・オブ・バイオレンス』(2015)、『大阪蛇道 Snake of Violence』(2015)と石原貴洋監督作品で、殺し屋などを演じてきた木原勝利。
保険の営業の仕事をしていた杉村は、いつかカジノ王になるという夢を抱き、破産寸前の父親のパチンコ店を引き継ぎます。
しかし、請求書の山を前に資金繰りに悩みながらもパチンコ店を立ち直し、会社をさらなる成長へと導いていきます。
逆境にも負けず夢を追い続ける杉村が目指す先にあるものとは……。
映画『大阪カジノ』の作品情報
【日本公開】
2024年(日本映画)
【監督、脚本】
石原貴洋
【キャスト】
木原勝利、大宮将司、橘さり、海道力也、藍海斗、堀江祐未、平宅亮、北野寛大、鍋海光、川上茉緒、岡祈里、福山俊朗、パラゴンつよし、ひとみちゃん、白澤康宏、片山大輔、沖一文字、赤田健、森澤琉球王
【作品概要】
裏社会を描いてきた石原貴洋監督が、実在の人物への取材をもとに逆境に負けない男のヒューマンドラマを描き出しました。本作は、石原貴洋監督初の実話ベースの映画となりました。
主人公・杉村を演じたのは、『コントロール・オブ・バイオレンス』(2015)、『大阪蛇道 Snake of Violence』(2015)と石原貴洋監督作品に出演してきた木原勝利。
杉村の相棒となる垣内には、『ミは未来のミ』(2020)、『餓鬼が笑う』(2022)の大宮将司が演じました。
映画『大阪カジノ』のあらすじ
保険の営業の仕事をしている杉村(木原勝利)は、倒産しかけている父親のパチンコ店を引き継ぐ決意をします。
しかし、請求書の山に頭を抱え、銀行に融資を頼もうとするも相手にされず、どうにも首が回らないなか、折れずに立ち向かっていきます。
杉村の心意気に惚れ込んだ垣内は、杉村の片腕となり杉村の経営を支えます。そして何とかパチンコ店を立て直した杉村は、さらに事業を成功させるべく画期的な経営に乗り出していきます。
“カジノ王になる”という夢を追い続ける杉村を呆れながらも支える妻の存在。杉村の夢の向かう先とは……。
映画『大阪カジノ』の感想と評価
あなたの夢は何ですか?その夢を叶えるためにあなたは何をしますか?
そう聞かれて答えられるでしょうか。夢を語るのは恥ずかしい、どうせ叶わない、現実を見るようになる——といった風潮が現代には蔓延っているように思われます。
そしてそのような風潮から、夢を語る人に対する冷笑も蔓延っています。そんななか、本作の主人公・杉村はどこまでも真っ直ぐに自分の夢を語ります。
しかし、それが一筋縄ではいかないことも承知です。覚悟して借金まみれの倒産しかけている父親のパチンコ屋を継ぐことを決意します。
請求書の山、お金も借りることができず、首が回らず何度も折れそうになっても頭を下げ続け、地道に実績を重ねていきました。それは並大抵のことではないでしょう。
杉村が乗り越えられたのは、支え続けた妻、そして子供たちの存在が大きかったからでしょう。家族皆が路頭に迷うかもしれない杉村の選択を妻は受け入れ、やってみてダメだったらその時は夢を諦めることを条件に、貯金を使うことも承諾します。
妻は杉村の夢を信じ、支えること選びました。その真っ直ぐな信頼が杉村が折れずに頑張っていこうと思えた原動力となっていったのです。杉村1人で成し得られたことではなく、家族が杉村を信じ、その信頼のためにもと頑張った結果なのです。
子供たちも店に泊まり込みで働く杉村に弁当を持っていきます。疲れ果てた父を目にして心配したり、父と一緒に過ごせないことで寂しさも感じていたでしょう。それでも子供ながらに父を応援した子供たち。
さらに杉村を支えとなったのは、垣内の存在でしょう。どうせ潰れると仕事に対するやる気を失っていた垣内でしたが、杉村の賭けに乗り負けたことで杉村についていくことを決意します。
杉村がパチンコ店の建て直しに成功し、その後事業を拡大させていっても変わらず右腕として支え続けた垣内。そこまでついていこうと思えたのは、杉村の初心を忘れず、失敗を恐れずに突き進む姿勢に惚れ込んでいたのでしょう。
本作は、杉村が父親のパチンコ店を建て直し、さらに事業を拡大させていく様子を段階的に映し出していきます。
人は成功すると金銭感覚が変わったり、部下に対する態度が変わってしまうこともあります。しかし、杉村はどこまでも変わりません。質素な暮らしで自分は何も求めず、ここまで来れたのはお客様のおかげだとお客様ファーストの姿勢を崩しません。
そしてクレームなどにも真摯に対応し、頭を下げることを厭いません。部下に対しても真っ直ぐで、妥協をしません。
ブレることのない芯の強さと、失敗を恐れずに時には賭けに出る肝の据わった杉村の姿は、どこか眩しく、ついていきたいと思うのも頷けます。
そのような人間味溢れる杉村のキャラクター像は、綿密なインタビューをもとにしているため、説得力があります。綺麗ごとだと冷笑させないリアルさがそこにあるのです。
まとめ
実在の人物をモデルに、カジノ王になる夢を追いかけた男を描く映画『大阪カジノ』。
ドキュメンタリーのような要素もありつつも、本作は大阪を舞台にアウトローな男たちを描いてきた石原貴洋監督らしい男たちのドラマや、容赦ない現実も描き出しています。
それだけでなく、アウトローな男たちの登場や、家族の絆、お客様との絆などグッとくる深みのあるドラマになっています。
パチンコなどギャンブルは良くないものという風潮もあるなか、夢を与える仕事だと誇りを持って働く人々の姿も描かれます。
日々に忙殺され、何のために働いているのだろうか、本当にしたいことだろうかと悩んでいる人もいるかもしれません。
夢を追うこと自体が馬鹿げていると思われがちな現代だからこそ真っ直ぐに夢を追う杉村のような存在が必要なのかもしれません。
そして映画はまさに人々に夢を与えてくれるものだということを再認識させられます。