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映画『エヴァの告白』ネタバレ感想と評価。動画無料視聴方法も

  • Writer :
  • 山田苺

マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーのら大物キャストで捉えた悲劇的ドラマ『エヴァの告白』

希望を抱いて新天地アメリカへと渡った移民の女性が、避けて通ることが出来なかった過酷な運命に翻弄されるだけでなく、生きるためにある罪を犯してしまうという、ヘヴィーな内容を描いた作品となっております。

1.映画『エヴァの告白』の作品情報


(C)2013 Wild Bunch S.A. and Worldview Entertainment Holdings LLC

【公開】
2014年(アメリカ・フランス映画合作)

【原題】
The Immigrant

【監督】
ジェームズ・グレイ

【キャスト】
マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナー、アンジェラ・サラフィアン

【作品概要】
1921年のアメリカへ、ポーランドから移住してきたエヴァと妹ですが、妹の病気が原因で入国できず隔離され、エヴァ自身も不当な理由で入国拒否されてしまいます。

そこへエヴァの美貌にほれ込んだ男・ブルーノが助け舟を出し、無事入国できますが、彼はエヴァのような移民の娘に売春させる仕事を生業としている人物でした。

売春婦になってしまったエヴァですが、マジシャンのオーランドが好意を寄せているのを知ると、彼に助けを求めますが、それが更なる不幸を招いてしまい…。

ブラッド・ピット率いる映画製作会社PLAN Bプロデュースのもとで製作された、あの『インディー・ジョーンズ』のモデルになった伝説の探検家を描いた『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』を控えている、ジェームズ・グレイが監督・脚本を務めまています。

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2.映画『エヴァの告白』のあらすじとネタバレ


(C)2013 Wild Bunch S.A. and Worldview Entertainment Holdings LLC

1921年、ニューヨークのエリス島。

ここではアメリカへの入国手続を待つ多くの人たちが、並び審査の順番を待っています。

エヴァとその妹は、ポーランドからはるばるアメリカまでやってきましたが、妹は肺炎と感染症と言われ、エヴァと引き離されてしまいます。

妹は半年拘置され、それで病が治らなければ強制送還されてしまいます。

エヴァは審査で自身は外交官の看護師で、叔母に会いにきたと説明するも、情報が明確でない上に、彼女の素行も問題視され送還が言い渡されます。

そんな時、旅行者援助会を名乗るブルーノという男が現れ、エヴァに話しかけると、彼女は助けを求めます。

ブルーノはエヴァの話を聞くと、強制送還を免れるために自分の元で働けばいいと提案し、エヴァと用意してあった船に乗ります。

当てがないエヴァにブルーノは、母子同伴といえる隣家に滞在するよう手配するのでした。

しかし、翌日になると、妹が結核と診断された電報が届きます。彼女を引き取りたいエヴァですが、それには費用が必要でした。

そこでブルーノは、自身のコネを使って、エヴァに劇場のお針子仕事を世話します。

劇場に向かう前に共同風呂に入りますが、そこには彼女と同じような境遇の女性が沢山いました。

かくいうエヴァも、ポーランドで両親が目の前で襲撃で首を切られるという、暗い過去を抱えていました。

そんなエヴァを、ブルーノは抱きしめようとしますが、エヴァはとっさに拒否してしまいます。

するとブルーノは、面倒を見ている自分に対しての態度に激怒すると、ブルーノは劇場のお針子を辞めて、彼女も踊り子として働くようにと言い放ちます。

エヴァは泣きながらお金を返して謝りますが、チョイと言う芸名を与えられ、次の日から踊り子として出演することになりました。

彼女の意に反して、観客からはエヴァの美貌に賞賛の声が上がります。

あるとき、洋服点の店主の息子・レオを、エヴァの手で「男にして欲しい」と、ブルーノに依頼が入ります。

大金を用意されるも、まだエヴァが見習いであることを考え、ブルーノは一度待って欲しいと店主に頼みます。

ところが、エヴァは酒を飲んで酔っ払ってしまったうえに、気絶してしまいます。

彼女は別室で目が覚めると、別室で寝かされているだけでなく、すぐそばではレオが彼女に触れようとしているところでした。

拒絶するエヴァに、ブルーノは妹を助けるためには必要なことだと説得し、レオはを「男」にしてやります。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『エヴァの告白』ネタバレ・結末の記載がございます。『エヴァの告白』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
ブルーノにレストランへつれられるエヴァですが、自分を娼婦にしたブルーノと、それを受け入れてしまった自分を許せないでいました。

そんなエヴァに、ブルーノは嫌いにならないで欲しいと、愛をささやきながら頼み込みます。

その日の夜、エヴァは当初の目的でもあった、叔母に会いに行くためメモを頼りに家を訪ねます。

無事、再会を果たす2人ですが、叔父が入国審査のあるエリス島に迎え意に来ていたと知り、エヴァは困惑しますが、それ以上に叔母との再会を喜びました。

叔母の家で一泊すると、エヴァは警官に取り囲まれていました。

叔父が、エリス島でのエヴァの素行を耳にしていたので、自分の体裁を守るために警察に通報していたのでした。

叔母は叔父を非難していましたが、そんな声を聞き入ることはありませんでした。

結局エヴァは、エリス島に交流されてしまい、そこにいる妹とも会うことは無理だと言い渡されます。

唯一の方法は、慰問ショーが行われる際に、そこで会うことが出来るかもしれないと教えられると、エヴァは聖母マリアに、妹に会えるよう祈ります。

しかし、慰問ショーに妹の姿はありません。

拘置中のエヴァを迎えに来たのはブルーノでした。

他に頼りの無い彼女は、もっとお金を稼がせてくれないと、違法な営業をしていることを警察に通報すると脅します。

ブルーノは脅しとも取らず、笑顔でエヴァの頼みを聞き入れます。

こうして娼婦として働くことになったエヴァは、次第にチップを貰えるまでになります。

ブルーノから給料を受け取るために、劇場へ向かうと、舞台では慰問ショーでマジックを披露していた男・オーランドが客を前にマジックを披露していました。

オーランドのを見入っているエヴァと、彼女に惹かれているように見えるオーランド。

その様子にブルーノの表情は強張ります。

オーランドはエヴァをステージに上がらせると、寄った客からブーイングがあがり、仕舞いにはエヴァを貶すような言葉まで投げつけてきます。

エヴァを傷つけらるのは見ていられないブルーノは、彼女をステージに上げたオーランドが元凶だと主張し、彼を殴りつけます。

2人は喧嘩に発展し、見かねた劇場のオーナーは激怒。ブルーノは娼婦を連れて劇場を飛び出していきました。

エヴァを含む娼婦達は、路上で商売をすることになってしまいます。

あるとき、エヴァは少年と部屋を訪れると、そこにオーランドが現れます。彼は少年にお金を払って、エヴァを呼びつけたのでした。

彼は劇場で起きたことを謝罪し、彼女が娼婦であることを見下したりはしませんでした。

エヴァはオーランドに心を許してきますが、少年から受け取ったお金が偽物だと、ブルーノに勘付かれてしまいます。

駆けつけたブルーノの前にはエヴァとオーランドがおり、エヴァを退出させると、2度彼女に近づかないよう刃物で脅します。

それを見たエヴァは、急いで警察を呼びに行きます。

結局オーランドは釈放され、ブルーノ明日まで交流されるなど、エヴァが来てから何もかも変わってしまったと、娼婦達はエヴァを責め立てます。

オーランドは、エヴァを全米ツアーに誘いますが、妹の件もあり断ります。

翌日釈放されたブルーノは、オーランドに恋人を奪われた過去から、彼には近づかないよう、銃の手入れをしながらエヴァに警告します。

エヴァは告解室で移民船の中で男達に乱暴されたこと、ブルーノの気持ちを知りながら、それを利用しお金を稼いでいることを懺悔します。

ブルーノは告解室の外から、エヴァの告白を聞いていました。

興行主と衝突し、ツアーが中止になったオーランドが戻ってくると、エヴァはブルーノが銃を持っていると警告します。

すると、外出していたブルーノが戻ってきて、エヴァに妹とあえるよう手配すると約束してきます。

しかしそこに、警告したはずのオーランドが、銃を持って2人の前に現れます。

エヴァを解放しろと要求するオーランドは引き金を引きますが、弾はこめられていませんでした。

身の危険を感じたブルーノは、それに関わらず、オーランドを刺してしまい、その様子を他の娼婦が覗き見しています。

翌日、娼婦はエヴァを犯人だと警察に通報し、ブルーノはエヴァを地下水路に隠します。

そこを警察に捕まったブルーノは袋叩きにあってしまいます。

逃げ切ったエヴァは、叔母に似度と会わないのを条件にお金を借り、エリス島へ向かいます。

妹を待つ間、エヴァはブルーの殻カリフォルニア行きの切符を受け取ります。

警官に目を付けらているブルーノが、彼女にしてあげられるのはここまででした。

感謝の言葉を述べるエヴァに、ブルーノはエヴァを始めは商売目的で声をかけたことを告白します。

そして自分は好きになった人さえも商売に利用するような屑なのだ言うと、エヴァはブルーノを抱きしめます。

エヴァは妹と共にボートに乗って去っていき、ブルーノは見送った後、1人去っていくのでした。

3.映画『エヴァの告白』の感想と評価

非常に魅力的な女優でありながら、一方で幸薄な役をやらせても素晴らしいマリオン・コティヤールですが、今作ではその魅力が総決算といわんばかりの、不運のオンパレードを巻き起こしています

他人を利用して自分の目的を成し遂げようとする姿は、言い方が非常に悪いですが、2015年に日本公開された『サンドラの週末』に似ている気もします。

あのときのマリオン・コティヤールも幸が薄いのなんの…。

ブルーノ役のホアキン・フェニックスは、一時期引退という名のドッキリをしてから復帰後1年経った作品に、非常にシリアスな役を演じております。

およそ数年前には、ラッパーに転進したかと思えば、活動内容といったらキレ芸か脱糞という、壮大なギャグをかましていた男とは思えません・・・(詳しくは『容疑者、ホアキン・フェニックス』で検索)

あまりにも徹底した悲劇の連鎖に度肝を抜かれると同時に、逆にこれで全てが報われてハッピーエンドになんかなった日には、一気に駄作の烙印が押されるほどの展開だったので、脱線せずに描ききった監督には拍手を送りたいです。

まとめ

どちらかというと、ビジュアルでトラウマを植えつけるような映画とは違い、きちんと時代背景も、人物描写も描いた上で描いた今作は、いわば上質な欝映画といえるかもしれません。

パンチは弱い分、後に引くタイプのストーリー、ついつい感情移入してテンションガチ下げ必須ですが、人は誰でもそのような作品を見たい気分なときが必ずあると思います。そんなときには是非見て欲しい作品です!

(ただ、こういう作品でマリオン・コティヤールを見るたび、リュック・ベンソンの『TAXi』シリーズの彼女が恋しくなるのが本心だったり…)

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