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Entry 2019/10/07
Update

映画『喝 風太郎!!』感想とレビュー評価。市原隼人が原作者・本宮ひろ志のメッセージを忠実に体現!

  • Writer :
  • 桂伸也

映画『喝風太郎!!』は2019年11月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国ロードショー!

漫画家・本宮ひろ志の隠れた名作を、市原隼人主演により映画化。破天荒ながら真実を貫く一人の僧侶が、日本社会にはびこる様々な矛盾、そしてその矛盾に悩む人たちに「喝」を与えていく姿を描きます。

本作で監督を務めたのは、長編デビュー作『あいが、そいで、こい』に続き、本作が2作目の等辺作品となる柴田啓佑監督。

キャストには型破りな僧侶役を務める市原のほかに、僧侶の相棒的な存在となる青年役を「仮面ライダーアマゾンズ」シリーズなどの藤田富が担当。

そのほか映画、テレビでバイプレーヤーとして活動、高い評価を受けている近藤芳正、『たまえのスーパーはらわた』などの工藤綾乃、『64 -ロクヨン-』『DESTINY 鎌倉ものがたり』などの鶴田真由らが出演を果たしています。

映画『喝風太郎!!』の作品情報


(c)本宮ひろ志/集英社 (c)2019 浜友商事株式会社

【日本公開】
2019年(日本映画)

【監督】
柴田啓佑

【キャスト】
市原隼人、藤田富、工藤綾乃、二ノ宮隆太郎、木村知貴、藤代太一、吉岡そんれい、板野友美、鶴田真由、近藤芳正、麿赤兒

【作品概要】

漫画家、本宮ひろ志が2013年より『グランドジャンプ』で掲載した連載漫画をベースに、破天荒ながら真実を貫く一人の僧侶・風太郎が道行く中で様々な人と出会い、ともに悩みに向き合っていく姿を描いたヒューマンドラマ。

長編デビュー作『あいが、そいで、こい』を手掛けた柴田啓佑監督が本作を手掛けます。

キャストには市原のほかに、『仮面ライダーアマゾンズ』シリーズなどの藤田富、バイプレーヤーとして高い評価を受けている近藤芳正、『たまえのスーパーはらわた』などの工藤綾乃、『64 -ロクヨン-』『DESTINY 鎌倉ものがたり』などの鶴田真由らが出演。さらに二ノ宮隆太郎、吉岡そんれい、板野友美、麿赤児ら個性派役者たちが脇を固めます。

映画『喝風太郎!!』のあらすじ


(c)本宮ひろ志/集英社 (c)2019 浜友商事株式会社

とある山寺。みんなから厄介者扱いされていた僧侶・風太郎(市原隼人)でしたが、寺の大僧正(麿赤児)だけは彼を認めていました。

そんなある日、新たな修行のために風太郎は山を下りることに。そして町中で幸運グッズと称したインチキ商品を売り歩く一人の男・健司(藤田富)と出会います。

風太郎の人間性に魅力を感じた健司は、悩み相談を引き受ける商売を発案。その顧客第一号として自分を虐げる家族や会社の上司の軋轢に悩む会社員の末吉(近藤芳正)を見つけ、悩み相談話を風太郎に持ち掛けます。

常識では考えられない言動と行動を見せる風太郎らに振り回される末吉でしたが、二人と行動をともにしていく中で末吉は自身のある一つの思いに気づいていくのですが…。

映画『喝風太郎!!』の感想と評価

漫画の世界を独自に解釈


(c)本宮ひろ志/集英社 (c)2019 浜友商事株式会社

非常にインパクトのある画風で、多くの漫画ファンに鮮烈な印象を残し続けている本宮ひろ志の作品。

1960~70年代に執筆した『男一匹ガキ大将』『硬派銀次郎』などは、荒々しい男のイメージを前面に打ち出した作風が強い印象を見せ、多くのファンを作り出す要因となりました。

『喝風太郎!!』という作品は、年代的にはもっと新しい時代の作品でありますが、ある意味主人公の持つ破天荒さとその周りで起きるハチャメチャな展開は、ある意味過去の作品から受け継がれているようにも感じられます。

その意味で本宮ひろ志作品を映像化するということは、近年の漫画原作の映像化でよく見られる「どれだけリアルさを追求できるか」といった観点の評価とは、別の尺度で測られる要素を持った作品作りを目指す必要があります。

近年公開された本宮ひろ志作品の映像化作品といえば、やはり、テレビドラマ化および映画化された『サラリーマン金太郎』が筆頭に挙げられるでしょう。

作品では暴走族上がりという破天荒な主人公・金太郎を、高橋克典が男らしくもちょっとクールなイメージに描きましたが、その金太郎のカリスマ的な存在感がうまく表現され、作品も高い評価を得ました。


(c)本宮ひろ志/集英社 (c)2019 浜友商事株式会社

その意味では、リアリティだけを追究するよりも作品の本質をどのように据えるかに重点を置き、それに向けて要所で原作ファンのツボを押さえた作品を考えるという手法は、こういった本宮ひろ志作品のような作風の映像化には有効でもあるようです。

本作『喝風太郎!!』は原作をベースに、もともと原作に書かれていたエピソードもところどころ拾いながら、一方で新たなエピソードをちりばめて組み合わせて作られた作品であり、微視的に見ると原作そのものとは印象も違うものであります。

それでもこの作品を『喝風太郎!!』というタイトルにしておかしくないと思わせる要因としては、その風貌のイメージでまさに風太郎を表現している市原隼人の存在感と、本宮ひろ志作品を徹底的に見つめ描かれた脚本のプロットがあったからといえるでしょう。

市原が務める主役の風太郎は、破天荒という意味では、原作ではかなり暴れまわるような、手の付けられない人間であるイメージがあります。対して市原は、破天荒な面もありながらどちらかというと自分から前に出るタイプではない、少しクールな印象を持ったキャラクターとして演じています。

また劇中のエピソードは、原作が連載された時代そのままではずれが生じるため、敢えて新たなものを中心に置いたエピソードとして描かれており、さらにその展開にも一ひねり、二ひねりと一筋縄ではいかない展開となっており、「いかにリアルにできるか」という観点とは全く違ったポイントの見どころを作り上げられており、見ごたえのある作品に仕上がっています。

まとめ


(c)本宮ひろ志/集英社 (c)2019 浜友商事株式会社

原作の何を視点として表現すべきかを、しっかりと突き詰めて表現された本作『喝風太郎!!』。

市原演じる「風太郎」のビジュアルイメージだけを見ると、作品に対して「似ているかどうか」の物議が勃発することは避けられないところかもしれません。

しかし、作品全体を見ると、印象も大きく変わってくることでしょう。「その手があったか」と思われる大胆な展開が随所に見られる一方で、本作が本宮ひろ志原作の映像化というテーマがある上で現実と妄想的表現のギリギリの境を狙った作風であり、奇抜さに埋もれず訴える部分を大切にしている作品であると印象付けられるでしょう。

その意味では、オリジナルな作風でも、原作で描かれたメッセージを忠実に再現しているともいえます。

映画『喝風太郎!!』は2019年11月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国公開されます!


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