短篇映画『学校の中のシマウマたち』がYouTubeにて無料公開中!
「2分の1成人式」や「子どもの権利条約」をテーマにした子ども向け短編映画『学校の中のシマウマたち』がYouTubeにて無料公開中です。
数々のコンクールで受賞を重ねてきた相馬雄太が監督を務めます。2分の1成人式をすると傷つく人がいるということを知ってほしいという思いから製作されました。
キャストは山内秀一、平野翔大、土岐田育。脚本・演出を勤めたのは相馬雄太監督。『学校の中のシマウマたち』の作品解説を交えてご紹介します。
CONTENTS
映画『学校の中のシマウマたち』の作品情報
【配信】
2022年(日本映画)
【監督・脚本】
相馬雄太
【出演】
山内秀一、平野翔大、土岐田育、岩松れい子、布谷昌巳、森田このみ、ウンパルンパ、小早川俊輔、重松俊吾、最賀煌、AOI、柴原彩羽、松島碧海、増田真大
【作品概要】
2021年から短編映画監督に挑戦し、「STARDUST DIRECTORS film fes. 2022 グランプリ」をはじめ「29thキネコ国際映画祭」「那須国際短編映画祭」などで入選を果たしている相馬雄太が監督・脚本を務めています。
「2分の1成人式」や「子どもの権利条約」をテーマに、子どもたちの気持ちに大人たちが寄り添い、彼らの権利を尊重する大切さについて教えられる短編映画です。
2分の1成人式を行うことで傷つく人がいるということをみんなにも知ってほしいという思いが詰まっています。子どもたちの純粋なやさしさに心打たれる作品です。
出演は山内秀一、平野翔大、土岐田育。
相馬雄太(そうまゆうた)監督プロフィール
千葉県習志野市出身。自身も役者として活動する映画監督。
「子どもと社会問題」をテーマに映画をつくり、2作目にあたる『ぼくときみの小さな勇気』がSTARDUST DIRECTORS film fes. 2022でグランプリにあたるSTARDUST賞を受賞、29thキネコ国際映画祭で入選するなど多くの国内映画祭で入選・入賞している。
資料映像『ぼくときみの小さな勇気』のメイキング映像
映画『学校の中のシマウマたち』のあらすじ
「2分の1成人式」を来月に控えた4年2組は、両親への感謝の手紙を書くなどの準備に取り掛かっていました。
盛り上がるクラスメイトをよそに、児童養護施設で暮らす日向は式を迎えることが憂鬱でした。彼には両親がいなかったからです。
元気のない日向を心配する良介。日向の辛い気持ちを聞いた良介は先生に相談しますが…。
映画『学校の中のシマウマたち』の感想と評価
子どもの言葉に耳を傾ける大切さ
大人が作った社会で苦しみ悩む子どもたちの声に耳を傾ける大切さについて教えられる作品です。
日本弁護士連合会が基本的人権の尊重をテーマに実施した「2021第2回憲法動画コンテスト」で金賞を受賞するなど、人権問題に目を向けてきた相馬雄太監督が、「子どもの権利条約」をテーマに本作を生み出しました。
現代社会では子どもを取り巻く環境が大きく変化しています。離婚率が高くなったことを背景に片親のもとで育つ子は決して少なくありません。また、虐待や家庭不和、病気、養子、親戚宅で養育されているなど、知られたくない事情を抱えた家庭も数多く存在します。
「父の日参観」や「父兄会」という言葉はほとんど使われなくなりましたが、学校行事はいまだ父母の揃った家庭を中心にした古い体制のままの面が多いように感じられます。
ここ数年で現れ、あっという間に定着した学校行事「2分の1成人式」は典型的な例でしょう。
本作に登場する4年生の少年・日向は児童養護施設で育ち、両親がいません。そんな彼に「両親への感謝の手紙」を書かせる乱暴さには唖然とするばかりですが、これだけ全国的に根付いた行事である以上、決して架空の話ではありません。
教育者の年代には古い家庭の価値観の中で育った人が多いことも、学校体制がなかなか変わらない理由の一つと言えるでしょう。
その点、子どもたちはまさに「今」を生きている当人であり、さまざまな家庭環境の中で育った友だちを身近に見ています。
子どものことをよくわかっているのは子ども。彼らの方が、他者の思いを察する力を持っており、想像する大切さを肌でわかっているに違いありません。
子どもたちから自然にあふれ出たやさしさや思いやりに思わずぐっと涙がこみあげます。胸を打つ温かな作品です。
まとめ
「2分の1成人式」という行事を前に苦悩する養護施設に暮らす少年と、彼のクラスメイト、担任教師の心の交流を描く『学校の中のシマウマたち』。
辛い立場にある人を思いやる心の大切さと共に、「子ども」の気持ちに「大人」が寄り添い、彼らの権利を尊重する必要性を強く訴える作品です。
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