Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2017/11/05
Update

ジョニー・デップ映画『ネバーランド』あらすじネタバレ結末と感想評価。ピーターパンの原作本を書いた際の背後にあったエピソードとは?

  • Writer :
  • spygame

マーク・フォースター監督とジョニー・デップで描いた映画『ネバーランド』

世界中で数多くの人たちに今も愛されている「ピーター・パン」の物語。

この物語が生まれるきっかけになった実話を背景に、夢見ることの大切さと想像の翼を大きく広げていくことを教えてくれる感動の映画が『ネバーランド』です。

本作を見終わった後、心が温かい涙で包まれるでしょう。

名優の共演でジョニー・デップほか、ケイト・ウィンスレットとダスティン・ホフマンが脇を固める名演技も楽しめる、映画『ネバーランド』をご紹介します。

1.映画『ネバーランド』の作品情報


MiramaxFilms/FilmColony/Photofest/MediaVastJapan

【公開】
2005年(アメリカ・イギリス合作映画)

【原題】
Finding Neverland

【監督】
マーク・フォースター

【キャスト】
ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン、ジュリー・クリスティ、フレディ・ハイモア

【作品概要】
夢見る心を持ち続ける劇作家のジェームズ・マシュー・バリと父親を亡くして心に深い傷を負った少年ピーターが出会い、世界中で愛される「ピーター・パン」の物語が生まれるまでを丁寧に描いた作品。

監督は『チョコレート』でハル・ベリーにアカデミー主演女優賞をもたらしたマーク・フォースター。音楽を担当したヤン・A・P・カチュマレクは米国アカデミー作曲賞受賞しました。

2.映画『ネバーランド』のあらすじとネタバレ


MiramaxFilms/FilmColony/Photofest/MediaVastJapan

1903年のイギリス・ロンドン。夢見る心と少年のような純粋な心を持ち続ける劇作家のジェームズ・マシュー・バリは新作舞台が上演されたものの、観客の心をつかむことができず、翌日の新聞でも評論家たちから酷評されてしまいます。

そんな彼はロンドンにあるケンジントン公園に出掛けていきます。そこで夫を亡くし、4人の息子たちと一緒にいるシルヴィアに出会います。

バリは少年の心を持っていることから彼女の子供たちとすぐに仲良くなるのですが、たった1人だけ心を閉ざした男の子がいました。

彼の名前はピーターです。父親を亡くしたことで心に深い傷を負い、心を閉ざしてしまったのです。

ピーターにバリは夢見ることの大切さ、そして想像の翼を大きく広げていくことを教えます。

バリは公園でシルヴィアと彼女の4人の子供たちと凧揚げをしたり、シルヴィアの家の庭で「カウボーイとインディアンごっこ」をしたりします。

またバリは別荘にシルヴィアと子供たちを連れていき、「海賊ごっこ」をして交流を深めていきます。

少しずつピーターも閉ざしていた心を開き始めていき、バリから勧められて自分で物語を書いていくのです。

子供たちとの交流を通して、バリは失いかけていた創作への熱い思いを取り戻して、永遠に歳を取らない少年を主人公にした物語を書いていきます。

その物語の主人公にピーターの名前を使うことに決めたのです。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ネバーランド』ネタバレ・結末の記載がございます。『ネバーランド』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
バリは物語を完成させて、その物語は「ピーター・パン」という舞台劇になった上演されます。1904年12月27日です。

この舞台は大成功となり、バリは劇作家として再び注目を浴びるようになります。

ですが、ピーターたち4人の子供たちに悲しいできごとが起こります。それは彼らの母親であるシルヴィアが病気で亡くなってしまうのです。

シルヴィアの葬儀に参列してから、バリは公園に向かっていきます。そこにあるベンチにはピーターがいました。立ち上がったピーターに座るようにバリは言います。

母親を亡くしたピーターは目に涙を浮かべています。ピーターの手には自分で書いた物語があります。

「どのページにも君のお母さんがいるよ。彼女はネバーランドに行ったんだよ。いつでも行くことができるよ。信じることで」と言って、バリはピーターを優しく抱きしめます。

3.映画『ネバーランド』の感想と評価


MiramaxFilms/FilmColony/Photofest/MediaVastJapan

映画館で予告編を見ただけで涙があふれてきました。

「ピーター・パン」の物語が誕生することになった背景には劇作家バリと心に傷を負った少年の出会いがあったことを初めて知りました。

そしてこれが実話であることも初めて知りました。

大人になっていくにつれて忘れてしまった夢見る心と想像の翼を広げていくことの大切さを思い出させてくれました。

映画でジョニー・デップが演じた劇作家のように、ノートと万年筆で物語を書いていきたいと思いました。

特に公園の木の下でアイディアを万年筆でノートに書き留めていくシーンが大好きです。劇作家になった気分でした。

見るたびにハンカチで涙を拭いています。心が本当に温かい涙で包まれます。

まとめ


MiramaxFilms/FilmColony/Photofest/MediaVastJapan

夢見ることの大切さを見るたびに思い出すことができる感動的な映画です。

ジョニー・デップ演じる劇作家のバリが創作への熱い思いを取り戻して、「ピーター・パン」の物語を書いていく過程が興味深いです。

この作品では、ジョニー・デップの新たな魅力を知ることができ、スコットランドなまりの英語を身につけ、優しくて気品のある紳士になりきっています。

また、ケイト・ウィンスレット、ジュリー・クリスティ、ダスティン・ホフマンというアカデミー賞に輝いた共演者が映画に花を添えています。

映画を見る時はハンカチを用意して下さい。

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『前科者』ネタバレあらすじ感想と結末ラスト解説。有村架純と森田剛で魅せる“保護司の愛”

有村架純が保護司を熱演する『前科者』 罪を犯した前科者たちの更生、社会復帰を目指して奮闘する保護司の姿を描いた漫画(原作・香川まさひと/作画・月島冬二)『前科者』が映画化されました。 『あゝ、荒野』( …

ヒューマンドラマ映画

映画『ラビング 愛という名前のふたり』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

ただ一緒にいて普通の生活がしたいだけなのに…。ある夫婦の切なる願いは、アメリカの法律を変えることができるのか?! 実話から生まれた感動の物語です。 CONTENTS映画『ラビング 愛という名のふたり』 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】海の上のピアニスト|あらすじ結末感想と評価考察。船を降りない理由は何/なぜ?も解説《ティム・ロス代表作》

海に人生を捧げた奇跡のピアニストの物語 『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)の名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、豪華客船で生まれ育ち一度も船を降りなかったピアニストの生涯を描いた『海の上のピア …

ヒューマンドラマ映画

映画『1987、ある闘いの真実』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

1987年.翌年にオリンピック開催を控える韓国で、拷問により一人の大学生が死んだ…。 国民が独裁国家と闘った韓国民主化闘争の実話を映画化! 韓国映画『1987、ある闘いの真実』をご紹介します。 CON …

ヒューマンドラマ映画

映画『漂流ポスト』あらすじ感想と評価解説。震災から10年“一歩踏み出すことが忘れることになりそうで怖い” 色褪せて行くことへの「罪悪感」

東日本大震災から10年。 あの人に伝えたい想いを手紙にして。 「手紙を書くことで心に閉じ込められた悲しみが少しでも和らぎ、新たな一歩を踏み出す助けになるなら」。 東日本大震災で亡くなった人への想いを受 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学