Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/11/03
Update

ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。|あらすじネタバレと感想。鯨のまち太地町への愛に満ちた作品

  • Writer :
  • 松川準輝

連続テレビドラマ小説『とと姉ちゃん』や映画『空飛ぶタイヤ』に出演した矢野聖人が主人公太一役を演じ、映画初主演作となる『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』

クジラの町、和歌山県太地町での全編オールロケで撮影を敢行!クジラ博物館を舞台に、「へこたれない、だって、夢がある。」をキャッチコピーに、若者たち飼育員やそこに務める人の葛藤や成長を描いた感動作です。

人手不足のため東京からやってきたピンチヒッターの飼育員に、ドラマ『ワカコ酒』などの武田梨奈が共演を務めます。またの良き同僚で良き理解者には、物語の舞台になった和歌山県出身のタレント・女優の岡本玲。

クジラ博物館の館長役には鶴見辰吾と町長役には近藤芳正と豪華なキャスト陣も見どころ。

スポンサーリンク

映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』の作品情報


(C)2018映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
藤原知之

【脚本】
菊池誠

【キャスト】
矢野聖人、武田梨奈、岡本玲、末野卓磨、秋吉織栄、長濱慎、葉山昴、斉藤佑介、彩羽、ねりお弘晃、すわいつ郎、高山璃子、飯田祐真、松永有紗、丹羽紀元、宮島小百合、柳橋さやか、木元としひろ、本谷紗紀、清水理子、山本瑠香、相沢まき、近藤芳正、鶴見辰吾

【作品概要】
和歌山県の太地町立くじらの博物館を舞台に、クジラを飼育し愛する青年の姿と、博物館を盛り上げようとする人たちの奮闘を描いたヒューマンドラマ。

主人公の太一役を映画初主演となる矢野聖人が演じ、武田梨奈、岡本玲、近藤芳正、鶴見辰吾らが脇を固めています。

映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』あらすじとネタバレ


(C)2018映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」製作委員会

海に面した和歌山県太地町にあるクジラしかいない、くじらの博物館。そこで働く鯨井太一は、変わった性格ゆえか、あまり職場に馴染めずにいました。

そんななか年々来客が減り、激務ゆえ退職するする者も多い現状を打破するために、館長の冨樫は周りのスタッフの反感を買いながらも、クジラのことを一番に考えてる太一を飼育係のリーダーに任命します。

任命された太一は、リーダーとしての行動を果たそうとします。

東京からやってきたピンチヒッターの白石唯や、くじらの博物館に務める学芸員の間柴望たちと協力していきますが、なかなか現状は良くなるばかりか、悪くなる一方でした。

太一がいつも通り作業をしていると、そこに非番のはずのバイトの女の子がやってきます。

休みなのになぜと困惑する太一に、「地元を盛り上げたいから」と笑う女の子。

太一は、その盛り上げたいの一言で、自分がクジラを好きになった時の気持ちを皆に届けたいと、スタッフで手作りのクジラ祭りを思いつきます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』ネタバレ・結末の記載がございます。『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク


(C)2018映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」製作委員会

さっそく企画を考えた太一。

望美には子どもからお年寄りまで踊れてクジラのことが詳しくなるダンスを作ってほしいと伝えます。また唯には、クジラのショーでサーフィンをして欲しいと要望します。

この提案に対し2人は困惑してしまいますが、太一の熱意に根負けし承諾。その場にいた先輩たちも見守って応援すると言ってくれました。

次の日、企画書を館長に提出する3人は、そこで驚きの事実を知ります。なんと、あの応援すると言ってくれた先輩が昨日付けで退職していたんです。

事実を受け入れられない太一が急いで先輩の家に向かうと、そこには書き置きが置いてあり、「太一のおかげで新しい人生が進めるという」と、メッセージが書いてありました。

この事態に唯や望美は泣いてはいられないと、太一を励まして、一層クジラ祭りを成功させようと士気をあげました。

しかし、士気をあげたものの、唯のサーフィンは一向に上達せず、成功する気配がありません。

そんな折、ベテラントレーナーの1人が唯の元にやってきます。

トレーナーの隣には、千葉の水族館の支配人の姿があり、唯に移籍しないかと引き抜きの提案をしてきました。

断る唯に対し支配人は、唯の夢である日本一のトレーナーになるには、千葉の水族館で働いた方が良いと告げます。

自身の夢とくじら祭りの成功の間で揺れる唯。そんな彼女に対して、夢を叶えるために行くべきだというスタンスを取る太一。

唯が抜けた後は、自分がサーフィンに挑戦することを館長に告げると、その時、望美が館長室に走ってきます。

プールに来て欲しいと告げる望美。急いで行くとそこにはサーフィンを練習する唯の姿があり、ここで逃げたら日本一になれないと唯は太一に話します。

その一言を聞いた太一は、唯の思いに満面の笑みを浮かべました。

一方で望美のダンスの振り付けも、取材に来ていたテレビスタッフの協力もあり、だんだんと仕上がっていき、くじら館全体が祭りに向けて動き出して行くようになります。

しかし、そんな折に悪い知らせが届きます。反捕鯨団体が町内に来たという知らせです。

祭りを中止した方が良いかもしれないという館長に対し、太一は少し時間をくださいと懇願します。

望美や唯、そして取材に来てたテレビスタッフたちにどうするのかと尋ねられた太一は、いろんな立場を理解した上で、この太地町がクジラとどう関わっって来たか見せたいと、中止する選択肢はないことを伝えました。

唯も望美も強い共有意識を感じた祭り当日。

そこにはテレビでの告知を見た人や、引き抜かれたベテラントレーナー、そして太一たちを応援してくれると言った先輩の姿がありました。

まず、最初に望美たちが作ったクジラ体操「クジラップ」を披露。緊張しながらも一生懸命に歌って踊りきり、場内はお年寄りから子どもまで楽しんでくれて大成功を納めます。

そして、残りは唯のくじらサーフィン。彼女は今までのトレーニングの成果を発揮し、見事に成功に納めると、会場からは大きな拍手が湧きあがります。

太一が発案したくじら祭りは、こうして大成功を納めます。

その後、祭りが終わり、クジラのトレーニングをしてる太一をみながら談笑する唯たち。そこで唯は東京の水族館に戻ることにしたと告げます。

やがて時は流れ、唯が東京に戻る日。最後の挨拶を館長に済ませますが、そこには太一の姿がありません。

太一はいつも通り、クジラのとこにいました。ですが、いつもクジラの前で浮かべる笑顔とはまるで違う表情でした。

唯と別れると、僕の心が壊れそうと告げる太一。これを聞いた唯も今まで我慢していた涙がこぼれ落ちそうになります。

太一を後ろから優しく抱きしめる唯。

「しっかりしろ鯨井太一、大きなクジラを買うんだろう、君ならできる」と、唯は太一にエールを送りその場から去ります。

それを聞いた太一は海に飛び込み、笑顔で唯とお別れました。

スポンサーリンク

映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでる。』の感想と評価


(C)2018映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」製作委員会

2018年11月3日、東京池袋にあるシネ・リーブルの初回上映後、矢野聖人をはじめ、岡本玲を含むメインキャストが初日舞台挨拶に登壇しました。

まず始めに藤原知之監督は、この映画のクジラのショーのシーンや、クジラの餌を作ったりするシーンは吹き替えではなく、ほとんど役者が自分自身で行なっていたものだと明かします。

撮影がクランク・インする一ヶ月前から出演者を含めて一緒に合宿をしながら、博物館の仕事を手伝い、ショーの訓練も行なったそうです。

武田梨奈さんの最後のシーンも実写なのかと驚いてしまいました。

ここで働く職員たちは、本当に激務だそうで、その忙しい最中に役者たちにもトレーニングを教えてくれたそうです。

トレーニングについて代表して質問に答えていた矢野聖人は、「クジラに不安が伝わってしまうといけないから、自信をもってやるようにした」と語っていました。

どうやら自信なくやっているとクジラに伝わってしまうようです。劇中の役者たちは堂々と指示をクジラに出していたこともあり、本当のトレーナーに見えました。

しかし、ウラ話を明かすと矢野聖人と武田梨奈はカナヅチなのだそうです。そうは見えないよう自信タップリに演じ切った2人に感服ですね。

岡本玲は、ところどころで方言を劇中で披露していて、それが凄く自然体な方言だと感じました。

それもそのはず、岡本玲は和歌山県出身であり、地元が映画の舞台になったことで思い出が深い作品になったと語っていました。

さて、矢野聖人にとっては初の主演作ということで、その気持ちはと尋ねられると、「20代のうちに主演を務めたかったので夢が叶ってよかった」と語っていました。

矢野聖人が演じた太一というキャラクターは、本当に頼りない人物で、物語の主人公がこれで大丈夫かとはじめは心配になったのですが、映画中盤あたりにクジラ祭りを発案してからは、頼もしさを発揮。

主人公を熱演する矢野聖人にとても惹きつけられ魅せられました。

どんな困難がきても優しく受け止め自身で解決しようとしていく太一だからこそ、唯や望美の気持ちを引っ張っていけた終盤の展開に繋がったのでしょう。

今後もいろんな作品で活躍するだろう矢野聖人に注目ですね。

さて、他の俳優に目を向けると、館長役を務めた鶴見辰吾は、昔、和歌山に映画の撮影に訪れたことがあったらしく、すごい懐かしい気持ちになったと語っています。

彼もまた映画で立派なキーマンとなっています。

さらには町長を演じる近藤芳正の場面を見ると、本作が若者の成長のみを描いた映画ではないと気が付かされます。

藤原知之監督は、本作『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』を鑑賞した方が、どのような町が舞台なのかと気になったら、ぜひ和歌山まで行って見て欲しいと語っていました。

そこまでスタッフやキャストが惚れ込んでいないと、劇中にあったような良いシーンは撮れないのだろうと納得の場面も多かったです。

和歌山県太地町への愛を感じる作品になってますよ!

まとめ


(C)2018映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」製作委員会

矢野聖人の初主演映画『ボクはボク、クジラはクジラで泳いでる』は、若者たちが自身の夢に向かって必死に挑戦する姿の熱が周りに伝わり、最終的には多くの心まで動かす物語です。

老若男女が楽しめて、心がほっこり温まる作品になっています。

最後に、武田梨奈が舞台挨拶で語ったことで、良いなあと感じた言葉を一つ。

映画が映画館で生きれる時間は短い

正しくその通りで、毎週毎週いろいろなスクリーンで映画が公開され千秋楽の上映を終える作品もあります。

だからこそ、今、本作をスクリーンで見にいって欲しいオススメの映画です。ぜひ、ご覧ください!


(C)2018映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」製作委員会

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『ハナレイ・ベイ』あらすじとキャスト。吉田羊の演技力が母親サチを可能にする

村上春樹の短編小説『ハナレイ・ベイ』を、映画『トイレのピエタ』や『オトトキ』の松永大司監督が映画化。 キャストに母親サチ役を吉田羊が演じ、息子タカシ役に佐野玲於(GENERATIONS from EX …

ヒューマンドラマ映画

映画『パリに見出されたピアニスト』あらすじネタバレと感想。音楽を通して世界に踏み出す勇気

パリ、北駅に置かれた1台のピアノ。 そこから天才ピアニストは生まれた。 生い立ちに恵まれず、路地裏で暮らしてきた青年が、ピアノの才能を見出され、ピアニストとして成長していくサクセスストーリー。 ラフマ …

ヒューマンドラマ映画

映画『シリアにて』ネタバレ感想と解説。戦地が泥沼化する状態を女性の視点で描く

戦地シリア。窓の外は死の世界でアパートの一室に身を寄せる家族とその隣人を女性の視点から描く。 映画『シリアにて』は、激化するシリアで、アパートの一室をシェルター代わりにして身を寄せ合う家族とその隣人を …

ヒューマンドラマ映画

A24映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』あらすじネタバレと感想。タルボットとフェイルズからの地元へのラブストーリー

A24映画『ラスト・ブラック・マン・イン・サンフランシスコ』をいち早く紹介! 映画『ラスト・ブラック・マン・イン・サンフランシスコ(原題:The Last Black Man in San Franc …

ヒューマンドラマ映画

石原裕次郎創刊第1弾『嵐を呼ぶ男』7/13発売!あらすじやDVDも

全93作品を網羅!『石原裕次郎シアターDVDコレクション』7月13日(木)創刊! 昭和のビッグスターとしてタフガイと呼ばれた石原裕次郎。 裕次郎映画の名作・傑作をDVDとマガジンで! 全号をそろえると …

U-NEXT
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【Cinemarche】今週のおすすめ映画情報
凱里(かいり)ブルース|2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー予定!
映画『異端の鳥』2020年10月9日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開
映画『朝が来る』2020年10月23日(金)より全国公開
ドラマ『そして、ユリコは一人になった』
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学
国内ドラマ情報サイトDRAMAP