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ロシア映画『ラブレス』あらすじとキャスト。公開日と上映館も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

ロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の『ラブレス』は、4月7日(土)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー

カンヌ国際映画祭審査員特別賞や数々の映画祭で賞賛を受けた『ラブレス』は、米国アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされています。

今回は映画ツウ必見の『ラブレス』をご紹介します。


© 2017 NON-STOP PRODUCTIONS-WHY NOT PRODUCTIONS
 

1.映画『ラブレス』の作品情報

【公開】
2018年(ロシア・フランス・ドイツ・ベルギー合作映画)

【原題】
Nelyubov

【脚本・監督】
アンドレイ・ズビャギンツェフ

【キャスト】
マルヤーナ・スピバク、アレクセイ・ロズィン

【作品概要】
『父、帰る』や『裁かれるは善人のみ』など、数々の映画祭で高く評価されたロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督作品。

失踪してしまった息子の行方を身勝手な両親の姿を描いたサスペンスドラマ。第70回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しました。

2.映画『ラブレス』のあらすじ


© 2017 NON-STOP PRODUCTIONS-WHY NOT PRODUCTIONS

一流企業に勤めるボリスと、美容院を経営するイニヤの夫婦は、離婚の協議。

すでに彼らには、それぞれ別々のパートナーがいて新たな生活を一刻も早く送りたいと、互いの縁を切ることを望んでいます。

そんな2人には12歳の息子アレクセイがいました。

しかし、どちらも新生活を前に子どもの存在を必要としておらず、どちらが引き取るか激しい罵り合いのなか、アレクセイを押し付け合っていました。

翌朝、学校に向かったはずであった息子アレクセイの行方不明になり、ボリスとイニヤは自分たちの未来のためにアレクセイを探しますが…。

3.アンドレイ・ズビャギンツェフ監督のプロフィール

関連映画:長編初監督作品『父、帰る』予告編

アンドレイ・ペトローヴィチ・ズビャギンツェフ(Андрей Петрович Звягинцев)は、1964年2月6日に旧ソ連のノヴォシビルスクで生まれの国内外で広く知られたロシアの映画監督です。

1984年に地元の演劇学校を卒業後、地方の劇場で舞台俳優として活動を続けてきました。

その後1986年にモスクワに移住。映画出演のためにいくつものオーディションを受けますが、テレビなどのエキストラ俳優の仕事しか得ることができませんでした。

しかし、友人の紹介もあり2000年にテレビシリーズ『Чёрная комната»』の1話の演出を担当。その才能がが高く評価されことをきっかけにチャンスを広げていきます。

2003年に初めての長編映画『父、帰る』を発表すると、第60回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞とルイジ・デ・ラウレンティス賞を獲得します。

関連映画『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』予告編

2007年にはウィリアム・サローヤンの原作を映画化した第2作目『ヴェラの祈り』は、第60回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されます。

この作品でアレックス役を演じたコンスタンチン・ラヴロネンコは、同映画祭男優賞を受賞します。

ちなみにコンスタンチンは前作『父、帰る』の父親役も演じていましたね。

2011年に第3作目となる『エレナの惑い』は、第64回カンヌ国際映画祭のある視点部門で審査員特別賞を見事に獲得。

アンドレイ監督はこの作品ではナジェジダ・マルキナとアンドレイ・スミルノフが共演させ、女優ナジェジダが男尊女卑のロシアで必死にもがくエレナ役を熱演させて描ききりました。

2014年には第4作品となる『裁かれるは善人のみ』を発表すると、第67回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞しました。

またアンドレイ監督はこの作品で第72回ゴールデングローブ賞の外国語映画賞を受賞しています。第87回米国アカデミー賞の外国語映画賞でもノミネートをはたしてもいます。

アンドレイ・ズビャギンツェフ監督のフィルモグラフィ

『父、帰る(Возвращение)』(2003)
『ヴェラの祈り(Изгнание)』(2007)
『エレナの惑い(Елена)』(2011)
『裁かれるは善人のみ(Левиафан)』(2014年)
『ラブレス(Нелюбовь)』(2017)
*長編のみ記載

3.『ラブレス』の公開される劇場は

北海道・東北地区

北海道 札幌シアターキノ(4月7日(土)〜)

関東・甲信越地区

東京 新宿バルト9(4月7日(土)〜)
東京 ヒューマントラストシネマ有楽町(4月7日(土)〜)
東京 YEBISU GARDEN CINEMA(4月7日(土)〜)
東京 T・ジョイPRINCE品川(4月7日(土)〜)

神奈川 横浜ブルク13(4月7日(土)〜)
神奈川 川崎チネチッタ(4月7日(土)〜)

中部・北陸地区

愛知 伏見ミリオン座(4月7日(土)〜)

近畿地区

大阪 梅田ブルク7(4月7日(土)〜)
大阪 シネマート心斎橋(4月7日(土)〜)

京都 T・ジョイ京都(4月7日(土)〜)

兵庫 シネ・リーブル神戸(4月7日(土)〜)

九州・沖縄地区

福岡 T・ジョイ博多(4月7日(土)〜)

*記載された上映館は1月30日現在のものです。近くにある劇場をお探しの際は、『ラブレス』の公式ホームページでご確認の上お出かけください。
*公式HP:http://loveless-movie.jp

まとめ

演出を手掛けたアンドレイ・ズビャギンツェフ監督は、長編映画デビュー作の『父、帰る』以来、その繊細で情緒豊かな描写と登場人物の生きる力強さを映像に収めてきました。

また彼の行動は映画制作にとどまらず、ロシア映画界の育成にも努め牽引しています。

本作『ラブレス』は、失踪した息子アレクセイの行方を追う身勝手な両親の姿を美しいまでに冷ややかに見つめた作品で、すでに第70回カンヌ国際映画祭でも審査員賞を受賞しています。

さらにサスペンスドラマの『ラブレス』は、アメリカ現地時間の1月23日に本年度の第90回アカデミー賞の外国映画賞にノミネートされています。

注目の受賞の結果は、3月4日(現地時間)に行われるアカデミー賞授賞式で発表されます。

映画『ラブレス』は、4月7日(土)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー。

ぜひ、お見逃しなく!

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